河野談話と「儀式」だった慰安婦聞き取り調査

 
今日はこの話題ですけれども、極々簡単に…。

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3月29、30日の両日にかけて、産経新聞社とFNNが実施した合同世論調査で、「河野談話」の作成過程を検証する政府方針について「支持する」との回答は50.7%と「支持しない」の31.5%を大きく上回り、検証で新事実が見つかった場合、「新しい談話を出すべきだ」との回答が69.8%に達した。

更に、河野談話の見直しについて、政府が否定していることに対して、「評価しない」が45.1%と「評価する」の36.0%を上回る結果となった。

河野談話の見直しについては、維新の会の中山成彬議員が中心となり、「河野談話見直しを求める国民運動署名」が2月21日からスタート、3月3日には、憲政記念館講堂で国民集会を行った。

一応署名は3月末までの予定で行ったようなのだけれど、事務局長の杉田水脈議員によると、4月1日18時の時点で、中山、杉田両議員宛とその他合わせて106,410筆と、目標であった10万人以上の署名を集めている。署名は、ほかの議員にも集まっているようで、後日最終報告をするとのことなのだけれど、署名が非公式で行われたものであることから、国会質問などの場で、世論の強さを示すものとして活用したいとしている。

このように、河野談話見直し容認ないし、新談話を出すべきという声がある一方、そんなのは罷りならぬと、反対する声もある。

3月31日、「河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明」を関東学院大の林博史教授がまとめ、都内で発表した。何でも、16人の研究者が呼びかけ人となり、3月8日から署名を開始。研究者を中心に3月31日までに1617人の署名を集めたとしている。

共同声明の全文はこちらにあるのだけれど、声明では、「慰安婦」の募集には強制的なものがあったとしている。声明を取りまとめた林教授は、政府による河野談話の検証について、「談話が根拠のないものとの印象を国民に植え付け、実質的に否認しようとしている」と批判している。

筆者は、以前いくつかのエントリーで、河野談話の検証作業を通じて、談話作成のデタラメ振りを明らかにする ことで、河野談話のもつ意味合いが「謝罪」から「善意」へと180度変わると指摘しているけれど、どうやら林教授は同じことを危惧しているようだ。

因みに、この林教授は、「日本の戦争責任資料センター」の研究事務局長で、中央大の吉見義明教授の弟子筋にあたる人物。週刊新潮は、3月27日花見月増大号の「利用される日本人“売国学者”林博史教授の自虐」という記事の中で、彼を「国立公文書館などを探して慰安婦の強制連行を示す文書を見つけたと騒ぎ立てる有名人」と批判している。

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一方、政府による河野談話検証は粛々と進んでいるようで、産経新聞が、河野談話発表の半年前に、当時の外務省アジア局が、慰安婦問題について今後の取り組み方をまとめた内部文書「従軍慰安婦問題(今後のシナリオ)」を作成していたことを報道している。

産経新聞が入手した内部文書によると、元慰安婦への聞き取り調査について「必要最小限の形でいわば儀式として実施することを検討。…慰安婦問題の解決のためには、ある段階で強制性に関する日本政府の認識を示すことが必要」と明記されており、更に、従軍慰安婦については、「強制性等に関し、前回の発表よりも踏み込んだ見解を政府が表明しない限り内外でしかるべき評価を受けることは期待しえない」と踏み込んだ上で、「一部には軍または政府官憲の関与もあり、自らの意に反した形により従軍慰安婦とされた事例があることは否定できない」という表現で韓国側に打診することを提案している。

なんとも酷いもの。既に当時の時点で、聞き取り調査が「儀式」と認識されていたのであれば、裏取りもなにもあったものじゃない。産経新聞が、調査の目的が「強制性」を認めるためのアリバイづくりだった、と批判するのも当然。

ただ、こんな"内部文書"を産経新聞が入手できること自体、政府内部に協力者がいるということを伺わせる。民主党政権だったなら、絶対、"特定秘密指定"でも何でもして、こんなスクープはさせなかったであろうと思われる。

更に、4月2日、石原信雄元官房副長官が、参院統治機構調査会に参考人として出席し、河野談話の作成過程で「事務方が文案を作る過程で、韓国側がいろんな要望を言っていると耳にした。…(談話の)どの部分かは知らない」と述べ、韓国側から要望があったと明らかにした上で、「韓国側も『これで過去の問題に一応区切りをつける。未来志向でいく条件ができる』と言っていたので、それを信じた」と河野談話は未来志向の日韓関係を構築するためだったと説明している。

河野談話では、軍の強制性について「軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、官憲等が直接これに加担したこともあった」と外務省の内部文書で提案されていた「一部には軍または政府官憲の関与もあり、自らの意に反した形により従軍慰安婦とされた事例があることは否定できない」よりも、一段と強い表現になっているから、或いはこの辺りが韓国からの要望(圧力)を受け入れて修正された可能性はある。

当時はそれで"未来志向の日韓関係"なる幻想を信じられたのだろうけれど、今となっては御覧のとおり。河野談話は明らかに日本の国益を害する存在となっている。

外交の継続性ということを考えると、河野談話そのものの見直しは難しいとは思うけれど、やはり検証はしっかりと行って、その結果を内外に発表し、その意味を逆転させることが重要だと思う。




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この記事へのコメント

  • 白なまず

    >2012年4月4日(金曜日)のホロスコープで
    2014年の間違いです。
    2015年08月10日 15:20
  • 泣き虫ウンモ

    官憲制度自体が、廃止されてましたね。
    日本人が、嘘を言ってどうするのでしょうか。
    隣国に嘘をつくなと説教しても、説得力がありませんね。
    2015年08月10日 15:20
  • ナポレオン・ソロ

    慰安婦捏造問題の裏側に、米国保守層の一部が居る事は確実でしょう。 河野談話を出すに至ったのも、彼らの強制力が働いた可能性は高いと思います。

     その原因は、朝鮮戦争での従軍慰安婦の扱いが、強制連行、人身売買、強姦、虐殺、放火迄含んだものだったからで、この米軍、韓国軍、国連軍兵士によって、朝鮮族女性全般を対象として為された事跡が、何れ明るみに出た場合、比較対象となるであろう、戦前日本軍の慰安婦の扱いを自分達の行った行為と差が無いとする必要があったからでしょう。 上手くやれば、すべて日本軍の所為にできる可能性もあったから、河野談話は必須になったのですが、逆にこれを見直したり検証したりされて真実が暴き出されたら、米国国民が受ける衝撃や落胆は倍加する事になりかねない事に気が着いたのでしょう。

     キリスト教的な禁忌から云えば、十戒の裡「姦淫するなかれ」と云う戒めはカナリ重要度が高い、従い、国民の英雄である朝鮮戦争に従軍・散華した5万人近い戦死者の一部が破戒者でもあったと云う歴史事実を突き付けられた上、「嘘をついてはならじ」との破戒も付加したという事態が出来する事に対する、米国の反応、醸し出す
    2015年08月10日 15:20

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