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1.武漢ウイルス死者の半数以上は中国だ
1月24日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は記者会見で、武漢ウイルスによる死者数について、過去8週間に世界で17万人以上が死亡したことを挙げ、「これは報告された死者数で、実際はもっと多い」と述べました。
そして、27日に開かれた緊急会合の冒頭で、テドロス事務局長は武漢ウイルスを原因とした死亡例が急増しており、直近では世界全体の死者数の「半分以上が中国からの」報告だったと明かし、昨年10月の前回の緊急委開催時に1週間で1万人を下回っていた死者数が12月上旬から増え始め「先週は4万近い死亡例が報告された……中国の新型コロナ対策の解除が死者数の急増につながっている」と指摘しています。
2.十九種のオミクロン変異株
1月13日、国際学術誌「ネイチャー・メディシン」は、「2022年11月〜12月のゼロコロナ政策解除後の北京におけるオミクロンBF.7の感染動態の推計」という報告で、今月末までに北京の人口の約92%が武漢ウイルスに感染しているだろうという研究結果を発表しました。
報告の要旨は次の通りです。
・2022年11月から12月にかけての北京におけるSARS-CoV-2の優勢な亜種オミクロン(BF.7)の有効再生産数Rtを追跡した。北京市の人口は公称で2188.6万人と東京の1.56倍、神奈川県の倍近くあります。その数の92%が感染したとなると重症者や死亡者も膨大な数に上っている筈です。仮に死亡率0.4%だったとしても、2188.6万人では8万人になりますからね。中国全土だともっといく計算になります。テドロス事務局長のいう世界全体の死者数の半分以上が中国だというのも頷ける話です。
・リアルタイム移動データをパラメータとした感染動態モデルを、(i)(中国のゼロコロナ介入がまだ厳格に行われていた)11月1日から11日の毎日の新規症例数と(ii)12月10日から22日のオンライン調査に参加し11月1日から検査陽性を自称する個人の割合と比較し、あてはめることに成功した。
・中国がゼロコロナから移行するための「20の対策」を発表した後、11月18日にRtが3.44(95%CrI:2.82-4.14)に上昇し、12月11日に感染発生率がピークに達したと推定された。
・北京市の累積感染者率(11月1日以降に感染した人口の割合)は、2022年12月22日に75.7%(95%CrI:60.7-84.4)、2023年1月31日に92.3%(95%CrI:91.4-93.1)であると推定された。
・中国全土で進化するSARS-CoV-2の疫学と進化を監視するために、監視プログラムを迅速に立ち上げる必要がある。
1月13日、中国CDCのウイルス病研究者であるCao Chen氏は、記者会見で、2022年12月1日から2023年1月10日までに、国内でオミクロン変異株が19種検出されたと発表しました。
Chen氏によると、変異株はBA.5.2とBF.7の亜種が主流で、この間に検出された全19変異株の97%を占めているとのことです。ただ、Chen氏は19の変異株について、これ以上詳しく説明しなかったそうです。
3.一旦治まってから再発する
中国でオミクロン変異株が感染爆発しているのに対し、世界各国で同様の感染爆発が起こっているという話は聞きません。もっとも、アメリカで「XBB.1.5」アメリカで感染拡大中というのは気になりますが。
これについて、1月10日、中国のウイルス学者・閻麗夢(Li-Meng Yan)氏は、大紀元(中国版)の独占インタビューを受けていますけれども、その概要は次の通りです。
・中国での流行は、海外で明らかになっているよりもかなり深刻な症状を引き起こし、死者数も極めて多い。 中国政府が「これは海外と同じ系統のウイルスだ」と主張し続けるのは無理がある。このように閻麗夢氏は、今、中国で蔓延しているオミクロン変異株は世界で蔓延しているオミクロン変異株と同系統のものではない可能性を指摘し、免疫逃避のみならず、エイズのように、一旦潜伏期に入って表向き回復したように見せて、その後合併症を伴いながら再発するというのですね。
・ウイルスの遺伝子配列を調べて、どのような変異型が流行しているのかを調べる必要がある、というのが、普通の感覚です。 PCR検査をして、それが何であるかを確認するのです。
・内部情報によると、(中国共産党は)今、PCR検査を病院で行うことを認めていない。そのため、中国で流行しているウイルスの亜種を知る術はない。
・ しかし、イタリアに入国した中国人旅行者が持っていたウイルス株の配列分析によると、このウイルスには免疫逃避部位があることが判明した。
・このオミクロンの変異株は、これまで知られていたオミクロンと見た目は似ているが、免疫機構から逃れるとすると、当然被害も大きくなる。
・過去3年間で、ほとんどの人は最も効果的な防御抗体である抗体をいくつか持っていたが、(変異株は)これらの抗体をバイパスし、人体は再びウイルスに対する防御力を失う。
・12月上旬に中国で流行が始まって以来、変異株の問題は研究中であり、中国政府が流行とその抑制に関する情報を隠しているため、より多くの証拠を見つけるには、より多くの時間と機会が必要だ。
・中国の不活化ワクチンには、体の免疫系を刺激する効果がある。このワクチンは香港で実験されたもので、ファイザー社などのワクチンと比べると耐久性や防御力ははるかに劣るが、中国共産党の命令で全国の人に投与されることになった。
・同時に、不活性化技術をベースにしているので、理論的にはADE効果を出しやすい。ワクチンを繰り返すことで刺激された体内の抗体が、どれだけ身を守ってくれるのか、どれだけ副作用を引き起こすのか ということも分かっていない。 そのため、この過程で新しい変異型に出会うと、より深刻な症状を引き起こし、体に大きなダメージを与える可能性がある。
・短期間に2種類のウイルス株が人体に感染したとは思えない。イタリアから輸入されたウイルスの分析によると、オミクロンの変異株全体が何らかの免疫逃避を起こしている可能性が高い。 だから、最初にぶつかると、人体はこのような物理的な反応をするのだ。
・免疫系に関連する病気を調べると、ある種の病気にこの現象が見られる。例えば、エイズ患者は発症後、治療期間を経て、徐々に体内のウイルス量を減らし、免疫システムから隠れる潜伏期を迎える。 その後、合併症を伴いながら再び発症する。 しかし、エイズが数ヶ月から数年かかるのに対して、武漢ウイルスは1〜2週間で再発してしまうのだ。
・今ある情報と現在行っている調査から、すべてが中国共産党が過去3年間かけて病原性を強化し、免疫を回避するさまざまな変異株を作り出したことを示している可能性が高まっている。
・なぜこのウイルスはこのような振る舞いをするのか?中国政府はデータや情報を与えないので、当分、徹底した科学的な回答はできない。
・流行による死亡者数は今後も増え続けるだろう。まず、高齢者、特に基礎疾患のある方が先に倒れ、これは急性期、超急性期の波と言える。 その場合、20歳から60歳の人が一番抵抗力があるはずだ。 だが、入手した資料によると、白肺が大量に発生し始めたそうだ。
・病気をサポートする薬や医療機器が全般的に不足している。 医療従事者でも、この病気の白肺の症状が出始めている。 だから、今後数週間は、死者の数が増えることが予想され、死者の数は高齢者に限らず、若者や中高年に偏ることになるだろう。
・この数字は、葬儀屋の数、病院の過密度、重病の死亡率に基づいている。 例えば、普段は1日に30〜40体の遺体を焼いている葬儀屋の仕事量が10倍になっても焼き終わらないというのを参考にしている。今のところ具体的な数字は出ていないが、こうした現象の裏に隠された数字は非常に大きい。
・特に若い人は、熱が下がった後、例えば自己診断で抗原が陰性だと、回復したと思ってトレーニングやスポーツに出かけたり、休まずに仕事に戻ったり、あるいは残業したりして、突然死するケースが見られる。
・肺炎は安静とタンパク質とビタミンの補給が必要だ。これらは“消耗品“なのだ。休息時間を多く取り、運動やストレスを軽減しないと、体が崩れてしまう可能性が高くなる。
・西洋医学に詳しい友人がいれば、その人たち、特に信頼できる医師に相談し、特に他の併発症がある場合や、妊娠中や子供がいる場合は、個別に薬を使用したほうがいい。 全員が無事に過ごし、被害を最小限に抑えるために、できる限り助け合うことができるように願っている。
筆者は、昨年末、中国で感染爆発が行った時、検疫でPCR検査をして変異株の正体を明らかにすべきだと述べましたけれども、閻麗夢氏は、それが普通の感覚だと述べています。
4.白肺・ターボ・エイズ
もし、今、中国で蔓延している武漢ウイルスが未知の変異株で、超短期間でエイズになる「ターボ・エイズ」だったとしたら、やはり警戒と対策が必要になると思います。
1月11日に行われた厚労省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに提出された大阪府健康医療部の資料によると、1月2日からの1週間におけるゲノム解析による変異株の検出状況は、BA.5系統が5割以上、次にBF.7系統が1割強で、アメリカで置き換わりが見られるXBB.1.5系統は0件、また、12日に開催された東京都のモニタリング会議では、XBB.1.5が都内で15件確認されたという具合にまだ、日本では特定の変異株への急速な置き換わりは起こっていないようです。
ただ、閻麗夢氏が指摘するように、中国で蔓延している変異株が発症後、一旦、潜伏期に入ってから再発する特徴があるとするならば、潜伏期になって体内のウイルス量が減ってしまえば、いくら検疫しても検出できない可能性だって考えられます。生物兵器としてみれば、こんな厄介なものはありません。
1月5日、Lancet Infectious Diseases誌(オンライン版)は、XBB.1系統の宿主細胞への侵入と抗体による中和を回避する能力を初めて評価し、ワクチンを4回接種した人や3回接種後にBA.5に感染した人においてもXBB.1の中和回避能が非常に高いことがわかったと報告しています。
それによると、武漢ウイルス感染症の予防や治療に臨床使用されているもしくは開発中のモノクローナル抗体(14種類)およびモノクローナル抗体カクテル(4種類)について、XBB.1に対する中和能力を調べたところ、すべてのモノクローナル抗体およびモノクローナル抗体カクテルがB.1を効果的に中和したのに対し、XBB.1についてはソトロビマブとS2H97が中和できたものの、その中和能力はB.1に対する中和能力と比べて10分の1以下だったとのことです。
また、ワクチン接種またはワクチン接種+感染によって誘導された抗体のXBB.1の中和能力を評価したところ、ワクチン3回接種者の血清の中和能力は、B.1、BA.5に対しては高かったものの、XBB.1にはほとんどないことが分かりました。
更に、ワクチン3回接種後BA.5流行中に感染した人の血清の中和能力も、B.1には高く、BA.5には中程度、XBB.1には低く、ワクチン3回接種後に1価ワクチン(B.1)または2価ワクチン(B.1とBA.5)のいずれかを接種した人の血清においても同様だったとのことです。
これらの結果から、著者らは「ほとんどの抗体がXBB.1を中和しないことからCOVID-19治療には新たな抗体が必要であり、XBB系統の発生率が高い地域では他の治療法を検討すべき」としています。
日本のワクチン接種率は世界屈指の水準です。にも関わらず、XBB.1株にワクチンが全く効果がないのだとすると、今後、感染第9波も警戒する必要が出てきます。
中国で蔓延している武漢宇イリスが閻麗夢氏の指摘する新変異株であり、発症後、一旦、潜伏期に入ってから合併症を伴って再発するタイプのものであれば、人が本来持っている免疫力で対抗するしかないのかもしれませんね。
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