「2ちゃんねる」の「転載禁止」騒動とニューズ・ソムリエ

 
超多忙モードにつき、超々簡単に…

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大手掲示板「2ちゃんねる」の複数の板が「転載禁止」の方針を打ち出したことで、ちょっとした騒ぎになっている。

こちらにその経緯が纏められているのだけれど、問題の背景には、正にその2ちゃんねるへの書き込みをもとに作られる「まとめサイト」ということのようだ。

まとめサイトは、2ちゃんねるへの投稿内容を整理したもので、ネットではそこら中に溢れているのだけれど、その読みやすさから、ネットユーザーのアクセスを集めている。無論アクセスの多さから、アフィリエイトを貼りまくって、それなりの収入を得ているところも沢山ある。

ただ、その一方、様々なコンテンツの無断転載や、裏が取れているとも限らない情報も一緒くたに纏められてしまうこともままあり、実際いくつかのサイトで問題になったことがあったようだ。

これは、筆者の印象なんだけれど、まとめサイトは、ある意味ではマスコミと似た部分がある。それは、個々人の書き込みという一次情報を、運営側の判断で取捨選択されるということ。

まとめサイトは文字どおり、雑多な書き込みを「まとめ」たものだから、ノイズや余分な情報は切り落とさなくちゃいけない。その切り落としの作業に、運営側の主観なり、価値観なり何らかの判断が入ることは避けられない。昨今、マスコミが「報道しない自由」と揶揄、批判されるのと同じように「まとめに入れない自由」も存在する。

また、だからといって、まとめサイトではなくて、引用元の掲示板に書きこまれた"一次情報"を全てを読んでみたとしても、その奥には、意見はあっても書き込みしない人がいる。以前「ステマと1%の常連」のエントリーで、ベル研究所の調査で、ユーザーの90%は読むだけで自ら書き込むことは決してないという所謂「90:9:1の法則」を取り上げたことがあったけれど、一次情報が集まる掲示板とはいえ、それが全体の10%程度に過ぎず、残り90%が水面下にあるということを見ても、掲示板が完璧ではないことは明らか。

だから、まとめサイトだから、それですべてだというわけではなくて、その中から、本人が如何に有益な情報を掴みだし、正しい判断に繋げられるかということだと思う。勿論、正しい判断とは正しい情報を得て初めて下せるものだから、その意味では、如何に"正しい情報ソース"をもっているかが、その成否を大きく左右することは間違いない。

まとめサイトなんて、ただ纏めているだけじゃないかと思う人もいるかもしれないけれど、結構その運営も大変なようで、こちらの記事では、「最近ではイメージを気にし過ぎるあまり、まとめるスレを選ぶのに迷い過ぎて現状、スレ(ネタ)探しと1日3記事更新で9時間以上かけることがほぼ毎日となっていました」という状態らしい。

もちろん、全てのまとめサイトがこうだとは思わないけれど、毎日ブログ更新を続けている筆者の少ない経験の中からみても、その大変さはよく分かる。

筆者の場合は、毎日のネタ探しもさることながら、テーマが見つかったあとの情報集めとその精度確認に相当な時間を費やしていることは確か。一度集めた情報も記事にせずに寝かせておくこともしばしばで、寝かせることで情報が"発酵"するのを待ったり、他の記事でその裏が取れるまで待つこともよくある。だから、巷で人気の話題であっても、即時にエントリーできないことも多かったりする。正直、時事問題を扱うブログで、これは不利に働くことは否めない。

近々では、ウクライナ問題関連のエントリーも、情報が錯綜しすぎて、中々記事にできなかった。他のブロガー諸氏がどんどんエントリーするのを横目で見ながら、じっと待っていたのが現実。大分遅れてようやく最近エントリーできるようになってはきたのだけれど…。

情報化が進んで、情報量が爆発的に増えれば増えるほど、それに伴って、ノイズや雑情報が増えるのは避けられない。だからこそ、情報の大海の中で、如何に自分にとって"大切な"情報を見抜く眼力と、またそれを提供するブログなりサイトなりを得ていくことが非常に重要になるのではないかと思う。

自分のおすすめの本や料理を紹介するサイトは数あれど、相手の好みを把握した上で、それに沿った情報を提供するところは、まだそれほどないようにも思われる。

もしかしたら、今後はそういう、個々人にとって"有益なサイト"、或いは本人の好みにあった"読みたい記事"を、ソムリエばりに選びだして紹介する商売、「ニューズ・ソムリエ」なんかが出てくるのかもしれない。




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この記事へのコメント

  • 泣き虫ウンモ

    思想や信条、あるいは信仰告白や支持政党を明かしてくれれば、読者は迷うことはない。
    日本の場合は、そういうものを隠してやる場合が多いので、非常に分かりずらいし、世界標準ではないような気がしますね。
    もう少し、正々堂々と自己主張できる文化をつくりたいですね。
    時代の特有さなのかもしれませんが、正直ではなく日本人とは思えません。
    2015年08月10日 15:21
  • ポール

    「ニューズ・ソムリエ」

    言い得て妙な言葉ですね。
    私は政治経済ほか人文系のことはからっきしなので「ニューズ・ソムリエ」がいてくれると助かります。
    2015年08月10日 15:21

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