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1.一任を認めません
5月12日、自民党は党本部で性的マイノリティに関する特命委員会と内閣第1部会の合同会議を開き、LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を特命委の高階恵美子委員長と内閣第1部会の森屋宏部会長に対応の一任を取り付けたとして終了しました。
法案は基本理念に「性的指向および性同一性による不当な差別はあってはならない」と盛り込まれたのですけれども、会議では28人が発言し、差別に関する表現や、学校現場にLGBT教育の確保を求めた条文などについて異論が相次ぎました。
会議終了後、推進派の稲田朋美元防衛相は記者団に「大きな前進だ。一方で心配している女性の団体もある。懸念を払拭するためにも、理解増進法を作るべきだ」と述べた。慎重派の高鳥修一衆院議員は記者団に「最後は強引に一任を取り付けた。民主的な党運営に禍根を残した」と語りました。
報道では、森屋宏部会長が一任を提案したのに対し、保守系議員の一部は反対したが、幹部側が押し切ったなどと報じられていますけれども、実際は反対派の方が多く、反対議員18、賛成議員11、反対議員が過半数を制していたそうです。
部会で、対応を幹部に一任するというのは、全会一致の時に行うというのが慣例であり、そもそも、反対議員は過半数であるにも関わらず、幹部が押し切ったというのは、強行採決どころの話ではなく、多数決の原則すら踏みにじるものです。
これについて、自民党の青山繁晴参院議員は自身のブログで次のように述べています。
▼反対の発言がわたしを含めて18議員、賛成議員が10~11、いずれにせよ反対派が多数なのは間違いありませぬ。わたしは、一任をしていませんし、一任は成立したとはとても言えません。青山議員は「自由民主党の今後に、深刻な打撃となるでしょう」と述べていますけれども、筆者もそう思います。
▼ひな壇、すなわちこの法案を政府と作成してきた側は、賛成、反対の採決をとっていません。それは、自由民主党には「全員一致したときに、一任が成立する」というルールがあるからです。
国会審議での採決とは違います。国会での、いわゆる「強行採決」ではなく、同じ党内の議論の場で、強行で「一任を取り付けた」と主張するのは、見たことがありません。自由民主党の今後に、深刻な打撃となるでしょう。
しかも「一任することに賛成が多数派だったから、少数派の反対を押し切った」のではなく、それとは真逆に「一任することに反対する議員が過半数を占めているのに、少数である賛成派の議員で押し切った」のが、何のバイアスもかけない事実です。
2.行き過ぎた差別禁止運動につながる
LGBT法案については、2年前にも議論されました。2021年5月、自民党案を基に超党派議連が協議し、「差別は許されない」との文言を追加することで合意しました。けれども、この時は、その後の自民党内の議論で、法案にある「差別は許されない」との文言に、「行き過ぎた差別禁止運動につながる」「差別の範囲が明確でなく、訴訟が増える」などと批判が続出。法案は党内で了承されずに、国会提出されませんでした。
当時も慎重な立場を取った中曽根弘文元外相は2月22日、「理解増進法を作るのは大賛成。ただ『差別は許されない』との一言については、よく考えてもらいたい……身近な例で、ゴルフ場の女性トイレに『私は女だ』という男性が入ってトラブルになった……出ていけと言えば差別と言われ、裁判沙汰になりかねない。風呂もそう」と、法律に差別禁止を書き込めば、公共のトイレや浴場でトラブルが起きるほか、その規定を基に訴訟が多発すると述べています。
これについて、8日に行われた部会での議論では、目的を記した第1条から「差別は許されない」を削除する代わりに、基本理念を記した第3条に「不当な差別はあってはならない」と盛り込み、「性自認」との文言も「性同一性」に置き換えていたのですけれども、この日結論はでていませんでした。
そして、12日の部会では、多くの議員が求めた差別のガイドライン、性同一性の客観性、学校に関する条文の削除等はゼロ回答のままだったそうです。
今回のLGBT法案について、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」の会長を務める自民党の岩屋毅元防衛相は産経新聞のインタビューで次のように答えています。
──理解増進法案を成立させる必要性について「適切なルール設定が可能になってくると思う」とか、「裁判に活用されることはないと思う」とか、「性自認の方が適切ではないか」とか、断言せず、願望のコメントが気になります。
「性的マイノリティーは苦悩を抱えている人が非常に多く、自殺率も非常に高い。最近はそういう人々も声をあげるようになった。例えば、全国100近い(当事者)団体を束ねる『LGBT法連合会』はさまざまな機会を通じ、自分たちの人権を尊重してもらうための法制が欲しいという運動を盛んに行うようになってきた……しかし、一気に(同連合会などが求める)『差別禁止法』にいくほどには国民の理解が十分ではないと思う。まずは性的マイノリティーへの理解を増進するための基本法を作るべきだと考えている」
──広島サミット前の成立を目指している
「前回ドイツでのG7サミットでは性的マイノリティーの問題に各国がしっかりコミットするよううたわれた。議長国として、日本の取り組みがまったく進んでいないというわけにはいかないだろう」
──トランスジェンダー女性と女性の権利が衝突しかねない懸念が指摘される
「誤解があると思う。厚生労働省所管の公衆浴場法のもとでの『管理要領』は、おおむね7歳以上の男女は混浴させてはならないと定めている。その男女は身体的特徴から判断する以外にない。理解増進法によって国民の理解が進むことで、ほかのスペースの使い方についても適切なルール設定が可能になってくると思う」
──トランス女性が女性専用スペースに入る可能性は、法制定の前後で変わらないと
「まったく変わらない。当然、入場を断ることになる。日本の法令に従い、建造物侵入ならびに公然わいせつ罪などに問われることになる」
──トランス女性が女性浴場への入浴を拒否され、訴訟を起こしても理解増進法は使われないと
「根拠にはならない。裁判に活用されることはないと思う」
──自民の党内議論で「性自認」が「性同一性」に修正された
「性自認は、ある程度の一貫性、継続性を持った自身の性に対する認識をいう。一部の人は『性自称』と誤解されているのではないか。『性自認』という言葉に、勝手に性を自称するというニュアンスを感じてしまうので、心配をしているのだろうが、法案上では明確に定義されると思う……世界保健機関(WHO)の最新の分類によれば、性同一性障害は病気でも障害でもない『性の健康に関する状態』に変わった。『性同一性』や『性同一性障害』という用語は、その意味で一周遅れになってきている。今や、『gender identity』は性同一性ではなく、性自認と訳することが主流だ。その意味でも(性自認の方が)適切ではないか」
──同性婚や異性装がタブー視された宗教的背景のある欧米諸国などと同列に検討してよいのか
「日本は男色に寛容だっただろうという話がよくされるが、古代ギリシャ、ローマの時代でも同じだ。性のアイデンティティーで悩みを抱え、社会生活上の困難を抱える人にどう対応するかは全く別次元の話だ。日本だけが(同性愛などに)寛容だったから心配する必要がないという論は成り立たないのではないか……自民の考えをまとめるにしても、野党の意見を聞く姿勢も大事だ。丁寧に協議し、合意できる最大公約数を見つけてほしい」
5月3日のエントリー「LGBT法案の裏側と利権」で取り上げましたけれども、岩屋毅元防衛相自身が触れた、LGBT法を推している「LGBT法連合会」は、LGBT4団体から「トランス女性やトランス男性の代表ではない」と批判された活動団体です。
彼らが主張して法整備された結果、裁判乱発にでもなったら、どうする積りなのでしょうか。
3.今回も同じ風景なんです
部会が強引に一任としたことについて、慎重派の高鳥修一衆院議員は「自民党では今後、反対の声が多くても部会を通るという前列を作りました」とツイートしていますけれども、長尾敬前衆院議員によると、彼の知る限りこういう事例は2度目なのだそうです。
長尾前衆院議員は自身の動画で次のように述べています。
前例は前にもあります。今回が初めての洗礼ではありません。私が自民党の議員になって経験した範囲内では3年と少し前、武漢ウイルスが中国で確認をされた時に、武漢が封鎖されているのになぜ日本は中国からの入国者を認めるんだということで、新型コロナ対策本部が大荒れに荒れました。このように、前にも強引な一任取り付けはあったというのですね。長尾元衆院議員がいうように「今回も同じ風景」であるならば、結論は決まっていて、LGBT法案をそのまま通すということになります。
私は当然入国を 禁止せよと一切封鎖せよと武漢の封鎖してるんだから封鎖せよと、そしてその時の発言者の圧倒的多数が入国をさせてはならないという発言がほとんどでした。私が記憶してるのに入国禁止をしろと言った発言に対してそれを認めてもいいんじゃないかっていう 発言はほんの数人でした。これは普通なら 封鎖になるだろうと。
ところが一人でよろしくお願いしますというひな壇の方からのご発言がありました。当時の本部長は元厚生労働大臣であられた田村憲久さんです。私はその時にもう席からですね、もう立ち上がって机を叩きながらそんなの民主主義の反するじゃないかということを声を上げて抗議をしました。
そうしましたら田村先生私にこう言いました「今日の平場の議論では 反対をする慎重にする入国は検証した方がいいという意見が多かったけれども違う意見もあるんです」ということを口にされたんです。私は間髪入れず違う意見なんでここでは一言も出なかったじゃないですかと、もう机をとにかく叩きながら大声を張り上げてどこにそんな意見があったんですかと、一度もそんな意見は聞いたことがない。
それでも雛壇なんていうのはそれだけの権限を持っ ています。一任ということで最終的に蓋を開けたら、入国をそのまま 許すという結論になりました。これは残念ながら安倍政権の時です。この辺のやり取りはですね、もう冗談じゃ ないと。つまり今回も同じ風景なんです。
内閣部会、性的マイノリティー特命委員会合同会議
— 高鳥修一(たかとりしゅういち) (@takatorishuichi) May 12, 2023
先程終了しました。私のカウントでは反対慎重18名、賛成10名。にもかかわらず執行部が強引に反対の声を押し切って、部会長一任として散会しました。何のための議論なのか、「自民党では今後、反対の声が多くても部会を通る」という前列を作りました。
4.自民党における法案審議
では、今後、法案はどう進むのか。
マスコミ報道では、自民は16日にも党総務会で法案を了承し、党内手続きを終える方針で、16日以降、立憲民主党も含めた与野党で協議し、法案を国会提出したい考えだとしていますけれども、現実にはそんな気軽なものではないようです。
法案の党内手続きと野党との調整について、2017年9月発行の「臨床法務研究」第19号に、「議員立法のつくり方 : 改正ストーカー規制法と空家対策特別法などを題材に」という自民党の山下貴司衆院議員の論文が掲載されています。
その論文から、該当部分を引用すると次の通りです。
3 党内手続今回、問題の法案は部会を一任の形で通ったことになるにですけれども、次には政調審議会、総務会を通さなくてはなりません。山下衆院議員によると、政調審議会、総務会では、党幹部から集中砲火を浴び、慣例上全会一致が原則とのことですから、部会で反対多数だった法案が、政調審議会、総務会で全会一致になるとは考えられません。普通は。
自民党における法案審議は、法案作成→部会→政調審議会→総務会という流れで審査されます。
組織的には、総裁のもとに幹事長、総務会長、政調会長(これが党三役)がおり、政調会長の下に、党としての個別の政策を審議する政務調査会の組織として部会・調査会があります。議員立法もまず部会・調査会にかける必要があります。(別添資料1参照)。
自民党の部会・調査会は、党所属の国会議員であれば自由に出席して意見が言えるため、深い専門知識に基づく質問から素朴な疑問まで、出席議員からでる様々な意見にうろたえずに対応する準備が必要です。そして、部会長・調査会長一任を取り付けてやっと部会・調査会を通すことができるのです。
次に政調審議会、総務会に通します。政務調査会の意思決定機関である政調審議会や党の意思決定機関である総務会では、説明する議員は、出席した党幹部から集中砲火を浴びます。しかも、これらの会議は慣例上全会一致が原則なので、一人でもその場で「それはおかしい。」と言う人がいたらなかなか法律案は通りません。そこで予めの根回しが重要になります。部会・調査会の幹部、政調審議会、総務会のメンバーなどは約60人に上りますから、短期間の間に関係者全員に提案議員が手分けして説明して回ります。
さらに、自民党の党内手続を通ったら、今度は、連立与党を組む公明党との与党政策責任者会議に諮ります。何の根回しもなしに自民党の総務会を通った後に公明党に持ってきて「いや、そんな案には反対だ」と言われれば与党案としては日の目を見ないことになります。そこで、実際には、自民党の総務会を通す前に公明党とは打診もかねてすり合わせをやっています。
4 野党への根回しと国会の審議日程
与党案ができたとして、「与党で通ったのだから、何でも通るでしょう。自民一強じゃないですか。何でもやりたい放題じゃないですか。」と思ったら大間違いです。先に言いましたように、与党の議員提出法案は、基本、内閣提出法案を邪魔しないということになっており、野党が反対をして審議が空転することなどないように根回しが必要です。
ただ、根回しをするにも戦略を練ることが必要です。やみくもに根回しをしても失敗することがあります。今の情勢だと、野党としては自民党の法案は基本的に駄目っていうことが結構あります。「法案の内容はいいけど、提案が自民党だから駄目」っていわれることもあるのです。そこで、予断なく検討してもらうために、誰に根回しをしていただくかということも大事です。
改正ストーカー規制法は、立案した公明党の議員から民進党に働きかけていただき、さらに、賛成してくれた民進党から共産党など野党内に働きかけてもらいました。リベンジポルノ防止法は、自民党女性局で、女性の立場からの法律だということで「女性局発の法案として、各党の女性局に根回しをやって下さい」とお願いしました。また、再犯防止推進法は、最初から超党派議連を作り、与野党一体で原案を作りあげるということでまとめました。
法案について与野党の合意が取り付けられる見通しが立ったとしても、さらに審議日程も考える必要があります。国会の委員会における法案審議は、原則として「先入れ先出し」です。つまり、委員会である法案の審議が始まってしまえば、その法案が委員会を通過するまで審議してもらえないのです。ですから、いつ法案を審議対象として浮上させるかについて、自民党の国会対策委員会や委員会幹部はもちろん、他党とも周到に調整しておく必要があります。例えば、再犯防止推進法については、民法の債権法改正の審議に入る直前に、衆議院法務委員会の審議日程が一日だけ余裕があったことから、衆院法務委員会の筆頭理事に頼んで、この隙間の一日に審議してもらいました。
この一日を逃せば、債権法改正案の審議に入ってしまうところ、この債権法改正は大改正ですから、その審議が始まるとその国会では再犯防止推進法を審議するタイミングはないことが予想されたからです。そこで、この審議日程に差し込むため、与党だけではなく、野党まで根回しして了承をもらい、やっと委員会審議で持ち込み、その上で両院の本会議で全会一致の可決まで一気呵成に持ち込みました。他の議員立法である空家対策特別措置法や公認心理師法も同じように全会一致の合意形成に至るまでが苦労でした。
ここまで準備しても、特に規制、刑罰に関する法案は全会一致になるとは限らず、国会で様々な質問がなされる可能性があります。それに備えて法案作成と平行して想定問答を作成しなければなりません。立法趣旨をはじめ質問されそうな100項目程度を衆議院法制局に作成させて、答弁を検討し、それをさらに関係省庁にネガティブチェックさせます。これには法案成立後に執行する関係省庁の意見も十分取り入れる効用もあります。ここまですれば関係省庁もよく理解した上で協力してくれますが、本当に手間暇がかかります。
山下衆院議員によると、全会一致のために、予め根回しするとのことですけれども、今回の強引な一任取り付けを見る限り、既に根回しは終わっている可能性が考えられます。
5.今やれることは世論を作ること
5月12日のエントリー「民主主義に悪影響を及ぼしているものとは何か」で、非営利団体「Alliance of Democracies」とLatana社が共同で行っている「民主主義認識指数(DPI)2023年版」の調査結果を紹介しましたけれども、そこでは、民主主義の主要な構成要素について、90%以上が言論の自由、公正な選挙、平等な権利が挙げられています。
その意味では、今回の反対意見多数にも関わらず、一任取り付けという"暴挙"は明らかにこの「公正な選挙」を脅かしたものだといえます。
今回の法案についての政調審議会、総務会は来週火曜日に行われると見られているのですけれども、前述の長尾敬前衆院議は、「今やれることは私たちが世論を作ること」とし、お住まいの議員にクレームではなくこういう理由で反対をし ているということ、政審の出席役員に伝えて欲しいと訴えています。
因みに政務調査会と総務会の役員は自民党のサイトに掲載されていて次の通りです。
政務調査会役員名簿長尾前衆院議によると、なんでも官邸も自民党も、SNSの情報発信っていうのはものすごく細かく見ているそうで、動画のチャット欄でどれだけの反対派の意見があるのか、ツイッターであるとか、Facebookであるとか Instagramであるとか、あるいは一般個人のYouTubeのチャンネルでどれだけの反対の情報発信が上がってるのかどうかということがまずはバロメーターになると述べています。
総務会役員名簿
であれば、個々人が自分の出来る範囲で、出来る媒体で意見を述べることは全くの無駄にはならない筈です。
6.権利の上に眠るものは保護するに値しない
今回のLGBT法案について、フジテレビ上席解説委員の平井文夫氏は、保守系を中心とする慎重派は修正案に一定の評価をしながらも次の2つの点で十分ではないと考えていると述べています。
・女性の権利や安全がきちんと守られるのか平井氏は法案推進派の稲田朋美元政調会長が「サミット前にある程度進めておくべきというのはその通り。総理総裁が指示を出している。今国会で成立させるべきだ」と述べたことを挙げ、自民党内では保守派の反発があるものの、週明けに推進派が法案の提出を強行するのではないかとの見方が出ていると指摘した上で、保守票の離反の可能性について触れています。
たとえば「心は女性だが体は男性」の人がお風呂の女湯に入ることは厚労省の局長通達で禁止されているのであり得ない、と推進派は主張しているし、政府もそう答弁している。だがLGBT理解増進法が成立した後に「心は女性で体が男性」の人が、女湯への入場制限は「性同一性による不当な差別」と主張しても、銭湯の主人は入場を拒否できるのか。主人が警察を呼んで入場を阻止した場合、その人が訴えたら司法判断はどうなるのか。実は世界ではその手のトラブルがあちこちで起きている……10日の会議では浴場やトイレなど公共の場で女性の権利を守る規定を設けるべきだとの指摘もあったという。
・法案が小中高校で子ども達にジェンダー教育をするなど国民への理解増進を求めている
会議では「性教育すらできていないのに、LGBTだけ教育するのはどうか」として削除を求める意見が出た。一時期、過激な性教育が行われ国会でも問題になったことがある。教師にしても裁判官にしても時々ルールを拡大解釈してとんでもないことをやったり言ったりする人がいる。公共の場で特に子どもや女性が傷つくことのないよう、立法や行政は細心の注意を払わなければいけない。
平井氏は「自民党にとって選挙における保守票の離反は大きな問題だ。統一地方選では日本維新の会にかなり食われたし、昨年の参院選では保守系のNHK党(現在は政治家女子48党)と参政党が合わせて300万票を取っている。この政治家女子も参政もLGBT推進法案には慎重な立場だ。稲田氏の言うことが本当なら岸田文雄首相は法案を今国会で通したいということだが、強引にやると大量の保守票が離れる可能性があるので気をつけた方がいいと思う」と述べていますけれども、ネットでの盛り上がり方を見る限り、その可能性はあると思います。
5月3日のエントリー「LGBT法案の裏側と利権」や5月7日のエントリー「エマニュエル駐日大使の内政干渉と日本の文化力」でも触れましたけれども、今回のLGBT法案については、利権や、エマニュエル駐日大使からの干渉が指摘されるなど、政治が抱える闇の部分がかなり炙り出されてきた感があります。
「権利の上に眠るものは保護するに値しない」という言葉がありますけれども、LGBT法案が成立すれば、ジェンダーレストイレとか温泉だとか、普通の女性の権利が返って守られないのではないかとの指摘が現実化する可能性は否定できません。
今後もこの手の「公平な選挙」を脅かし、民主主義を崩していくことを国民が放置し、眠り続けるならば、その権利は奪われてしまう事もあると知っておく必要があると思いますね。
この記事へのコメント
三角四角
日本が独立国家ならば、世界は世界、日本は日本と成る筈だが、日本は世界の顔色を窺っている。
仮に、LGBT理解増進法案を成立させなければならないとしたら、よく審議しなければならない筈である。
それが、如何して、広島サミット前に成立させなければ成らないのか?
他のG6の国々のことを気にし過ぎである。
他のG5の国々が、王制、天皇制を止めろと言えば、イギリスも日本も止めるのか?
その意味では、ロシアや中国にも日本が参考にすべきものがある。
良い悪いは置いといて、他国の干渉はしても、自国への内政干渉は絶対許さない。
ロシアや中国と日本との決定的な違いは軍事的独立性の有無である!
ロシアも中国も圧倒的な軍事力を背景に、他国の干渉を許さない。
日本はアメリカと日米安保条約を結び、アメリカに護って貰っている。
そして、米製憲法の前文『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。』の文言の通り、日本は国際協調主義を採っている。
しかし、幾ら国際協調主義を採っているからと言って、日本の伝統・文化にそぐわないものを、日本に導入する必要はない。
ひょっとしたら、日本は文化的にアメリカよりロシア、中国と近い面が在るかも知れない。
アメリカは高々250年足らずの実験国家である。
何故、そんな新米国家が決めたルールに全世界が従わねばならないのだ。
日本も、日米安保条約を破棄すれば、アメリカの顔色を窺う必要はなくなり、これ以上日本らしさを失わなくなる。
だが、日米安保条約でアメリカに日本を護って貰いながら、日本の独自性を保つのは難しい。
LGBT、完全男女平等など、一つ一つ、日本の独自性が失われ、日本の文化的独立を喪失して、将来アメリカに併合されるのではないか?
ロシア、中国は武力侵略、アメリカは文化侵略で、世界を統合しようとしているのではないだろうか?
米国のエマニュエル駐日大使が「同性婚か異性婚かではなく、『結婚』しかないと思う。
日本のためにもそれを受け入れるべきだ」などと述べた(注)。
これも、アメリカの日本に対する文化侵略の一環であり、日本を従属国と舐めている証拠である。
日本の伝統・文化を真に護りたいなら、アメリカとの軍事的従属関係を解消しなければならない。
アメリカに日本を護って貰いながら、アメリカの要求を拒むのは大人の関係では筋が通らない。
日米安保条約を続けるのなら、アメリカの要求を少しづつ呑み、日本らしさを少しづつ失い、将来はアメリカに吸収合併される。
それが嫌なら、不平等条約である日米安保条約を解消し、アメリカの要求であっても、護るべき日本らしさは断固護り抜く。
一体、日本は終戦後何年経ったら、憲法秩序の上位存在である在日米軍を置いて置くのを止めるのか?
真の独立心は、国土防衛から生まれる。
日本国の防衛を日本国民が引き受けることが、日本国の独立を護ることに繫がるのだ。
日本はロ中の武力侵略を許さないと同時にアメリカの文化侵略を決して許しては成らないのだ。
その為には、日本の軍事的独立を確立すべきなのだ。
アメリカに日本の防衛を依存しながら,アメリカの要求を拒むのは子供の態度である!
(注)【 朝日新聞デジタル 2023年4月10日 22時00分 有料記事
「同性婚か異性婚かはなく、『結婚』」 米国のエマニュエル駐日大使 上地一姫
https://www.asahi.com/articles/ASR4B73MQR4BULFA01Y.html
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