地球の従妹惑星「ケプラー186f」

 
やっとPCを新調できました…。今日は、久々に科学技術系のエントリーですけれども、極簡単に…。

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4月17日、NASAは地球とほぼ同じ大きさで、水が液体の状態で存在する可能性がある、地球によく似た惑星を発見したと発表した。

この「ケプラー186f」と名付けられた惑星は、白鳥座(Cygnus)にある ケプラー186系の中の惑星で、地球からおよそ500光年先にある。ごく普通の赤色矮星(M dwarf)を主星とし、公転周期は約130日。

惑星の大きさは地球の1.1倍とほぼ地球と同じ。岩石惑星とみられ、水が液体の状態で存在する可能性があることから、生命体の居住が可能な惑星だとしている。惑星表面の正午での主星の明るさは、地球の日没1時間前の太陽の明るさと同じ位になるとみられている。

NASAはこの惑星を「地球の従妹」のようなものだとしたうえで、「地球外生命体の発見に向けた大きな一歩だ。今後は『地球の双子』のような惑星の発見を目指したい」とコメントしている。

この惑星は"ケプラー"と名付けられていることからも分かるとおり「ケプラー宇宙望遠鏡」の観測結果を分析して発見したもの。

ケプラー望遠鏡による、惑星探査については、以前「地球型惑星は銀河に溢れていた」や「極めて地球に似た惑星『ケプラー22b』」のエントリーで触れたことがあるけれど、惑星が恒星の前を横切る時の明るさの変化によって惑星を探す"トランジット法"によって主に探査されている。

トランジット法による惑星の確認には、都合3回のトランジットが必要とされている。観測対象の惑星が3公転してようやく確定するということは、例えば、地球と同じく1公転に1年かかるとすると、その惑星が惑星だとわかるためには3年必要になる。

3年半~6年惑星探査計画を負ったケプラー望遠鏡は2009年3月に打ち上げられ、2012年11月に3年半の主要ミッションを終え、引き続き延長観測ミッションに入っていた。

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ところが、2012年7月と2013年5月にリアクション・ホイールが相次いで故障し、8月に復旧を断念している。

リアクション・ホイールはロケットやジェットを噴射せずに宇宙機の方向を変化させる姿勢制御装置の1つなのだけれど、通常、宇宙機は3軸方向の姿勢制御が求められるため、リアクション・ホイールは3軸3基、または4軸4基搭載される。

3基または4基のリアクション・ホイールを搭載した宇宙機は、仮に1基のリアクション・ホイールが故障しても残り2基あるいは3基が生きていれば姿勢制御できるようになっていて、ケプラー望遠鏡には4基のリアクション・ホイールが搭載されていた。

ところが、去年と一昨年にリアクション・ホイールがそれぞれ一基づつ故障。生きているのは2基だけ。今のケプラー望遠鏡は正確な姿勢制御はできなくなっている。正確な姿勢制御を必要とするトランジット法にとって、姿勢制御ができないというのは致命的で、事実上、ケプラー望遠鏡による惑星探査は不可能になっている。

現在、ケプラー事業に関わる科学者らはケプラー望遠鏡の役割を減らし、恒星の周りで惑星がどう形成されていくかを研究するため、今しばらく運用できるよう模索しているという。

それでも、これまでにケプラー望遠鏡が観測した惑星は膨大なもので、観測データを解析することによって、続々と惑星が発見されている。

今年2月26日、NASAは太陽系外で新たに715個の惑星を発見したと発表しているのだけれど、ケプラー望遠鏡が打ち上げられるまでは、年間100個そこそこしか発見できなかったものが、ケプラー望遠鏡によって倍増。特に2014年はこれまで蓄積したデータの観測結果の解析により、一気に700個を超える惑星の発見となった。

今回のNASAの発表もそうしたデータの解析から新たに見つかったもの。ケプラー望遠鏡は、これまでに15万個以上の恒星系の観測をしていて、データからは3600個の惑星らしきものが発見されているという。今後それらをさらに詳細に分析することで、惑星だと確認されるものが出てくるものと思われる。

その中には「ケプラー186f」以上に地球そっくりの惑星もあるかもしれない。

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この記事へのコメント

  • 日比野

    白なまずさん、おはようございます。

    私はそんなにPCに求めるものはないですね。特に何かに特化した使い方をするわけではありませんし。普通に動作が軽くでメモリが多いほうが、というくらいですかね。

    ブログを書くのに、結構資料を集めて、何枚もタブを開きながら書いているので、PCが途中で固まるのが一番辛いです。

    貼り付け画像の加工程度であれば、ペイントで十分ですし。

    それにしても、2005年から使い続けているとは凄いですね。今回新調したPCはWindows8なので、慣れるまで何かと使いづらかったりしてます。

    ユーザーフレンドリーを目指し過ぎて、従来のユーザーを置き去りにしているような気がしないでもありません。

    自作スマホも凄いですね。自作PCならまだ分からなくもないですけども。"レゴ"のような組立式は「Thinkpad」のHDDやFDDのカートリッジ方式に通ずるものがありますね。
    http://kotobukibune.at.webry.info/201003/article_13.html

    あと、今日のエントリーから通常仕様で書き始めましたけれども、雑談エントリーも、あれはあれで
    2015年08月10日 15:20
  • 白なまず

    >ブログを書くのに、結構資料を集めて、何枚もタブを開きながら書いているので、PCが途中で固まるのが一番辛いです。

    なるほど、日比野さんの捻りの効いた鋭い記事はweb-browserのTABの上で編み込まれるんですね。そうなるとTAB切り替えの連続で疲れるでしょう。そこは2画面化をお勧めします。ノートPCでも2画面表示が簡単にできますよね。接続ケーブルもHDMIとかワイヤレスでHDMI接続とかできるし、複数枚のTABを同時に表示できるとTAB切り替えのストレスが大夫減ると思います。
    2015年08月10日 15:20
  • sdi

    PC移行終了おつかれさまです。調べてみたら、まだWindows7のダウングレードPC売ってるんですね。

    記事中の赤色矮星の特徴として、低温で核融合反応は穏やかに進むので恒星の寿命が長い、というのがあります。惑星の置かれた恒星系の環境が安定しているともいえるわけです。そういう点でも、有望ですね。
    2015年08月10日 15:20

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