今日は雑談エントリーです。
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4月9日、新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に不正があるとされた問題で、画像の捏造や改竄が指摘されている理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが記者会見をしました。
日比野庵は「政治カテゴリ」にエントリーしているブログですけれども、科学技術をテーマにした記事も結構とあって、比較的早い段階で、エントリーしたりしています。
iPS細胞についても、何本か記事を書いていますけれども、STAP細胞については、これまで全くと言っていいほど、取り上げてきませんでした。
勿論、筆者がSTAPについての調査を十分にできず、記事そのものが書けなかった、という事情もあるのですけれども、それ以上に、筆者の気が進まなかったのですね。何となく筆が進まない、というか。そうこうするうちに、例の捏造騒ぎが持ち上がり、記事にできないままきてしまいました。
ただ、今回、渦中の小保方氏が記者会見したこともあり、感想、或いは雑談という形でエントリーしたいと思います。
まず、今回の"STAP騒動"についての経緯ですけれども、こちらに纏めの一つがあります。このまとめを書いた人は、STAPを疑っているようで、ややネガティブな色合いが強い纏めですけれども、事実関係等々の確認としては参考になるかと思います。これを読むと、STAPが捏造ではないかと言われる原因の一つとして、画像データが異なる論文のものから流用したこともさることながら、小保方氏がいないとSTAP細胞が作れないという事実も大きいようにも思われます。
さて、件の小保方氏の記者会見なのですけれども、TVで散々報道されていますし、多くの方々が見られているかと思いますけれども、産経新聞がその全文をこちらにアップしています。全部は引用できませんけれども、各小見出しを並べるだけでも、大凡の雰囲気は掴めるかと思いますので、以下に列挙します。
・「申し訳ありませんでした」定刻通りに会見スタートとまぁ、小保方氏は、今回の騒動について謝罪しながらも、改竄を否定、STAPはあると主張していますけれども、筆者が注目したのは次の点です。
・涙で言葉詰まらせ反論 「STAP現象は真実」
・「結果を偽装したわけではい」弁護士は改竄の否定から説明を始めた
・報道陣から相次ぐ質問 「毎日後悔と反省しております」
・「結果が正しければ問題はないと」 疑義を語り始めた小保方氏
・STAP細胞作製「これまで私は200回以上成功している」「実験ノートはもっとある」
・「マイナス100から研究に向き合いたい」
・割烹着報道「恐ろしかったです。正直」
・「STAP細胞は…ありますぅっ!」小保方氏は間髪入れずに答えた
・「理研はトカゲのしっぽ切りをしたのではないか」と問われた小保方氏は…
・時折、強気に 「実験とノートには自信がある」
・「体調は絶不調でした」「(STAP細胞は)コツをクリアできれば必ず再現できます」
・「追試に成功した科学者がいた」重大発言だが、個人名は明かさず…
・不適切関係があったとする週刊誌報道は事実か。疑惑のホテル生活は 数々の追及に小保方氏は…
・小保方氏の最後のひと言は「申し訳ありませんでした」
1.小保方氏の実験ノートは、他人には不明瞭で、小保方氏(だけ)がトレースできるレベルで記述されていること。これらのことから、小保方氏自身はSTAP細胞の実在を確信していることが分かる一方、その作成には、超絶テクニック(コツ)が必要とされ、その詳細は実験ノートを読むだけでは分からず、小保方氏の頭の中にしか存在しないことが浮かび上がってきます。
2.実験ノートは、理研の調査では3年で2冊となっているが、少なくとも4~5冊はあること
3.小保方氏は、これまで200回以上STAP細胞作製に成功していること。
4.ネイチャーで発表された論文は現象論の記述のみで、STAP細胞作製の最適条件を示す論文を準備中だったこと
5.STAP作成にはコツやレシピが存在し、更に秘密実験もあったこと
6.STAP作成の追試に成功した科学者がいること
何やら、特許出願しないことで、その製法を秘匿している、コカコーラのレシピのように見えなくもありません。或いは、今の段階でSTAP細胞の製法が広く知られては困る事情があるのかもしれません。
iPS細胞の山中教授は、4月4日に国会に参考人として出席し、「研究不正を予防する一つの重要な方法は、日ごろの研究記録をきちっと残すことだと思います。そのためには、ノートの記録が非常に単純なことでありますが、大切です。ノートのチェックを徹底させる。本当に私たちもチェックしています。僕たちは(ノートを)出さない人は、『不正をしていると見なします』」と述べ、自身の研究室ではノートの付け方について、修正が可能な鉛筆を使わず、正確に年月日を記入するなど指導を徹底しているそうです。
確か、山中教授はiPS細胞の特許を取得する際に、アメリカでは最初に発明した人に特許権が認められる所謂「先発明主義」であったため、実験ノートに記載した記録が、その証明の決め手になった、という話を聞いたことがあります。
このように、実験をオープンというか、第三者的に理解できるように記録し、大勢に認めさせることで、特許という形でその製法を守った山中教授に対して、小保方氏は、自分以外では殆ど誰も作れないようにすることで、その製法を守っているようにも見えます。山中教授とは実に対象的ですね。
ただ、会見での小保方氏は、STAPについては自信満々の様子をでしたし、筆者は、STAPの存在は本当であろうという印象を受けました。同様の印象を持った人は他にもいて、日大の佐藤綾子教授(パフォーマンス学)は、まばたきが多く、目にうっすらと涙を浮かべる場面があったことに着目し「後悔が伝わった。STAP細胞の存在までうそではないだろう。…成功したと言うのならば、『存在する』と主張する他のノートや証拠を示すべきだった。生煮えの会見でがっかり」とコメントし、漫画家のやくみつる氏も「自信を持っていることが伝わった。…私の漫画のネタにならないよう、今後は粛々と歩んでほしい」と述べています。
筆者の結論としては、現時点では、理研による検証待ちですね。遅くとも1年待てば白黒はっきりするのですから、それを待てばよいと思います。
それよりは、小保方氏の研究人生をこれ以上壊さない、或いは、他国へ引き抜きされたりしないよう十二分にケアしたほうがよいと思います。ここで、世論が小保方氏を潰したとして、後でSTAPは本当でした、なんてなっても取り返しがつきませんからね。
万が一、小保方氏が理研に居られなくなってしまうようであれば、山中教授の研究室で引き受けるなど、便宜を図っていただきたいと思いますし、実験記録を重視する山中教授の指導を受けるとなれば、汚名をそそぐ機会にもなるのではないかと思います。
この記事へのコメント
都内自営業者
マスコミや世論が寄ってたかって叩くのは彼らがカネを出したり検証したわけでもないのだから無責任きわまりない所業だと思います。私は賛成しません。
中世ヨーロッパの錬金術というのは今から見ればトンデモ学説とトンデモ理論によって馬鹿げた実験が無数に繰り返されたのですが、その膨大な無駄が後の化学・科学に大いに役立ったのですしSTAP細胞の件にしても多方面からの追試によって思いがけない何かが発見されるかもしれません。
研究者の仕事と言うのは立証もさることながら仮説を提示することも重要な仕事なのですからマスコミや世間の素人はもう少し冷静にことの推移を見守るべきでしょう。
スタック細胞
このようなケースは疑わしきは排除せず、可能性があれば追及するするべきですね。
筆者が述べるように第三国に引く抜かれないようにケアするべきです。
マスコミもマスコミで持ちげておいて叩き落すようなことや理研の保身主義がクリエイティブな発見や発明を阻害しているような気がします。
いずれにしろこのことがもとで研究者が委縮しないことを願うばかりです。
yosinaripon
ちび・むぎ・みみ・はな
自分の研究が完成するまでは
他の人の干渉を嫌う人も多い.
また, 週刊誌等が述べている「不正」
の意味も不明である. 写真を使い回し
したことが疑いを招いたのかも
知れないが, 最も分かり易い
写真を使用したのではないかと思う.
現状では良いとも悪いとも分からない.
理科学研究所は秘密を守り干渉しない
宣言をした第三者の立ち会いの上で
再実験を行なわせるのが務めである.
それも何回かのチャンスを与えるべき.
旨く行けば問題ないし, 何か欠陥が
見つかれば今後の進展に繋がる可能性もある.
それが「科学」というものだ.
徒に記者会見を繰り返し時間を浪費
するのは国費の無駄使い.
研究者自信が恐れていると思われるように,
徒に週刊誌ネタにしている間に
欧米で再現実験に成功してしまったら
誰が「責任」をとるのか. 利権の所長が
きちんと取ってくれるのだろうか?
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