憲法9条は友達が少ない

 
今日は、極々簡単に…

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7月13日投開票された滋賀知事選は、嘉田由紀子知事の後継として「卒原発」を訴えた前民主党衆院議員の三日月大造氏が、自公推薦を受けた元経済産業官僚の小鑓隆史氏、共産党県常任委員の坪田五久男氏を破り、初当選した。

得票数は、三日月氏が253728票、小鑓氏が240652票、坪田氏が53280票。得票率でみると、三日月氏と小鑓氏のそれは、46.33%と43.94%。開票当日は21時を過ぎても勝敗が決まらないという大接戦だった。

だけど、どんなに接戦を演じようが負けは負け。

何でも、自民党の告示前調査では、与党系候補が優勢だったそうだのだけど、それをひっくり返された形。安倍総理周辺からは「スイッチが入るのが遅かった。真剣さが足りなかった」との声が漏れ、石破幹事長は「国政のことで知事選に影響があったとすれば、党本部が責任を負うべきだ」と敗戦の弁を述べた。

選挙前、石破幹事長は「負ければ集団的自衛権のせいにされる。それは嫌だ」と周囲に語っていたそうなのだけれど、この敗戦の弁は図らずも、そうした心境を吐露している。

翌14日、石破幹事長は、記者会見で「負けたのには負けたなりの理由がある」と述べ、来月5日の全国幹事長会議で敗因や対応策を報告する考えを示しているけれど、敗因をなんとするのか興味深い。というのも、一部から自民党は慢心しているんじゃないかという指摘が出てきているから。

維新の会の松野国会議員団幹事長は「集団的自衛権をめぐる閣議決定の強引さ、セクハラやじなど自民党のおごりを有権者が見た結果だ」と分析している。まぁ、野党のいうことだから、という見方もあるかもしれないけれど、同じ指摘は与党からも出ている。それも官房長官から。

7月9日、菅官房長官はBSフジの報道番組に出演し、内閣支持率が低下している理由について「安全保障の部分が引き金になったことも事実でしょうし、あとはセクハラ発言があった。…自民党が驕りはじめたんじゃないか」と述べている。

今回の結果にサヨクメディアは大喜び。社説の見出しをいくつか拾ってみると次のとおり。
・東京新聞:滋賀県知事選 強引政権は猛省せよ

・毎日新聞:滋賀県知事選 政権のおごりへの批判

と、早速叩いてる。だけど市場は無反応。14日の日経平均は15296.82円と反発。今のところ、特段の悪材料視はされていない。

だけど、マスコミはここぞとばかりに叩いてくることは、ほぼ間違いない。今回の滋賀知事選で、集団的自衛権は恰好のネタとなってしまったかもしれない。だとすれば、これからもどんどん記事にして、「やれ戦争に巻き込まれる」だなんだ、不安を煽ってくることが予想される。



7月13日付の北海道新聞は、漫画家の倉田真由美氏へのインタビュー記事を掲載しながら、集団的自衛権行使容認を批判している。倉田氏は「例えば、友人と自分の子供を連れてマチを歩いていたとする。友人が柄の悪い人たちに絡まれた。そこで集団的自衛権を行使して、友人に加勢するか。そうすれば、自分も怪我をして、子供にも火の粉が及ぶかもしれない。私だったら、ひきょう者とののしられても、子供を抱えて警察に逃げ込みますよ。どうすれば被害を最小限に食い止められるかを考えます。…一度そうしたマッチョな男性的な正義感を振りかざすと、武器を持ち出したりと、どんどんエスカレートしてしまう。一番の歯止めは、憲法第9条であり、集団的自衛権を認めないという憲法解釈なのではありませんか」なんて述べているけれど、はっきりいって現状認識が甘すぎる。というか、本気でそんなことを思っているのですか、と100回くらい聞き返したくなる。

国際社会を身近な例を使って分かりやすくアピールするのは結構だけれど、その肝心な例えが間違っていれば、それは唯のミスリードに過ぎない。

倉田氏は、被害を最小限に食い止めるために、警察に逃げ込むという。だけど、警察が被害を最小限に食い止められるのは、警察力という"武力"を持っているからであって、丸腰の警官なんて袋にされるだけ。人気ブログ「ねずさんの ひとりごと」には、戦後の治安が整っていない頃、当時の警官が、一切の銃器の所持が許されていなかったのをよいこと、「朝鮮進駐軍」と名乗る在日朝鮮人が悪逆非道の限りを尽くした様子を記した記事をものしている。

今や、国際社会でも、その武力を持った警察官であったアメリカが、警察官を辞めると言い出した。警察官が居なくなった社会に、一体何が起こるのか。それは、「朝鮮進駐軍」の例を出すまでもなく明らか。

倉田氏は、警察がない社会で、子供を抱えて一体どこに逃げ込む積りなのか。

警察が居ない社会で、悪逆非道の暴漢から身を護ろうとしたら、自分達で仲間を集めて自衛するしかない。それがいわゆる「集団的自衛権」。

戦後、悪逆非道の限りを尽くした「朝鮮進駐軍」らは、最終的に、米軍正規部隊によって鎮圧されたけれど、そこまでしなければ、収まらなかった事実がある。

これまで、憲法9条が成立しているかのように見えていたのは、その裏に圧倒的な武力を持った存在であるアメリカと同盟を結んでいたから。丸腰の憲法9条なんて蹂躙されるだけ。

今や、その圧倒的だったアメリカは自らその身を引こうとしている。"9条信者"な人達は、9条が何によって支えられていたのかを知らなくてはならない。

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