今日はこの話題です。

3月12日、韓国を訪れていた外務省の斎木昭隆事務次官は、韓国外務省の趙太庸第一次官と、ソウルでおよそ3時間会談し、今月下旬、オランダのハーグでの「核安全保障サミット」でアメリカのオバマ大統領を仲介役に安倍総理と朴槿惠大統領との日米韓首脳会談開催の可能性について協議した。
韓国は今月6日に、外務省の小野啓一北東アジア課長と韓国外務省の金起弘東北アジア1課長が、韓国・光州で、非公開の官民政策対話の席で話しているのだけれど、韓国は、日米韓3ヶ国の首脳会談について「日本政府がまず従軍慰安婦問題など歴史問題で韓国国民が納得できる措置を取らなければならない。それなしに安倍晋三首相と握手はできない」と否定的な認識を示していた。ゆえに、日米韓3ヶ国の首脳会談の実現性については疑問視されていた。
会談で、韓国の趙第一次官が日本側に対し、両国関係回復の前提条件として、歴史問題で韓国国民が理解できる措置を示すよう促したのに対して、斎木事務次官は両国が基本的な価値と利益を共有する国であることを強調し、関係回復の必要性をあらためて訴え、韓国側が求めた歴史認識問題については、安倍内閣は歴代内閣の立場を継承しているとの従来の姿勢を繰り返し説明したのみで、特に韓国に「手土産」を持っていったわけではないようだ。
齋木次官は12、13日と韓国には一泊二日の滞在予定だったのだけれど、会談後に予定されていた晩餐会は中止。斎木次官は、「ウクライナ情勢」を理由に帰国した。これらから考えると、会談は物別れに終わったものと思われる。
趙第一次官は、会談前に記者団に対し、「首脳会談をしないというわけではない。…朴槿恵大統領も、実りのある会談にしなければならないと話していた。そう信じられるようになればできるのではないか。…正しい歴史認識が両国関係の礎」と強調していたところをみると、日本から次官がやってくるということで、なんらかの「手土産」を期待していたのかもしれない。でなければ、憎っくき日本の使者に対して、わざわざ"晩餐会"なんてセットしない筈。
ここにきて、日韓首脳会談から日米韓の3ヶ国首脳会談の話が出てきたのかについてだけど、政府関係者によると、「日韓なら歴史認識の話になるが、米国が入れば違う話題ができる」ということのようだ。
日韓で懸案事項になっている従軍慰安婦問題に絡んで、日本政府は「河野談話」の検証を行おうとしているけれど、それに対して、駐日アメリカ大使館の幹部が「検証結果を公表すれば日韓関係が悪化する。…4月の日米首脳会談で歴史認識が焦点となることは避けるべき」などと、非公式に強い懸念を総理官邸側に伝えていたことが伝えられている。
この駐日アメリカ大使館の懸念がいつ官邸に伝えられたのかは分からないけれど、3月10日、菅官房長官は記者会見で河野談話について「見直すことは考えていない」と明言。続いて「擦り合わせが行われたのではないかとの証言があったので極秘チームで行っていく。国会から要請があれば提出する」と、検証作業は続ける考えを示した。
すると、この菅官房長官の発言に対して、アメリカ国務省のサキ報道官は10日の記者会見で、「前向きな一歩だと感じている。…われわれは近隣諸国との関係強化に資するやり方で過去に起因する問題に取り組むよう日本の指導者に促していく」とほぼ間髪入れずに評価する発言をしている。
3月7日、ウクライナ問題を巡って、日米電話首脳会談が行われたけれど、その席には、齋木事務次官も同席していた。もしもそこで、日韓関係の改善や日米韓の3ヶ国首脳会談についても話し合われたのだとするならば、菅官房長官の「河野談話見直さない」発言や、それを即座に評価したサキ報道官の発言も、日米が互いに示し合わせた上での"連携プレー"のようにも見えなくはない。
仮に、、齋木事務次官の訪韓が、この連携プレーの上で行われたとするならば、韓国側との協議での齋木事務次官の発言は日米両国の意向を汲んだものであったということになる。それなのに協議が喧嘩別れで終わったとすると、韓国は日米の両国の意向をまるっきり受け付けなかったことになる。
筆者は、「河野談話で倍返しだ」のエントリーでも指摘しているけれど、たとえ河野談話の見直しを行わなくても、その検証作業を通じて、談話作成のデタラメ振りを明らかにすることで、河野談話のもつ意味合いが「謝罪」から「善意」へと180度逆転すると考えている。
昨年末、南スーダンに派遣されている自衛隊が、韓国軍からの要請をうけて弾薬一万発を譲渡したことがあったけれど、河野談話が、韓国政府の要請をうけて、"元慰安婦"の証言を聞き、裏付けのないまま作成したもので、しかも韓国側の添削を受けていたとなると、構図的には、南スーダンでの弾薬供与のケースと殆ど同じではないかとさえ思う。
南スーダンでの弾薬供与については、韓国は日本に感謝の言葉を述べるどころか、「助けたことは忘れろという言葉がある」と逆切れして日本批判をする始末。
この韓国の恩知らず振り、嘘つきぶりは、世界中に発信されたけれど、これと同じ構図を慰安婦問題でも作り出せれば、日本の勝ち。おそらく、検証結果を踏まえ、河野談話は"謝罪"の談話ではなく"善意"の談話だった、という「菅談話」あたりを出すことになるのではないかと見る。
ただ、こちらの慰安婦問題は、韓国の政府を挙げた宣伝、ロビー活動が世界にかなり浸透しているのが現実。グレンデール市のナントカ像などはその最たるもの。長年日本がこの問題を放置したツケは大きい。まずは、河野談話の検証を進め、その意味合いを逆転させることから始めるしかないだろう。
この記事へのコメント
泣き虫ウンモ
河野を呼び出して、本心をさらけ出してもらうほうがいいかもしれない。
責任を本人がとるのは、間違いない筋でしょうね。
まぁ、本人が責任を取るつもりが無いと思うので、本人を追い詰める方策をとるしかないでしょうね。
本人のためにもなるし、日本のためにもなりますね。
opara
内容に関する検証及びプロパガンダに対する反論については、韓国を見習って、きちんとした(政府内)独立組織を作り、国家予算を付けて、少なくとも今後10年間は(とくにオリンピックまでは集中的に)継続する必要があるでしょう。
◇【討論!】朝鮮半島はいったいどうなっているのか?[桜H26/3/8]
http://www.youtube.com/watch?v=1utUQ4G30Fo
http://www.youtube.com/watch?v=YYtCPNmoN58
http://www.youtube.com/watch?v=E2zT8EDU-_s
おそらくオバマ政権が続く限りは、日中関係と同様に、日韓関係についても現状維持を要求するだけで、アメリ
almanos
sdi
なぜなら
・河野談話が、日本政府の要人の公式発言として発表された経緯を検証する。
・河野談話に書かれている内容が、史実だったかどうか検証する
と二つの意味があると思います。この二つの内容をごっちやにしたまま進めると、後々に尾を引くように思えてならないのです。反日及び反安倍政権プロパガンダの材料を敵(国内国外両方)に与える危険性を伴うわけです。特に国内の連中は「私は公平に物事を言ってる」というふりをしているから始末に悪い。
「河野談話の再検証」はかまいませんが、具体的に「何に対して」「どのような手法で」「どこまでの範囲を」「誰がやる」をはっきり明言して、敵に付け入られる隙を与えないようにしないといけません。それでなくてもプロパガンダ戦では遅れを取っているのですから。
旧字体でカタカナ記述の日本語文書と漢字混じりのハングル文字で書かれた韓国語文書の両方を読める極東アジア諸国と全く関係性を持たない研究者がいたら是非ともスカウトしたいところですが、あまりに非現実的な条件に溜息しかでません。
白なまず
字幕【テキサス親父】竹島は日本の領土・証拠と韓国の無礼・慰安
http://www.youtube.com/watch?v=jrBWODKBsew
いえもん