

1.フランス暴動
フランスでの激しい暴動が続いています。
6月27日から始まった暴動は4夜連続で続き、7月1日までに計2300人以上が逮捕されたと伝えられています。
暴動の切っ掛けは、首都パリ郊外で北アフリカ系の17歳のナヘル・メルズーク少年が警官に射殺された事件です。彼は、交通検問から走り去ろうとする時に警官に至近距離から胸を撃たれました。車は歩道に乗り上げ、衝突して止まり、彼は死亡が確認されたのですけれども、これに対する抗議行動が暴動へと発展。29日になって急拡大しました。
南部マルセイユや中部リヨン、東部ストラスブールでは放火、商店の略奪、建物の破壊といった違法行為が相次ぎ、AFP通信によると、ストラスブールでは6月30日、ア、メリカ・アップル直営店「アップルストア」などが狙われました。
6月30日夜から1日未明にかけては路上で2500件超の放火があり、車両1350台に火が放たれた。パリ北郊ペルサンでは市庁舎が炎上。マルセイユも被害が大きく、住民らはテレビで「この国は混乱に陥っている」「内戦だ」などと惨状を訴えています。
ネットでは暴動の様子がアップされていますけれども、そこら中で火の手があがり、内戦の様相を呈しています。
あなたの知らない🇺🇸アメリカnews🚨【速報】フランス大暴動のキッカケになった事件の瞬間映像を入手しました。警察が17歳の少年に発砲した決定的瞬間です。この事件が引き金となったのです。#フランス大暴動のキッカケになった事件の決定的瞬間 pic.twitter.com/NqRG68doEa
— あなたの知らないアメリカニュース🇺🇸公式 (@JackWorldNews) July 1, 2023
2.Burn Down The Mission
この暴動に、フランス各地では、バス・路面電車の運行が午後9時までに短縮され、パリ周辺の自治体は夜間外出を禁止。マクロン大統領は45000人の警察官を投入し、装甲車と機動隊の使用を許可したようです。
エリック・シオッティ共和党党首は、自国は「崖っぷちに立たされている」とし、「暴力に対して無慈悲な戦争を行い、影響を受けたすべての地域で非常事態を宣言しなければならない」と批判。
一方、ダルマナン内相は6月30日夜、パリの西にあるイヴリーヌ県を訪問し、暴力行為の「減少」が見られると憲兵隊に語り、仏紙ルモンドは、暴力行為がなおも続くと懸念されていたが、そうした事態は回避されたようだと報じました。
けれども、マクロン大統領は迅速に行動しなかったとして非難されています。
というのも、6月29日、ソーシャルメディアに投稿された動画で、マクロン大統領がパリでエルトン・ジョンのコンサートを楽しんでいる様子がアップされたからです。
この動画は、エルトン・ジョンがフェアウェル・イエロー・ブリック・ロード・ツアーの一環として3晩演奏したアコー・アリーナで撮影されたもので、マクロン大統領がヒット曲「サタデー・ナイト・オールライト・フォー・ファイティング」を聴きながら足を叩き、微笑む様子が映されています。
インディペンデント紙によると、パリ自体が一部の地域で 火災に見舞われていたのとほぼ同時期に、エルトン・ジョンは「バーン・ダウン・ザ・ミッション」も演奏していたそうで、何のブラック・ジョークかと思ってしまいます。
ティエリ・マリアーニなど野党閣僚はマクロン大統領を「まったく無責任……フランスが燃えている間、マクロン氏はエルトン・ジョンを称賛することを好んだ」と批判していますけれども、事態を甘く見ていたのかもしれません。
3.アンティファと重なる
今回のフランスの暴動について、ネットでは移民政策の失敗が明らかになったなどという主張が見受けられますけれども、ツイッターで、この暴動は2020年にアメリカで起こったBLM運動でもアンティファと重なるという興味深い書き込みがあります。
件の書き込みを引用すると次のとおり。
さて、事件の発端は、🇫🇷で交通停止で少年が銃撃され、それで大暴動がフランス各地で起こった。町や車が放火され、火災になっている。おそらく、ヨーロッパ第 3 位の経済大国で起きた建物や車の火災、爆発、銃撃事件の報道をあなたは知っていますか?ここでお見せします。この映像を戦闘地域に喩える人もいる。これは非常に劇的ではあるが、控えめに言っても、依然としてフランス国内の不安のレベルを示している。この方は、暴徒が揃って黒い服を着て、大量の花火や自動小銃やショットガンをぶっ放すことに疑問を呈しています。
しかし、なぜ? 警察官が渋滞で北アフリカの17歳の少年を射殺した。先ほど動画投稿した事件だ。
検察は自発的殺人の捜査が必要であると判断した。フランスで警察の交通停止中の殺人事件は、記録的な昨年の13件の死亡に続き、今年3件目となった。
犠牲者のほとんどは黒人かアラブ人だ。
フランスの独立した人権監視機関による調査では、フランスの黒人とアラブ人は警察に呼び止められる可能性が20倍高いことが判明した。アムネスティ・インターナショナルは、フランス警察の民族プロファイリングと差別記録を批判してきた。
次に何が起こったのか?
抗議活動は3日前に始まり、さらに悪化し続けている。暴動への対応として4万人の法執行官が出動し、数百人が逮捕され、その数も増え続けている。
2005年の暴動の再発の懸念が高まっている。この暴動も警察の追跡中にアフリカ人少年が死亡したことがきっかけで、国内で大混乱が発生し、数千人が逮捕された。
フランス国民の多くは、暴力的な抗議活動は決して許されないことに同意しているが、一部の人たちはこれを移民や宗教的少数派を攻撃する機会として利用し、暴力の責任を彼らに非難し、これらの暴動は寛大な移民法の結果であると主張している。
住んでいる人の話によると、フランスは世界で最も美しい国の一つだが、欠点も相当あるみたいだ。私たちはそのうちの一つが再び明らかになるのを目の当たりにしているのかもしれない。
私たちは皆、少年が警官に撃たれるべきではなかったということに同意する。私たちはまた、暴力的な抗議活動が解決策ではないことにも同意する。これは全く解決にならない。
しかし、問題はこれよりもさらに深いものなのかもしれない。
マクロン大統領とフランス外務省が否定したにもかかわらず、フランス警察内の組織的な人種差別が調査で明らかになってしまった。このフランスでだ!
では、ISの体系的な問題があるのであれば、抗議活動は必要な変化を強制する一つの方法ではないでしょうか?
難しい問題だ。
民主的抗議活動は私たちの民主主義の重要な部分を担っており、大切にすべきものだ。彼らは当局や政府関係者に行動を起こすよう圧力をかけます。
しかし、残念ながら、どんなに民主的な抗議活動にも悪者は必ず存在し、こうした悪者が平和的な抗議活動を暴動に変えることもあります。この平和的で民主的抗議行動を意図的に暴力的になるように扇動する諜報機関があるぐらいだ。今、どの機関とは言わないが、、皆さんは大体、察しがつくと思う。
それで、いったんそうなると、民主的抗議活動が暴徒に支配されると、一線を越えてどうにもならない事態になる。
私には疑問が残っている。
ここまで一斉に、爆発的に、みんなが揃いもそろって黒い服を着て、マスクをし、大量の花火や自動小銃とショットガンを手に持って、ぶっ放す。警察官などもろともせず攻撃し重体にさせるほどの暴徒と化し、強奪、略奪、破壊、放火し放題だ。これは軍でも手に焼くかもしれない。
一体どこから手に入れたのか?一般市民がこんなにすぐに簡単に手に入るものなのだろうか?花火購入や放火するガソリンなどなど相当にお金だってかかるはずだ。
これは、米国のBLMの際のアンティファと重なる。
民主的抗議活動が暴徒の一線を越えるのは、果たしてどんなときだろうか?
JACK🇫🇷フランス暴動まとめ砲💥🚨日本メディアが全然報じていないと聞いています。それなら何とか私たちが伝え続けてみます。一体、フランスで何が起こっているのか?大暴動になっています。… pic.twitter.com/a8MuSijb1d
— Jack🇺🇸LA在住 🇯🇵日本人 (@jack_hikuma) July 1, 2023
4.黒い塊
フランスで黒づくめの暴徒が現れたのは今回が初めてではありません。
2014年2月の西部のナント市の空港建設反対運動で、全員目出し帽やバンダナの覆面で顔を隠し、つま先まで真っ黒な服装をした「Black Bloc(黒い塊)」と呼ばれる集団が現れました。そして2016年の労働法反対運動以降は、全国から集まった学生などで作る黒づくめ集団が必ず登場するようになりました。
彼らについて、フランスの軍警察学校は「彼らは数人で集まったグループの集合体であって、メンバーはデモのたびに違う。ヒエラルキーもなく、指導者もいない」と報告していますけれども、彼らの「黒づくめ」の服も、よくみれば、Tシャツの者もいればジャージや防水ジャケットを着ている者もいるといったバラバラの呈で、統制は取れていません。
2018年5月のパリでのメーデー行進は、この「Black Bloc」に妨害され、デモコースの4分の1も歩けなかったという事件が起こっています。
このときは、出発地点のバスチーユ広場ではとくに集会や演説はなく、デモ隊が組織ごとに大通りを歩き始めたのですけれども、セーヌ川の橋を渡り始めたとき、隊列が突然、止まりました。全身黒づくめの一団が、「Black Bloc」と書いた横断幕を持ってデモ隊を待ち受けていたからです。
それから一緒になってゆっくり橋を渡りきると、彼らは、バラバラに散って角のマクドナルドのガラスを破り、火炎瓶を投げつけたそうです。近くにあった小型工事車も炎に包まれた。新聞キオスクのガラスもメチャメチャに砕け散りました。
この模様を当時AFP通信は、「フランスのパリで5月1日、労働者によるメーデーのデモに参加していた若者らが暴徒化し、商店や車に放火する騒ぎに発展した」と伝えていますけれども、参加者が暴徒化したのではなく、暴徒が加わったのが実際だったようです。
「Black Bloc」は、自らを「決して手当たり次第壊しているわけではない」と、あくまでも反資本主義運動の左翼を自負しているようです。
この2018年のメーデーでも、襲撃されたのは、マクドナルドとルノーとBMWのディーラーで、マクドナルドとディーラーの間にあったピッザリアやカフェ、中華レストランなどには特に被害はなかったそうです。
彼らの武器はあくまでも火炎瓶などで銃や爆弾はもたず、デモの途中で暴れては、機動隊が迫るとデモ隊の中に紛れ込むのだそうです。
5.デモ隊が持っていたウクライナ供与ライフル
けれども、先のツイートによると、今回の暴動では、黒づくめの暴徒達は自動小銃やショットガンをぶっ放していると書き込まれています。これが本当であれば、いままでの「Black Bloc」とは別の、彼らを真似た別の集団の可能性もあります。
それ以前に、なぜ彼らがそんな武器を持っているのか、という疑問が湧きます。
ジャーナリストのルスラン・オスタシコ氏は、自身のテレグラム・チャンネルで「フランス警察は、西側諸国がウクライナに供給した武器をデモ参加者から押収した」と報じています。
なんでも、2022年夏にウクライナに供与されたアキュラシー・インターナショナル社製の大口径ライフル2丁だったそうで、フランス当局は当然のことながら、キエフに供給された武器がどうして西側に戻ってしまったのかを問題視。ウクライナ人が違法に海外に転売した武器の移動に対する管理体制が怪しいのではないかと地元メディアで報じられたそうです。
もちろん、ライフルを持っていたというデモ参加者が持っていた「Black Bloc」なのかどうか分かりませんけれども、先のツイートのとおり、黒づくめの暴徒が銃をぶっぱなし、ウクライナに供与された武器を持っているのであれば、これまでの暴動とは別に考える必要があるのかもしれません。
案の定、ネットでは、黒幕がいるんじゃないかとか、マクロン大統領が西側を裏切ってロシア側Bricsに入ろうとしているから暴動を故意に起こされているのではないか、など、陰謀論めいた書き込みも散見されます。
可能性としては、それも考えられなくもありませんけれども、現時点ではなんともいえません。ただ、これまでの「Black Bloc」が絡んだ暴動とは少し違うかもしれないことは留意しておいてもよいかもしれませんね。
おお!
— StarDiamondMoon (@IdealistStar) June 30, 2023
ということは…。
マクロン大統領は西側からのスパイではなく、まさか本気でロシア側Bricsに入りたいのかな?
彼が裏切りそうだから、フランス国内で暴動など、故意に起こされてますね。
DSによる本気の反撃?
本気の内戦になるかもしれない。 https://t.co/Jw0Jq3Z4da
この記事へのコメント
簑島
なかなかいい感じです。
ルシファード