マックが日本から消える日

 
昨日のエントリーは申し訳なかったです。体力の限界でどうにも無理でした…(^^;)。気を取り直して、今日はこの話題です。…

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7月29日、政府は、年内にも、外食企業などに対して食品の原材料や原産地の表示を義務付けるかどうか具体的に検討に入ることが分かった。勿論、例の中国賞味期限切れ肉問題を受けてのもの。

何でも、外食企業にしてみれば、原産地表示をすることは、費用負担が重いということで、これまで義務付けはしてなかったそうなのだけれど、流石にここまでやらかしてくれると、そうも言ってられないということなのだろう。

消費者庁では、来年施行する食品表示法の基準作りを進めているのだけれど、その目途がつき次第、原産地などの表示について検討作業に入るという。

この食品表示法は、近年、次々と明らかになったホテルや百貨店、レストラン等での食品表示不正が、国内外の消費者の「日本の食」に対する信頼を失墜させることに繋がるとして、去年の11月から検討されている。

これまでの議論では、そうした問題は「事業者のコンプライアンス意識の欠如」、「景品表示法の趣旨・内容の不徹底」、「行政の監視指導体制の問題」にあるとして、不当表示事案について、立入検査及び措置命令などの厳正な対処や、景品表示法のガイドライン作成と周知徹底、そして、表示に関する相談体制の強化を図るとしている。

食品表示法は、これまでの「食品衛生法」による衛生上の危害発生防止と、「JAS法」に基づいた品質表示、そして「健康増進法」による国民の健康の増進といった、食品の表示に関する規定を統合した一元的な制度を作ることを目指している。

この食品表示法が実際にどんな法律になるのかは分からないけれど、例えば、原産地表示を義務付けたりするようになったとすると、それが一種の"ブランド"的な意味を持つようになると思う。

あれだけのことをやらかしてしまったら、唯でさえ、食に煩い日本人が、今後も同じ様に中国産を選び続けるとは思えない。下手をすると、食品の種類に関わらず中国産というだけで敬遠する事にもなり兼ねない。そうなったら、中国産は劣悪素材という"逆ブランド"商品となる。



食肉問題が発覚して以降、マクドナルドの売上は計画より15~20%も減っているという。マクドナルドは、7月29日から、メニューの原材料の最終加工国、主要原料原産国の情報公開を始めているけれど、「ホットアップルパイ」や「マックチュロス」の原産国と最終加工国が未だに中国だったことから、早くもネットの一部で叩かれているようだ。

そして其れだけでなく、更に評判を落としたのが、今回の問題でのマクドナルド社長の会見での対応。

日本マクドナルド・ホールディングスのサラ・カサノバ社長は、7月29日の決算発表の会見で、例の食肉問題について「懸念と心配をかけ、深くおわびする」と陳謝し、上海福喜のずさんな品質管理については「絶対に許すことができない」と批判した。

だけど、「中国腐敗鶏肉が日本に入って来た証拠が無いことを理由に、返金は考えてない」と述べた。

日本において、しかも事もあろうに食の問題で、この対応は如何にも不味い。「お客様第一」を感じさせない店は、あっという間に評判を落とす。そして、日本人はそういう店から無言で去っていく。

欧州のホテルやレストランの間では、日本人が金払いが良く清潔にし、その場では苦情を言わないけれど、不満があったら二度と来なるなることを指して、妖精(ブラウニー)扱いされているのは有名な話。

2011年8月のエントリー「虎と兎が呼ぶ評価経済社会」で、大阪芸術大学客員教授の岡田斗司夫氏がとなえている、今後、あらゆる価値が貨幣によって数量化され交換されてきた「貨幣経済社会」の時代から、情報の発信者が受信者に情報だけでなく「価値観」をも与え、情報を受け取った側は発信者に「評価」を返す「評価経済社会」について取り上げたけれど、こうした食品表示や会社の対応がブランド効果を持つようになると、それは一種の「評価経済」と言ってもいいのではないかと思う。

「評価経済」は、一度固まった評判は未来永劫そのままではなく、その企業取組や企業努力によって価値が変動する、株価ような面がある。2007年に賞味期限偽装を行って、騒ぎとなった伊勢の名物「赤福」も、その後は社内のコンプライアンスを徹底し、作り置きできない生産ラインを導入するなど、経営転換を進め、業績を回復させている。

マクドナルドの評価は如何なるものとして消費者に「査定」され、今後どう推移していくのか。対応を間違えれば、マックが日本から消える日が来ないとも限らない。




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