人口が減った中国は何億人になったか

今日はこの話題です。
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1.中国の総人口減少


中国で人口減少が始まったと話題になっています。

1月17日、中国の国家統計局は、2022年末時点の総人口を14億1175万人と、前年から85万人減少したと発表しました。そして、2017年以降減少を続けている出生数は956万人と、前年から107万人減少。1949年の建国以来で初めて1000万人を下回り、最低を更新。人口減少は1961年以来、61年ぶりのこととなります。

一方、死亡数は1041万人と前年から27万人増加。死亡数は2021年にも前年比16万人増と10年ぶりに10万人を超える増加を記録しており、2年連続で高い伸びとなっています。

また、65歳以上の人口は2億978万人で、高齢化率は14.9%となった。国連統計に基づく推定よりも速いペースで高齢化が進み、15~65歳の生産年齢人口は2013年の10億1041万人をピークに減少が続いています。

都市と農村の人口構成をみると、都市常住人口は9億2071万人で前年末より646万人増加する一方、農村常住人口は4億9104万人で731万人減少。都市人口が全人口に占める割合は65.2%で前年末より0.5ポイント増となっています。

中国の国勢調査は人口動態を把握するため、10年に1度実施していて、前回は2020年に行われています。国勢調査を行わない年は抽出調査をもとに総人口などを推計していますから、今回の発表は推計値と思われます。

2020年の国勢調査のときの総人口は14億1177万8724人だったのですけれども、当時、環球時報は人口統計学者の見方として「22年にも総人口は減少に転じる」と伝え、政府系シンクタンクの中国社会科学院は2019年1月に「早くて27年」と試算していていました。結果は環球時報の見立てどおり22年に減少した訳です。


2.出産適齢期の女性が急減


中国の人口減少について、カリフォルニア大学社会学の汪峰教授は「中国はすでに長い不可逆的な人口減少プロセスに入った。これは中国と世界の歴史が初めて経験することだ」と中国が再び人口増加に転じる可能性を否定。

人口が増えない原因の一つとして挙げられているのは、出産適齢期である20~35歳の女性が急減する時期に入ったことです。出産適齢期の女性は2022年末までの1年で400万人減少し、2021年末までの1年でも300万人減少しています。2020年に発表された中国の特殊合計出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)は1.28人、2022年には1.18人と、日本の1.3人よりも低い水準となっています。

なぜ、出産適齢期の女性が急減したのかというと、1970年末から2015年まで続いたいわゆる「一人っ子政策」です。1組の夫婦が生む子供の数を1人または2人に制限し、2人目を生む場合も厳しく管理され、この規則を破ると高額の罰金が科されるほか、強制堕胎や強制避妊手術といった非人道的な措置がとられていました。

中国政府は2016年にこの政策を撤廃し、全ての夫婦に対して第2子、2021年に第3子まで持つことを認めたのですけれども、瞬間風速的な反応があったのみで、出生減に歯止めはかけられませんでした。

出生数の低下原因について、山東社会科学院人口・社会発展研究院の崔樹義院長は、妊娠適齢期女性の減少や初婚・初産年齢の上昇のほか、武漢ウイルス感染拡大の影響や、子育てのコストが高すぎることを挙げています。

2021年8月のエントリー「双減政策と三座大山」でも触れましたけれども、若い夫婦が一人っ子政策廃止後も子供をあまり産みたがらない理由の1つに、教育費の高騰など経済的理由がよく挙げられています。

習近平政権は2021年以降に出産奨励政策として、2人目、3人目に対する2000~4万元の出産給付金、子供のいる世帯に対する税金の減免や、住宅補助、不動産購入支援などを打ち出しましたけれども、あまりその効果は上がっていません。

復旦大学人口研究所の任遠教授は、「日本や韓国を見ても、給付金政策は実はそんなに理想的な効果を生み出せない」と指摘。ロイター通信は、若い女性が子供を産まない理由は、3年のゼロコロナ政策とその突然の放棄による「多大な圧力と不確実性」だと指摘しています。要するに習近平独裁、朝令暮改の中国社会では、安心して子育てできないということなのでしょう。


3.影を落とす一人っ子政策


中国の人口問題は単に減っているということだけではありません。

中国人口の性別構成をみると、男性7億2206万人、女性6億8969万人で、性別比率は女性を100とすると男性104.7人。結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で見ても、2020年段階で、男性の数が女性の数よりも、3000万人も多い社会となっています。

これも、「一人っ子政策」が影を落としています。特に、働き手や跡取りを求める農村部において、「どうせ一人しか生めないのなら、男の子を生もう」という夫婦が激増した結果だというのですね。

しかも、中国社会では「家庭を持って生業を立てる」という意味の「成家立業」という言葉があり、中国の女性は、マイホームを買えて「家を成せる」男性でないと結婚したがらないのだそうです。

絶賛バブル崩壊中とはいえ、中国のマンションの価格は一般男性の年収の60年分とも100年分とも言われるほどで、よほどの人でないとマイホームなど持てません。

畢竟、結婚適齢期になっても、マンションが買えずに結婚できない男性が、続出することになります。そんな男性は余った男という意味で「剰男」と呼ばれているのだそうです。

これについて、ジャーナリストの近藤大介氏は、近未来の中国の姿として、「同世代の中国人女性と結婚できない中国人男性たちが、中国よりもっと貧しい国々の女性を娶るケースが増える」ことと「親元を離れて大都市で一人で暮らし、休日にも他人と交わらず、狭い自室に引きこもって、日がなスマホをいじるという『空巣青年』が増える」ことの2つの現象が増えるのではないかと予測しています。


4.10億人いない説


1月17日、中国の人口減少について、「環球時報」は、人口減少の初期段階では依然として人口規模が巨大であること、平均寿命の向上・乳児死亡率の低下や高等教育の普及などによる人的資本の蓄積、国内の人口移動の活発化などにより、人口構造が変化する中でも経済発展に有利な条件を形成することができるとする南開大学経済学院の原新教授のコメントを紹介しています。

けれども、そもそも中国の人口は10億を切っているのではないかという噂もあるようです。

昨年1月、中国のネットで、中国人で身分証明書を持つ人口は7.76億人しかいないという怪情報が流れたそうです。

中国は1958年1月施行の「中華人民共和国戸籍登記条例」と、2004年1施行の「中華人民共和国居民身分証法」を中心に、戸籍制度と身分登録制度が構成されており、中国国内に居住する者を対象とする身分証明証は、満16歳以上の者は申請が義務付けられています。

身分証明書の記載項目は、氏名・性別・民族・生年月日・住所ならびに18桁の「公民身分番号」があり、発行日・有効期限・番号・顔写真で、それを記したカードに担当部局である公安機関の印章が捺されています。

中国の人口ピラミッドから0~14歳までは17.2%、15~19歳までが5.6%となっていますから最大でも22.8%、実際は20%に届かないくらいだと思われます。

仮に身分証明証を持つ16歳以上の人口比が80%とみると、14億人の80%は11.2億です。逆に身分証明証を持つ人数が怪情報のとおり7.7億だとすると、全人口に換算すると9.625億となります。

まぁ、所詮は怪情報だという見方も当然できますけれども、去年の6月、ある事件が起こりました。

2022年6月30日、「ChinaDan」と名のるハッカーが、インターネット上のハッカーフォーラム「Breach Forums」に「上海国家警察のデータベースが流出した」と書き込んだのですね。このハッカーは、流出したデータには、氏名、住所、出生地、身分証と携帯電話の番号、過去の犯罪歴などがあると主張。サンプルと称し、75万件の個人情報などとみられるデータを載せたファイルを公開したそうです。

そのデータベースは一人の個人情報が1行で記されているそうなのですけれども、その行数が9億7000万行あったそうです。つまり9億7000万人分の個人情報のデータベースだということです。

これについて、中国帰化人の著名ユーチューバーで、東北大学情報科学研究科助教の張陽氏によると、2人のセキュリティ専門家が、このハッカーから、中国の個人情報を入手したのですけれども、最初は中国人の一部の個人情報だと思ったのだそうです。ところが詳細にデータを解析したところ全中国人のデータだと分かったのだそうです。

もちろん、これがどこまで本当か分かりませんけれども、ハックされた中国人個人情報が9.7億人というのは、先に身分証明書を持つ人口は7.76億人しかいないという怪情報から人口ピラミッド換算で見積もった全人口9.625億人とほぼ同じです。偶然の一致というには、出来過ぎています。

その他にも、ロシアの学者が中国の食料の消費量から人口を推計したところ、2021年中国の人口は7億からまあ8億前後だ、とか、日本の専門家が中国の食塩の消費量から中国の人口はですね約8億から9億人の間にあると指摘をしたという話もあるそうです。

火の無い所になんとやら。もしかしたら、中国の人口減は公式発表とは全然違うのかもしれませんね。
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この記事へのコメント

  • 日本男児

    私は、シナ共党及びその関係機関・組織・秘密組織等が公式・非公式に発表する統計数字やデータ等を全く信用していない。これ等は、是全てシナ共党のプロパガンダであると考えている。実際は、シナ共党の誰一人、人民の誰一人とも実態を知らず分からず、シナ共党が表明したり発表したり公式見解に只付き従うのみです。しかし、シナ人の間で罷り通っている「上に政策有れば、下に対策有り」と言う処世術・人生訓・渡世術らしきものがある通り、シナ人民のかなりの人達がシナ共産党を信用も信頼も寄せていない事も明らかだ。就中、シナ共党が発表する経済、人口、外交・軍事関係指標・指数等は先ずはシナ共党のシナリオ有りきの数字を使っている。私は、現在の世界の諸悪・凶悪の根源、癌細胞、ウィルス・病原菌・奇病・病魔の発生源、侵略・侵攻・世界支配の野望の根源は、シナ共党・シナ人を根絶やしにする以外に世界平和・安全・安心の構築を果たす事が出来ない。
    2023年01月24日 12:30
  • みどりこ

    中国が中国人をせっせと日本へ送り込むのは、
    国(中共)が崩壊するから居場所を確保するためだけではなく、
    結婚相手がいない国民にあてがうためもあったのですね。
    どちらにしても迷惑ですが。
    2023年01月24日 18:36