佐渡金山は岸田総理の踏み絵になるか

今日はこの話題です。
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1.佐渡金山の世界遺産推薦問題


1月24日、衆院予算委員会で質問に立った自民党の高市早苗政調会長は、2023年の世界文化遺産登録をめざす国内候補に選ばれた佐渡金山遺跡のユネスコへの推薦をめぐり、必ず今年度に推薦すべきだと政府に求めました。

佐渡金山については、韓国などが「強制労働があった」と主張・反発し、外務省側は「登録が見込めない」と推薦に足踏みしています。

これに対し、高市政調会長は「佐渡金山は江戸時代に伝統的な手工業で高品質の金を生産してきた……新潟の方々は世界遺産を目指し、20年以上も情熱を持って取り組んできた……日本政府は誇りを持ち、必ず今年度に推薦すべきだ。国家の名誉にも関わる」と政府に対応を促しました。

そして「江戸時代の金山について韓国が当事者ではあり得ない。推薦しないと来年度以降はさらに困難になる。来年秋から韓国が立候補する可能性が高く韓国が反対する最悪の状況を招く。その後に中国が立候補する可能性が高く、8年間にわたり韓国・中国による歴史戦に持ち込まれる」と指摘。更に「韓国への外交的配慮があるのか……仮に、今年度の推薦を見送った場合、来年度までに確実に登録される環境をつくる自信と戦略があるのか」と畳みかけました。

答弁に立った、林外相は「総合的な検討をしている」と明言を避けながらも「韓国への配慮を行うことはまったくない。今年度の推薦をしないと決めたことはない」と否定しました。

また、岸田総理も「歴史認識に関わる問題は重視している。いわれなき中傷には毅然と対応する」と答弁しました。


2.論戦を避けるかたちで登録を申請しないのは間違っている


佐渡金山のユネスコ推薦について、当初は見送る方向で調整していると報じられていたのですけれども、これについて、自民の保守派を中心に反対の声が上がっています。

20日、安倍元総理は「論戦を避けるかたちで登録を申請しないのは間違っている。しっかりとファクトベースで反論していくことが最も大事だ」と安倍派の会合で苦言を呈しました。

また、同じく20日、自民党の城内実衆院外務委員長は、自身のツイッターで「事実であれば極めて遺憾。韓国政府の嘘や捏造に屈してしまえば、『やはり日本に対しては、嘘や捏造も言い続ければまかり通る』として、今後もあらゆることでその手法を使ってくるでしょう」と発信しました。

更に、25日には、自民党の高鳥修一衆院議員は自身が代表世話人を務める「保守団結の会」の会合で「もし推薦を上げない判断を政府がした場合、新潟県民の大きな失望を招く。のみならず、参院選前にわが党の岩盤保守層が離れる契機になると危惧している」と語っています。

もっとも、新潟県関係者によると、1940~42年には三菱鉱業が朝鮮半島で労働者を募集し、約1000人を受け入れ、給与なども支払われていたのですけれども、反発も考慮して、地元では申請対象を「江戸時代まで」に限定するなどの措置を重ねてきたそうです。

今回の騒動について、ジャーナリストの室谷克実氏は「岸田政権は徹底的に『中韓に弱腰』で、まさに術中にハマったといえる。韓国側の主張を認めるような流れで推薦を見送れば、いわゆる徴用工訴訟にも響いてくることが予想される。岸田政権は『河野談話』を発表した宮沢喜一内閣の影がチラついてしまう」と指摘していますけれども、そう言われても仕方ありません。


3.世界遺産に登録すべきだ


佐渡金山の登録申請について、産経新聞とFNNが1月22~23日にかけて行った世論調査では、「登録すべきだと思う」が53.8%と半数を超え、「思わない」の33.9%を大きく上回りました。

更に、夕刊フジが23~24日に公式サイトzakzakで行った緊急アンケートでは、何と98%が「堂々と推薦すべきだ」と回答し、「推薦を見送るべきだ」は1%しかありませんでした。

フジのアンケートでの回答者の意見は次の通りです。
何処にも何の遠慮もなく世界文化遺産への推薦をやるべきですね

新潟出身者です。佐渡金山についての学習もしたが、強制労働云々なんて聞いたことがない!!

堂々と推薦して韓国を完全論破すれば良いだけ

推薦を見送ったら河野談話の時のようになります

一歩譲ると100歩も1000歩も相手はつけ込んでくる

岸田外相時代の悪夢の軍艦島になりそうだ

これで申請しなかったら、難癖が効果ありって教えるようなものだろ

弱腰になってはいけません。

岸田さんでは日本の主権と尊厳を守るのは難しいのかもしれない

問題を先送りにする、つまり仕事出来ない人

ユネスコ自体が怪しいので正直わからん

推薦を見送る理由は【韓国に配慮】ではなく、確実に世界文化遺産登録を目指す為ですよね?
至極当然な意見ばかりですし、韓国に甘い顔を見せればどんどんつけこんでくるなんて意見も見られるあたり、かの国のやり口が世論に広く浸透していることが窺えます。


4.反論すべきは反論し、議論すべきは議論せよ


これらを受けて、24日、岸田総理は「推薦の期限は2月1日だと承知している。それを念頭に、効果的な対応を決定したい……佐渡金山の文化遺産としての価値を鑑み、ぜひ登録を実現したい。どういう対応が効果的かを総合的に検討している」と官邸で記者団に答えました。

そして、産経新聞社とFNNが世論調査で、推薦すべきとの回答が半数を超えたことに関しても「国民の声は丁寧に伺っていかなければならないと思うが、しっかり検討して判断したい」と述べています。

また、岸田首相の側近である木原誠二官房副長官は記者会見で、「政府は登録を実現することが何よりも重要だと考えている。そのために何が効果的かということを政府全体で検討している」と述べ、岸田総理もそう述べています。

更に、先の予算委員会で林外相も「何が効果的かを検討している」という言い方をしています。

どこか、登録する事だけが至上命題になっているかのように感じられます。

件の予算委員会で林外相は、ユネスコが昨年「世界の記憶」について、日本が主導して加盟国が反対すれば登録されない制度を導入した経緯について触れているのですけれども、この林外相の答弁に対し、高市政調会長は「『世界の記憶』のルールと、世界文化遺産のルールとは別物だ」と反論しています。

その通りです。登録されるされないは結果であって、反論すべきは反論し、議論すべきは議論すべきです。

この問題は、自民党内では「保守派vs官邸・外務省」という攻防に突入しているとも言われていますけれども、岸田政権が結果に拘り、韓国のイチャモンに反論もなにもしないのであれば、韓国の主張を是認するのみならず、登録という結果すら得られないだろうと思いますね。


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