朝鮮連邦の未来

 
今日はこの話題を簡単に…

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7月7日、韓国の朴大統領が、3日に行われた中韓首脳会談の内容を外交チャンネルを通じて、アメリカに説明することが明らかになった。

これは、最近、富に中国寄りの姿勢を見せる韓国にアメリカが懸念を示していることに対するもので、 韓国政府高官は「韓中首脳会談の議題となった北朝鮮核問題、ミサイル防衛(MD)システム、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)などの懸案について、話し合いの内容を米国側に十分に説明する予定。米国側との調整は韓中首脳会談以前も行っている」とコメントしている。

だけど、中韓首脳会談以前にアメリカと調整していたにも関わらず、再度アメリカに説明に行くということは、十分な調整ができていなかった、ということ。或は、水面下で相当な圧力を受けたのかもしれない。

中国にもアメリカにもいい顔をしていた韓国も、とうとう米中双方から睨まれる立場となってしまった。何でも、最近、韓国紙コリア・タイムズが「中国と米国の間をフラフラとすることが、正しい牽制の道だ」とする社説を掲載したそうなのだけれど、そんな外交ばかりしていたら、普通は、信用を無くし相手にされなくなる。ただ、韓国の扱いという意味では、韓国を長年属国にしていた中国の方がアメリカより、ずっと長けている。中国はそんな韓国の性格を百も承知。

半島オセロ」のエントリーで、中国は属国化した韓国主導で半島を統一させることで半島丸ごと我が物にしようと狙っているのではないかと述べたけれど、たとえ韓国が米中の間をフラフラして牽制しようとしても、そこはそれ中国のこと、なんだかんだで、結局は、韓国を属国化してしまうと思う。

韓国は米中の間をフラフラして徒らに時を浪費すればするほど、逆に、中国への属国化が近づくのではないかと思う。

そんな折、北朝鮮が妙手を繰り出してきた。それは朝鮮半島の連邦化の呼びかけ。



7月7日、朝鮮中央通信ルートで発表された声明で、北朝鮮は「統一は、社会体制とイデオロギーが異なった2つの国の存在を念頭に置いた、連邦化を原則として行う事が可能だ。…対決と反目を捨て去り、外国勢力への依存を終わらせ、南北関係改善にとって好ましい雰囲気を創り出すよう」韓国に求め、その上で「南北は、共存と共同の繁栄、共通の利益を保証するため、あらゆる朝鮮人の利益にかなった受け入れ可能な、祖国再統一に関する具体的提案を共同で持ち出すべきだ」と呼びかけている。

この北朝鮮の声明で、筆者がポイントだと思うのは、「イデオロギーが異なった2つの国の存在を念頭に置いた、連邦」という部分。

連邦とは、弱小国家や都市、自治共同体が独立を保つために連盟して、周辺大国に対抗する体制のことで、周辺の強大国には単一の主権国家として対峙し、内部的には盟約を結んだ構成体同士の独立関係を維持する国家体制のこと。

だから、"イデオロギーが異なった2つの国の存在を念頭に置いた連邦"というのは、外(中国)に対しては、統一朝鮮国として相対峙することで属国化を防ぎつつ、中(韓国国内)は、韓国連邦、北朝鮮連邦とこれまでどおりの南北体制を維持しようという狙いがあるのではないかと思う。

仮に北と南が盟約を結んで"朝鮮連邦"になったとしたら、"半島統一"という名目で、他国から資金援助してもらえる可能性も出てくる。その時は、統一朝鮮への資金援助を行う国の一つとして、日本もきっとリストアップされる。

まぁ、日本が実際そんな金を払うのかどうかは別としても、世界は、やはり何らかの形で統一朝鮮を援助することになるだろうと思う。当然、その援助資金の一部は北朝鮮にも流れる。北にしてみれば、たとえ折半だろうが何だろうか、タダで資金をゲットできる大チャンス。先の中韓首脳会談で、中国が統一朝鮮を支持する発言をしている。だから、北朝鮮提案の「統一朝鮮連邦」に韓国がウンと言いさえすれば、それが実現する可能性は高い。

だけど、その「統一朝鮮連邦」は、イデオロギーが異なった2つの国を内包することを許した連邦。だから、北朝鮮が連邦制を隠れ蓑にして、ゲットした資金を核開発や軍事拡張に使うことだって、やろうと思えばできてしまう。

それに、韓国よりも貧乏な北朝鮮は、例え連邦になったところで、核と軍備以外に韓国に供与できるようなものは殆どもない。寧ろ、人道支援の名目の下、韓国からの持ち出しが遥かに多くなるであろうことは目に見えている。

つまり、この「統一朝鮮連邦構想」は、北朝鮮にとってメリットばかりの美味しい話。有体にいえば、人道支援の名目で、南の富を吸い取りつつ、外国からの干渉を防ぐための時間を稼ぐ戦略だと言えなくもない。

まぁ、敢えて北朝鮮のデメリットを挙げるとすれば、統一朝鮮連邦の首長と権限を韓国側に譲らなければならない可能性があることくらい。だけど、これとて北朝鮮が、スパイに浸透工作をさせて、ひっくり返してくることだって、大いに考えられる。

北朝鮮は強かに"大技"を仕掛けてきた。韓国は注意しないと、米中の間をフラフラとしているうちに、北朝鮮に足下を掬われるかもしれない。




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