国産ステルス戦闘機「心神」ロールアウト

 
昨日のエントリーの続きから。

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昨日のエントリーで、第6世代戦闘機について少し取り上げたけれど、先日、TBSの「報道特集」で丁度、この日本の国産ステルス戦闘機についての特番があった。

報道の内容自体は、開発経緯と、ステルスと高機動性の両立のための新技術の紹介程度で、あまり詳しい内容ではなかったけれど、それなりに開発が進んでいることが確認できた。

国産ステルス機については、これまで何度が取り上げたことがあるけれど、愛称である「心神」は、自衛隊技術本部の中の人が、愛称として使うようになって、それが定着したのだそうだ。

また「心神」は、巨匠・横山大観が「古い本に富士を『心神』とよんでいる。心神とは魂のことだが、私の富士観といったものも、つまりはこの言葉に言いつくされている。…富士は、そういう意味でも、たしかに日本の魂だと、その時も思ったことだ」と述べたことがあり、純国産戦闘機の開発という点を考えると、「日本の魂」という想いも込められていても当然だといえる。

「報道特集」では「心神」が開発元である三菱重工・小牧南工場でロールアウトする様子が映し出されていたけれど、エアインテーク付近には、ボカシが入っていた。

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番組のキャスターが放送前に、一部形状が機密事項にあたるので画像に加工を施していると断りをいれていたけれど、あのボカシによって、逆にエアインテーク形状が機密であることがモロバレ。

それに、ボカシをいれていても、エアインテークが四角形になっていることは、はっきり分かる。四角形のインテークの方がステルス上有利だとは良く指摘されることだけれど、インテークが一般的な主翼下の2か所だけでなく、機体下部にあることも見て取れる。更に、はっきりとは分からないものの、主翼上側の機体側面にエアインテークの様な四角形状のものがあるようにも見える。

これが、本当にエアインテークなのかどうか分からないけれど、ボカシ処理がされている以上、機密となっているものであることは間違いない。例えば、これが開閉式のエアインテークか何かだったとすると、必要に応じて開閉することで、バイパス比を可変できる仕組みなどがあるのかもしれない。

無論、今後も今回の実証機から最終形になるまでの間に、更なる改良が施されるのだろうから、最後にどうなるかは分からない。

将来、心神が空自の主力戦闘機になることがあるとしたら、その用途は何になるのか。これまでのように、領空侵犯機に対するスクランブルが主任務なのであれば、特にステルス性能は必要ない。なぜなら、スクランブルはその性格上、侵犯機に自分を視認させた上で、退去させなくてはならないから。

無論、最新軍事技術を持っておく為に、ステルス機を開発する、という理由もあるのだとは思うけれど、それ以外にも、制空戦闘や、先制攻撃等マルチロールな使い方もある程度想定しているのだと思う。



7月11日、政府は、武力攻撃事態法を改正し、現在の「(外国からの)攻撃が発生した」場合に限定して認めてい武力行使を「攻撃が発生する明白な危険が切迫している」場合でも可能とする方針を固めたと報じられている。

これは、集団的自衛権行使容認の閣議決定で「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険があると認めれば、武力行使が可能」としたことを受けたもので、集団的自衛権行使と連動した法改正。

となると、当然、空自の装備もそれを可能とするものでなければならないことになるから、今後、心神のみならず、自衛隊の装備もある程度、先制攻撃をも想定したものに変わってくるものと思われる。

7月11日、小野寺防衛相は、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、日本は中国との対立を望んでいないとした上で、「対立を見て見ぬふりをすることはない。…力によって地域の現状を変更しようとする試みは受け入れない。…力を背景に秩序を混乱させる一方的な行動があれば、断固とした対応を取らなければならない」と発言している。

防衛相がここまで明確に発言するからには、当然そのための準備も着々と進んでいると見るのが普通。

実際、小野寺防衛相は7月7日、サンディエゴの海軍施設で強襲揚陸艦「マキン・アイランド」を視察した後、自衛隊にも離島奪還作戦で活用する新型艦艇の導入を本格検討する意向を表明している。

また、小野寺防衛相は今年4月に霞ケ浦駐屯地で、離島防衛のために新設される水陸機動団に配備予定の水陸両用車「AAV7」に試乗している。水陸機動団については、去年8月のエントリー「自衛隊が海兵隊を創設する日」で取り上げたけれど、海に空に、着々と国土防衛のための準備が進んでいる。

当然、装備拡充のための防衛費も増えることは避けられない。それは日本を守る為に必要な最低限のコストだと受け止めるべきだろう。




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