今日はこの話題です。
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3月5日、韓国の尹炳世外相は、スイス・ジュネーブでの第25回国連人権理事会の基調演説で、日本が河野談話の再検証に向けた動きや桜田義孝文部科学省副大臣が「慰安婦の強制動員は捏造された事実」と発言をしたことについて「歴史的真実に背を向けた、反人道的、反倫理的な行動だ。 過去20年間、国連の組織が日本政府に対し求めてきたことに真っ向から挑戦するものだ」と批判し、慰安婦問題を「忘れられたホロコースト」「日本帝国主義の軍隊によって徴集された戦時性的奴隷の被害者」などど主張した。
韓国が自分の言い分をいうのは勝手だけれど、それにしても慰安婦問題を「忘れられたホロコースト」というのは乱暴を通り越して無茶苦茶。
ホロコーストとはギリシャ語の「ホロス(全て)」と「コーストス(燃やす)」から来た言葉で「火に焼かれた生贄」が元々の意味。それが17世紀末には「大虐殺、皆殺し」を意味するようになり、現在では、ナチス・ドイツによる、600万人のユダヤ人を中心とした大量虐殺をあらわす言葉とされている。
だから、慰安婦問題がホロコーストなのであれば、明確な意図の元に、彼女らは「皆殺し」されていなければならない。もちろん、そんな事実も証拠もない。そんな虐殺があったのなら、もっと大騒ぎになっている。
3月6日、菅官房長官は、この尹炳世外相の演説について「極めて残念だ」と語り、「同じ人権理事会の場で日本時間の今晩、わが国の立場を改めて表明して反論したい」と、反論の意思を示し、同日夜には、ジュネーブの国際機関代表部の岡田隆大使が人権理事会で反論している。
岡田大使は、「日本政府の立場は一貫しており、談話そのものを見直すと発言したことはない。…いわゆる慰安婦の問題について、個人の請求は、関係国との間で法的に解決済みであり、日韓の間の財産請求権の問題も完全に解決済みだ」として、韓国を批判。更に、「日本政府は21世紀にこれ以上、女性の尊厳と基本的人権が侵されることがないよう最大限努める」との安倍総理の声明を読み上げた。
これについては、3月3日、菅官房長官が記者会見で、河野談話の継承と検証との間には矛盾があるのではないかと質問されたのだけれど、菅官房長官は矛盾は全くないとした上で「石原氏は韓国に配慮する形ですり合わせが行われたのではないかと推測した。どのような形で行われたかどうかを含め、さすがに検証する必要がある」としている。
政府は、河野談話を踏襲した上で、談話の作成過程を検証するという一見曖昧にみえる立場を取っているのだけれど、これによって、河野談話の"性質"が変わる可能性がある。
つまり、河野談話作成の経緯を再検証する中で、その中身が、裏付けのない証言を元にしたものであり、韓国との合意のもとで作成された"作文"であることが明らかになれば、その瞬間、河野談話は「謝罪と賠償」の談話から「善意と援助」の談話へと変わる。その意味が逆転する。
菅官房長官も、会見の中で、石原元官房副長官が「日本の善意が生かされなかったのは残念だ」と述べたことも取り上げている。その辺りをみると、政府は河野談話を再検証することで、その意味合いを180度逆転させ、日本の外交カードにしようとしているのではないか。河野談話を逆手にとる作戦。
まぁ、韓国は絶対認めないだろうけれど、もしこの「河野談話で倍返しだ作戦」が成功すれば、相当大きな成果になる。その成否は、世界がそれを認めるかどうか。
先の韓国の尹炳世外相の「慰安婦はホロコーストだ」発言は、国連の人権委員会でのものだけれど、韓国は慰安婦問題を人権問題にして、日本を攻撃しているけれど、尹炳世外相はその根拠にひとつに、クマラスワミ報告を挙げている。
クマラスワミ報告とは、正式には「戦時における軍の性奴隷制度問題に関して 戦時における軍の性奴隷制度問題に関して、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国及び日本への訪問調査に基づく報告書」といい、1996年、スリランカ人の特別報告官ラディカ・クマラスワミ氏によって、国連人権委員会に提出されたもの
その全文はこちらにあるのだけれど、もう題名から分かるとおり、慰安婦を「性奴隷」だと位置付けて報告している。
このクマラスワミ報告書が国連人権委員会に提出された当時、外務省はその採択前に、40ページにわたる反論文書を提出したらしいのだけれどその後撤回。改めて「女性に対する暴力及びいわゆる「従軍慰安婦」問題に関する日本政府の施策」という文書を提出している。
なぜ当時の政府が文書を差し替えたのかについて、自民党の片山さつき議員が2012年に質問主意書を出しているのだけれど、その回答は、それぞれの文書を国連に提出したというばかりで、なぜ差し替えたのか、或いはなぜ二つの文書を提出したのかについては、触れておらず、答えになってない。
こちらのサイトでは、1996年5月7日の参議院法務委員会での本岡昭次参院議員の質問と政府側答弁を取り上げているのだけれど、その中で本岡議員が次のように述べている。次に引用する。
○本岡昭次君:…そこで、この文書を私は日本語に訳された文を読んだんですが、これは大変なんですよ。このクマラスワミ報告を拒否せよ拒否せよというのが三回も書いてあって、特に私は唖然としたのは、「実際には特別報告者の議論は恣意的で根拠のない国際法の「解釈」にもとずく政治的発言である。」と書いてある。「国際社会がこのような議論を受け入れるならば、国際社会における法の支配にたいする重大な侵害となるであろう。」、どういうことですか。ここまで書かにゃいけなかったんですか。と、最初の反論文書では、クマラスワミ報告書は恣意的で根拠のない国際法の「解釈」にもとずく政治的発言だとし、拒否すべきだ、としている。だけど、この肝心の反論文書は非公開になっている。
そして、結論として、「そこで人権委員会が、事実の不正確な記述と国際法の間違った解釈に基づく「法的」議論を提起しているこの追加文書を拒否し、また「慰安婦」問題と女性にたいする暴力一般の問題について日本がとった行動を適切に認めることを繰り返し強く希望する。」という文書を事前に配付したんですよ。
そして、国連に配付した文書は全然そういうところがない。全部削除されてしまって、国民基金でやりますからどうぞ日本を認めてくださいというような文書になってくるわけなんですね。
それで、そうすると日本政府は、ここに書いてあるように、クマラスワミ女史が一応調査をしてそして公式に人権委員会に出した、附属文書であっても公式の文書ですね、その文書を政治的発言というふうに決めつけて、そしてこれを受け入れたら「国際社会における法の支配にたいする重大な侵害となるであろう。」と言ったんですよ。
それで、これが留意であろうと何であろうと、テークノートという言葉の解釈は私もいろいろ調べましたから後でやりますけれども、一応それは記録にするにしろ留意するにしろどんな言葉にしろ、消すことのできないものとして国連の中に残ったわけでしょう。そのことに対して日本が今言いましたように議論を展開したという、このことは消せないでしょう、これ。
何カ国にもお渡しになったんですよ、二国間というけれども、こんな文書を。これ責任は重大ですよ。私の言っていることに間違いありますか。
河野談話の再検証によって、それが作文であることが明らかになったとしても、韓国はそれを認めず、このクマラスワミ報告書を盾にしてくる可能性は十分にある。日本政府は、このクマラスワミ報告書に対する最初の反論文書の公開も含めて、更なる論戦の準備を検討すべきではないかと思う。
この記事へのコメント
じゅん
20代不動産投資から不動産王への道程
http://active-landlord.seesaa.net/category/14401060-1.html
が当方ブログのURLになりますので、ご検討の程宜しくお願いします!良いお返事お待ちしております。
almanos
ななし
そもそも親韓政党自民党に何を期待してるのか。あの民主党ですら竹島単独提訴を検討したというのに、自民党は検討すらしません。自民党は50年以上竹島を放置してきた政党です。竹島式典の政府主催も、全くする気はありません。
どうの河野
「善意と援助」のにするには当事者が主張するよりもマスコミが仕掛けるほうが効果はありそうですね。
現在、朝日が安倍政権のネガティブキャンペーンで使っているマッチポンプ手法です。
特定秘密法案批判、安倍政権は危険、報道のたぐいです。
政府が河野談話は韓国に配慮した談話、強制連行の事実はなかった、性奴隷ではなかった、20万人は学徒動員数の間違いである。と発表の後、NHKのあたりが「特集、河野談話を検証する」とかしてほしいです。
朝日が贖罪を兼ねてするのが一番なのですが無理ですね。
それと売春行為の摘発に力をs入れ現在の慰安婦の人権に配慮していることをアピールすることですね。
白なまず
泣き虫ウンモ
譲歩しても、それ自体が質ですからね。
今回は、段階論は通用しないと考えたほうがいいと思いますが。
もちろん、中韓だけではなく肝心の米国世論もそうだと思います。