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1.補助金申請をしなかったColabo
6月1日、一般社団法人「Colabo」が東京都庁で会見し、令和5年度は都の「若年被害女性等支援事業」の補助金を申請せず、自主事業として寄付金などで継続すると発表しました。Colabo代表の仁藤夢乃氏はその理由について、事業要綱が変更され、少女らの個人情報を都に提供しなければならない場合があるとし、「支援が成り立たない」と説明した。
都は今年度から「若年被害女性等支援事業」を委託事業ではなく、使途ごとに経費の報告が求められる補助事業に変更。それに伴い、情報開示に関する規定を要綱に盛り込みました。
これまで適用されていた旧要綱では「本人の同意が得られない」「生命身体に危険が及ぶ」「利用者との間で守秘義務が解除されていない」などの場合、都と個人情報を共有しなくてもよい、となっていたのですけれども、新要綱では、都が求めた場合、自立支援の計画や記録を開示しなければいけないとなっています。
仁藤代表は、「申請しないと資金面は苦しいが、氏名や住所、置かれている状況を都に情報提供すると言ったら誰も相談に来なくなる」とし、都に要綱の変更を求めました。
これに対し都の担当者は、「事業者との連携を強化する上で情報共有する必要があるが、当事者の意向にかかわらず開示させるわけではない」と説明しています。
Colaboの仁藤代表は補助金申請をしなかったことについて、Colaboの公式フェイスブックで次のように主張しています。
私たちColaboは、今年度、若年女性支援事業の補助金に申請しませんでした。その理由は、補助金の要綱が昨年度までの委託事業から変更され、少女たちの情報を東京都の判断で提供しなければならなくなったことです。このように、仁藤氏は補助金申請すると、個人情報が守れなくなるから申請を止めたとしています。
若年被害女性支援事業の補助金を受け取る民間団体に相談したら、東京都の判断で、相談者の情報を行政に提供しなければならないものになってしまいました。これでは、公的支援につながれずにいる女性たちにつながる活動ができません。
多くの方に問題を知っていただき、若年女性支援のあり方について考えていただきたいです。
■会見の内容
・補助金要綱の問題点について
・若年女性支援事業でどのような少女たちとつながってきたのか
・妨害に対する東京都の対応について
・質疑応答
詳細・資料 https://colabo-official.net/kaiken230601/
会見動画 https://youtu.be/nK0XiG3UYV0
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まず、資料①の東京都若年被害女性等実施要項 5「事業者の順守事項」をご覧ください。
https://colabo-official.net/.../uploads/2023/06/shiryou1.pdf
・去年度までの委託事業との変更点としては、相談者一人ひとりについて個人別支援記録と自立支援計画を策定することが必要となっており、「これらは事業終了後も5年間、都が求める場合は開示しなければならない。」とされています。
・また、「関係機関の間で利用者に関する情報の共有を行うことについて、支援開始時点等に利用者から同意を得ることとする。」と書かれており、ただし、「利用者個人を特定できる情報の共有については、「都が判断する場合」に共有できるものとしています。
個人別支援記録と自立支援計画については様式1、様式3と書かれた資料にある通りで、ご覧いただけたら東京都がどのような情報を知りたがっているのかわかるかと思います。
資料①最後にある誓約書の8に「事業の履行確認に必要な個人情報を提供することに同意します」と書かれています。
私たちに対して「公金を不正利用している」などの誹謗中傷やデマが拡散され、昨年東京都に対する監査が行われました。
監査に協力する過程で、私たちは一部の領収書、例えば女性が受診した医療機関のものや、女性に手渡した通学のための交通費などで、女性の名前が記載されているものについて、「原本」の存在はお見せして確認していただきましたが、女性の名前の部分は提示を拒否したことから、そうしたことができないように書かれたものだと理解しています。
また、監査に協力する過程で、女性の名前がかかれていない領収書についても、例えば交通費や宿泊費、食事代などについて、どのような用途で使用したのか東京都から確認がありました。
私たちは調査に協力し、個人が特定されない範囲で使用目的の詳細や必要性について説明しましたが、SNSなどで「公金の不正利用」などというデマが大きく拡散され、そこに政治家も加担し、東京都にも多数それを信じた人たちから電話がかかってくるなどしたそうで、そういうなかで、東京都の態度が徐々に変化し、私たちに対して、相談者に関わる情報そのものを確認させるように求めて来るようになりました。
少女たちに関する記録を見せてほしいと言われたため、それは本人からの同意をとれていないためできないとして、Colaboは守秘義務を守り、その分の経費について、自ら取り下げることとしました。
それについて東京都が、領収書の一部が確認できなかったと監査結果で書きましたが、それは私たちが少女たちの個人情報を守るために、自ら取り下げを行ったためです。
そうした経費について、取り下げをしても、東京都の委託費よりも多くの金額を持ち出しで活動していたため、東京都への返金はありませんでした。
領収書の存在は確認しているにもかかわらず、そのように書かれてしまったことで、私たちに対する「領収書をだせ」などという攻撃も深刻化しました。領収書は見せているんです。
しかし、東京都の新たな補助金の要綱をみて、今後は私たちが少女たちの個人情報を守る、そうした対応ができないように、内容が変更されたと考えています。
それではこの事業の本質が失われてしまうと考えて、会見で問題を明らかにすることといたしました。
【以下略】
2.難民申請中の不法滞在者
そんな中、6月6日、Colabo追及を続けている一般人、暇空茜氏がColaboと難民申請中の不法滞在者との繋がりを掘り起こし、公表しました。
これは、Colabo公式フェイスブックで、2017年9月16日に投稿された記事で明らかになったものです。件の記事から一部抜粋します。
一般社団法人Colaboこのように難民申請をして請求棄却されたとがっつり書かれており、該当の高校生をコラボの中長期シェルターを利用させる、と報告しています。
2017年9月16日 ·
【緊急支援のお願い】難民申請中の二人の女の子の高校卒業を支えてください!
Colaboとつながる難民の二人の高校生がいます。
彼女たちが2018年3月に高校を卒業できるよう、支えてくれる仲間を募集します!
▼背景・状況
保護者に連れられて、学校にも行かれないまま、避難生活を送っていました。2011年に成田空港に到着し、難民認定申請を行って庇護を求めながら、仮放免許可を受けて日本で生活しています。
現在、日本の高校に通う三年生です。これまで、学校で勉強できることに感謝しながら、懸命に日本語を覚えて、日本人のクラスメートたちと一緒に、高校卒業を目標に日本で勉強を頑張って来ました。
しかし、難民認定申請が不許可処分となり、裁判所に提訴しながら、入国管理局に再度の難民認定申請を行なっていましたが、7月の終わりに、裁判所で請求棄却という判決が出されました。
これまでは難民事業本部から支給される、生活保護費の3分の2相当のお金で何とか一家が生活をしていましたが、ここから先は、金銭的な支援が打ち切られることになってしまいます。
現在、高等裁判所に控訴をしながら、そして再度の難民認定申請の結果を待ちながら、日々を不安な気持ちで生活しています。8月からは生活費が難民事業本部からもらえなくなり、仮放免許可の身では働くこともできず、また、親戚からの仕送りも足りないため、生活費、学校に通うためのお金がありません。
この先、いつまで、どのような形で日本で暮らせるかはまだわかりませんが、本国での学歴もはるか以前に断ち切られているため、なんとか日本の高校を卒業できるように支えたいと考えています。
そこで、二人は保護者と別れて、9月からコラボの中長期シェルターを利用することになりました。
彼女たちの受け入れに合わせて、シェルターの増設準備を進めてきました。みなさまからの支援で、家賃はコラボが負担します。
しかし、高校を卒業するには生活費や学校までの交通費も必要です。そこで、みなさんに支援を呼びかけることにしました。
国からの支援を打ち切られ、アルバイトをする許可も受けることができずにいる高校生を支える仲間になっていただけないでしょうか。
勉強と学校が好きな、真面目な女の子たちです。ご支援よろしくお願いいたします。
【以下略】
暇空氏は「入管法、困難女性支援法のコンボはすでに発動していた。東京都に名前住所出せる訳ないわな、難民申請中の不法滞在者なんだから」とコメントしていますけれども、確かにこれではCoalaboが対象者の個人情報提出を拒むわけです。
入管法改正は、不法滞在者の不当な難民申請によるバグ技で、犯罪者を強制送還できないことを是正する、必要な改正です
— 暇空茜 (@himasoraakane) June 6, 2023
立憲、共産らはこの必要な法律を理由を説明せずにウィシュマだの被害者棒を振り回し、国会進行を妨害して反対しています
これこそが売国奴、これこそが反日政党ではないですか https://t.co/QXZwZCuv9H
3.難民認定されない理由
難民認定制度については、こちらの出入国在留管理庁のホームページに記載されていますけれども、難民とは次のように定義されています。
本案内でいう「難民」とは、難民条約第1条又は議定書第1条の規定により定義される難民を意味し、それは、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者とされています。難民認定の申請は、申請者の住所又は現在地を管轄する地方出入国在留管理局、支局及び出張所で行うのですけれども、ビザを持って入国した場合は、政府から在留資格を得て、その期限内に難民申請し、ビザなしで入国した場合は、最初に短期ビザ(最大90日)を申請し、その後、同様の手続きを行います。
難民の認定は、申請者が提出した書類やインタビューで自らが難民であることを証明します。
難民と認められなかった場合は、人道上の配慮で、政府が在留許可を出す場合もありますけれども、難民ではないので、日本語や就職の公的なサポートはなく、家族を日本に呼ぶ手続きが難しいなどの課題があります。
日本は、難民認定率が低く、韓国で約5%、イギリスが約30%なのに対し、日本はわずか0.2%です。
では、どういう人が難民認定されないのかというと、こちらのサイトで紹介されています。見出しだけ抜粋すると次の通りです。
難民と認定されなかった事例 (以下、出入国管理局HPより抜粋)前述の「難民」の定義からいえば、1,2,3辺りは認定されてもよさそうに思ってしまうのですけれども、これらの不認定事例をみていくと、そうでもない実態が浮かび上がってきます。
(1)迫害理由として「人種」を申し立てるもの
(2)迫害理由として「宗教」を申し立てるもの
(3)迫害理由として「政治的意見」を申し立てるもの
(4)その他の申立て「知人、近隣住民、マフィア等とのトラブルを申し立てるもの」
(5)本国の治安情勢に対する不安を申し立てるもの
(6)親族間のトラブルを申し立てるもの
(7)家族が難民認定申請していることを申し立てるもの
(8)個人的な事情を申し立てるもの
(9)カーストを申し立てるもの
(10)兵役忌避を申し立てるもの
(11)複数回申請
(1)迫害理由として「人種」を申し立てるものこのように難民申請したものの、自身で難民だと証明できず、不認定になったということのようです。
ケース1
申請者は民族Aであるところ、本国において本国政府機関から差別を受けたことから、帰国した場合、本国政府から迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったものである。
出身国情報によれば、本国では近年、少数民族問題を所管する省が新設され、少数民族の出身者が上院議長に就任したことが認められ、本国政府と民族Aとの間に停戦協定が締結されるなど、本国政府が民族Aとの融和を促進していることが認められる。
申請者の申立てによれば、申請者が受けた差別というのは、国家機関に就職できなかったり、国民登録証の更新に時間が掛かったり、言語の理解度が不十分であるため転校できなかったというものであり、迫害とはいえない上、民族Aであることを理由に身体的な危害を加えられたことはないこと、上記国情に照らせば、民族Aであることのみを理由とした迫害のおそれは認められないことから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められないとして「不認定」とされた。
(2)迫害理由として「宗教」を申し立てるもの
ケース2
申請者は、A教徒であるところ、本国において、近隣のB教徒と口論になり、殺害の脅迫を受けたことから、帰国した場合、B教徒に殺害されるおそれがあるとして難民認定申請を行ったものである。
出身国情報によれば、本国では憲法上信教の自由が認められており、また、本国政府当局がB教徒を含む私人による違法行為を取り締まっていることが認められる。
申請者の申立てによれば、申請者を迫害するのは、特定地域のB教徒であるというところ、上記国情に照らせば、本国政府当局がこうした私人による違法行為を放置、助長するような特別な事情があるとは認められないことから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められないとして「不認定」とされた。
(3)迫害理由として「政治的意見」を申し立てるもの
ケース1
申請者は、本国においてSNS上で本国政府が公正でないという意見について、投稿やシェアをしたことから、帰国した場合、本国政府当局から迫害を受けるおそれがあるとして難民認定申請を行ったものである。
申請者は、難民認定申請書に上記事情を何ら申し立てていないことに加え、上記申立ての裏付けとなる資料を提出しておらず、この点について、自身のSNSのアカウントが突然ブロックされたなどと不自然な供述をしていることから、申請者の申立ての信ぴょう性には疑義があること、仮に申立ての一部に事実が含まれているとしても、SNS上での投稿等は本名でされたものではなく、申請者が投稿したことを本国政府が把握しているとは考え難い上、実際に本国政府から接触を受けたこともないこと、上記事情後に自己名義旅券を行使して何ら問題なく本国の出国手続を受けていることから、条約難民の要件である迫害を受けるおそれがあるとは認められないとして「不認定」とされた。
4.難民申請の現場
現行の入管法では、不法残留状態の外国人であっても、難民認定手続き中であれば一律に送還が停止されることになっています。
2021年12月末時点で、強制退去の対象となっているにもかかわらず、退去を拒む「送還忌避者」は3224名。そのうち、前科を持つ者は1133人で、1629名は難民申請中であるがゆえに送還が停止されています。けれども、その中には退去を回避する目的で申請を繰り返す人もいるそうです。
今回政府が改正しようとする入管法はこうした制度の誤用、濫用を正すという目的もあるようです。
デイリー新潮は5月31日付の記事で、10年以上、「難民審査参与員」を務める男性にインタビューし、入管の実態について報じています。
記事の一部を引用すると次の通りです。
「イラン出身の“難民”男性はキリスト教に改宗し2年半毎週教会に通っている。帰国すれば迫害されると主張しました。でも、“12月25日は何の日ですか?”と聞くと、“サンタクロースの誕生日”と言うんです。ウガンダからの男性は、自分は同性愛者だから帰れば死刑にされる、と。確かにウガンダではそうしたケースがありますが、男性には実は、子どもが2人いたんです」このように、難民申請者にインタビューすると嘘と出鱈目ばかりで、自分が難民だと全然証明できていません。確かにこれでは難民というより「偽装難民」に近いのではないかとさえ思えてきます。
ミャンマーの申請者も、
「反軍事政権デモに出ていたので逃げてきたと言うのです。しかしデモの日付を聞くとパスポート上、既に日本にいた期間になっている。また、スリランカの男性は野党の支持をしていたので迫害されたと言う。しかし、ではその野党の党首は?と聞いても答えられない。フィリピンではドゥテルテ政権で麻薬の取り締まりが厳しくなった。自分は麻薬をやったことがあるので帰れないという人も。しかし、麻薬の色は?と聞いても答えられない」
こうした事情もあり、昨年の不服申立てによる審査請求のうち、難民と認められたケースは4461人中15人に過ぎない。
なぜこうした難民申請が繰り返されるのか。
前述した送還停止のメリットと共に、大きいのは経済的理由だ。以前は日本に入国し、難民申請を行えば、6カ月経過後、就労が可能になった。この制度以降、難民申請者が急増した。
「そのため審査が滞り、長期化しました。現在は2年超かかります」
と先の男性参与員が言う。
「つまり“難民”は一度申請を出せば数年は就労が可能です。そして参与員の審理の最中もまた数年就労が可能なのです。ですから申請を出すこと自体が目的で、難民として認められるか否かはどうでもいいと考えている人が多いように見えます。入管庁の統計でもわかるように、不服申立てをした申請者の4割超が、弁論放棄といって口頭意見陳述もせずに書類を出すだけで済ませていますからね」
この男性審査参与は、「今回の審議を通して、新聞やテレビは日本が難民に非情な国だとの報道をしていましたよね……しかし審査の現場にいると、難民だと認められるのは数が限られています。私自身、千人以上審理したうちのわずか数件にとどまる。そうした“難民”の審査のためにたくさんの人や金が費やされています。法案に反対する人たちはそれを知っているのか、あるいは知っていて目を瞑っているのか……」と零していますけれども、確かにこれが実態なのであれば、入管法は改正すべきだと思います。
昨日のエントリーで、筆者は、齋藤法務相の答弁に疑問を投げかけましたけれども、急にデータを云々と言い訳するよりは、こうした実態を強調した方がよいのではないかと思いますね。
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