新時代の米台関係と台湾海峡有事シミュレーション

今日はこの話題です。
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1.新時代の米台関係


6月20日、アメリカのシンクタンク、外交問題評議会の台湾タスクフォースは台湾有事への対応について報告書をまとめました。

このタスクフォースは元国家情報副長官スーザン・M・ゴードンと元統合参謀本部議長マイケル・G・マレン海軍大将が共同議長を務め、外交問題評議会フェローのデイビッド・サックス氏が取り纏めをしています。またタスクフォースには、さまざまな専門分野を代表する26人の著名なメンバーとオブザーバーが含まれているそうです。

約150ページに及ぶ件の報告書「新時代の米台関係:より強硬な中国への対応」のエクゼクティブ・サマリの概要は次の通りです。
台湾をめぐるアメリカと中華人民共和国(PRC、または中国)の衝突は、中国の軍事力と自己主張の高まり、台湾の独立したアイデンティティの出現と融合、そして台湾海峡における利害に関するアメリカの計算の進展の結果、ますます想像しやすくなっている。

抑止が失敗し、戦争が勃発した場合、台湾、中国、米国、そして世界にとって災禍的な結果となり、すべての側で数千人の死傷者を出し、世界経済が深刻な恐慌に陥るだろう。

米国は台湾海峡に重要な戦略的利益を有している。もし中国が台湾の民意に反して台湾の併合を成功させ、ロシアによるウクライナ侵攻に追随するようなことがあれば、各国が強制力や武力を行使して一方的に国境線を変更できることを再び示すことになり、国際秩序を著しく損なうことになる。

中国が同島に軍を駐留させれば、米国は西太平洋の国際水域で力を行使し、同盟国を防衛し、活動することがはるかに困難になる。

同盟国は自国の防衛に対するアメリカのコミットメントを疑問視し、中国を受け入れるか、戦略的自主性を追求するようになるため、アメリカの影響力は低下するだろう。

台湾海峡での戦争はまた、世界の半導体の大半の生産と出荷を停止させ、世界のサプライチェーンを麻痺させ、深刻な経済危機をもたらすだろう。

最後に、中国が台湾を掌握することになれば、自由民主主義の終焉を意味し、世界中の民主主義国家に冷ややかな影響を与えることになる。したがってタスクフォースは、中国が台湾との統一を達成するために武力や強制力を行使することを、米国が抑止することが不可欠であると判断した。

タスクフォースは、中国は台湾併合に必要な軍事力を開発中であり、台湾を従属させる決意を固めているが、非平和的解決を追求することをまだ決定しておらず、抑止は可能であると評価している。

戦争が避けられないわけではないが、米国が抑止力強化のために緊急に動き、中国の習近平指導者の意思決定が台湾に対する攻撃的行動のコストを引き上げるような形にならない限り、紛争が起こる確率は高まるだろう。

避けようとする紛争を誘発することなく抑止力を強化することは、並大抵のことではない。実際、リスクを考えれば、米国は台湾への支援を減らすべきだと主張する人もいる。

しかし、そのような路線は、中国の攻撃が成功した翌日に世界がどのような姿になるかを十分に考慮していない。

中国の侵略を抑止するだけでなく、米国は、貿易相手国としてトップ10に入る国であり、同じ民主主義国家であり、世界的な問題で志を同じくする勢力との非公式な関係を強化することにも関心を持っている。

タスクフォースは、台湾、中国、米国が台湾と中国との関係について異なる概念を抱きながらも、互いの立場に明確に異議を唱えないという、40年以上前に確立された政治的枠組みがますます脆くなっていることを指摘する。

この現実は、現状に不安を抱き、統一に向けて前進しようとする習近平の決意と相まって、衝突のリスクを高めている。

特に、タスクフォースは、
-現行の政治的枠組みは台湾海峡の平和と安定を可能にし、同時に台湾と中国の急速な経済成長を可能にしてきた;
-平和的統一の見込みが遠のくにつれ、中国は台湾に対してますます強権的な手段を用いるようになるだろう。
-習近平が任期満了を迎え、その正当性の根拠が経済成長の実現から中国のナショナリズムの充足へと移行するにつれ、衝突の可能性は高まるだろう。

タスクフォースは、ほぼすべての最先端チップを含む世界の半導体の主要生産国としての台湾の役割が、抑止力と中国の計算にどのような影響を与えるかを分析した。

同タスクフォースは、中国が台湾製チップに依存することは紛争のコストを上昇させるが、台湾を攻撃から守る「シリコンの盾」としては機能しないと結論づけた。

より危険なのは、中国が経済的な相互依存を利用して、各国が台湾を直接または間接的に防衛することを抑止することである。

台湾のグローバル・サプライ・チェーンにおける重要な役割、とりわけ半導体生産は、敵対行為へのブレーキとして機能するが、台湾を支配したいという中国の欲望を減退させるものではない。

アメリカおよび同盟国が台湾で生産される半導体に依存することは、米国および西側諸国が紛争に巻き込まれる危険性を高めることになる。

タスクフォースは、米国が台湾を直接防衛する能力を維持することには、法的な理由だけでなく、重要な戦略的理由もあると主張する。しかし同時に、中国の急速な軍事近代化、台湾の軍事投資不足、アメリカの軍事力不足から、アメリカが台湾のために決定的な介入を行えるとは考えられない。

タスクフォースは、
-抑止力は台湾海峡で確実に損なわれており、破綻の危機に瀕しており、中国の侵略の可能性を高めている
-中国はまだ、米国の介入に直面して台湾を侵略し掌握する能力を持っていないが、台湾の軍隊の大幅な変革と米国防総省(DOD)の持続的な焦点がない限り、10年後までにはその能力を獲得する可能性が高い
- 台湾は一定の前進を遂げたものの、国防と民生回復力における重大な不足に対処するにはまだ不十分である。
- アメリカが対処している主要な軍事的格差があるが、それにもかかわらず台湾の防衛に参加することは困難であり、コストもかかる。

タスクフォースは、アメリカ外交が、数十年にわたって機能してきたが、あらゆる側からの挑戦が強まっている政治的基盤を維持することに重点を置くよう勧告する。

アメリカ外交は、中国の侵略を抑止し、現状に対する一方的な変更に反対していることを中国と台湾に示し、中台間の将来的な取り決めが台湾の人々の同意を得て平和的に行われるようにすることを目指すべきである。

これらの目的を支持するために、米国は
- 中国を唯一の合法的な中国政府として承認し、台湾との正式な外交関係を避けつつ、台湾に対する独自の法的約束を履行する「一つの中国」政策を維持し、そのような政策は中国が両岸の問題の平和的解決を追求することを前提としていることを強調すべきである;
- 中国の反発を招くような象徴的な政治的・外交的ジェスチャーは避けるが、台湾の防衛力、回復力、経済競争力を実質的に向上させることにはならない。

米国は台湾が中国への経済的依存を減らし、世界経済への統合を強化できるよう支援すべきである。

さらに、半導体製造において台湾への依存度が高いことから、米国は台湾が信頼できる経済・貿易パートナーであり続けるようにする必要がある。

特に、タスクフォースは、米国が
- 台湾との二国間貿易協定を交渉すること、
- 重要な分野におけるサプライチェーンを多様化し、中国の潜在的な経済報復によるリスクを軽減すること、
- 世界の半導体製造業における弾力性を構築すること、
- 中国の台湾封鎖や攻撃が経済的にもたらす影響について同盟国やパートナーとの認識を高め、中国に対する制裁を準備するために協力すること、
- 中国の経済的影響力を低下させ、中国の経済的強圧に対応するために台湾と協力することを提言する。

タスクフォースは、台湾に対する中国の侵略を抑止することが、インド太平洋における米国の最優先事項であると主張する。

核心的な目標として、米国は、中国の指導者が台湾海峡を見渡すたびに、封鎖や侵略は失敗し、そのような道を追求すれば中国の近代化目標を達成することは不可能になると結論付けるようにすべきである。

この目標を達成することは難しいが、適切な政策を組み合わせれば可能である。
- 米軍が中国の侵略を抑止するために必要な能力を確保し、台湾への武器供与を優先させるために、米国の国防産業基盤を今すぐ戦時体制に整える。

アメリカの対台湾政策は、現状に不満を募らせる、より能力が高く、自己主張が強く、リスクを容認する中国に対抗するために進化する必要がある。

長年の懸案であった調整を行うことは難しいが、適応に失敗することははるかに危険である。

世界で最も経済的に重要な地域の将来は、米国が中国を抑止し、台湾海峡の平和を維持することに成功するかどうかにかかっている。
タスクフォースは、アメリカにとって、中国の台湾侵攻抑止がインド太平洋地域の最優先事項としていますけれども、台湾の半導体生産が、中国の台湾侵攻という野望を減退させるものではないという指摘は気になります。


2.日本の協力なければほぼ不可能


今回の報告書について、日本のマスコミは、「米軍は日本の協力を得られないと迅速に対処するのは『ほぼ不可能だ』と結論づけた」などと報じていますけれども、エクゼクティブ・サマリにはそのような記述はありません。

記載があるのは、報告書の中程になる88ページ以降からです。該当部分には次のように記載されています。
・台湾有事の際に同盟国が提供する支援をより明確にし、同盟国の能力を向上させ、役割と責任を明確にする。
・中国に対する米国の最も顕著な優位性は、インド太平洋における強力な同盟ネットワークである。
・中国は台湾海峡におけるアメリカの軍事力をすぐに無力化できると考えているかもしれないが、アメリカ、オーストラリア、日本と争うのはまったく別の問題である。
・アメリカの同盟国は、台湾のためにアメリカの介入を支持する意思をますますオープンにしてきているが、アメリカが同盟国と役割と責任について議論を始め、より統合された戦争計画を策定するためには、より明確化が必要である。
・日本は5万4,000人のアメリカ軍を受け入れており、台湾防衛のために招集されるであろう。
・これらの部隊は、日本国内の基地やその他の施設から活動できるようにする必要がある。
・この有事には、アメリカ海軍最大の前方展開艦隊であり、アメリカ唯一の前方展開空母打撃群を擁する第七艦隊も含まれる。
・米国唯一の前方展開海兵遠征部隊は沖縄に本部を置き(岩国にはF-35とKC-130J飛行隊を運用する航空群がある)、危機に対応し大規模な戦闘作戦を実施できる「即応部隊」を提供している。
・嘉手納基地は、インド太平洋におけるアメリカ最大の軍事施設であり、アメリカ領内にはないが、日本にあり、戦闘機が台湾上空で無給油作戦を実施できる2つしかない米空軍基地(いずれも沖縄にある)のうちの1つである。
・つまり、日本の基地を使わなければ、アメリカの戦闘機は効果的に戦闘に参加することができない。
・米国は、これらの資産や施設を呼び出すことができなければ、中国による台湾への侵略に迅速かつ効果的に対応することはほぼ不可能となる。
・台湾海峡での紛争に備えることは、日米同盟の主要な優先事項となるべきであり、戦力態勢や二国間の作戦計画・演習を推進すべきである。
・日米両国は、情報・監視・偵察(ISR)能力、特に宇宙ベースの資産の統合を目指すべきであり、台湾との共通作戦画像の構築を模索すべきである。
・さらに米国は、台湾軍を特定の演習に参加させる可能性を日本とともに内々に探るべきである。
・日本が統合作戦本部の設置を決定したことで、日米間の統合作戦の計画と遂行が可能になる。
・米国はまた、日本の南西諸島を活用し、部隊を南西諸島でローテーションさせ、弾薬や重要な物資の備蓄を行うべきである。
・米国はまた、日本国内の施設を強化し、民間飛行場からの作戦行動を訓練すべきである。最も重要なことは、同盟国が定期的に真剣な対話を行うことで、双方が相手への期待を伝え合い、危機発生時の円滑な事前協議への道を開くことである。
・日本だけでなく、米国はこの地域の他の同盟国、とりわけオーストラリアとフィリピンの支援を得ることが重要である。
・オーストラリアが10年以内に原子力潜水艦を配備し、より強力なブルーウォーター・ネイビーを開発できるよう、米国はAUKUSを確実に成功させる必要がある。
・このような能力は、特に対潜水艦戦(ASW)における相対的な弱点を考えれば、PLAの計画を複雑にするだろう。
・フィリピンの9カ所にアクセスできるようになった今、米国はこれらの地域に施設を建設し、弾薬や資材を事前に配置し、部隊を交代させるべきである。
このように、沖縄の米軍基地が使えなければ、米軍戦闘機が効果的な作戦行動ができず、中国の台湾侵攻に迅速に対応できないというのですね。

ただ、これは地理的位置を考えれば言われるまでもないことですけれども、それ以上に、民間飛行場も作戦行動に使うべきだという提言は注目すべきだと思います。つみり、現状の軍事基地からだけでは対応できないことを示唆しているからです。


3.台湾海峡有事シミュレーション


では、実際の台湾有事はどういう展開になるのか。

これについて、3月30日、日本国際問題研究所主任研究員の小谷哲男氏は、「台湾海峡有事シミュレーション:概要と評価」という研究レポートを発表しています。

研究レポートは、2022年度に日本国際問題研究所が実施した台湾海峡有事を想定したシミュレーションの概要と評価をまとめたもので、台湾を武力で統一するという指示を与えられた中国チームが作戦行動を取り、それにアメリカチームと日本チームが対応するという形でシミュレーションを進めています。各チームは宇宙・サイバー・ミサイル攻撃に続いて、航空・海上部隊の展開を図上で行い、軍事作戦がもたらす政治的結果を検証するため、停戦のための外交交渉を挟みながら行っています。結果、今回のシミュレーションでは、作戦行動を5回、そして外交交渉を2回行ったとしています。

研究レポートでのシミュレーションの概要は次の通りです。
1. シミュレーションの概要
◆第1ターン(海上封鎖)
〇中国の作戦行動
・台湾に対する海上封鎖の実施(米国による台湾への武器売却を阻害し、台湾に政治的屈服を強要するため)
・米国への警告(米国による軍事介入を牽制)
・日本・台湾に対するディスインフォメーション作戦(台湾の士気をさげるため、日本に米軍基地の使用を認めさせないため)

〇日米の対応
・台湾周辺への部隊の展開(海上封鎖を認めないため)

◆第2ターン(米軍に対する介入阻止)
〇中国の作戦行動
・米宇宙アセットへの攻撃、在日米軍基地・自衛隊基地・グアムへの弾道ミサイル攻撃(日米による軍事介入の阻止)
・航空戦力の展開(航空優勢の確保)
・日台へのサイバー攻撃(社会的混乱を引き起こす)

〇日米の対応
・東シナ海での海上優勢の確保(台湾へのアクセス確保と南西諸島・尖閣諸島の防衛)

第1回外交交渉(決裂)
中国の停戦条件 台湾問題への不介入
日米の停戦条件 海上封鎖の解除、損害の補償

◆第3ターン(日米による介入阻止)
〇中国の作戦行動
・日本国内での情報戦(日本の戦線離脱を狙う)
・日米の重要インフラへのサイバー攻撃(社会的混乱を引き起こす)
・日米の航空基地へのミサイル攻撃と航空戦力の展開(航空優勢の確保)
・東シナ海への海上部隊の展開(海上優勢の確保)
・台湾都市部へのミサイル攻撃(士気低下を狙う)
・在沖米軍基地への非戦略核による攻撃(通常戦力での破壊に失敗したため)

〇日米の対応
・東シナ海および台湾東部海域における優勢確保(南西諸島の防衛および台湾へのアクセス確保)

◆第4ターン(中国軍による台湾への上陸作戦成功)
〇中国の作戦行動
・日本・台湾に対する対都市攻撃(士気低下を狙う)
・台湾海峡の支配(着上陸侵攻の実施)
・東シナ海の支配(米軍の接近阻止)

〇日米の対応
・東シナ海での海上優勢の確保(南西諸島の防衛)
・台湾東部海域での海上優勢の確保(台湾へのアクセス確保、米軍による台湾上陸)

第2回外交交渉(決裂)
中国の停戦条件
・台湾と周辺海域からの米軍部隊の無条件の一方的撤退
・日米が「台湾に中国の全面的な主権が及ぶ」ことを承認
日米の停戦条件
・中国による戦闘行為の停止と台湾からの撤退
・損害への補償

◆第5ターン(台湾での地上戦の継続)
〇中国の作戦行動
・台湾海峡の支配(連絡線維持)
・東シナ海および台湾東部海域の支配の奪還(米軍による台湾支援阻止)

〇日米の対応
・台湾海峡を渡航する中国海上部隊への攻撃(連絡船の破壊)
・東シナ海および台湾東部海域の支配(台湾へのアクセス維持)

残存勢力
中国:水上部隊10→2、原潜1→0、通常型潜水艦8→4
爆撃機4→2、第3世代機15→4、第4世代機22→12、第5世代機1→1

米国:空母打撃群3→2、水上部隊3→0、原潜5→4
爆撃機2→2、第4世代機16→6、第5世代機6→6

日本:水上部隊4→2、潜水艦4→3
第4世代機8→3、第5世代機1→1

来援:豪州(水上部隊1、第4世代機1)
   英仏(水上部隊1、第4世代機1)

追加項目として、ウクライナ情勢を各ターンでサイコロのマス目によって判定し、情勢が悪化した場合は欧州からの来援はなしとした(第5ターンで欧州情勢が安定、英仏が来援)。また、台湾に関しては「士気」のバロメーターを設定し、都市攻撃を受けることや、外部からの補給路の遮断、中国軍の台湾上陸という事態は減点することとし、米地上軍の台湾派遣は加点することとして、これがゼロになると台湾が降伏してゲーム終了とした(対都市攻撃や中国軍の台湾上陸で下がったが、米地上軍の派遣と補給路の確保によって台湾は降伏しなかった)。
このように双方被害は出すものの、アメリカ地上軍の派遣と補給路の確保によって台湾は降伏しなかった、と結論づけています。


4.中国との情報戦に備えよ


研究レポートでは、今回のシミュレーションの評価として、次の点を指摘しています。
・中国は台湾だけでなく、日本の士気を下げるために、情報戦やサイバー攻撃を実施する
・中国による台湾の海上封鎖は武力行使であり、日米は許容しない
・中国は、米軍および自衛隊の介入を防ぐため、日本およびグアムの基地への弾道ミサイル攻撃を行い、続いて航空優勢・海上優勢を取るための作戦を行う
・中国は日米の介入を牽制するため、核の威嚇を行う
・中国は通常戦力による航空優勢の獲得に失敗した場合、非戦略核を使う可能性がある
・主戦場は台湾海峡よりも、東シナ海および台湾東部海域になる(米軍の台湾へのアクセス確保をめぐる争い)
・中国は、東シナ海の海上優勢を取る際、尖閣諸島の占領も試みる可能性がある
・米軍がフィリピンの基地を使用できれば、作戦を有利に展開することができる
・欧州からの来援は日米側に有利に働く(そのためには欧州情勢の安定が不可欠)
・中国・日米双方の水上部隊と第4世代機の損耗は大きく、潜水艦に関しては日米よりも中国の損耗が大きい
・中国・日米双方の第5世代機の残存率は非常に高い
・停戦交渉では双方の立場に歩み寄る余地がなく、早期に外交を通じた停戦を実現できる見込みは極めて低い
中国は、日本やグアムの基地への弾道ミサイル攻撃を行い、核の威嚇を行うとしています。さらに主戦場は台湾海峡ではなく、東シナ海および台湾東部海域になり、中国は、東シナ海の海上優勢を取る際、尖閣諸島の占領も試みる可能性があると指摘しています。

まさに台湾有事は日本有事であり、巻き込まれる云々どころか、主戦場になると予測されていることは留意すべきかと思います。

更に、研究レポートは、検討課題として、次の点を挙げています。
・日本および台湾の士気を下げるために行われる情報戦・サイバー攻撃への対処
・中国による核の恫喝および非戦略核使用への有効な対処の検討
・日米の統合防空ミサイル防衛の緊密な連携
・打撃力のターゲティング調整を行うために日米の指揮統制面での緊密な連携を促進(日本の反撃能力を台湾侵攻に向かう中国軍に対して使用することの是非)
・潜水艦戦力の有効活用(海上自衛隊の潜水艦による台湾海峡の渡航作戦を行う中国海軍に対する攻撃の是非)
・フィリピン、豪州、英米との協力深化
真っ先に、日本と台湾の士気を下げるための情報戦・サイバー攻撃、そして核による恫喝が挙げられています。このあたり、いかにも中国がやりそうな攻撃だと思いますけれども、日本のマスコミにも中国の工作が掛けられる可能性は十分考えられます。その時に国民世論がグラグラになってしまわないか。今のうちから国民一人一人がしっかりと情報戦シミュレーションをしておく必要もあるのではないかと思いますね。


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