昨日の続きですけれども、簡単に…

アメリカに上陸したエボラ出血熱、日本に来る恐れはないのかというと勿論そんなことはない。海外との往来がある限り、常にそのリスクはある。
10月16日、韓国釜山で20日から開催される「国際電気通信連合」の全権委員会議を前に行われたイベント参加者20人余りの中に、ギニアからの参加者1人が高熱を出し、すわエボラかと騒ぎになった。
発熱者は個人防護服を与えられた上で指定病院に搬送、現場はトイレや控室などが消毒処置された。
空気感染しないとはいえ、アメリカで2次感染が発生した以上、少しでも怪しいものは、エボラと仮定して処置を行うべきだろう。
17日、韓国のチョン・ホンウォン首相は、20日からの国際電気通信連合の全権委員会議について、外交問題にならない範囲内でギニア、リベリア、シエラレオネの西アフリカ3ヶ国代表団の出席自粛を要請するよう外交部に指示したそうだれど、入国時の段階で確実にエボラに感染していないと検査できない限り、リスク回避を考えると、やむを得ない措置だと思う。
昨日のエントリーのコメント欄で白なまず氏が指摘していたけれど、アンソニー・バリー国連特別代表はエボラについて、流行拡大を抑えるためには、少なくとも感染死亡者の70%が他の人に汚染することなく埋葬する必要があるとした上で 「これは10月1日から60日間の勝負だ。…そしてこれらに失敗した場合、私たちは完全に敗北する。指数関数的に感染者が増加するのです。」とコメントしている。
だけど、そのためには、やはり早い段階でのエボラ感染を検査できるシステムの構築が必要不可欠であるように思える。アメリカでの2次感染にしても、最初のエボラ患者を初期診断の段階でエボラだと確定できなかった故に、パンデミックリスクを増大させてしまったことは否めない。
10月14日、国連の国際原子力機関(IAEA)は、「早期診断は、適切な診療と組み合わせた場合、患者をより早期に隔離し治療することを可能にする。患者の生存確率を高める上、感染の拡大を抑える助けにもなる」との声明を発表し、エボラ出血熱の流行が発生している西アフリカ諸国に、診断の迅速化を助ける機器を提供すると発表している。
こうした検査装置は高価なものが多く、アフリカの国々の病院にはない場合が多いとおう。例えば、ナイジェリアの小都市のある大学病院では、急性ウイルス感染症であるラッサ熱の疑い症例が年間100例以上あるにも関わらず、そうだと診断されるのはその2割以下なのだという。しかもその2割でさえ、検査装置のある別の都市の研究本部に送って10日くらい待つのだそうだ。
こんな状況下では、エボラのように潜伏期間が比較的長い上に、たった数個でも感染するウイルスを相手に、感染拡大を防ぎきることは非常に難しい。
IAEAは、数時間以内にエボラウイルス検出を可能にする装置を、今後数週間以内にシエラレオネに送る予定としているそうだけれど、数週間も待っていたら、60日なんてあっと言う間。一刻も早く、送り届けるよう取り計らっていただきたい。
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