舛添都知事はリコールされるか

 
今日はこの話題です。

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7月28日、舛添都知事が総理官邸を訪れ、先の韓国訪問について菅官房長官に報告した。

舛添都知事は、日韓関係改善に対する朴氏の意欲がひしひしと伝わってきたと伝え、都市外交の積み重ねで日韓関係改善の役に立ちたいと述べると、菅官房長官は「非常に良いことなので続けてほしい」と応じたそうだ。

だけど、そんな言葉と裏腹に官邸の対応はどこか素っ気ない。舛添都知事は、朴大統領との会談当日である25日夜に帰国しているのだけれど、直ぐに官邸に報告するでなく、3日経った28日になってようやく報告しているところを見ると、安倍総理のメッセージを伝えにいったとはいえ、それほど大した内容ではなかったのかもしれない。

舛添都知事の韓国訪問は、官邸の了解の元の行動ではあると思っていたのだけれど、それにしては、ちょっと冷めている感は拭えない。

時事通信解説委員の田崎史郎氏は、テレビ番組で舛添氏の訪韓について問われ「舛添さんの訪韓するパフォーマンスに、官邸がちょっと付き合ってるだけ、という感じがしますね。…舛添さんが『こういうメッセージを持って行きたいんだけど良いでしょうか?』って訊いて、安倍さんは『それくらいなら良いよ』って言った話なんですよ。…本来ならね、これ親書を出すべき場面なんですよ。本当に総理の想いが強いならば。舛添さんに期待してるならば。舛添さんが作った舞台に、ちょっと乗ってみた振りをしたっていうだけだと思います」と述べ、舛添氏が安倍総理の親書を持ってはいなかった点を挙げ、官邸は本気ではなかったのではないかと指摘している。

確かに、田崎氏の指摘が本当であれば、官邸の冷めた態度も説明がつく。また、こちらの"東スポ"ソースだと、の"急ともいえる舛添都知事の訪韓については麻生副総理の差し金だとしている。まぁ、ソースがソースだけに話半分以下でいいかもしれないけれど。

今回の報告では、舛添都知事が、都市外交の積み重ねで日韓関係を改善したいと希望を述べ、菅官房長官は、続けて欲しいと応えた。まぁ、菅官房長官が、どこまで本気でどこから建前なのかは分からないけれど、舛添都知事がそれを真に受けて、今後も訪韓して、会談や何かをやったとしたら、それが自らの墓穴を掘ることになるかもしれない。

なぜなら、今回の訪韓について、かなり批判が集まっているから。



韓国でリップサービスした舛添都知事」のエントリーで、舛添都知事の韓国での言動について、批判の声が寄せられていると述べたけれど、7月28日朝までに都庁に、電話が約400件、メールだと6000件以上にも及ぶ意見が寄せられている。しかも、東京都の広報担当者によると、そのほぼ全てが訪韓反対の意見だそうだ。

余りの反発の強さに、東京都も驚いたのか、都の外務課が、舛添都知事の発言をテープ起こしして確認したところ「9割以上の日本の人たちが韓国が好きだし、 私が付き合っている限り」と話していたとしている。

どうやら舛添都知事の90%発言は、パラレルワールドの出来事ではなく、都知事のフレンズワールドの中の話だったらしい。

そんな個人的な世界の話を他国の首脳に軽々に話していいのかどうかはさておき、ネットでは、舛添都知事をリコールしようという呼びかけも、フェイスブックなどで起こっていて、リコールに向けたデモ計画もあるようだ。

だけど、だからといって実際にリコールできるかどうかは別の話。リコールはそんなに簡単にできるものじゃない。

地方自治体の首長のリコールについては、地方自治法の80条及び81条と84条で規定されている。次に引用する。
第八十条  選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、所属の選挙区におけるその総数の三分の一(その総数が四十万を超え八十万以下の場合にあつてはその四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が八十万を超える場合にあつてはその八十万を超える数に八分の一を乗じて得た数と四十万に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該選挙区に属する普通地方公共団体の議会の議員の解職の請求をすることができる。この場合において選挙区がないときは、選挙権を有する者の総数の三分の一(その総数が四十万を超え八十万以下の場合にあつてはその四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が八十万を超える場合にあつてはその八十万を超える数に八分の一を乗じて得た数と四十万に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、議員の解職の請求をすることができる。
(以下略)

第八十一条  選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、その総数の三分の一(その総数が四十万を超え八十万以下の場合にあつてはその四十万を超える数に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数、その総数が八十万を超える場合にあつてはその八十万を超える数に八分の一を乗じて得た数と四十万に六分の一を乗じて得た数と四十万に三分の一を乗じて得た数とを合算して得た数)以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の選挙管理委員会に対し、当該普通地方公共団体の長の解職の請求をすることができる。
(以下略)

第八十四条  第八十条第一項又は第八十一条第一項の規定による普通地方公共団体の議会の議員又は長の解職の請求は、その就職の日から一年間及び第八十条第三項又は第八十一条第二項の規定による解職の投票の日から一年間は、これをすることができない。ただし、公職選挙法第百条第六項 の規定により当選人と定められ普通地方公共団体の議会の議員又は長となつた者に対する解職の請求は、その就職の日から一年以内においても、これをすることができる。
要するに、リコールするには、一定数以上の連署と、着任後1年以上経っていないとできない。都知事選は今年の2月にあったばかり。来年の2月にならないとリコールできない。「人の噂も75日」の世界で半年も先の話がそこまで盛り上がっているかどうか…。

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それにリコールの為の連署の数の半端ない。有権者の1/8+αあればいいといっても、東京都の有権者はとても多い。今年2月の都知事選の際に、東京都選挙管理委員会がまとめた都内の有権者数は、1082万567人。その8分の1でも135万人以上。

地方自治法に従って、概算で計算すると、1082*1/8+40*1/6+40*1/3=155.26万人。160万人近くの署名が要る。

これは、先の都知事選で舛添氏が獲得した211万票の約7割強であり、ちょっとやそっとで集まる数じゃない。

尤も、都庁に電話とメールで6500件くらいの苦情が集まっているから、それなりに反対の声があることは間違いないけれど、それでも160万あるとは思えない。

ステマと1%の常連」のエントリーで、90:9:1の法則を紹介したことがあるけれど、ネット・コミュニティやオンラインのソーシャル・ネットワークでは、殆どのユーザーは自分の意見を書き込むことはなく、読んでいるだけという調査結果がある。実際に表で声を出す人の割合はそのうちの1%程度だという。

仮に、都庁に集まった批判の6500件がその1%だとすると、全体ではその100倍の65万人くらいが潜在的に舛添都知事の訪韓について反対意見を持っていることになる。

尤も、6500件の全てが都民のものとは限らないし、割合が低いとはいえ、反対意見ばかりでもないだろうから、実際はもっと少ない筈。せいぜい40万から60万くらいではないかと思う。160万には全然足りない。

ただ、この60万という数字は面白いことに、先の都知事選で田母神氏が獲得した61万865票とほとんど同じ。その意味では、今回の舛添都知事に対する批判層は、田母神氏を支持した人の層と大分被っている可能性もなくもない。

いずれにしても、今回のことで舛添都知事がリコールされる可能性は極めて低い。リコールされるには、相当深い"墓穴"が必要だろう。
ただ、韓国好きなのは、自身の知人の話だという、後だしジャンケンの苦しい言い訳を引き出したこといいうことは、それだけ、韓国に対して日本の世論が厳しくなっている証拠でもある。それを世にはっきりと示したことは、それはそれで意味があると思う。




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