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1.内閣支持率大幅下落
6月17、18日の両日、毎日新聞が全国世論調査を実施しました。岸田内閣の支持率は33%で、5月20、21日実施の前回調査から12ポイント下落。不支持率は58%と、前回調査から12ポイント上昇しました。
内閣支持率の下落は4カ月ぶり。21日に会期末を迎える今国会での衆院解散を首相が見送ったことについては「評価する」が40%で、「評価しない」は36%、「わからない」は24%でした。
政党支持率は、自民党29%(前回28%)▽日本維新の会15%(同17%)▽立憲民主党10%(同9%)▽共産党6%(同6%)▽れいわ新選組5%(同4%)▽公明党4%(同4%)▽参政党3%(同2%)▽国民民主党3%(同3%)――などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は23%(同24%)でした。
わずか1か月で12ポイントの下落です。
青木率を計算すると、内閣支持率33%に自民党支持率29%で、計62%。政権が持たないとされる青木率50%まで残り12%です。
青木率については、青木の第二法則と呼ばれるものがあり、これは青木率に、現在の衆議院の与党第一党の議席数を掛け合わせれば、 衆議院解散総選挙の与党の新たな議席数を指し示すとされています。
現在自民党の衆院議席は276議席。これに青木率62%を掛けると171議席。流石にこれは減らし過ぎだと思いますけれども、6月初頭に自民党が情勢調査をしたときの獲得議席予測の220議席というのもあながち大外れではないのかもしれません。
2.リメンバー6月16日
6月17日、自民党の茂木幹事長は、千葉市内で開かれた党会合で講演し「自民党は保守政党であると同時に、政策面や党運営において一番の改革政党でなければならない……それがいずれやってくる衆院選での勝利につながる」と述べました。
また、立憲民主党が16日に提出した岸田内閣への不信任決議案について「与党はもちろん、多くの野党も反対に回り圧倒的多数で否決することができた。日本が直面する内外の難しい課題一つ一つに答えを出し、国民の期待にしっかり応えたい」と語りました。
この発言は、15日に岸田総理が解散総選挙を見送ったことを受け、党内の引き締めを図る狙いがあったとされていますけれども、国民が期待したのは、LGBT法にしろ、防衛増税にしろ、国民を苦しめない政策です。これでは、期待に応えるどころか、その反対ばかりやっている印象さえ受けます。
当然ながらというか、ネットでは「リメンバー6月16日。2023年6月16日、自民党が支持者を騙し討ちにした日。この日を絶対忘れない。覚えてろよ!」とか「引き締めってあれかLGBTで圧力かけたやつか?」とか「選挙の責任は幹事長が取るって知ってるか?楽しみにしてろ」とか「何が保守政党だ!くそ極左政党が!」とか「あれだけ民主主義を冒涜して、党議拘束かけて圧力かけて勝てると思ってんの?」とか怒りの声で溢れています。
今回の支持率急落について、政治評論家の有馬晴海氏は「翔太郎氏の問題で『岸田首相は身内に甘い』と思われたことが大きい。加えて、LGBT法案の審議や、少子化対策の財源議論の先送りなどでも、国民には『自分に都合のいいように事を運んでいる』と映った可能性がある。結局、自ら解散をチラつかせながら判断できず、自作自演の印象を与えた。岸田首相への『不信』が『確信』に変わったことを示すのではないか」とコメントしています。
また、政治学者の岩田温氏は「LGBT法の拙速な議論が影響しているのではないか。産経新聞や読売新聞などが反対の論陣を張り、国民の間でも『まずいことが進んでいる』という認識が強まった。安倍晋三政権を支持した『岩盤保守層』に見放されたことも大きいのではないか」と述べています。
3.ほとぼりは醒めない
先述の岩田温氏は、岸田政権について、ずばり「岩盤保守層に見放された」と指摘していますけれども、自民の岩盤保守層がいなくなったということは、要するに政権を底支えしてくれていた存在がなくなったことを意味します。
畢竟、その支持は、その場その場の世論に左右される脆弱なものにならざるを得ません。
異次元のナンタラ対策とやらで、世間の御機嫌を取ろうとしても、その裏では、退職金に課税するとか増税の話ばかりです。
いくら、何とか対策としって、ばら撒きしたとても、どうせその分増税されると、皆そう思っているのです。ここまでバレてしまっては、支持率回復など望めません。
あるいは、茂木幹事長の発言も、それを感じ取っているからこそ、自民党は保守政党だ、改革政党だなんだといいだしているのかもしれません。
6月15日、自民党安倍派は、憲法改正を巡り、自衛隊明記を実現した上で、次の段階として「戦力不保持」を定めた9条2項の削除を目指すべきだとする提言を決定しました。
提言では、9条2項によって自衛隊が行使できる自衛権の範囲が制約されているため「急変する国際情勢の変化に対応していくことは、今後、困難となる場合も想定される……自衛隊を国内法上も国際法上も普通の『軍隊』として位置付けることが必要だ」とし、改憲には国民の幅広い信頼と賛同が不可欠だとして「国民の理解を得ている」とする自衛隊明記を先行させるよう訴えました。
派内で改憲について議論してきたプロジェクトチーム座長の稲田朋美元防衛相は、党本部で記者団に「安倍氏は9条の問題を改憲の中核だととらえていた」と、提言をまとめた意義を説明しています。
普通であれば、この提言は保守層にウケるものであるはずなのですけれども、先述の岩田氏がいうように、自民党が「岩盤保守層に見放された」のであれば、この提言とて、どうせ口だけだろう、と思われている可能性さえあります。
LGBTに増税に解散見送り、その他諸々。役満級に信を失う行動をとったという印象は拭えません。
しばらくすればほとぼりが醒め、ちょっと保守受けするリップサービスをしておけば、支持が戻るだろう、などと、岸田政権が考えているとしたら、それは甘いかもしれないと考えておくべきではないかと思いますね。
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