朝日謝罪会見の衝撃と波紋

 
今日は、極簡単に、感想エントリーです。

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朝日社長謝罪会見が波紋を呼んでますね。

12日、13日と連日朝日はこれらを報じました。社内内部からは「社長会見、もっと早くできなかったかな、と。そんな思い」とか「大きなミスがこれだけ続くというのは組織として重大な欠陥があるということ。…社員にとっても忘れられない『朝日の911』になった」とかツイートされていて、朝日社内の衝撃の大きさが伺えます。

13日の社説では、「私たち論説委員は、社説などの欄で、あるべき社会の姿について主張をし、ときに人や組織を批判する役割を担っています。しかし、その土台を大きく損なってしまいました。どんな主張をしても『お前にそれを言う資格があるのか』と厳しく問われるからです。」と述べています。まぁ、信頼を失ったという自覚はあるようです。

現実に、朝日の解約は止まるところを知らず、広告主や大手スポンサーが相次いで撤退しているという話も聞きます。実際12日朝刊の全面広告にはなぜか身内の「有楽町朝日ホール」が掲載されており、予定されていた広告主がキャンセルしたのではないかと噂されています。

朝日が今後、「信頼回復に努める」のは、当たり前のことですけれども、本当に回復したかどうかは、詰まるところ広告や、読者が戻ってくるかというのが一つのバロメータになるかと思います。筆者はあの"謝罪もどき"会見では、中々信頼回復は難しいという印象を持っています。なぜなら自らの過ちを"償おう"という意思が見られなかったからです。

朝日の謝罪について閣僚や与野党から批判の声が相次いでいます。自民党の石破地方創生相は「吉田調書」に関する記事取り消しについて「どう見ても読み誤らない。なぜ間違いが起こるのか。ぜひ明らかにしてもらいたい」と語り、従軍慰安婦問題の一部記事についての謝罪にも、「名誉を傷つけられた人、日本国の尊厳、国際社会に与えた影響。社の姿勢は読者にだけ向けられたものなのか。…読者の皆様におわびするという表現は、私はどうも引っかかる」と述べています。

また、民主党の海江田代表は、慰安婦報道について、「事実と違うことを大々的に報道したのだから、当然ながら日韓関係に与えた影響もある。正確な報道に努めてほしい」とコメントし、同じく民主党の松原仁国対委員長も「間違ったイメージを払拭するため多大な訂正報道をすべきだ」と述べてます。

更に、結いの党の小野次郎幹事長は「吉田調書の記事は人の気を引くようかなり強引に作り上げた感じだ」と批判。次世代の党の山田宏幹事長に至っては「朝日の木村伊量社長から慰安婦報道について真正面からの説明や謝罪がない。社長の国会招致の必要性は高まった」との談話を発表しています。

このように世間は、朝日に"謝罪"を求める段階をとうに越して、その罪に対する責任の取り方を問うていると思うのですね。



菅官房長官は、「誤報があった場合は速やかにきちんと訂正をし、責任を持って毀損された名誉の回復に最善をつくしていただきたい」とハッキリと名誉を回復するまで訂正報道をすべきだと述べています。政府にここまで言わせるということは相当なことです。かつて福田元総理が官房長官時代にマスコミを軽くあしらっていた頃とはまるで違います。

ただ、それで、朝日が海外配信を含む訂正報道を大々的に行うか、とりわけ慰安婦問題についてそれをやるかというと、疑問を持たざるを得ないですね。なぜなら、朝日は慰安婦の「強制性」はあったと持論を撤回していないからです。

謝罪会見で、朝日の木村社長は、慰安婦問題の検証報道について「大変大きな自信を持っている」と明言しました。

その見解は、その場で、産経の阿比留瑠偉記者から、「あの記事の中で、植村隆元記者の記事の中に事実のねじ曲げはないと書かれている。しかし、(元慰安婦の)金学順さんが親に、妓生(キーセン)へ売られたことは周知の事実ですし、その後の植村さんの記事は訂正されていない。明らかな事実のねじ曲げであると思いますが、いかがですか」と厳しく突っ込まれていますけれども、杉浦取締役が「ねじ曲げではない」と否定しています。

慰安婦問題で日本の名誉が傷つけられている最大の要因がいわゆる「強制連行」報道にあったのは明らかですから、それを訂正しない限り、名誉回復もあり得ない。ですから、今後はこの"強制性"を巡っての綱引きが行われるのではないかと思います。けれどもその最大の論拠であった「吉田証言」を失った今となっては、何を持って"強制性"を主張する積りなのでしょう。まさかどこかの国のように"本人の証言が全てだ論"は、日本ではもう通じないでしょうに。

今回の謝罪会見は海外メディアも報じていて、海外も少し混乱し始めている ようです。

作家の塩野七海氏は「誰が慰安婦という名称を付けたのかは分からないが、実に優しい名前を付けた…慰安という単語は苦痛を癒すという意味だ。従軍慰安婦という単語を別の言語で探してみたがなかった。だから、英語で翻訳すればセックス・スレイブ(sex slave=性奴隷)になる。…朝日は(こうした報道が)日本にどれだけの弊害をもたらしたのか考慮しなかった。…(慰安婦問題は)日本に住む日本人が思っている以上に大きな問題になっている。アジアはもちろん、欧米人も関心を持つようになり、手術は避けられないだろう」とし、「朝日の告白が外国、特に米国の雰囲気を変えるきっかけになるかどうかは、日本人の対応にかかっている。…朝日新聞関係者や慰安婦の強制動員を認めて謝罪した河野談話の発表にかかわった自民党の政治家たちを国会の聴聞会に出席させ、テレビで生中継すべきだ」と述べていますけれども、それくらいのことをやらないと駄目なのでしょう。

であるならば、やはり今回の朝日の謝罪会見で終わらせてはいけないですね。




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