橋下市長の一方的勝利宣言

 
今日は、別のテーマにする積りだったのですけれども、補足的に昨日の続きを簡単に…。

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在特会、桜井氏との対決から一夜明けた21日、橋下大阪市長は、あの意見交換会についてメディアの質問に答えた。

内容の詳細は、ネットにアップされている動画等を見ていただければよいと思うけれど、筆者の印象を一言でいうと、橋下市長の「一方的勝利宣言」。

昨日のエントリーで、筆者は、橋下市長は「譲歩」を高く売りつけるために、もう一度在特会と話し合うポーズを取るのではないかと予想していたのだけれど、そんな甘いものではなかった。橋下市長は、一方的に勝利宣言をすることで、在特会との再度の対話を拒否しつつ、「譲歩」を"押し売り"した。これは筆者の見立てが甘かった。

会見で、橋下市長は、「20日の意見交換会で、自分が在特会の主張を受けたのだ」と一方的に宣言した。"後だしジャンケン"で宣言することによって、在特会側が橋下市長の「譲歩」を買う買わないと答える機会すら与えず、もっとぶっちゃけていえば、在特会の返事なんてどうでもよく、"売った"ことにした。正に押し売り。

しかもその「譲歩」とは、昨日のエントリーでも触れた、中身のない「仮想の利益」。

20日の意見交換会では、橋下市長は、桜井氏の発言に対して「国会議員に言え、政府に言え」と撥ね付け、自分が何をどうするとはただの一言も言わなかった。あくまで、"大阪市長"という立場を全面に出し、自分は全く関係ない風を装っていた。

そして、桜井氏に対して、「大阪でヘイトスピーチは止めろ」と、ただ一点に"絞り込んだ"要求をぶつけていた。それでいて、桜井氏の「ヘイトスピーチの定義を教えろ」という質問には一切答えず無視した。言質を取らせなかった。

そうしておいて一夜明けた21日、橋下市長は「維新の党の代表として、在特会の要望を受けた」と勝手に宣言。一転して維新の党という国民政党の代表の立場を強調することで、20日の意見交換会は、在特会の意見を聞く場だったのだ、とこれまた一方的に決めつけて見せた。

だけど、20日の意見交換会なんて、"意見交換"など、何一つなかった只の罵り合い。なのに蓋をあけてみれば、橋下代表が"在特会の要望"を聞いたことになっている。つまり、橋下市長は、あたかも陳情を受けたかのような「仮想の利益」を作り出し「譲歩」を演出してみせたということ。

しかも、20日の意見交換会では、橋下氏は自分がどうするこうするなんて一言も言ってない。だけど、21日の会見で橋下市長は、"在特会の要望"を聞いたから、どう対応するかは、これから考えるとコメントした上で、彼らにヘイトスピーチを止めるよう付け加えることも忘れなかった。

要するに、橋下市長は、在特会の意見を何一つ聞くことなく、そして、ヘイトスピーチの定義一つすら示すことなく、"ヘイトスピーチ"対策のフリーハンドを握った。(と一方的に宣言した)。

橋下市長にしてみれば、在特会の意見を聞いたという「譲歩」の演出は完了した。だから今後、2度目の話し合いは必要ないし、やる積りもないだろう。

そして、もっと重要なことは、橋下氏が、「在特会の要望を受けたから、今後はみんな自分のところに言って来い」という形に誘導したことで、今後、在特会がこれまでのようなデモをしたとしても、「ヘイトスピーチを止めろ」と介入する口実を、彼が手にしたということ。だから、今後、在特会の行動について、橋下氏があれこれ口撃する可能性はあると思う。

更に言えば、橋下市長の今回の対応は、在日に対する言い訳というか、配慮していると主張するためのアリバイ作りの側面もあったかもしれない。

20日の意見交換会について、NPO法人「コリアNGOセンター」の金光敏事務局長は「何のための面談か全く意味が分からなかった。在特会の社会的認知を高めただけ。市民の代表の市長が公の場で罵倒される姿に不快な感じがした」と話しているけれど、橋下市長は、21日の会見で「直接の申し入れを受けたと。責任は今度、国政政党や維新の党代表の僕のほうに移ったわけで、在日韓国人のほうに一切責任はないわけですから、そこはしっかり考えてもらわないと」と述べている。これは、在日に対して在特会からの"攻撃"はさせないというメッセージだと言えなくもない。

こうしてみると、橋下氏は自身の評判を落としたことと引き換えに、彼なりに得るものは得たのではないか。

だけどやはり、筆者は、橋下市長のこんな「詐欺的」な言動は感心しない。まぁ、これこそが"政治屋"というものなのかもしれないけれど、何より誠実さがないし、後々、敵を作る要因にもなる。

その意味で、今回の橋下氏の対応は中長期的には不利に働くようになると思う。今回、橋下流交渉術が公に晒されたことで、却って彼の落日が始まったのかもしれない。




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