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1.日本に対露制裁検討を要請したバイデン政権
2月5日、政府は、ロシア軍によるウクライナ侵攻が発生した場合に備え、独自の対露制裁について検討に入ったことが明らかになりました。
これは、ロシア軍がウクライナに侵攻した場合、アメリカやEUが制裁発動を警告するのですけれども、その場合に備え、ロシアへの経済制裁を検討するようアメリカが日本側に求めていることが背景にあります。
アメリカの要請の狙いは、日本を含めた「法の支配」を重視する国と結束して対ロ包囲網を築き、ロシアに侵攻を思いとどまらせるためとされており、日本も主要7ヶ国(G7)と足並みをそろえる形で対応する方針だと複数の政府関係者が明らかにしています。
過去、2014年にロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した際も、日本政府はG7と歩調を合わせて対露制裁を行っています。クリミア併合の際はクリミア産品の輸入制限などロシアに実害がない内容に限定されのですけれども、総理周辺は、首都キエフなどに対する本格的な侵攻があった場合は「実効的な制裁が必要になる」より厳しい制裁を科す方針としています。
現在、外務省や経済産業省、内閣官房などが中心となって制裁メニューをリストアップしているとのことですけれども、ロシアが常任理事国を務める国連安全保障理事会で制裁決議を採択することは不可能なため、日本独自の制裁となる模様です。
先月21日の日米首脳電話会談で岸田総理はバイデン大統領とウクライナ侵攻に「強い行動」を取ることを確認しており、アメリカ政府金融制裁や輸出規制を柱とした対抗策を検討。日米外交筋によれば、外交ルートで双方の制裁メニューについて協議しているようです。
現在、中国は、台湾や尖閣諸島などに対し一方的な現状変更の試みをしていますけれども、それに反対する日本としては欧州諸国の支持を得る上でもウクライナ情勢でG7と共同歩調を取らざるを得ないのは仕方ありません。
その反面、北方領土交渉を含め停滞する日ロ関係がさらに悪化するのは避けられないと思います。
実際、2日、ロシアのガルージン駐日大使は、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を行い、ウクライナ情勢をめぐり、日本が対露制裁を発動すれば「逆効果となり、日ロ関係の前向きな雰囲気の醸成に資さない……日露関係に対する責任のある対応を心から期待する」と述べています。
2.戦争前提の動き
ただ、先日の天然ガスの欧州への融通の動きといい、今回の制裁の共同歩調要請といい、筆者には、どことなく戦争になることを前提の上での行動に見えてしまいます。
更に、不謹慎であることを承知の上でいえば、戦争させない外交努力よりも、戦争させたい世論工作をしているのではないかとさえ。
2月4日、アメリカのブルームバーグはウェブサイト上に一時、「ロシアがウクライナに侵攻」との見出しを掲載しました。
これは直ぐ誤報であると分かり、ブルームバーグは掲載30分後に見出しを削除するとともに、「様々なシナリオを想定して見出しを用意しており、誤って掲載してしまった」とするお詫びの声明を発表しました。
アメリカのタブロイド紙ニューヨーク・ポストによると、誤った見出しをクリックすると、エラー画面となり、記事はなかったとのことですけれども、見出しだけで記事がなければ、流石に掲載前に気づきそうなものです。ちょっと不自然なものを感じます。
また、1月22日、イギリス外務省はロシアがウクライナ中央政府に親ロシア派の指導部設置を目指しているとする声明を発表しています。
それによると、ロシアがウクライナへの侵攻と占領を検討していると非難。ロシアの情報機関はアザロフ元首相らウクライナの多くの元政治家と接触。元政治家の一部はウクライナ攻撃計画の策定に関わるロシア情報機関員とつながっているとし、ムラエフ元ウクライナ最高会議議員が首班候補として検討されているとしています。
これを受け、同じく22日、アメリカ国家安全保障会議(NSC)報道官は「ウクライナ人に将来の決定権があり、われわれは民主的に選ばれたパートナーを支持する」と表明し「深刻な懸念」を示しました。
3.エスカレートする情報戦
これらについて23日、ロシア外務省は23日、「英外務省が流布している偽情報」だと反発して否定。「ウクライナをめぐる緊張を激化させているのが、アングロサクソン国家率いる北大西洋条約機構(NATO)メンバーであることを改めて示した」とツイッターで反発しました。
こうしてみると、戦争前の情報戦が行われていると見てよいのではないかと思います。
1月29日のエントリー「ウクライナ進攻と盧溝橋」で紹介した環日本海経済研究所共同研究員の杉浦敏広氏は、日本のワイドショーや夜の報道番組、日経各紙はロシア軍によるウクライナ侵攻の可能性を大々的に報じているものの、その際に流れる映像はロシア軍の戦車が戦車砲を撃っている場面で、毎日同じ映像を繰り返し、ている点を挙げ、今この瞬間にもロシア軍の戦車が露・ウクライナ国境を越えて、キエフに侵攻するのではという不安を煽っていると述べています。
杉浦氏の分析によると、「ロシアはウクライナとの国境付近に軍隊を配備しています」と説明しながら流している、ロシア軍の戦車が戦車砲を撃っている映像は、ロシア軍が撮影したロシア軍の演習風景であり、場所が特定されておらず、ウクライナ国境付近であるとの証拠はないのだそうです。
ただ、唯一場所が特定できるのはベラルーシとの国境から150キロほど離れたエリニャという都市で、ウクライナの首都キエフからはおよそ600kmあり、車で10時間近く掛かるところです。
杉浦氏は、アメリカの軍事偵察衛星はロシア軍がどこに展開しているのか、正確に把握しているはずで、にも関わらずエリニャ以外の地名を公表しないのは、アメリカの国益に適うからなのではないかと推測しています。なぜなら、本当にロシア軍がウクライナ国境に展開して、戦車が国境を越える態勢を整えているとすれば、その映像を流すはずだからです。
4.焦るバイデン政権
これはただの筆者の妄想に過ぎないと思いますけれども、ウクライナ問題について、バイデン政権に一種の焦りというのを感じています。
というのは、バイデン政権は、ロシアが悪い、ウクライナに進攻したら制裁するぞ、と声高に叫び、性急に事を運ぼうとしているようにも見えるからです。
2月3日、アメリカ国務省のプライス報道官は記者会見で、ロシアがウクライナ軍による攻撃を捏造した動画を製作しているという情報を入手したと発表し、「軍事侵攻を正当化する口実づくりだ」などとロシアを非難しました。
ワシントン・ポストによると、動画は親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部で起きた攻撃により、市民に犠牲者が生じて「視聴者にウクライナ政府への怒りを引き起こす」という内容だそうです。また、CNNは政府当局者の話として、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコがウクライナに輸出した攻撃ドローンの映像が動画で使用されているため、NATOが攻撃に関与したかのような演出になっていると伝えています。
件の記者会見での、プライス報道官と質問者とのやり取りから、捏造動画云々に関する下りを引用すると次の通りです。
プライス報道官:こんにちは。私たちは以前、ロシアの偽情報と、モスクワが軍事行動を開始するために偽旗作戦を行う可能性について強い懸念を抱いていることを指摘しました。今言えることは、ロシアがウクライナへのさらなる侵攻の口実として、ウクライナの軍や諜報機関による攻撃をでっち上げることを計画しているという情報をアメリカは持っているということです。苦しいですね。プライス報道官が、ロシアが偽情報キャンペーンをしていると述べたのに対して、質問者から証拠を見せてくれと突っ込まれまくっています。答えに窮したプライス報道官は挙句の果てに、質問者に「あなたは抑止力の考え方が分かってない」と罵倒する始末です。某ひろゆき氏的にいえば「それは貴方の感想ですよね」レベルの受け答えです。
ロシアが検討している可能性のある選択肢のひとつで、我々が本日公表したものには、偽爆発の生々しい場面を描いたビデオ-死体、喪主のふりをした危機管理俳優、破壊された場所や軍事設備の映像-をすべてロシア情報部が捏造したプロパガンダビデオを制作することが含まれています。
はっきり言って、このプロパガンダビデオの制作は、ロシア政府がウクライナに対する軍事侵略を開始し、潜在的に正当化するための偽の口実として開発しているいくつかのオプションの一つです。ロシアが今後数日のうちに必ずこのオプションまたは別のオプションを使用するかどうかはわからない。しかし、ロシアのウクライナに対する不安定化した行動の範囲を明らかにし、ロシアがこの危険なキャンペーンを続け、最終的に軍事攻撃を開始することを思いとどまらせるために、我々は今これを公表しているのです。
ロシアはデ・スケーリングの手段として外交協議を継続する意思を示していますが、今回のような行動はそうではないことを示唆しています。我々は、同盟国やパートナーとともに、ウクライナに対して使用されているロシアの偽情報やその他のハイブリッド戦術を暴露するために真摯な努力を続けていきます。我々は、モスクワがウクライナでのさらなる軍事行動を正当化しようとするあらゆる努力を阻止するために引き続き努力します。我々はロシアに対し、破壊的で不安定な偽情報キャンペーンを止め、緊張を緩和し、平和的解決のための外交と対話に関与するよう再度強く求めます。
ありがとうございました。
質問者:ありがとうございます。さて、今のはかなりの口上でしたね。このような行動はそうでないことを示唆している」とおっしゃいましたが、示唆するというのは、彼らが話し合いに関心がなく、ある種の行動を進めるつもりであることを示唆している、ということですね。
プライス報道官: ひとつは、私が今指摘した行動、事実です。
質問者:どんな行動ですか?どのような、
プライス報道官: ロシアが偽情報キャンペーンを続けているという事実です。
質問者: いや、あなたは彼らがそうするかもしれないという疑惑を持ちました。彼らは実際にそれを行ったのですか?
プライス報道官: 私たちが知っているのは、マット、私が今言ったように、彼らがこの活動、この計画活動に従事していることです。
質問者:では、何に関わるかというと...ちょっとお待ちください。どのような活動ですか?
プライス報道官:しかし、これは明らかに、私たちがこの報告書を公開するのは初めてのことではありませんから、私に言わせてください。ほんの数週間前のことですが、覚えていらっしゃるでしょうか。
質問者:すみません、何の報告書を公開したのですか?
プライス報道官:もし、最後まで言わせていただけるなら、私たちがどのようなレポートを公開したかをお話しします。
質問者: わかりました。
プライス報道官: はい。数週間前に、ロシアがウクライナ東部で偽旗作戦を行うために、すでに工作員グループを事前に配置していることを示す情報があることをお伝えしました。つまり、マット、あなたの質問に対しては、ロシアはすでに行動を起こしているのです。
質問者:いいえ、それはあなたが彼らが取ったと言う行動ですが、あなたはそれを確認する証拠を示していません。そして、ここで次の質問に入ります、それは。彼らが--つまり、これは--危機管理俳優のようなものだという根拠は何ですか?本当に?アレックス・ジョーンズの領域に入り込んでいるようなものです。プロパガンダ映画を制作しているという考えを裏付ける証拠はあるのでしょうか?
プライス報道官: マット、これはアメリカ政府に知られている情報、私たちが機密指定を解除した情報に基づいています。あなたはご存知だと思いますが…。
質問者:わかりました、では、どこにあるのですか?この情報はどこにあるのですか?
プライス報道官:我々が機密指定を解除した情報です。
質問者:では、それはどこにあるのですか?機密解除された情報はどこにあるのですか?
プライス報道官:今、届けました。
質問者:いいえ、あなたは一連の主張と発言をしました。
プライス報道官:トッパーをプリントアウトしましょうか?このブリーフィングの記録はご自分でプリントアウトしてご覧いただけますから。
質問者: しかし、それは証拠にはなりませんよ、ネッド。それはあなたが言っていることです。それは証拠ではありません。申し訳ありません。
プライス報道官: どうしますか、マット?
質問者: 私はあなたが--あなたがそれを示すことができる--いくつかの証拠を見たいと思います。
プライス報道官: マット、あなたは…
質問者:ロシア人がやっていることを示すものです。
プライス報道官: あなたは…
質問者:ネッド、ご存知のように、私は長い間これをやっています。
プライス報道官:知っています。それが私の言いたかったことです。あなたはかなり長い間、これをやっていますね。
質問者:そうです。
プライス報道官:我々が情報の機密を解除するとき、その手段が...であることはご存知でしょう。
質問者:その通りです。イラクの大量破壊兵器のことも覚えていますし......。
プライス報道官:私たちは情報源と方法を保護するために、そうしています。
質問者:そして、カブールは陥落しないということも覚えています。多くのことを記憶しています。では、あなたがここに出てきて言う以外に 機密解除された情報はどこにあるのでしょうか?
プライス報道官:マット、あなたがこの形式を好まないことは残念ですが、私たちは......
質問者:形式ではありません。内容です。
プライス報道官:内容がお気に召さないようで申し訳ありません。申し訳ないですが...
質問者:嫌いとかじゃなくて......。
プライス報道官:アメリカ政府が保有する情報を疑っているのは残念です。
質問者:いいえ、私は...
プライス報道官:私が申し上げたいのは、これは私たちが入手できる情報であるということです。私たちは、2つの理由から、この情報を提供しています。1つは、ロシアがこの活動を進めるのを阻止しようとすることです。2つ目は、万が一、私たちが阻止できなかった場合、万が一、ロシア側がこの活動を進めてしまった場合、これは常にロシア連邦側が口実をでっち上げるための試みであったという事実を明白にするためです。
質問者:はい、しかし、あなたが言っていること以外にそれを裏付ける証拠がないのですね。私たちは、ロシアがこれを行うかもしれないという情報を持っています」と言っているようですが、その情報が何であるかは教えてくれませんね。そして、質問されると......。
プライス報道官:それが抑止力の考え方です、マット。それが抑止力の背後にある考え方です。
質問:あなたが尋ねられたとき - そして、あなたが尋ねられたとき - 。
プライス報道官:ロシアがこれを進めないことが私たちの望みです。
質問者:そして、その情報は何かと聞かれたら、"今、渡した "と言うのですね。しかし、それは-
プライス報道官:あなたは理解していないようですが......。
質問者:そういうわけにはいきませんね。
プライス報道官:あなたは抑止力というものを理解していないようですね。
質問者:いや、いや、いや、ネッド。あなたは......あなたは......抑止力の考えを理解していないようですね。
プライス報道官:私たちは、ロシア人がこの種の活動を進めるのを阻止しようとしています。そのために、今日、公表しているのです。もしロシアがこれを進めなければ、それは彼らがそのような計画を持っていなかったということを示すものではありません。
質問者:でも、それじゃあ証明できないじゃないですか。つまり、なんということでしょう、ロシア人がこれを計画していることを示唆する証拠はあるのですか?
プライス報道官:マット、あなたは...
質問者:つまり、彼らがそうでないと言っているのではありません。しかし、あなたは、それが実際に真実であるという証拠のかけらも示さずに、ただこう言って、私たちがそれを信じることを期待している。私が、あるいは他の誰かが、その情報は何かと尋ねたときに、あなたは、私はあなたにそれを与えただけだと言った。
プライス報道官:マット、あなたはこのビジネスにかなり長い間携わってきたと言いましたね。私たちが情報を公開するとき、つまり諜報情報を公開するときは、機密の情報源と方法を保護する方法で行うことはご存じでしょう。また、その情報に確信が持てる場合にのみ、機密指定を解除していることもご存じでしょう。
質問者:しかし、ネッド、あなたは何も情報を与えていませんね。
プライス報道官:もしあなたが、アメリカ政府、英国政府、その他の政府の信頼性を疑い、ロシアが発信している情報に慰めを見出したいのであれば……。
質問者:慰め?
プライス報道官:それはあなたがすることです。
質問者: 私はロシア政府が何を発信しているのかを聞いているのではありません。それは何を意味するのでしょうか?
プライス報道官: ショーン。
質問者: 政府はビデオを持っていますか?というのも、アメリカ当局者は非常に具体的な場面を描写していますが、実際にビデオを持っているのでしょうか?
プライス報道官: はい。私たちがこれほど詳細に説明できるということは--明らかに、私は私たちが所有しているものを綴るつもりはありません。しかし、私はあなたに任せます--あなたの判断、あなたの想像に任せます。
質問者:ネッド、あなたが綴った事実はないのですが。彼らが "in the coming days "を使うかどうか - これが今後数日で出てくることを意図した証拠を持っていますか?
プライス報道官: ベン、私たちは以前から、ロシアは軍を配置し、準備を進めており、もしプーチンが侵攻を進めると決めたら、彼らはそうする態勢を整えていると言ってきました。彼らはそうする態勢を整えているのです。
質問者:あなたはちょうど言った - あなたは "今後数日以内に "と言った。つまり、これはすぐにでも起こりそうだと感じたタイムラインだったのでしょうか?
プライス報道官:私たちは彼らが何を計画しているのか知っています。彼らがどのような不測の事態に対処しているかは知っています。そしてまた、その決定がなされた場合に、彼らが着手する態勢を整えているのが、こうした種類のステップなのです。私たちの目標は、侵略を阻止すること、この種の活動を阻止することです。だから私たちは、それが行われないことを確実に願っています。万が一、侵略が行われた場合、何が事実で何が事実でなかったかを世界に明らかにするために、私たちは知っていることを明らかにしているのです。
質問:事前に配置されたチームは、いつから配置されたのでしょうか?数カ月前にさかのぼるのでしょうか、それとももっと最近のことなのでしょうか。
プライス報道官:これはもう数週間前に公表したことです。数週間前、私たちは、ロシアがウクライナ東部で偽旗作戦を行うための諜報員グループをすでに事前に配置していたことを示す情報があると述べました。
質問者:その時点では最近のことだったのですか?なぜなら、もし彼らがほんの数週間前に渡ってきたのであれば、それは国境を越えたロシアの侵略であり、あなたは何度も何度も厳しい結果を招くと警告してきました。
プライス報道官:ベン、私たちが指摘しているハイブリッドな活動は、その多くが2014年以降に進行していることはご存じでしょう。この緊張の高まりの中で起こるかもしれないロシアのウクライナに対する侵略行為に非常に注意を払っているのは明らかです。……アンドレア。
質問:あなたは何らかの方法で、あなたが示唆していない - 彼らの可能な操作の観点から、計画のいくつかのレベルで、これは計画のどの程度進んでいるのかについて、あなたの自信のレベルを説明することができますか?
プライス報道官:アンドレア、私たちがこれほど詳細に説明できるということは、自信を持って説明できるということであり、そうでなければこのようなことは言わないでしょうから、これは何か、少なくともこの計画、この有事の計画は、かなり進行中であることを示唆しています。私たちは、基本的な詳細と私たちが提出した申し立てに確信がなければ、この情報を公開することはなかったでしょう。
質問:これは、以前の報告書の別の段階として、以前の報告書、失礼ですが、英国が発表した、元々はアメリカからの調達であったと確認された報告書と何らかの関連があるのでしょうか?
プライス報道官:これはすべて、より広範な努力の一部であり、小包です。現在機密解除されているさまざまな情報の流れが、どのように組み合わされるのか、あるいは組み合わされないのかについて、私は言及するつもりはありません。しかし、私たちが知っているのは、ロシアの軍事・情報機関がこの種の活動にしばらく従事してきたということです。約8年前に起こった侵略の口実を作るための手段として、2014年に彼らが行った一連の戦術が非常に類似していたことが分かっています。これは確かに懸念事項の一部です。
もう1つの懸念は、歴史的な側面、以前にもこのようなことがあったという事実だけでなく、現在我々が見ていること、現在我々が拾っていること、もちろん、我々が立ち入ることのできない手段を通じて、我々が確信できる情報を生み出してきたという事実です。
私たちは、ロシアの軍事・情報機関が広範な偽情報・宣伝活動に従事していることを知っています。これには、悪質なソーシャルメディア活動、表向きと裏向きのオンライン代理メディアの利用、テレビやラジオ番組への偽情報の注入、この地域の緊張の高まりはロシアではなくウクライナに原因があると参加者に誤認させるための会議の開催、サイバー活動を利用してメディアを改ざんし、いわゆるハッキング&リリース作戦を実施していることなどが含まれる。
一例を挙げると、ロシア連邦保安庁(FSB)は代理メディア、例えばNewsFrontに直接依頼し、影響を与え、ウクライナを中傷し、侵略者であると偽るコンテンツを発行しています。その結果、この出版社や他の出版社が書いた記事は、親クレムリンの代理出版社だけでなく、RIA Novostiなどの公式のロシア国営メディアにも流れているのです。先々週、私たちがロシアの偽情報とプロパガンダの取り組みについて多くの情報を出したことはご存じだろう。これは長期にわたるものですが、この種の活動がここ数週間で加速していることも知っており、私たちの懸念をさらに強めています。
一例を挙げると、数カ月前の12月、ソーシャルメディア上のロシア語コンテンツは、これまでお話ししたような物語、すなわちウクライナが侵略者であるという嘘、脅威を受けているのはロシアであるという嘘、が1日平均3500件近くまで増加しています。これは、ちょうど1カ月前の1日平均から200%増加したことになります。そして、その前月にも同様に大きなスパイクが見られたのである。
私たちは、このような事態を非常に懸念しています。具体的な内容もそうですが、私たちには、2014年に見られたような多くの点で不穏な動きを連想させ、現在もその再現が見られるのではないかと懸念している、より幅広い傾向が懸念されるのです。
こういうことを言わなければならないところに、バイデン政権の余裕の無さというか、焦りを感じてしまうのですね。
勿論、ロシアも情報工作はやっているのでしょうけれども、ロシア側の情報発信と比べて、アメリカのそれはちょっと勇み足というか前のめりの印象を拭えません。
5.プーチン大統領の政治目的は達成されるか
2月1日、ロシアのプーチン大統領はハンガリーのオルバン首相をモスクワに招き、首脳会談を行いました。
会談の冒頭で、プーチン大統領は、エネルギー分野などでのハンガリーとの結び付きを強調した上で、ウクライナ情勢をめぐり、ロシアが、NATOを拡大しないよう求めていることなどアメリカと話し合いが続いていることについて「ヨーロッパの安全保障をめぐってあなたと意見交換することは非常に重要だ。プロセスの現状を喜んで伝えたい」と述べました。
会談後、ロシアの国営テレビ『ロシア24』は、オルバン首相に「ロシアがウクライナを侵攻する可能性はあると思うか」と問いかけたのですけれども、オルバン首相は、協議では、プーチン大統領側にそのような行動を起こすという意向は感じられなかったとし、大統領は非常に落ち着いていたと応えました。そして、「我々は協議を行う必要がある。そのための時間は数週間ある。それまでに急激な変化はないだろう」と付け加えています。
また、NATOのミルチャ・ジョアナ事務次長は「フランス24」テレビのインタビューに応じた中で、「ウクライナが近くNATOに加盟するとは誰も言っていない、ウクライナには国内改革を大いに進める必要がある」と述べました。ジョアナ事務次長によるとウクライナがNATOに加盟するためには、NATO内でコンセンサスを形成する必要があるものの、現時点でそうしたコンセンサスは形成されていないとコメントしています。
これが事実であるなら、当面はウクライナのNATO加盟はなく、プーチン大統領の政治目的は一応達成されることになります。
なんだか、プーチン大統領の粘り勝ちの目が出てきたようにも見えますけれども、仮にウクライナがNATO加盟を断念したとしたら、拳を振り上げたアメリカがどう事を収めていくのか逆に難しくなってくるかもしれません。
緊迫のウクライナ情勢は予断を許しません。
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