しがみつく共産と暴走老人に悩まされる立憲民主

今日はこの話題です。
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1.これまでの連携は白紙にする


1月27日、立憲民主党は、先の衆院選の総括を纏めました。

それによると、選挙後に行った調査で、共産党との連携を理由に投票先を立憲民主党から変更した有権者の割合が、接戦となった小選挙区では全体の3%強、比例代表ではおよそ5%に上り、選挙結果に影響を与えたとし、選挙前に、総理大臣が代わったことについて「菅総理大臣への国民の拒否度が最大の追い風だった状況から局面が移行し、政権の選択肢としての期待値を高めることがより求められる選挙戦になったが、存在感を示しきれなかった」としています。

その上で、野党間での選挙区調整について「一定の成果はあったものの、想定していた結果は伴わず、選挙戦における全体的な戦略の見直しを図っていく必要がある」と指摘し、夏の参議院選挙の対応については、定員が1人の1人区で「可能な限り一本化を進めていく」とするにとどめ、具体的な見直し策には言及しませんでした。

ところが、1月31日、BSフジ番組に出演した泉健太代表は、夏の参院選や次期衆院選に向けた共産党との関係を巡り「これまでの連携は白紙にすると明確にしている」と述べ、2021年の衆院選での選挙協力について、「我々としては結果は出なかった」と語りました。

先の総括案では、1人区で可能な限り一本化を進めていくとした上で、共産党のとの連携は白紙にする、結果は出なかった、ということですから、立民にとって、共産党は一本化の対象には入ってないということです。


2.一方的に白紙にするという議論は成り立たない


この泉代表の白紙発言に、共産党は大反発しました。

2月2日、共産党の小池晃書記局長は「衆院選では、立憲民主党の当時の執行部と共通政策、政権協力の合意をもとに選挙協力を行ってきた……政党間の協議もしないで一方的に白紙にするという議論は成り立たない」と不快感を示し、引き続き、参院選に向けた政党間協議に応じるよう求めました。

また、共産党の志位和夫委員長も「協議なしに一方的に白紙にするという議論は成り立たない」とツイートしています。

更に志位委員長は5日、東京都内の会合で、「私たちは32ある改選1人区で野党共闘成功のために力を尽くす。立民に正式協議を申し入れており、早く進めたい」と述べ、昨年の衆院選で、政権交代した場合に「限定的な閣外からの協力」をするとの立民との合意に言及。公党間の公式な合意であり、有権者への公約だと指摘した上で「誠実に守り、発展させることが必要だ」と主張しました。余程別れたくないようです。

泉代表は先述のBS番組で27日の立民党大会までは政党間協議に応じられないとの考えを示したのですけれども、立民党内では「今回は党本部で決めずに、地方に任せた方がいい」との声があり、地方組織レベルの協議にとどめたい方針でいるようです。

これに対し、共産党は早期協議を迫る立場を堅持し、共産幹部は「立民党大会まで待てない」、「党本部の合意がないと地方に説明できない」と焦っているようです。

けれども、政党間協議にせよ、地方組織にせよ、選挙活動を行うのは現場です。政党だろうと地方組織だろうと、支持団体からみれば同じことです。

2月1日、連合の芳野友子会長は、報道各社のインタビューで、立憲民主党がまとめた衆院選総括について、「立民と共産党との関係が明確になっていないことは非常に残念だ」と不満を示し、泉代表がBS番組で「これまでの連携は白紙にすることを明確にしている」と述べたことに関しても「白紙の意味を明確にすべきだ」と釘を刺しています。

白紙発言すら、その中身を明確にしろと迫っているくらいですから、手の平どころか小指であってさえも共産と繋ごうものなら、支持はしないでしょうね。


3.暴走老人・菅直人


立民にとって頭の痛い問題は他にもあります。"暴走老人"こと菅直人氏です。

1月21日、菅直人氏はツイッターに「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」と投稿。橋下徹元大阪市長をヒトラーに擬えました。

これに維新側が鋭く反応。翌22日に松井一郎代表はツイッターで「元総理であり現在も立憲の最高顧問の菅さん、貴方何を言ってるか?  解ってるんですか!  民間人と我々をヒットラー呼ばわりとは、誹謗中傷を超えて侮辱ですよね。立憲は敵と思えばなんでもありという事ですか? 正式に抗議致します」と反論し、広く世間に知られるところとなりました。

2月1日、維新の馬場伸幸共同代表は菅直人氏と面会し、この件について抗議したのですけれども、菅直人氏は「なぜ橋下氏の問題に維新が抗議するのか」と疑問を呈し、両者の協議は平行線をたどったようです。

当然ながら、ネットでは炎上しているのですけれども、この菅直人氏の"暴走"について、作家の中川右介氏は、菅直人氏が昨年12月に行われた支持者へ向けた報告会で「次の総選挙には立候補しない」と引退を宣言したことで、怖いものが無くなったのではないかと述べています。

けれども、仮にそうだとしても、菅直人氏は現在、立民の最高顧問の職にあります。

立民の規約38条に顧問について次のように記されています。
(顧問等)
第38条
代表は、両院議員総会の承認を得て、国会議員の中から最高顧問又は常任顧問を委嘱することができる。
最高顧問又は常任顧問は、諮問に応じて、又は自らの判断に基づいて、代表その他の執行機関等に意見具申を行う。
代表は、執行役員会の承認を得て、議員を引退した者その他党内外の有識者等に、特別顧問又は顧問を委嘱することができる。
一介の議員であるならともかく、「自らの判断に基づいて、代表その他の執行機関等に意見具申を行う」ことが出来る「最高顧問」職にある人が、その立場のまま件の「ヒトラー発言」をしたということは、党がそれを是認したことになりかねません。


4.菅直人さんを切るしかない


この"暴走老人"について、立民党内では、「問題が長引けば、維新を利するだけ」とか、「きちんと反論すべきだ」とか、「維新のパフォーマンスに応じるべきではない」など、意見が交錯しているそうです。

ある立憲の議員は、「新たな"暴走老人"菅直人さんは、ああいう人だから誰にも止められない。反発を受ければヒートアップしてしまう。ヒトラーを例示したのは問題なので、泉代表がうまくなだめてほしい……党では橋下氏の『ヒトラー発言』をまとめ、反論の準備はしているが、実際に反論するかは泉代表の腹次第だ」と明かしています。

今のところ、この問題について泉代表ら執行部は「菅議員の個人的な発言」として、沈黙を貫いています。

泉代表は、旧民主党の元議員から「健太が菅直人さんを切るしかない。会見で『最高顧問にふさわしくない発言』と言えばいい」と助言されたそうですけども、泉代表は「できませんよ、そんなこと」と答えたと伝えられています。

翻って、自民党は、先の衆議院選挙の期間中、立憲民主党の候補者の応援演説をした、山崎拓・元副総裁を、党の規律を乱したとして1年間の党員資格停止にする処分にしています。

元副総裁とはいえ、一介の議員になった人でもこの処分です。元首相で、現・立民最高顧問の菅直人氏が何の御咎めなしでは、立民は自浄能力のない党なのだと言われても仕方ありません。

やはり、立民は立民だった。共産党と共闘するもしないも勝手ですけれども、何もしないのであれば、世間は立民など相手にしないようになるのではないかと思いますね。


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