求心力と合従連衡

  
今日は雑談エントリーです。

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先日の22日に関東甲信で梅雨明け宣言が出ましたけれども、2014年も、気づいたらもう半年過ぎてしまいました。早いものです。

年初のエントリーで、筆者は安倍内閣を取り巻くイベントが内政外交共にマイナスに働くイベントばかりであることから「我慢の年」になるのではないかと述べましたけれども、半年経って振り返ってみても、やはりそうだなという印象ですね。

内政では、消費増税の影響がじわじわと出てきていますし、外交では、中韓との対立激化と、集団的自衛権絡みで、マスコミが反安倍で気勢を上げています。

日比野庵で取り上げる毎日の話題はなるべくホットなものをと心掛けている積りなのですけれども、1月からのエントリーをざっと振り返ってみると、幾分、外交ネタが多いように思います。それだけの事件が起きているということなのでしょうけれども、この調子ですと、今年は落ち着くことはなさそうな感じです。

ただ、面白いと思われるのは、安倍政権、或は安倍総理に対する海外と国内の評価にややギャップが見られるということですね。

ダボス会議にしても、G7にしても、集団的自衛権にしても、海外の安倍総理に対する評価は決して悪いものではありません。寧ろ、好意的といっていいくらいです。4月にアメリカのTIME誌が「世界で最も影響力のある100人」の中の一人に安倍総理を選んでいました。しかも、その選評は「アジアの大胆な改革者」です。

まぁ、そのうちの大部分は「アベノミクス」に拠るものではないかと思いますけれども、世界はそう見ているということです。けれども、国内マスコミは、集団的自衛権行使容認にしても、反対論が優勢で海外の反応とはギャップがあります。

世界各国はそれぞれの国益を追求しているのですけれども、見方によれば、安倍総理が志向する方向性が、世界各国の国益とも合致している部分があると見ることもできるかと思います。勿論、その反対に、日本の方針が国益に合致しない国もあるわけで、それがどこかなんて、もう言うまでもありません。

これまでは、世界各国の日本に対する反応がここまで2極化するようなことは、あまりなかったのではないかと思うのですけれども、これも、日本が日本としての国益を明確に志向するようになったからではないかと思うんですね。



今年の安倍総理は、積極的平和主義、自由と民主主義、法の支配、これらをキーワードとして、外交を進めていますけれども、このように明確な方針を掲げたからこそ、それを「是」とする国々から支持を得る一方、それを「否」とする国から反発を受けた。そんな感じに見えます。

ですから、ある意味、安倍総理は世界に対して、価値観、世界観を明示することによって、世界を改めて色分けした面もあるのではないかと思うのですね。これまで、そういうのは、アメリカがやっていたものかと思いますけれども、オバマ大統領になってからは、その影が幾分薄くなったような印象を受けます。

これは、筆者の唯の感想にしか過ぎませんけれども、シリア問題でミソをつけてしまったオバマ大統領は、ウクライナ問題では、ロシアに対して、経済制裁だなんだと気焔を吐いているように見えます。けれども、先日来のイスラエルのガザ侵攻に対しては、即時停戦を促すだけで、介入も制裁もする様子がありません。

これも、アメリカの国益に沿った判断だといえば、それまでなのかもしれないですけれども、世界の警察官を自認していた(今は辞任してしまいましたけれども)アメリカがそういう態度をとるようになった。けれども、それを余りにも露骨にやり過ぎてしまうと、今度は、他の国々もじゃあ自分達も国益だけを考えればいいんだな、という動きが、アメリカの威信の低下と相まって加速していくように思うのですね。

たとえ「建前」だけであったとしても、「世界」を纏め繋ぎとめる価値観、或は世界観を、主張し掲げる存在がないと、世界は求心力を失ってしまいます。

世界共通で是とされる価値観、世界観には、国同士を接続するインフラとしての機能があります。この価値観を拠り所として、相互の意思疎通や取決めが可能になるのですね。戦乱が絶えない中東とて、停戦協定という法の支配に基づいた取決めが行われますし、俺様ルールをゴリ押しする中国ですら、「法」を口にします。

けれども、この「建前の求心力」さえ失われてしまうと、後に残るのは「利害関係に基づいた合従連衡」の世界です。或はもうすでにそうなってしまっているのかもしれませんけれども、「利害関係に基づいた合従連衡」は、いつ裏切られるか分からない政治的にも経済的にも非常に「コスト」が掛かる世界です。当然「平和」を維持するコストも高くなり、結果として、今以上に平和が遠のいた世界になってしまいます。

ゆえに、「民主主義と法の支配」という、今の世界を繋ぎとめている価値観(建前の求心力)を掲げて外交をしている安倍総理の存在は、今の世界情勢においては、意味あることなのではないかと思います。




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