2014年4-6月期のGDP大幅マイナス

 
今日はこの話題です。

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8月13日、内閣府が4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値を発表した。

それによると、4-6月期のGDPは、実質で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減の大幅な落ち込み。項目別でみると、設備投資は2.5%減、公共投資は0.5%減ながら、全体の約6割を占める個人消費が5.0%減と大幅に減少している。

1-3月期のGDPは前期比プラス1.5%増、年率換算6.1%増だったから、それを丸々食いつぶして水面下に突っ込んだ形。

一応、政府などは、消費増税前の駆け込み需要の反動減だといっているけれど、エコノミスト達は、当初の想定以上に落ち込みが激しいとしている。

モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは統計発表前のリポートで「消費税率引き上げのショックは想定よりも大きい。…前回1997年の消費税率の引き上げ局面よりも駆け込み需要とその反動が大きかったことに加え、増税による実質可処分所得の減少が消費に悪影響を与えている可能性がある」と指摘。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストも事前リポートで、消費増税前の駆け込み需要の反動だけでなく、設備投資も比較的大幅な反落が見込まれるとしている。

下の図は、消費支出の推移を前回の消費増税前後と比較したものなのだけれど、今回の落ち込みは前回を大幅に超えていることが分かる。これは、モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅氏の指摘するように、可処分所得の減少が原因なのではないかと思う。

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企業が設備投資を控えるような状況で、給与だけが上がることはないだろうし、市場では先行きについて厳しい見方が多いという。

ただ、逆説的ながらGDPが下振れすることで、政府や日銀が対策を取らざるをえなくなり、それが買いの材料になるとの声もある。

8月12日、日本経済研究センターは、主要民間エコノミストの景気予測を纏めた8月分の「ESPフォーキャスト調査」を発表し、7-9月期のGDP成長率を、平均で実質年率4.08%と予想、前月調査の2.65%大きく上方修正している。

政府は7-9期のGDP値を、来年10月の10%の消費増税の重要な判断材料としているけれど、反動減で7%近くも落ち込んだ値が、急にこんなに回復するのか。余程消費が回復しない限り、それは難しいように思える。

8月8日、財務省は国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が6月末時点で過去最大の1039兆4132億円になったと発表し、日経新聞が「国民1人当たり約818万円の借金を抱えている」などと報じている。

一体いつまで、日経はこんなミスリードを続ける積りなのか。借金しているのは政府であって、国民は貸している側。この手の報道はいつも行われているのだけれど、これは、財務省が国の財政が大変だ、と宣伝させることで、消費増税も止む無しと思わせようとする"工作"なのではないかと穿った見方をしてしまう。

国民の借金論について、筆者はこれまで「家財政を家計に例えるのなら…」や「未来イメージは国家を繁栄させる」のエントリーで、「一家の父親が政府、母親や子供を国民だとすると、父親が母親のへそくりや子供の貯金を借りて、商売なり畑を耕すなりしている」ようなものだと述べたことがある。



この説はなにも筆者だけが言っていることじゃない。麻生財務相も数年前に同じことを言っている。

こちらに、その麻生財務相による「日本の借金の解説」がアップされているけれど、麻生財務相は、日本国債の現状は"家庭内での貸し借り"と同じであって、旧大蔵省とマスコミが煽っているだけと述べている。

8月6日、愛知治郎財務副大臣「子ども霞が関見学デー」で財務省を訪れた小学生に「僕たちにも借金はあるの」と聞かれ、「借金は国と地方を合わせて1000兆円。みんなで支え合い、返していきましょう。…今、消費税という税金をお願いしています」なんて答えたそうだけれど、とんでもない話。

これが財務副大臣ではなく、麻生財務大臣なら、こんな答えはしないだろう。なぜ、麻生財務相に相手させなかったのか。どうも、いろんなところで、ミスリードというか洗脳工作が行われているようで気持ちが悪い。

7月22日、麻生財務相は、横浜市内で講演し、消費増税10%への引き上げについて、「財政再建にはあと2%増税というものをやらなければならない。…安倍晋三政権は)約束したことを実行することで信任を得ている。仮に今、苦い薬であっても、将来はよくなるという確信のもとに、国民の信頼を得ていると思っている」と、消費増税引き上げに意欲を見せているけれど、本心から引き上げが必要だと思っているのかどうか…。

これは多分に好意的な見方なのかもしれないけれど、務省に洗脳されているのでなければ、麻生財務相は財務相としての役割、或は仕事として、そんな発言をしているのではないかと思えてくる。

先ほどの消費支出の推移グラフでいえば、前回、前々回の消費増税のときは反動減での落ち込み後、消費支出は、次の四半期に急回復することなく、横這いが続いた。だけど、専門家たるエコノミスト達は7-9月期は急回復するとしている。

その答えは3ケ月後に明らかになる。




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