五公五民が呼んだ暇空仕事人

今日はこの話題です。
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1.家宅捜索を受ける三浦瑠璃氏の夫


1月19日、太陽光発電事業への出資を名目に、およそ10億円をだまし取ったとして刑事告訴された東京・千代田区の投資会社「トライベイキャピタル」の本社と代表の自宅が、東京地検特捜部の家宅捜索を受けたことが明らかになりました。

トライベイ社の代表は国際政治学者・三浦瑠麗氏の夫として知られる三浦清志氏。2014年に設立した「トライベイ」は、〈持続可能な投資リターンを追求し、社会に貢献することをミッションに掲げています〉と謳っています。

三浦清志氏は「トライベイ」の代表として、再生可能エネルギー事業のファンドを経営。妻の瑠麗氏とは東京大学の同窓で、外務省、マッキンゼーなどの外資系コンサルティング会社などを経て参画し、さまざまな投資案件に携わってきました。トライベイ社は取引先の代表に兵庫県での太陽光発電所の建設計画を持ちかけ、建設の見込みがないにもかかわらず、出資金およそ10億円を騙し取ったとして、この代表から告訴されてきた経緯がありました。

捜索はトライベイ社以外にもセレブが多く住むことで知られる六本木の高級タワーマンションでも行われました。捜索が行われたのは三浦夫妻が自宅としているマンションで、特捜部は自宅などから押収した資料を分析して、資金の流れなどの解明を進めるものとみられています。

今回の家宅捜索を受けて、今後の対応について、トライベイ社社長室の担当者は、「現時点では、お答えできかねます」と回答を拒否。妻の瑠璃氏が代表を務める「山猫総合研究所」の公式サイトは今回の報道を受けて「事実です」と認め、「私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございます……捜査に全面的に協力する所存です。家族としましては、夫を支えながら推移を見守りたいと思います」と関与を否定しています。


2.関与していないは真実か


けれども、この三浦瑠麗氏の「関与していない」「一切知り得ない」といった部分についてネットでは議論が巻き起こっています。

「まず、最初にネットで取り上げられたのは『トライベイ』と『山猫総合研究所』の本社が同じという点。ともに会社のホームページで確認されて、ネットで拡散されています。夫婦それぞれ別々の会社なのに同じ建物の同じ階にある。それにも関わらず「一切知り得ない」ということがあるのか、と疑われています。

実際、オフィスが同じビルにあるということから、三浦氏夫婦の会社は忘年会を開いたり、誕生日をオフィスで祝ったりするなど、合同で色々な行事を行っていたようです。

ネットの追及はそれだけに留まりません。三浦氏が再生エネルギーについて擁護発言を繰り返していた過去を掘り起こされたり、「トライベイ」の登記情報を調べ出されたりする中、かつて清志氏が運営していたエネルギー関連の社団法人の役員のなかに瑠麗氏の実妹の名前があったことも拡散。2018~2019年までの間、「理事」として名を連ねていることが登記簿に記されていたことまで明かされています。

このようにネットでは、公開情報から、両氏の繋がりを拾い上げ、真実を明らかにしようとする動きが出ています。

オランダには、どの政府からも機関からも組織からも独立し、ソーシャルメディアなどオープンソースの情報から真実を探り、公表する「ベリングキャット」というオープンソース・ジャーナリズムがありますけれども、今回のネットの動きはそれに近いものがあると思います。





3.一丁噛みして撃ち落された足立康史


この日本版「ベリングキャット」現象は他にもあります。昨今有名はcolabo問題です。こちらのは展開が物凄く早く、ついていくのも大変なのですけれども、事態はcolaboを離れ、補助金事業全体での資金の流れと使われ方の問題に発展しています。

ネットでは、一躍「時の人」となった感のある暇空氏ですけれども、話題になると「一丁噛み」してくる”輩”が出てくるのは世の常です。大阪維新の会の足立康史議員もその一人です。

足立議員は、Colabo問題に関する暇空氏達の活動を「本質を外しまくってるネット情報のレベルの低さ」、「モリカケのときのサヨクと同じレベル」、「低俗」、「俺は本質を分かっている」「動いてる都議の言い分は雑音」などと豪語。ツイッターのスペースを開いて、滔々と持論を述べていたところに、暇空氏本人が降臨。議論の末、フルボッコに論破されました

筆者も聞いていましたけれども、足立議員は、Colaboだけの問題に押し込めようとしている印象でしたけれども、この問題に対する知識と状況認識が薄すぎて、正直議論にすらなっていませんでした。暇空氏の動画も見ず、川松都議と須田慎一郎氏の動画、デイリー新潮の記事を読んだだけ。しかもデイリー新潮の記事すら読み飛ばし程度。こんなのでよく「本質を分かっている」と嘯けるものです。

それにしても、暇空氏の議論は、輪郭をぼやかさず、”勝利条件”と相手の”当たり判定”をきっちり定義しては詰めていくという、実に”エンジニア”っぽい議論の進め方だと感じました。暇空氏は伝説のネットゲーマーで、プランナーディレクターの経験があるということですけれども、さもありなん、と思いましたね。




4.起動し始めた日本版「べリングキャット」


その時の足立議員との議論では、暇空氏は一般人として出来る会計の切り口から攻め込み、足立議員は国会議員として出来ることをやるということで落ち着いたのですけれども、その後、直ぐに「公金ちゅーちゅースキームとか煽っておいて、そのエビデンスがほとんど言いがかりばかり。モリカケの時のサヨクと同じレベル」と言い放ち、暇空氏をはじめとしたネットユーザーを激怒させたのですね

暇空氏は足立議員を見限ってブロック。逆にネットユーザー「ベリングキャット」が活動開始。足立議員周辺が掘られ始めます。

すると、すぐに足立議員の双子の兄弟が障害者支援のNPO代表で、公金を受け取っていたことが発見され、拡散。そのNPO団体の収支報告書がネットに晒され、ユーザー達の検証がなされています。更に、足立議員の収支報告書も掘り出されこちらも検証され、あやしい支出について次々と突っ込みをうけ、大炎上しています。

普段だったら、一般国民なら誰も大して見ないであろう収支報告書が掘られてしまっている訳です。

筆者は、会計監査がどういうものか知りませんけれども、まるで、ネット集合知による公開会計監査がされている感があります。

既に、中古で1000円程度の書籍1冊をアマゾンで56456円で購入したり、「おしぼり」を政治資金で購入したりと、いろいろ突っ込まれているようです。






5.五公五民が呼んだ暇空仕事人


なぜ、こういう「べリングキャット」的な動きが出てきているのかというと、もちろん、ネットの普及で誰もが情報発信できるようになったというのも勿論あるのですけれども、やはり時代のトレンドがそうなっていると思うのですね。

2019年8月のエントリー「N国党が扉を開けた下剋上の時代 ~日本の未来を俯瞰する~」で、筆者は2019年からの10年は、日本は戦国乱世となり、既得権益の破壊が行われていくと述べたことがあります。

また、昨年7月のエントリー「参院選が呼んだ革命とホワイトが天下を平定する未来」では、評論家の岡田斗司夫氏がこれからの社会に訪れるものとして提唱している「ホワイト革命」を取り上げ、これからの政治家は「清濁併せ呑む」ことは許されなくなり、ホワイト化していかざるを得ないと述べました。

今回の足立議員に対する、ネット「べリングキャット」的な動きもこの線に沿った動きのように見えます。

colabo問題に端を発し、いまや「公金チューチュースキーム」とまで言われるようになったのも、税金が正しく使われていないという疑念や不満が爆発したものと見ることも出来るかと思います。

財務省が発表した、2022年度の国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す「国民負担率」は48%と、これまでで最大となる見込みとなっています。

48%ということは、所得の半分が税で取られているということです。要するに「五公五民」です。

「五公五民」なんて江戸時代の話かと思っていたら、何のことはない、令和の今も「五公五民」だったということです。

当時、重税に苦しむ農民は隠田(おんでん)や逃散(ちょうさん)、したとされていますけれども、今ならさしずめ「働かない方がマシ」だとか「働きたくないからナマポ(生活保護)受けた」に当たるかもしれません。

また、当然ながら、年貢を納めていた農民の中には、年貢減免を要求する一揆を起こすこともありましたけれども、収めた年貢をちょろまかして私服を肥やしていたなどという時代劇でお約束の「悪代官」がいたら、黄門様、桃太郎侍よ来てくれとなるでしょうし、なんとなれば「必殺仕事人」を欲する人が出てくるのも人情だと思います。

足立議員については、1月17日のツイッターのスペースで一瞬「桃太郎侍」になるかと期待されたものの、直ぐに化けの皮が剥がれ、逆に「暇空”べリングキャット”主水」に狙われれしまったというのが今の状況のようにも見えます。

政府が「五公五民」をやめて「三公七民」とかにすれば、また別かもしれませんけれども、今の「五公五民」が民に優しい方向に大きく変わらない限り、「既得権益の破壊」は今後数年のトレンドとして進んでいくのではないかと思いますね。


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