韓国旅客船「セウォル号」沈没事故について

 
今日は感想エントリーです。

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落ち着くまで取り上げる積りはなかったのですけれども、少しも落ち着きそうにない韓国フェリー転覆事故。このまま落ち着くまで待っていると、落ち着いた頃にはエントリーする気がなくなっていそうなので、一旦ここでエントリーさせていただきます。

韓国旅客船「セウォル号」沈没事故から早や4日経過しましたけれども、依然として救助活動は捗っていません。

沈没原因については、既に色んな情報が飛び交っていますけれども、一言でいえば「人災」ということになるのだろうと思います。

事故当時、セウォル号が遅れを取り戻そうと、航路を外れ、ショートカットしてしたこと、座礁直前に全速力の19ノットで急旋回していたことなどなど、数え上げればキリがありません、

救助活動も、効果的な活動が行われているように見えません。船内に空気を送ろうと持ち出してきたホースの径が1.9センチしかないなど、洗濯機のホースレベルのもので何をしようというのでしょう。行き当たりばったりにも程があります。

また、韓国海軍は2010年の天安艦沈没事件を受けて、1590億ウォンを投じて、水深90mで救助任務を支援できる"最先端"の3500トン級水上救助艦を建造しています。

この救助艦は、水中の物体探索のためのサイドスキャンソナーと水中無人探査機を搭載し、水中3000メートルまでのナビゲーションが可能で、ヘリコプター1機が着艦可能な飛行甲板も設置していて、航空ナビゲーションと負傷者の救急搬送をサポートできるというものです。

この船は2012年9月に進水していますので、艤装から就航の期間を考えても、2014年の4月であれば、頑張ればなんとかなりそうなものなのですけれども、今回の事故には投入されていません。

金民錫国防部報道官によると、一部の装備・音波探知装備・水中ロボット機器が、計画された性能を出すことができるのか、海軍がまだ確認していない状況だということで、進水後、1年7カ月が過ぎても海軍が装備の点検もしなかったとはどういうことだと批判が出ているようです。

一部には、装備を一括で揃える金がなくて、個別に少しづつ揃えて確認しているために、まだまだ全然実戦投入できるレベルになってないという指摘もありますけれども、確かにその可能性はなくもありません。

それ以前に、少しも進まない救助活動を見ていると、もしかしたら、韓国は、そもそも海難救助のノウハウ自体十分に持っていないのかもしれません。けれども、それならそれで、ノウハウのある他国の支援を乞うべきでしょう。事実、日本の海保が16日の段階で、韓国の海洋警察庁に救助活動の支援を申し出ていました。にも関わらず、韓国側はこれを辞退。そのくせ自分達だけで救助活動をやってのけるかと思えば、この体たらく。

反日だか、プライドだか知りませんけれども、そんなもので、自国民の生命を危険に晒すなど言語道断です。

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一部では、今回の事故については、2009年11月13日に起こった、日本のフェリー「ありあけ」が、東京から沖縄に向かう途中、三重県沖で沈没した事故と似ているのではないか、という指摘があるようです。

「ありあけ」は今回沈没した「セウォル」号と同じく、林兼造船が同時期に建造した船で、排水量はセウォル号の6825トンに比べやや大きい7910トン。もちろん、セウォル号のように勝手に客室を建て増しするような真似はしていません。

事故当時の「ありあけ」は乗客7人、乗組員21人で、コンテナ・自動車など3249トンの貨物を積んでいました。「ありあけ」は6.9メートルの高波を受けて船体が急激に傾き、固定していた貨物が荷崩れを起こし船体が傾斜。最終的には90度近く傾いた状態で漂流、沈没しています。

ただ、事故後の調査報告書を見る限り、「ありあけ」乗組員は、当直の交代含め、定期的に貨物が固定されているかを点検するなど、規則を順守していたことがわかります。高波を受け、船体傾斜が起こった後も、船長以下乗組員が迅速かつ沈着に行動していたことが記録されています。

次にその報告書から、事故発生から救助までの間に船長以下乗組員が取った行動についての記録を引用します。
(8)本事故発生から救助に備えるまでの状況

乗組員は、次々と操舵室に集まってきた。

船長は、自らが総指揮をとり、一等航海士に引き続き操舵などを、二等航海士に海上保安庁及びA社などとの連絡を、三等航海士にレーダーの監視などを、機関長及び一等機関士に主機の操作などを、甲板長と甲板部員Aにバラスト水の移動などを、事務長及び他の乗組員に乗客の対応などを行うように指示をした。

船長は、乗組員に作動している警報を一つずつ確認させ、その警報装置をリセットさせていったところ、火災警報及び機関関係の諸警報は正常状態を表示するようになったが、漏水警報装置は再び異常を検知した。また、フィンスタビライザ警報装置は異常を検知しておらず、正常状態であることを知った。船長は、05時20分ごろ船体傾斜角が右舷側に約30°~35°になっていることを知り、同時22分ごろ、海上保安庁に対して電話で現状を説明してヘリコプターによる救助を要請する一方、国際VHF無線電話装置の遭難信号を発信し、その後、A社に対して安全管理規程(事故処理基準)に基づく非常対策本部の設置を要請した。

船長は、事務長に対して乗客の安否を確認するように指示をするとともに、乗客及び乗組員に対して現状及び海上保安庁に救助を要請していることを船内放送で説明し、救命胴衣の着用を指示した。05時30分ごろ、事務長は、事務部員3人とともに遊歩甲板(以下「B甲板」という。)にある客室区画に赴いたところ、乗客全員が救命胴衣を着用し、落ち着いた様子で同区画内の通路に集合していることを知り、各乗客に負傷の有無を確認しながら水が入ったペットボトルを提供した。

この頃、本船は、左舷側のヒーリングタンクがほぼ満水状態となったので、バラスト水の移動を止めた。05時35分ごろ、船長は、右舵をとっても思うように右旋回をすることができず、南東方(沖合)に向けて航行していることから、外方傾斜による船体傾斜の増大を覚悟して左旋回をすることとし、外方傾斜の影響を抑えるつもりで減速するとともに左舵10度を指示した。

船長は、左旋回を終えて北西方に向かう態勢となった頃、海上保安庁経由で、遭難信号を受信した外国籍のコンテナ船から救助協力の申し出があること、及び同コンテナ船が本船の船尾方にいることを知ったが、その存在を確認する余裕はなかった。

この頃、本船は、右舷方から風波を受ける態勢となり、船体傾斜角が約25°となった。05時40分ごろ、船長は、事務長及び乗組員に対し、乗客を船橋甲板(以下「A甲板」という。)の左舷側内部通路に誘導するようにと指示した。事務長及び乗組員は、ロープや消火ホースなどを利用し、客室区画から、レストラン、賄室及び船内階段を経由してA甲板にある機関長室の船尾側通路に乗客を誘導し、ヘリコプターでの救助に備えさせた。本船は、06時を過ぎた頃から、右舷側への傾斜が次第に増大し始めた。
乗組員達は、実に冷静に、かつやるべきことを行っています。これだけを見ても、真っ先に船を逃げ出した「セウォル」号の船長とは全く違うことがわかりますね。さらに、筆者が感心したのは、乗っていた乗客もパニックになることなく、全員が救命胴衣を着用し、落ち着いた様子で通路に集合していたことです。当然避難マニュアルがあり、指示もあったのでしょうけど、事故が起こったときに、このような行動をきちんと取れることは、結果的に人命損失のリスクを軽減します。

以前、インフラの性能は民度に比例するというエントリーを書いたことがありますけれども、やはりイザというときにはこの辺りに違いが出てくるのだと思います。

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さらに、事故もさることながら、韓国政府や韓国国民の態度にも首を傾げざるを得ません。

事故後、誤報だらけの政府発表。現地に続々と集まるだけで有効な対策を打ち出せない韓国の政治家。救援物資をかすめ取り盗んでいく人々。「1億ウォンを出せば子供を船から助け出す」といって失踪者家族にお金を要求するブローカー。などなど信じられないことばかりです。

「永遠の0」で有名な作家の百田尚樹氏は「戦争では、その民族の持つ一番強烈な性格が出てくる」と発言していたように思いますけれども、今回の事故の中にも、かの国の民族の一番強烈な性質が浮かび上がっているようにも思われます。

特に、責任者の責任逃れとそのための嘘が目につきます。唯でさえ、正確が情報が必要とされる緊急時において、誤報だらけというのは、混乱を引き起こすだけで、何の助けにもならないどころか、救助活動を阻害することにもなりかねません。

これには、流石に韓国の新聞社も呆れ果てたのか、中央日報は19日「韓国は『三流国家』だった」という社説まで掲載する始末です。

これらを考えると、ひとたび半島有事が起ころうものなら、政府は機能せず、国民は大パニックに陥る危険性は極めて高いと見たほうがよいのではないかと思いますね。




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この記事へのコメント

  • 白なまず

    綿津見の 仏導く彼岸国
    人獣住めぬ 大海の下
    2015年08月10日 15:20
  • sdi

    韓国海洋警察の救難隊は海保の第7管区の「海猿」と何度も合同訓練を行っています。今回の事件のようなシチュエーションも訓練の中にはぃっいるでしょう。それを考えると、今回の韓国海洋警察の出足の悪さはどらかというと組織内の指揮系統の混乱のほうが大きいのではないですかね。
    2015年08月10日 15:20
  • ポール

    >これらを考えると、ひとたび半島有事が起ころうものなら、政府は機能せず、国民は大パニックに陥る危険性は極めて高いと見たほうがよいのではないかと思いますね。

    そして逃げてくる先が日本、ということになりそうですね。
    問題はそのとき日本が冷徹に入国拒否できるか・・・・。
    できそうもありません。今でさえ在日やら帰化人やらにチョー優しくて、メディアをくれてやり、政治の世界も居場所を与えてしまってるくらいですから。

    今までどおり日本大嫌いでいてくれて何も問題はない。
    ただ、こっちにだけはやって来ないでくれ。
    中韓で思考的な近親者同士、殺し合いでもしててくれと思います。
    2015年08月10日 15:20
  • opera

    日本軍最強伝説というのがありますね。ネットでも、しばしば海外の軍関係者が発表するランキングが話題になったりします。この「最強」の意味が分からなくてトンデモ説の一種かと思っていたのですが、そうではないようです。
     近代戦では個々の兵士の肉弾戦は皆無に近く、保有する武器も大差はありません。兵の強弱は、戦闘という緊張状態の中で義務感と責任感を持っていかに精神的に耐えるかという資質に現われることになります。
     欧州の陸戦では被害の程度に応じた作戦があったそうで、ある部隊の死傷者が3~4割を超えると、兵士の戦意が崩壊し組織的な統率ができなくなるので、その部隊は全滅と判断されたのだそうです。ところが、その常識が通用しないのが日本軍で、文字通り玉砕戦闘(日本人としてはあまり褒められることではないと思えるのですが)に到ってしまう日本軍は計算不能=最強ということなのだそうです(この視点なら、ロシア軍、ベトナム軍はもとよりアメリカ軍もかなり強い軍隊と言えそうです)。
     これに対して、中国、韓国軍最弱説というのがあって、中国軍は2割弱の損害でも崩壊し、韓国軍は1割も無いだろうと言われています。何しろ、敵が
    2015年08月10日 15:20
  • almanos

    今のところ、船を引き上げるのは日本のせいにして金をふんだくる根拠を捏造する為とかいう、アホすぎる説も出てきてますね。あの国だとあり得るから尚更笑えないのですが。後は船会社による計画的保険金詐欺だったとか何とか。休戦破棄となったら日頃の反日を忘れ果てて日本に逃げてこようとするでしょうなぁ。日本は断固拒否しないといけません。
    2015年08月10日 15:20
  • ス内パー

    今回の海難はあちこちで食傷起こすレベルで報道されて時系列並べて嘘と事実並べるだけでもお腹一杯になれます。
    ただその裏でアメリカの春(アメリカ政府の地上げに5000人の民間人が集まって抵抗した件。臨時国会要求など歴史的事件に発展しつつある)やウクライナ問題、フィリピン沖の中国の威嚇の話など大事件が軒並み脇に追いやられているのが心配ですね。
    民主党時代と違い糞法案がこっそり提出可決されることはないと思いますがそれに近い見落とししてないかと。
    2015年08月10日 15:20

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