ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。
1.H3打ち上げ中止
2月17日の午前10時37分に打ち上げ予定だった、JAXAの次世代主力ロケット「H3」の試験1号機が、発射直前に打ち上げ中止となりました。
ライブ配信では、補助ブースター「SRB-3」が点火しなかったためとのアナウンスがあったのですけれども、その後、異常を検知してシステムがSRB-3への着火信号を送出しなかったことが分かったようです。
H3ロケットは、日本が宇宙への輸送手段を持ち続けれるように、現在運用中のH-IIAロケットの後継機として開発された機体で、今後20年間を見据え、毎年6機程度を安定して打ち上げることで産業基盤を維持を目指しているそうです。
当然、そのためには、政府の衛星だけでなく、民間からも商業衛星を受注する必要があります。畢竟、日本国内だけでなく世界中の利用者から使いやすいロケットでなくてはなりません。
H3は今後の世界でどのようなロケットが必要になるかを見据え、柔軟性・高信頼性・低価格の3つの要素を実現する目的で開発されました。
H3は全長約63m、直径約5.2mで、新幹線の先頭車輌2両分とほぼ同じ大きさ。地球低軌道から静止トランスファー軌道、さらには地球脱出軌道まで、さまざまな軌道に向け、多種多様な大きさ、重さの衛星を打ち上げが可能。幅広い打ち上げ能力要求に対応するため、固体ロケットブースター「SRB-3」の本数や、第1段メインエンジン「LE-9」の基数、衛星フェアリングを選択できる仕様となっています。
第1段となるメインエンジン(LE-9)は燃焼に液体水素、酸化剤に液体酸素を使用。打上げる衛星の質量や投入軌道に合わせて、2基、ないしは3基をクラスター化して装着します。
第2段目のエンジン(LE-5B-3)は、これまで日本が培ってきた第2段エンジン技術を踏襲し、H3ロケット用に新たに開発されたもので、元となる「LE-5B」エンジンは、H-IIロケット用に開発された「LE-5A」エンジンと同様に軌道上で複数回燃焼させることができる複数回着火機能を持ち、「H-IIA/H-IIBロケット」の第2段エンジンとして適用されています。
そして、H3には「SRB-3」という固体ロケットブースターが装着されます。固体補助ロケットは直径2.5メートル、全長15メートルで、打ち上げ時の推力を補います。主エンジンに着火して推力が十分になったことを確認した後、信号を受けて着火する仕組みになっています。
SRB-3はコンポジット推進薬を用いた固体ロケットで、H3ロケット用の固体ロケットブースターとして開発されました。ミッションに合わせて装着本数を変えることで、 さまざまな衛星の打ち上げに柔軟に応えられるようになっているとのことです。
2.設計通りに散らなかったサクラ
このような日本のロケット産業の未来を背負うべく開発されたH3ですけれども、打ち上げ中止後のJAXAの会見での説明によると、H3ロケットの自動カウントダウンシーケンスは予定通り開始され、メインエンジン「LE-9」が着火し正常に立ち上がったあと、ロケット下部(エンジン上部)に設置された1段制御用機器が異常を検知。SRB-3への着火信号を送らなかったことから、打ち上げ中止。SRB-3側にも異常はなかったそうです。
18日、JAXAは原因究明に向けた本格的な調査を開始。機体を詳しく調べるため、鹿児島県の種子島宇宙センターの打ち上げ地点から400メートル離れた組み立て棟に機体を移動させました。今後、異常を検知した第1段ロケットを中心に調査を進め、電気系統の作動状況などを記録したデータを解析。着火信号が出なかった原因の特定を急ぐとしています。更に、主エンジンや補助ロケットの状態も改めて点検し、予備期間内の3月10日までの打ち上げ再開を目指す方針としています。
今回の打ち上げ中止は、人が打ち上げを中止させたのではなく、固体ロケットブースターのSRB-3を点火させる信号が出なかったため、次の点火フェーズに移行せず、システムが自動で打ち上げを停止させたことになっています。
これについてJAXAは「ロケットがスタートして打ち上げるときは常に安全な状態を確保することが第一優先。そういう意味では安全に止まったということ。非安全な状態で止まったわけではない。異常を検知して安全に止まるシーケンスが正常に働いて安全に停止している状況。直前にLE-9エンジンも正常に立ち上がっているし、異常の検知も正常に行われていると理解している」と説明しています。
要するに「設計通り」に動いたということです。
その結果、H3ロケット本体や搭載していた衛星は損傷することなく、そのまま残っています。日の丸ロケットH3は、爆発四散して「サクラ散る」となった訳ではありません。
一部報道が打ち上げ延期を失敗扱いしたり、それに反発する意見に対し「ロケット打ち上げを特別視するのはどうか?」などの話題が出ていますが、
— LH2 (@LH2NHI) February 17, 2023
そもそも打ち上げ成功-失敗とは何でしょうか?
案外日常と同じ基準だったりしますよ? pic.twitter.com/eeMPPcWYf6
3.それは一般に失敗といいません
一方、H3の打ち上げ中止を「失敗」にしたい輩がいたようで、世間から批判を受けています。共同通信です。
JAXAの記者会見の席で共同通信の鎮目宰司(しずめさいじ)記者が、「中止と失敗という問題についてもう一度確認したいです。ちょっともやもやするものですから」と切り出し、JAXA側と次の一問一答を行いました。
共同 中止という言葉は、みなさんの業界でどう使われているかは別として、一般に意図的に止める、計画を途中で意図してやめる時に中止といいます。今回はカウントダウンも続いているし、飛ぶはずの機体が飛ばないなという状況に見えますが、正体不明の異常が起きて、システムが正常に作動して止まったのかもしれませんが、意図しない異常による中断、中止ということだったのでは。意図的ではなく止まっちゃったよということは一般に言う失敗ではないかと思うのですが、どうですか?この鎮目記者の物言いに、世間からは、不快な捨て台詞を吐きすてた、とか、技術者を舐め切った台詞だ、とか批難轟轟。当然です。
JAXA こういった事象が時々ロケットにはあるのですが、その時に自分たちは失敗と言ったことがありませんので。やはり、われわれが非常識かもしれませんが。
共同 それを失敗と呼ばれたからと言って、何か著しく不具合があるわけではないですよね。みなさんの中では失敗と捉えてないけれども、失敗と呼ばれてしまうことも甘受せざるを得ないという状況ではないですか。どうですか?
JAXA どのような解釈をされるのかは、受け止めた方、受け止められ方はもちろんあると思いますので、そうではないですとは言い難いですけれども、ロケットというものは基本安全に止まる状態でいつも設計しているので、その設計の範囲の中で止まっている、つまり意図しないというのはその設計の範囲を超えて、そうじゃない状態になることは大変なことになると思いますが、ある種想定している中の話なので、そこに照らし合わせますと失敗とは言い難いと思います。
共同 わかりました。確認ですが、つまりシステムで対応できる範囲の異常だったけれども、考えていなかった異常が起きて打ち上げが止まった。こういうことですね。
JAXA ある種の異常を検知したら止まるようなシステムの中で、安全、健全に止まっているのが今の状況です。
共同 わかりました、それは一般に失敗といいます。ありがとうございます。
JAXA ありがとうございます。
この鎮目記者は共同通信の科学部・原子力報道室の次長だそうですけれども、この人のロジックに従えば、たとえば、記事を書いて、デスクから書き直しを命じられる、あるいは、記事を校正して「誤字・脱字」が見つかったら、その時点で「失敗」ということになります。
共同通信は次からJAXA🇯🇵の記者会見は出禁でイイと思います😠💢💢💢
— @airi_deshi_555 (@airi_deshi_555) February 17, 2023
【 JAXA記者会見 】共同通信社の鎮目宰司 ( しずめさいじ ) 「失敗」ではなく「中止」と解説を受け、鎮目宰司 →『ソレは一般に失敗と言いま〜すw w w ありがとうございま〜す w w w 』pic.twitter.com/pQeuUT8rsG
4.サクラが散ったういろう
悪いことは重なるもので、ここにきて共同通信は、他にもやらかしています。
ツイッターで過激な発言を繰り返しては、炎上するユーザーはまま見られますけれども、そのひとりが共同通信社の記者だったことが分かり、ネットで「炎上」しています。
ユーザー名は「桜ういろう」なるアカウントで、いわゆる“左翼アカウント“として、数年前からユーザーに認知されていたそうです。フォロワーは1.6万人(現在はアカウントごと削除)で、作家の百田尚樹氏や有本香氏らの有識者に執拗に絡み、「【朗報】ホラノ門ニュースの百田尚樹氏、やっと自分をサイコパスであることを自覚する。コバンザメの有本香氏もすかさず「『天才』は往々にして勝ち組サイコパス」とヨイショ!つーか、気付くの遅すぎ」などと過激な投稿を繰り返していました。
一般ユーザーに対しても「ネトウヨは知識が足りない」などと馬鹿にした言動が目立ち、問題視されていたようです。
昨年7月、「桜ういろう」は、在日ウクライナ人政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏の「人類史上、最も人を殺したカルトは「共産主義」という」との投稿に対し、「日本人は満州や朝鮮で、ソ連人に強姦され虐殺されました。日本人にとってナザレンコ・アンドリーさんの祖国ウクライナもまた加害者なんですよ」、「お金が欲しいのは仕方ないかもしれませんが、どうかインチキ宗教のお金目当てで日本人を扇動するのはやめてください」とリプライし、これが大炎上。
他のユーザーから「「お前の祖国は強姦の加害者だ」とリプで言い放つ行為のどこに正義があるのだろう?」などと批判されたものの、それ以降も、祖国ウクライナを支援しようとするアンドリー氏を「レイシスト」と糾弾したり、アンドリー氏の住所などの個人情報を拡散するなど、明らかに一線を超えた行為を繰り返していました。
そして、今年2月14日頃から、「桜ういろう」についての過去のSNSアカウントから氏名などの個人情報が流出。名前を検索すると、「大手新聞社勤務を経て、現在は共同通信に在籍している記者」と同姓同名の人物が該当したことで大きな話題となり、「メディアの人間が一般人装ってヘイトを扇動するなんて」など厳しい声が相次いでいます。
「桜ういろう」の正体について、共同通信の関係者は「桜ういろうはネットで指摘されている通り、共同通信記者です。現在は名古屋社会部のデスクで、2月16日には緊急の会議が開かれました。その結果、当該記者は10日間の自宅待機が命じられた。会社としても事態を非常に重く見ているようで、すでに代わりのデスクを募集したという話もある。10日間の自宅待機の間で、ツイートを精査したうえで正式な処分を下すとみられています」と漏らしています。
自身の住所を晒された、先述のナザレンコ・アンドリー氏は、「桜ういろう」に対する裁判を検討しているそうですけれども、こちらの「桜」は程なく散ることになるのかもしれませんね。
先程引用したツイートのように、共同通信社の桜ういろうの印象操作のせいで、私は数年前から名誉毀損され、活動を妨害されてる。信者、信者二世、牧師、宣教師、関係者などのレッテル貼りは500件以上
— ナザレンコ・アンドリー🇺🇦🇯🇵 (@nippon_ukuraina) February 19, 2023
この話題に関して私は2022年に完全な説明をした。事実と異なるデマを広める人を容赦なく訴える https://t.co/AnAsPc4qqV
この記事へのコメント