常識が100年前の人民解放軍幹部

 
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7月30日、カナダ軍事誌・漢和ディフェンスレビューは、中国が昨年、東シナ海に防空識別圏を設定した後、各軍区の海、空軍を包括する「東シナ海合同作戦指揮センター」を開設したと伝えた。

その目的は「東シナ海防空識別圏の効果的な監視」と「日本に軍事的に安易な行動をとらせないため」とし、約300機の第3世代戦闘機を第一線に配備していると報じている。

まぁ、300機といえば大層な数に思えるけれど、第4世代、第4.5世代が主力の戦闘機の世界の中で、空自でいえばF4Fファントムに相当する"第3世代"を配備するなんて、どこまで本気なのかよくわからない。

ただ、この「第3世代」は、中国式の"第3世代"ということは考えられる。中国ではアメリカでいう第5世代戦闘機のことを「第4世代」と呼んでいる。これは、第3世代戦闘機が主力だった1960年代から1990年代までの期間、それに相当する戦闘機を配備できなかったから。

当時の中国空軍は航空技術をソ連からの輸入に頼っていて、第2世代戦闘機であるMig-21を元にしたJ-7戦闘機のライセンス生産を行っていた。だけど、1960年代になって、ソ連との関係が悪化。それによりソ連の第3世代戦闘機であるMig-23やMigー25を入手できなくなった。

世界で第4世代戦闘機が登場し始めた1980年代になって、ようやく欧米からの技術導入が始められたのだけれど、1989年の天安門事件でそれも頓挫。中国が第3世代戦闘機を開発できないでいる間に、世界の主力戦闘機は、第4世代に移っていった。

そして、ソ連崩壊後の1992年に中国はロシアから第4世代戦闘機であるSu-27を輸入、95年にはSu-27のライセンス生産を開始、これが中国名J-11戦闘機。

今年5月から6月にかけて、東シナ海の公海上空で空自機に異常接近した中国軍の戦闘機はSu-27だったから、この記事でいうところの第3世代戦闘機というのは、実は、Su-27或はJ-11といった第4世代戦闘機だということもある。

確かに、中国空軍はJ-11とSu-27を合わせて300機以上保有していると言われている。まぁ、全部が全部「作戦指揮センター」に配備というわけにはいかないだろうから、実際は、第3世代と第4世代を合わせて300機という辺りが実情なのかもしれない。

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あと、注意しておきたいのは、この合同作戦指揮センターの指揮権は、軍区を越えて軍中枢の総参謀部にあり、東シナ海の情勢に関する報告などは共産党の最高機関である「中央国家安全委員会」に直接行うことになっているということ。

つまり、中国共産党政府の直営部隊ともいうべき存在であり、逆にいえば、中国政府の思惑をダイレクトに反映する存在であるともいえる。

更に、この記事で興味深いのは、「中国は、安倍政権が中国との対立拡大を利用し、憲法改正などの政治理念を実現させようとしていると認識しており、日本に対して先制攻撃はしないが、日本側が先に戦争を仕掛けてくる可能性はあるとして、"戦争の準備"をするという立場をとっている。…不思議なのは中国の軍人、安全保障問題の専門家ら多数の人間が『日本の軍隊は奇襲が得意』だと思い込んでおり、指揮センターの戦術的意図も24時間体制で日本の奇襲作戦を警戒することだ。…中国側の考え方は国際政治の現実とかなりかけ離れている。上層部の軍人らもいまだに19、20世紀初頭の日本を想定しているのは危険なことだ」と指摘していること。

レーダー網が発達し、軍事衛星から24時間監視されている今の世界で、空からの奇襲もなにもあったものじゃない。或は、第5世代のステルス機を警戒しているのかもしれないけれど、実戦配備はまだ先の話。中国は一体何と戦っているのか。

無論、奇襲を警戒する、というのは単なる口実で、東シナ海を実効支配するための軍事力増強が目的だという見方もあるとは思う。ただそれ以上に、「中国側の考え方は国際政治の現実とかなりかけ離れている」という指摘のほうがより重要。

彼らが、国際政治の現実とかけ離れた考えを持っているのが本当だとすると、こちらが、国際政治の現実に則った"常識"が、彼らは常識でもなんでもないケースがあり得るから。

そういえば、去年の1月には、中国海軍のフリゲート艦が、火器管制レーダーを海自の艦に照射しているし、空軍機の異常接近もある。先日も、アメリカ海軍主催のリムパックに初めて招待された中国海軍がハワイ沖の公海に情報収集艦を派遣して、スパイ活動をしていたことが問題になっている。色んなところで、常識外れの行動を起こしている。

だから、日本としても、そのつもりで対応することも考えて置かないと思わぬところで足を掬われる可能性はある。楽観は禁物。

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