八方美人だった笹井会見

 
今日も雑談エントリーです。

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韓国フェリーの転覆事故が大変になっているようです。犠牲者の冥福をお祈りすると共に、一刻も早い生存者の救助を望みます。この件については思うところもない訳ではありませんけれども、現状は人命救助最優先ですので、落ち着くまで当分このテーマのエントリーは控えさせていただきます。

さて、今日は、この話題です。

4月16日、STAP細胞の論文問題で、理研の再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長が会見を行いました。笹井氏は、論文に過誤や不備があったことを謝罪する一方で、STAP細胞は「最も有力な仮説」としてその存在を主張しました。

会見の詳細については、既にいろんなところで報じられていますけれども、こちらに詳細がアップされているようです。

先日の小保方氏の会見と同様に、記事の見出しだけ列挙します。
笹井氏会見(1)「疑惑を招いたことをおわび申し上げる」
笹井氏会見(2)「生データやノートを見る機会なかった」
笹井氏会見(3)「小保方氏の選考は独創性、準備状況などで評価した」
笹井氏会見(4)「山中先生に申し訳ない」
笹井氏会見(5)「ES細胞の混入は考えにくい」
笹井氏会見(6)「若山さんがチェックしたと思った」
笹井氏会見(7)「STAP存在しないと思うなら共著者になっていない」
笹井氏会見(8)「若手の研究のお手伝い」
笹井氏会見(9)「すべてを通しで共同研究者がみるのは難しい」
笹井氏会見(10)「できた細胞はSTAP細胞」
笹井氏会見(11)「iPSとは原理が違う」
笹井氏会見(12)「小保方さんにはある種のずさんさがあった」
笹井氏会見(13)「ノートなど客観的なデータからたどれなかった」
笹井氏会見(14)「より高いレベルの検証で調べる潔さが必要」
笹井氏会見(15)「彼女の発言には一定の理解はできる」
笹井氏会見(16)「きょうの一番の目的は謝罪」
笹井氏会見(17)「自由な情報発信難しかった」
笹井氏会見(18完)「不適切な関係はありません」
小保方氏の会見と比べて趣が違いますね。何処となくコメンテーター的というか、あまりSTAP細胞研究の当事者という感じがしません。STAP細胞論文の共著者にしては、この他人事のようなコメントはちょっとすっきりしないですね。

また、笹井氏は、疑惑を招いたことを「世間」にお詫びして「山中教授」にもお詫びする一方で、STAP細胞は最も有力な仮説であり、小保方氏が何処へでもいって協力したいという発言は理解できると庇っています。それでいて、笹井氏自身は、自分は若手の研究のお手伝いだといい、小保方氏の全ての研究を見ているわけじゃないと言い訳めいた発言をしています。どこか、八方美人というか、これ以上、何処からも攻撃されないように、あらゆるところに対して、絶妙な距離を取ろうとしているように見えなくもないですね。



小保方氏はSTAP細胞について、論文のマナーの問題ではなく、STAPが存在するかどうかというマターはどうなのか、と記者に問われ「未熟な私に研究者としての未来があるのでしたら、やはりこのSTAP細胞が…誰かの役に立つ技術まで発展させていくんだという想いを貫いて研究を続けていきたい」とSTAP細胞の研究に強い意欲を見せたのに対して、全く同じ質問を受けた笹井氏は、今までは掟の部分ばかり論議されてきたが、これからはマターが重要になると述べただけで、小保方氏の「STAPはありますっう」という真っ直ぐな主張と比べると、やはり見劣りします。

勿論、主張の真っ直ぐさと真実との間には何の関係もありませんけれども、やはり理研は、全ての責任を小保方氏に押し付けてしらんぷりをするのでは、という疑念が拭えません。

STAP細胞のコンセプトの提唱者であるハーバード大のバカンティ教授は、4月15日、京都での国際会議で講演し、小保方氏に「ボストンに戻っておいで」と呼びかけています。また、その他外部の研究者からも、こちらに来て研究しないかというオファーが届いているそうです。

筆者は小保方氏の記者会見について述べた「STAP騒動と小保方氏記者会見について」のエントリーで、小保方氏の研究人生をこれ以上壊さない、或いは、他国へ引き抜きされたりしないよう十二分にケアしたほうがよい、と指摘しましたけれども、ほら言わんこっちゃない、という感じですね。

利権か理研か知りませんけれども、責を負いたくないと、いつまでも逃げ回っていると、リスクを積極的にとる外部の研究機関に小保方氏を引き抜かれてしまいます。

筆者は、先のエントリーで、小保方氏が理研に居られないようであれば、山中教授の研究室で引き取ったらどうかと述べましたけれども、今回の騒動が起こる前の2月7日の段階では、山中教授は「我々の研究所に移ってほしい。大歓迎だ」と述べています。今もその気持ちをお持ちなのであれば、万が一の場合の便宜を図って戴きたいと思います。

今回の笹井氏の記者会見で、これでほぼSTAP関係者の会見が出揃ったわけです。もうこれ以上、不正がどうとか言った所で、実りがある結果がでるとも思えません。先程のどこかの記者ではないですけれど、一刻も早くSTAPの「マター」を検証してすっきりさせたほうがよいと思いますね。

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この記事へのコメント

  • ちび・むぎ・みみ・はな

    論文の共著者であっても研究管理的な
    立場であれば笹井氏の見解にならざるを得ない.

    我々が知っている分野でも, 博士研究の指導者が
    博士論文の全てを完全に理解していることは少ない.
    これは国内であっても海外であっても同様.

    理論の細部まで修正する指導者も居るが,
    そのためには他の仕事ができなくなるので,
    本当に一から十まで共同で研究している場合
    に限られると思う.

    一般の人は簡単に検証できるように言うが,
    他人が高度な理論(思いつき)を理解し検証するのは
    なかなか難しいことである. 特に, 若手の
    研究者が相手だと理論も整理されていないことが
    多いので余計に難しい. それなら自分で
    やった方が早いこともある.

    笹井氏の見解を見る限りでは, 理研は
    社会の批判に対して誠実に対応して,
    かつ, 当人の研究もサポートしたいと
    考えているように思われる. 理研の歴史を
    鑑みてじっと見守りたい.
    2015年08月10日 15:20

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