今日はこの話題を極々簡単に…

新聞の凋落が止まらない。一般紙とスポーツ紙を合わせた、日本国内での新聞発行部数の1997年の5377万部をピークに減少を続けている。ネットが本格的に普及しだしたと言われる2005年からは減少に拍車がかかり、特に2007、2008年以降その傾向がはっきりと見て取れる。2013年の発行部数は、スポーツ紙を合わせ4700万部にまで落ち込んでいる。
こちらの発行部数データによると、全国紙の発行部数は、読売、朝日、毎日、日経、産経の順となっていて、読売、朝日のツートップが他を大きく引き離している。
その一方、こちらで分析されている、2013年前期における主要全国紙の朝刊販売数変移では、産経以外の4紙は軒並みマイナス。特に日経は-2.18%と大幅な落ち込みを見せている。
このサイトでは、日経が激しく落ち込んでいる理由について、「経済系専門雑誌の販売部数の落ち込みが激しいのと同様の理由、つまりスピーディーな情報が求められる経済分野をメインにしていることから、より速報性が高いインターネット媒体へシェアを奪われた結果による動きと考えれば、道理は通る」と分析しているけれど、筆者も同意する。
では、速報性が求められない分野なら、まだ紙媒体の新聞の需要があるかというと、必ずしもそうとは言い切れない。
こちらのサイトでは「アナタが最も信用している新聞は?」というアンケート結果について紹介しているけれど、それによると、1位が地方紙(18.7%)で、2位が新聞読まない(17.4%)、3位にようやく読売新聞(13.0%)が登場する。
確かに、都道府県別発行部数上位3紙データをみても、ランキング一位は地元紙がその多くを占めている。
寄せられたアンケートの声でも「大手の世論調査が、信用ならなくなったので」とか「新聞やニュース等は事実をそのまま伝えるものであり、個人的もしくは社風的観測は論外です! 」など、新聞を信用していないという意見が目立つ。
尤も、このアンケートは"ネットからも積極的に情報を取り入れる人"を対象に実施されていて、世代的には20~50代がメインターゲットとのことなのだけれど、それでこの結果ということは、逆にいえば、紙媒体としての新聞はネットに負け始めていることを示してる。
元朝日新聞記者で、ジャーナリストの窪田順生氏によると、朝日新聞は、2009年以来、都内から100店もの販売店がなくなったそうで、「これまで日本の主流だったのはリベラル層です。私も含めて、隣国の主張を聞き、誠実に対応したほうがいいと考えてきました。慰安婦問題によって、それがいかに無責任で、日本全体に影響を与えてしまったかが、一般の人にもわかってしまったのです」と指摘している。
更に、関係者によると、朝日は深刻な部数減によって急速にネット移行を進めているらしく、新聞を読まない若者世代にアピールしているのだけれど、ネットでの朝日のイメージが"反日"、"親中、親韓"となっていることから、それを払拭したい意向もあるという。
何でも、朝日関係者は、安倍政権発足後、朝日バッシングが加速し、苦情や抗議活動、不買運動が連日展開され、部数を大幅に落としたなどと、部数減を安倍政権のせいにしているけれど、自分のこれまでの行為を少しは振り返ってみたらどうなのか。
今回の慰安婦誤報検証記事について、橋下大阪市長は、8月7日の囲み取材で、朝日記者に対し「僕だったら報道が出た瞬間に辞める。日韓関係をこじらせちゃって、とてもじゃないがいられない。…よくいられる。すごい精神力。政治家向きだ。僕だったら辞めるが、朝日の人はそこまでのことだと感じていないんでしょうね」とコメントしているけれど、橋下市長のいうように、今回の誤報について朝日が"そこまでの事だと感じていない"のならば、相当、世間の感覚からズレている。
先日、テレビ朝日は8月7日に広島で行われた平和記念式典で、安倍総理のスピーチの半分程度が去年のものとほぼ同じ内容ことから流用ではないかと批判していたけれど、それをいうのなら、吉田証言という根拠のない間違った言説を32年間も流用し続けた朝日新聞を32倍は批判しないといけないだろう。
表現の自由は、何もメディアだけに認められた特権じゃない。国民にも批判する自由がある、それは直接的には選挙や購買活動によって"表現"されるけれど、ネットの普及に伴って、更に個々人の意見としても"表現"されるようになってきた。
表現の自由は、それ自身によって監視される。その結果が販売部数の低減なのであれば、表現の自由を謳う報道機関は、それを是とし、歓迎しなくちゃいけない。
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