百田新党と朝敵の運命

今日はこの話題です。
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1.LGBT法案が成立したら保守政党を立ち上げる


6月9日、作家の百田尚樹氏が自身の動画で、「LGBT法案が成立したら、私は保守政党を立ち上げる」と宣言しました。

動画での百田氏の主張は次の通りです。
・自民党は保守政党ではなかった。安倍さんがいなくなってリベラルの正体を隠さなくなった。本当の保守政党が必要だ。
・自民党は天下の悪法LGBT理解増進法を強引に成立させようとしている。国民の同意も、自民党内部の同意を得ていない。
・この法案を押し通す自民党の姿を見て、とうとう怒り心頭に発し、堪忍袋の緒が切れた。もはや自民党に自浄能力はない。自民党は再び保守に立ち返る力はない。
・今の自民党の重鎮、大物は全員ダメだ。自民党を内部から変えることはもう無理だ。安倍さんがいたからなんとか持っていた。リベラルの心情を隠して、安倍さんのいうことを聞いていた。
百田氏によると、リベラルは、最初、日本共産党あるいは立憲民主党の辺りに注力して、政権交代を起こそうとしたところが民主党政権で大失敗して、今後野党政党つまりリベラル政党では日本の政権は取れないということがわかったため、自民党内部、特に自民党の女性議員で「頭も心も弱い議員たち」を狙い撃ちして浸透工作していった、と。

そして、同じくリベラル政党である公明党が選挙応援するぞとその代わりという形で多くの自民党の議員がそれにやられたようだ、と指摘しています。

百田氏は新党について「まだ党名も綱領も何も決まっていないが、何かしなければという思いにかられ、保守政党の立ち上げに思い至った」とし、政党立ち上げには自己資金を投じ「子供に遺産は残さない」「足りない場合は皆さんに寄付をお願いする」としています。綱領の策定や政治資金の管理、現職議員の勧誘などは全て盟友でジャーナリストの有本香氏に任せるとも述べています。尚、百田氏自身は立候補しない意向としています。




2.ビビってるから誰もツイートしません


百田氏のこの宣言は意外と評判になっているようで、動画には次のような応援メッセージが寄せられています。
・日本の国のことを考えてくれる議員、党に票を入れたいと思っています。
・祖国を愛する政治家、国柄、国体を守り抜く決意を持った政治家に大同団結して頂きたい。もちろん、私たちも賛同します❗️ 百田さんの決意を断固支持します‼️
・ここ数日間、悪法のせいで不安、不眠、心が沈んでおりました。先生の声明動画で希望を頂き、心意気に涙が溢れました。党を立ち上げた際には微力ながら全力で応援する所存です。
・ご決断に心からの感謝と敬意を表します。ありがとうございます。
・もう自民党はダメです。
・嬉しすぎて泣いてます。投票する政党が出来ました。全力で応援します
・ありがとうございます 本当の保守 本当の愛国者の政党を待ってました 応援します 寄付もします どうか安倍さんの志を継いで下さい
・心より応援いたします。安倍晋三という蓋がなくなってしまった自民党は保守の枠から外れた自己保身の輩だらけです。
・百田さんの居ても立っても居られないお気持ちがよく伝わりました。 我々は皇統を守っていかねばなりません。 安倍元総理亡き後の自民党の腐敗ぶりには驚きしかなく、国会がサーカス団集まりのようで情けない。
・百田さんと賛同するお仲間の皆さまで真に日本国のためになる政党の躍進を願わずにはおられません。 応援させて頂きます!頑張ってください。
コメントを見る限り、今の自民は保守層に見放されてしまったのではないかと思う程です。ツイッターアンケートでも、百田新党を支持し投票するとの回答が8割にも上っています。

百田氏が新党について任せると述べたジャーナリストの有本香氏は、自身の動画で次のように述べています。
・百田さんが新しい党を作りますよって言っ たらじゃああなたたちは保守票を分裂させ て嬉しいんですかなんて言ってるんだけど自民党のどこが保守なんですか、そうでしょう?
・自民党という政党はもうひたすら大きいだけの選挙互助会ですよ。今回だってね公明党が東京でもしかしたら選挙協力しないかもしれないって言ったことと関連してるんですよね。
・公明党に気を使うためにこのLGBT法をまあ審議して通して、それで選挙に突入しようってこんなことなんですよ。
・あなたたちは自分 たちの議席のためにね日本国そのものをわけのわかんないものにしてしまうんですかってことなんですよ
・自民党のために日本があるわけじゃないですよ。私だってねいろいろ言いたい事ってか、今までだって批判すべきことはいっぱいあっ たけど我慢してやっぱりこの人たちに多数を取らせないと、憲法改正もできないだろうってずっと思ってきましたよ。
・でもね10年それで10年自民党に多数与えてどうなりました。憲法改正ってとこ行ったんですかって話なんですよ
有本氏は、自民党は選挙互助会だとし、LGBT法をゴリ押しするのは公明党に気を使って協力を得るためだというのですね。

有本氏の発言を見る限り、自民は保守言論人から完全に見放された感すらあります。

百田氏の新党立ち上げ宣言について、長尾敬前衆院議員は、「百田尚樹さんがあの発言をされたことでですね、多分相当ビビってると思います。はい。でビビってるから誰もツイートしませんよね」と自民議員に相当な衝撃を与えている筈だと述べています。




3.法制化後に発生する弊害を読んでいた安倍元総理


有本氏は「自民党のために日本があるわけじゃない」とズバリ指摘していますけれども、筆者も同感です。国家観を失い、党利党益を国より上に置くことから間違いは始まります。

安倍元総理はそれを理解していました。

麗澤大学の八木秀次教授は、安倍元総理がLGBT法案の危険性を理解し阻止しようと動いていたことを、5月22日付の夕刊フジの記事で述懐しています。その内容は次の通りです。
きっかけは21年4月、八木氏は、超党派議連が「LGBT差別禁止法案」をまとめているとの情報を得て、安倍氏に「問題の所在」を説明したという。安倍氏は当時から、自らの性別を自身で決める「性自認」はじめ、多くの弊害に気づいていたという。

八木氏は「当時の法案の『性的指向又は性自認にかかわらず』という点や、『差別』の定義があいまいなことに、安倍氏は『過激な法案だ』と認識していた。家族制度、婚姻制度への影響も憂慮していた。側近議員とともに、推進派に対抗する動きをつくった。反対する当事者団体を、自民党の特命委員会に呼んだ仕掛け人も安倍氏だった。議員会館の事務所に別件で尋ねてきた議員にも、LGBT法案への警告を伝えていた。昨年5月に最後に話をしたときも関連書籍を読み込んでおり、詳しい知識を持っていることに驚いた」

中でも、安倍氏は「皇室の危機」にもつながる点を意識していたという。肉体は女性だが、性自認が男性の「トランス男性」を男性として扱うことになれば、皇位継承権者を「皇統に属する男系の男子」とする皇位継承の原理自体が崩れることを理解していたという。

LGBT法案をめぐっては、自民党保守派だけでなく、女性団体やLGBT当事者の団体も、拙速な法制化に反対している。ラーム・エマニュエル駐日米国大使の「内政干渉」といえる言動も問題視されている。

八木氏は「私との対話の中でも、安倍氏はLGBT問題と、皇位継承の関連について言及していた。法制化後に発生する弊害を読んでいた。現在でも、『皇位は、男系男子の血で継承されることに正統性を見いだす』という考え方に反感を持ち、女系容認の方向に変えようとする動きがある。皇室を大切にする安倍氏は、『性自認』を認めた先には『皇室典範を変えなくても、性別の概念を変えることで、将来的に伝統的な価値を壊すことが可能になりかねない』と理解していたようだ。現状の拙速な議論を見たとすれば、『尊重すべき価値観を変えてはならない』と警告したのではないか」と語った。
このようの安倍元総理はLGBT法案が法制化後に発生する弊害を予測し、側近議員とともに、推進派に対抗する動きをつくったというのですね。


4.世界的な政治闘争になっているよね


先述のジャーナリストの有本香氏は、安倍元総理がLGBT法案の問題点を認識し、それを列挙したいたことを2月17日の夕刊フジの記事で触れています。該当部分を引用すると次の通りです。

2021年の初夏、私は議員会館の安倍事務所を訪れた。いつものように、応接室ではなく執務室に通された。そのとき、安倍氏は、私の取材とは関係のないある話題を切り出した。自民党内で紛糾していたLGBT法案についてだった。

「これは、もはやLGBTへの偏見をなくそうという運動じゃなく、世界的な政治闘争になっているよね。米国でティーンエージャーに何が起きているかを知るべきなんだよ」

いつものことなのだが、私は安倍氏の見識の広さに驚かされた。

米国の一部地域ではいま、10代の子らの間で「ユニークな性自認」をカムアウト(=性的指向を公表すること)し、その「心の性」に従って生きることが〝流行って〟いる。

例えば、肉体的には女子である子が、ボーイッシュな服装や荒っぽいスポーツが好きだとする。その子がさらに女子を思慕するに至り、「私、他の子と違う気がする。実は女子じゃないのかも」などと思う。それが高じて、「私、本当は男だったんだわ」と言い出す。

カムアウトだけで済めばいいが、「私、名前変えたい」と言い出しても、親は子供を止められないのだという。さらに、10代の子が「体も変えたい」とホルモン注射などを望んでも、親がそれを阻止するのは容易でない。

そんな他国の現状を、日本の多くの大人が知らない。自民党議員も大半が「差別・偏見はいけないよね」程度の認識だろう。しかし、安倍氏はよくご存じだった。

「思春期の頃、同性に憧れるなんてよくある話でしょう。おまけに性への興味がとても強い時だよね。そんな子供たちに、同性どうしの性を学校でまで教えるというのは、やり過ぎだと思うんだよね」

こんな話を明かすと、LGBT法推進派からは、「法案にそんなことは書いていない」と反論があるだろう。しかし、安倍氏が語ったのは「蟻の一穴」への懸念だ。

誤解なきよう明言するが、安倍氏には同性愛者やトランスジェンダーへの偏見など微塵もなかった。ただ、案じていたのは、社会秩序がいたずらに壊され、子供たちがその犠牲となることだ。

「性自認の危険性」についても話した。「心は女」の男性が女性スパに入ってきて事件となった話を安倍氏に向けると、こう言った。

「そんな事件も今後起こりかねないね。大人はともかく、その場に遭遇した子供が負う心の傷は深いよ」

さらに、「これ、かつての人権擁護法案の形を変えたものになりかねない」という懸念も寄せていた。

ろくに定義もされない「差別」が独り歩きし、「差別禁止」の〝棍棒(こんぼう)〟で国民の内心の自由まで、ボコボコにされかねない。

自民党内のLGBT法推進派の皆さん、古来、同性愛などに寛容だったわが国で、いまさらLGBT法を強力に推す真意は何ですか。いま最優先すべきはやはり、安倍氏の悲願だった憲法改正ではないのですか。
こういう当たり前の判断が党として出来なくなっているのであれば、保守言論人や保守層から見放されたとしてもむべなるかな、と感じざるを得ません。


5.朝敵の運命


更に、有本氏は6月8日の夕刊フジの記事で、次のように述べています。

教育現場に過激な「性」教育が持ち込まれ、子どもたちのアイデンティティーに混乱が生じる恐れがあること。さらに、性自認を偽称する者による犯罪が誘発される危険性。例えば、「心は女」だと主張する男性が女性の浴場やトイレに入って事件となるが、「差別」を盾に免罪されかねないことなど、安倍氏は2年前すでに、正しい問題指摘をしていた。

私が直接聞いたこれらに加え、八木秀次氏(麗澤大学教授)は、安倍氏が2年前、別の重大な危惧をも口にしたと夕刊フジで明かしている。

「安倍氏は、肉体は女性だが、性自認が男性の『トランス男性』を男性と扱うことになれば、皇位継承者を『皇統に属する男系男子』とする皇位継承の原理が崩れることまで憂慮した」

神武天皇以来、万世一系で約2000年続く、日本の皇統。これを崩壊させんとする者は「朝敵」である。

皇統の重要性は、いわゆる男女同権の話とはまったく異なるものだということは本コラムで再三書いてきた。詳しく知りたい方は、作家・百田尚樹氏と私の共著『「日本国紀」の天皇論』(産経新聞出版)をお読みいただけたら幸いだが、皇統が崩壊すれば、日本が終わると言って過言でない。

その暴挙を為そうとしている自覚が、岸田首相と政権の人々、自民党幹部にあるのか。さらに、2年前と同様に今回も、同法案推進に努めた古屋圭司氏(元国家公安委員長)、稲田朋美氏(元防衛相)、新藤義孝氏(元総務相)ら、〝安倍恩顧〟であるはずの面々は、安倍氏の懸念を何一つ解消させないまま、進んで「朝敵」となる覚悟をしているのだろうか。

古来、朝敵の運命がいかなるものだったかは、あえてここに書かない。閣僚経験者なら当然知っているだろうし、もし知らないのなら、歴史書を紐解いて勉強してもらいたい。

推進派の一人は「LGBT法案に反対して騒いでいるのはネトウヨだ」と切って捨てているそうだ。その伝で行くなら、私はもちろん、ベストセラー作家の百田氏や前出の八木教授も「ネトウヨ」ということになる。

この言葉はさらに、11年前、大メディアが嫌った安倍氏をネットを用いて力いっぱい応援し、第二次安倍政権の成立に貢献した草の根「保守」の人々への愚弄である。

万世一系を軽んじ、自分たちが何に支えられてきたかも忘れてしまった自民党の奢りを、私たちは看過すべきではなかろう。

幸い、昔のように「自民党にお灸を据えようと思ったら、最悪の民主党政権ができた」という情勢ではない。

多少の政局混乱はあるだろうが、それをおそれず、自民党以外の保守の「受け皿」を国民有権者自らがつくるべきだ。

解散総選挙に備え、多くの国民が、「他にないから、なんとなく自民党」をやめるときである。
有本氏は「自民党以外の保守の”受け皿”を国民有権者自らがつくるべきだ」と述べていますけれども、実際、百田氏が新党立ち上げを宣言し、有本氏も協力するとのことですから、まさに有言実行している訳です。

有本氏によると、推進派の一人は「LGBT法案に反対して騒いでいるのはネトウヨだ」と騒いでいるようですけれども、LGBT法案が日本の皇統を崩壊させるとなれば、これは有本氏の指摘する「朝敵」そのものです。

まぁ、国家観のない議員に「朝敵」といっても響かないかもしれませんけれども、彼らが「LGBT法案に反対しているのはネトウヨだ」とあまりに騒ぎ立てるようなら、「朝敵が何をいうか」と言い返してもよいと思いますし、LGBT法案が万世一系の皇統を破壊するものであるという認識はもっと広めるべきではないかと思いますね。




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この記事へのコメント

  • 愛国者

    LGBT理解増進法が成立すると万世一系の危機だと騒いでいた人たちはいましたが、それこそ不敬の極みだと感じましたね。
    何が何でも反対に持って行きたいから作った、荒唐無稽なこじつけだろうと。

    そもそも、百田尚樹は少し前までは女性天皇を容認していたエセ保守です。
    ましてや、有本香なんて小林よしのりに迎合していた真正の女性天皇論者。
    そんな二人を口車に載せられるほど、日本国民は馬鹿ではない。
    2023年09月12日 15:56