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1.山上容疑者の身柄引き渡し
1月10日、安倍元総理大臣が奈良市で演説中に銃で撃たれた事件で、山上徹也容疑者の刑事責任能力を調べるため、去年7月25日から行われていた「鑑定留置」が終わり、身柄が大阪拘置所から奈良市内の警察署に移されました。
警察のこれまでの調べで、山上容疑者は母親が多額の献金をしていた旧統一教会、「世界平和統一家庭連合」に恨みを募らせた末に事件を起こしたとみられ、調べに対し「安倍元総理大臣が団体と近しい関係にあると思った」などと供述しているということです。
奈良地方検察庁は鑑定の結果に加えて、手製の銃を製造し、演説の予定を把握して周到に銃撃を計画していたことなどを踏まえて刑事責任能力があると判断し、勾留期限の今月13日までに殺人と銃刀法違反の罪で起訴する方針としています。
2.無期懲役の可能性
山上容疑者の鑑定留置が5ヶ月に及んだことについて、国際弁護士の清原博氏は「通常は2ヶ月から3ヶ月ですから、長めだと言えます……事件が重大ですから、それだけ慎重にならなきゃいけないでしょうし、裁判でおそらく弁護側が刑事責任能力を争ってきますから、それに対して検察側は備えないといけないということで、慎重に鑑定留置をしていると思いますね」と説明しました。
そして、「裁判の争点は、刑事責任能力があるかないかです……私の今のところ報道で知る限りは、なかなか刑事責任能力を否定するのは裁判であまりないこと。かなりハードルが高いんですね。そうすると、今回の件も刑事責任能力があるという裁判所の判断になる可能性が大きくて、そうであれば殺人、銃刀法の発射、加重所持罪この3つはすべて重い罪なんです……全部有罪であれば、私の見立てでは無期懲役の有罪判決が出る可能性がある」と量刑について述べ、元総理を殺害したという点については「社会的影響も考慮しますので、そういったことも考慮しての量刑になると思います」とコメントしました。
更に清原氏は「裁判員もおそらくこのニュースを知っている。おそらく日本中を探してもこのニュースを知らない人はいないと思うんです。そうなると、あらかじめいろんな知識を持った上で裁判員が裁判に臨んでしまう可能性が高くて、裁判員によっては“殺人よくない。厳罰だ”っていう考え持って臨む人もいれば、“生い立ちを考えれば、かわいそうだよね”っていうことを考えて臨む人もいる。どうも本当に公平な裁判ができるのかどうか、もしかしたら弁護側はそこも争ってくるかもしれません」とも指摘しています。
3.謎だらけの安倍総理暗殺
安倍元総理暗殺という衝撃的事件から5ヶ月以上過ぎた現在においても、いまだに数多くの謎が残されています。
たとえば、犯行に使われた銃弾が見つかっていない点です。
安倍元総理には銃弾2発が当たったのですけれども、1発が行方不明。奈良県警は「事実関係の立証に支障はない」としていますけれども、銃弾が消えた謎を放置したままでは、すっきりしません。
また、「遺体の所見」にも食い違いがあります。
安倍元総理が緊急搬送された奈良県立医科大学付属病院は、事件直後の記者会見で、死因は失血死とみられると説明。弾は首から入り心臓や胸の大血管を損傷、左肩にも、弾が貫通したとみられる傷が1つあったと述べています。
けれども、これに対し、奈良県警は司法解剖の結果、死因は左上腕部を撃たれて動脈を損傷したことによる失血死だと発表しました。
両者の説明は、弾が命中した部位に齟齬があるとも取れることから、ネットを中心に「容疑者以外にも銃撃した人物がいたのではないか」という指摘もあります。
更に、「手製の銃」にも疑問があります。
山上容疑者が作成した銃は、銃身を2本まとめた構造で、引き金を引くと片方の銃身から6個の弾が発射される仕組みでした。現場から約90メートルの建物では、弾痕が壁面にめり込んでいるのが見つかり、相当な威力があったとされています。
物的証拠がなく、死因も医科大学と県警とで食い違っている。これでは、本当に山上容疑者が安倍元総理を殺害したのか、あるいは出来たのか、という疑問の声があがるのも無理ありません。
ある政府関係者は「未曾有の大事件で、国民の不安も大きい。警察の捜査とは別に、政府主導などによる事件の検証・報告が必要かもしれない」と語ったそうですけれども、簡単に閉じてしまえる状況にはないのではないかと思います。
4.挫滅と穴
1月10日、自民党の青山繁晴参院議員は、自身のユーチューブチャンネルで、謎とされていた病院の説明と司法解剖の結果が食い違っていた件について、警察庁から新たな回答を引き出していたことを明かしました。
安倍元総理の死亡直後、奈良県立医科大学の救急診療科部長で、福島英賢教授は会見で「心臓の壁に大きな穴が開いていた。たぶん弾丸による損傷」と説明していたのに対し、奈良県立医科大の別の教授による奈良県警の司法解剖では、心臓に銃創があったとの見解はありませんでした。これらのことから、山上容疑者の単独犯ではなく、ほかにも共犯者がいたのではないかとの声が当初から上がっていたのですね。
事件直後から警察庁に対し、真相究明を訴えていた青山参院議員は「何度も何度も警察庁と対峙している。司法解剖の結果では銃創ではないと。傷はないと言っている。言い合いになった。そしたら変わった。挫滅があったと言った」と述べています。
挫滅とは外部から強い衝撃を受けて、組織が潰れる状態を指すのですけれども、青山参院議員は「ただし挫滅が何かが司法解剖ではっきりわかっていて、銃でできた穴ではない。救命措置の中で、その時に力が強いと挫滅が起きることがある。もっと詳しく分かっているが、言わない。公判で具体的に公表されるかもしれないが、待つべきだ。全部を申し上げることはしない……挫滅によって、心臓に穴が空いたが死因じゃない。安倍さんが振り向かれたことで、2発の内1発が左の鎖骨の下の動脈に真っすぐ入って、右の鎖骨の下の動脈と2つを傷つけて、大量出血した。失血死であると司法解剖で出ている」と司法解剖で出した失血死の結果を受け入れるとしています。
ただ、同時に、「1発の銃弾が起こした失血死である。ただ、山上容疑者の身長とか台の上に乗っていた安倍さんが振り向かれた動作、弾道が一致しているかも含めて、解明しないといけない問題がたくさんある」として、山上容疑者の銃弾が原因であるとはせず、解明しないといけないと含みのある発言もしています。
5.山上容疑者の単独犯ではない説
当然ながら青山参院議員の説明で納得しない人もいます。札幌医科大学医療人育成センター教養教育研究部門名誉教授の高田純氏は、暗殺現場映像と音響を解析し、さらにネット有志らの情報提供などを加味し、山上哲也容疑者の単独犯ではないという説を訴えています。
今回の青山参院議員の説明についても、高田純名誉教授は、警察庁が言った心臓「挫滅」と死因は左肩から射入した弾丸による左右鎖骨下の動脈損傷による失血の2点を無批判で受け入れたのは全く共感できないとし、警察は専門医たちを馬鹿にしていると述べています。
現状では、様々な謎を抱えたまま、裁判に突入する可能性が高いと思いますけれども、出来るなら、山上容疑者の弁護側が、高田純名誉教授を参考人として裁判所で証言
していただき、検察側が示す暗殺の陳述に、証拠能力があるのかどうかを明らかにしていただきたいと思いますし、安倍元総理の暗殺の謎を闇に葬ることのないようにしていただきたいと思いますね。
青山繫晴議員のユーチューブ動画報告拝見しました
— 高田純 理学博士 (@gatapi21) January 11, 2023
1 7.8奈良テロ事件真相究明
2 警察庁が言った心臓「挫滅」を全く疑わず
3 死因は左肩から射入した弾丸による左右鎖骨下の動脈損傷による失血
1は当然
2と3の警察の言い分を無批判で受け入れたのは
全く共感できず
警察は専門医たちを馬鹿にしている
— 高田純 理学博士 (@gatapi21) January 10, 2023
奈良県警司法解剖報告の疑惑 「挫滅」の大矛盾
「心臓の傷は(現場での)救命措置で心臓が挫滅した」
10日の青山議員の情報
奈良医大福島教授は明言していた
「首の銃創は2カ所で、深さは心臓まで達していた」 pic.twitter.com/rAmMkG72Ae
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