財務省と闘う理論武装された国民

今日はこの話題です。
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1.岸田総理の資産運用立国宣言


6月6日、岸田総理は、官邸で、アメリカ資産運用世界最大手ブラックロック社のラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)と面会しました。ブラックロック・ジャパンの有田浩之社長も交えて、36分ほど意見交換しました。岸田総理が官邸でフィンクCEOと面会するのは2022年4月以来、1年2ヶ月ぶりのことです。

具体的に何を話したのかは明らかになっていませんけれども、フィンクCEOが「日本に毎年来ているが、今がもっともポジティブな評価だ」と語ると、岸田総理は相好を崩したと報じられています。

岸田政権は6月に策定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で、資産運用立国を目指すと宣言しました。

件の基本方針では、資産運用立国について次のように述べています。
2,000兆円の家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する「資産運用立国」を実現する。そのためには、家計の賃金所得とともに、金融資産所得を拡大することが重要であり、iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額及び受給開始年齢の上限引上げについて2024年中に結論を得るとともに、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的な拡充・恒久化、金融経済教育推進機構の設立、顧客本位の業務運営の推進等、「資産所得倍増プラン」を実行する。加えて、資産運用会社やアセットオーナーのガバナンス改善・体制強化、資産運用力の向上及び運用対象の多様化に向けた環境整備等を通じた資産運用業等の抜本的な改革に関する政策プランを年内に策定する。

(資産運用立国・国際金融センター等の実現)
2,000兆円の家計金融資産を開放し、日本の金融市場の魅力を向上させ、世界の金融センターとしての発展を実現すべく、取組を進める。

企業価値向上に向けて、コーポレートガバナンス改革の実質化に取り組む。アジアにおけるGX金融ハブを形成すべく、CO2排出量を含む企業データの集約やASEAN等で官民関係者が参画する「アジアGXコンソーシアム(仮称)」の組成などの取組を進める。

さらに、地域でのGX投融資を促すため、地方自治体と地域企業、金融機関等による推進協議体の設置等を支援する。金融行政・税制のグローバル化の観点から、拠点開設サポートオフィス及びFinTechサポートデスクの機能と体制を強化するとともに、「国際金融ハブ」に向けた税制上の諸課題について把握し、必要な見直しに向けた対応を行う。

また、銀証ファイアウォール規制の在り方につき検討を行う。さらに、「資産運用立国」の実現を目指し、資産運用業等の抜本的な改革の一環として、日本独自のビジネス慣行・参入障壁の是正や、新規参入に係る支援の拡充等を通じた競争の促進に取り組む。

これら一連の取組につき、海外主要メディアへの広報チャンネル拡大や、集中的に海外金融事業者を日本に招致する「Japan Week(仮称)」の立ち上げを含む国内外でのプロモーションイベントの開催等、情報発信を効果的・戦略的に実施する。

また、企業のノウハウや顧客基盤等の知財・無形資産を含む事業全体を担保に資金調達できる法制度(「事業成長担保権」)を検討し、早期の法案提出を目指す。消費者にとって利用しづらい金融サービスや手続を網羅的に点検し、消費者の利便性向上の観点から必要なものについて改善を求める。
「集中的に海外金融事業者を日本に招致する」と思いっきり書いてあります。この宣言が為された直ぐ後に、岸田総理はブラックロックと会談し、フィンクCEOが「今がもっともポジティブな評価だ」と語った訳ですから、どんな話だったかは容易に想像できます。


2.財務省の言う通りにするつもりはない


いまや世界の金融界の主流は資産運用会社にあります。アメリカのブラックロックは株式時価総額が1000億ドル(14兆円)を超え、PBR(株価純資産倍率)も2022年末現在で2.8倍あります。

アメリカのモルガン・スタンレーのジェームス・ゴーマン最高経営責任者は「モルガン・スタンレーは収益の5割以上を、富裕層ビジネスや資産運用部門から稼ぎ出している。市場は当社を『世界有数の投資銀行でありながら、世界最大級の資産運用会社である』とみているのではないか」と述べ、資産運用部門を事業の中核に据えることで時価総額を伸ばしています。

世界の金融機関の資産運用残高(21年末)をみると、首位のブラックロックは10兆ドル、2位のバンガードも8兆ドルとアメリカ勢が上位を独占。日本は首位の野村アセットマネジメントでも6000億ドルに満たず、順位も50位以下です。

これを見る限り、世界の金融機関の資産運用の流れから日本は取り残されているとも言えなくもありません。

7月10日、この「資産運用立国」なるワードがツイッターでトレンド入りしました。

これについて、ある週刊誌記者は「岸田文雄政権は6月に『骨太の方針』のなかで、資産運用立国を目指すと宣言しています。記事はそのことについての解説です。日本の金融界は世界的な潮流から取り残されており、構造的問題などを指摘する内容です。有料記事なので、ほとんどのツイートは記事を読んでいないようですが、それだけ『資産運用立国』というパワーワードに反応する人が多かったということでしょう」と指摘しています。

けれども、ネットの反応は「資産運用立国とか言ってるが、そもそもの話で今の可処分所得で投資出来てる国民がどれぐらいいるのだろうか」「資産運用立国とか言ってるけど突っ込むお金がないんだよ!先に労働者の所得上げるように仕向けろよ!」「そもそも国民は増税で目の前のやりくりにひぃひぃ言うて預貯金もままならんくなってるのに、資産運用に回す余裕がどこにある?」「運用資産はどこから出てくるんですか?? 所得倍増が先では??」「令和の所得倍増はどこいった?」と批難轟轟です。

実際、総務省の調査では、2022年の2人以上の世帯における貯蓄額は平均で1901万円であるものの、約3分の2の世帯が平均以下。また、金融広報中央委員会・家計の金融行動に関する世論調査では、金融資産を保有していない「貯金ゼロ」の世帯は26.9%、100万円未満は10.6%となっています。

確かに、増税ばかりで、所得倍増の政策が見えない中で投資しろ、なんていっても「何言ってんだ」と反発されるのは当然だと思います。

まぁ、岸田総理の出身派閥である宏池会は宮沢喜一元首相だけでなく、創設者の池田勇人元首相ら大蔵省出身者が多く、宏池会の総理5人のうち池田、宮沢、「一般消費税」の導入を最初に唱えて断念した大平正芳の3氏が元大蔵官僚。

岸田総理は銀行員出身であるものの、政権を支える木原誠二官房副長官と村井英樹首相補佐官は共に財務省出身者。また、計8人いる首相秘書官のうち、財務省だけが2人を送り込んでいます。

更に、岸田総理のいとこで宮沢元首相の甥の宮沢洋一党税制調査会長も大蔵OBで、「岸田首相は財務省寄り」との見方は根強くあります。

もっとも、岸田総理本人は事あるごとに「財務省の言う通りにするつもりはない」と周囲に語っており、政府関係者は「過去の政権は財務省幹部が首相に政策をレクチャーすることがあったが、岸田首相は必要な時以外は財務省幹部に会っていない」と明かしています。


3.永田町も財務省のレクチャーを信じなくなった


岸田総理が財務省寄りでない、とは俄かに信じられないのですけれども、救国シンクタンク所長・理事長で 国士舘大学非常勤講師の倉山満氏は、7月10日、「日刊SPA」に「『首相官邸との関係』に腐心している財務省」という記事を寄稿しています。

件の記事から一部引用すると次の通りです。
【前略】

そして、今でも最強官庁と言われる財務省も、首相官邸との関係には腐心している。その腐心が7月4日発令の人事から読み取れる。

かの小泉純一郎首相は、5年半に及ぶ長期政権を築いた。多くの省庁が首相秘書官を送り込むが、小泉政権において一貫して秘書官を務めたのが、丹呉泰健(たんごやすたけ)前JT会長。今は読売新聞グループ本社監査役も務める。首相秘書官は、普通は課長経験者が送り込まれるが、丹呉氏は主計局次長(三席)の地位にありながら、官邸に送り込まれた。

将来の事務次官候補と呼ばれた丹呉氏が5年も官邸に張り付いたので、本省人事が大いに乱れた。結果、同期から2人も事務次官を輩出する異常事態となった。しかし財務省は、組織に貢献した者に報いるのが強みだ。小泉政権は「財務省政権」とも言われ、良好な関係を築いた。丹呉氏には官僚の最高ポストの事務次官が用意され、本省人事もそれに合わせて動かした。

この丹呉元次官の再来と目されたのが、宇波弘貴(うなみひろたか)氏(’89年入省)だ。

岸田首相は「財務省傀儡政権」「衣の下から増税」と揶揄されてきたが、それは一面にすぎないと本欄では何度も伝えてきた。首相秘書官人事では、筆頭に当たる政務秘書官に、首相の開成高校での後輩にあたる嶋田隆元経済産業省事務次官を据えた。嶋田秘書官は、元事務次官と超大物秘書官の登場で全省庁に睨みが利く。これに対し財務省は、将来のエースと目される課長級の中山光輝(なかやまみつてる)氏のみならず、宇波氏を送り込んだ。その直前の宇波氏は、主計局次長(筆頭)だった。小泉内閣に送り込まれた丹呉氏以上の重量級秘書官となる。

霞が関は年次がモノを言う。嶋田氏は’82年入省で、宇波氏より大先輩だが、そこは最強官庁を自認する財務省。相手が局長を出してくるなら次長、次官を出してくるなら局長、とわざとカウンターパートを下げてマウンティングする役所。「嶋田氏ほどの大物相手なら、宇波くらいの実力者を出さねば太刀打ちできない」が、財務省の論理なのだ。

では、宇波秘書官を通じた官邸へのグリップは成功したのか?

財務省にとっての二大イシューは増税と日銀人事。前者に関しては、防衛費倍増のドサクサに防衛増税を盛り込んだが、政治の抵抗で先送りを繰り返され、しかも額が1兆円とショボイ! 史上最長政権となった安倍晋三内閣に対し、消費増税を押し付けた木下康司氏や岡本薫明(おかもとしげあき)氏が事務次官だった時代とは隔世の感だ。

その木下・岡本の両氏が有力候補と取沙汰された日銀人事で、2人とも日銀入りを果たせなかった。

日銀副総裁(5年後に総裁になる見込み)は事務次官経験者の最高の天下り先でロイヤルロードと言われる。その日銀総裁を、’98年に松下康雄総裁が接待スキャンダルにより任期途中で退任に追いやられて以来、取り返せていない。ちなみに黒田東彦前総裁は財務省出身だが、事務次官ではなく金融畑の財務官出身なので、事務次官経験者の送り込みは、悲願と見られていた。事務次官になる財務官僚は、財政畑の主計局を中心にキャリアを積むので金融は素人のはずだが、そんなことは無視して天下りを押し付ける力がかつての大蔵省にはあった。

ところが実際に副総裁に就いたのは、氷見野良三(ひみのりょうぞう)元金融庁長官。氷見野副総裁は金融システムの専門家として国際的にも評価が高いが、日銀から「ウチに来てもらうには専門家でなければ困る」と唯々諾々と説得されてしまうのが、今の財務省の力なのか。もっとも、氷見野氏がそのまま総裁に昇格するとは見られておらず、5年後が人事バトルと見た一時的撤退の可能性もある。

日銀人事は、現役事務次官が取り仕切る最重要事項。その責任者の茶谷栄治(ちゃたにえいじ)事務次官が留任した(表参照)。茶谷次官は大物次官の条件とされる任期2年を全うすることとなりそうだが、「日銀人事で負けていない」ということか。茶谷次官の次が確定の新川浩嗣(しんかわひろつぐ)主計局長も留任。

その代わり、日常的に日銀と接する官房総括審議官の奥達雄氏が理財局長に回された。理財局長は本流から外れ、「国税庁長官で上がり」と目されているポストだ。

その奥氏の上司で、組織全体の切り盛り役だった青木孝徳(あおきたかのり)氏も主税局長に回った。主税局長も国税庁長官ルート。青木主税局長の場合は事務次官の芽が無い訳ではないが、どうなのだろう。同期の宇波氏が官房長に戻ってきて事務次官ルートに入った。財務省改名以来官房長経験者は全員が事務次官になっているが、絶対ではない。

宇波官房長の本省帰還で、代わりに首相秘書官に就いたのが、一松旬(ひとつまつじゅん)主計官。主計官は課長級ポスト。

一松新秘書官は、「将来の事務次官間違いなし」「10年に一度の大物」と評される。社会保障費削減で辣腕を振るい、医師会からは仇敵の如く扱われている。どうでもいいが、藤原不比等以来の家系図を有する名門。首相秘書官を本来の課長級ポストに戻した点と、一松氏程の大物を送り込んだ点、どちらの比重が大きいか。

増税と日銀人事、そして「傀儡」と呼ばれるのを嫌ってか、ムキになって増税を否定する岸田首相の、ネジを巻きに来たと見るべきだろう。
このように倉山氏は、かつてと比べて力の落ちたかもしれない財務省が、ムキになって増税を否定する岸田総理の「ネジを巻きにきた」と述べています。

傍からみる限り、岸田総理がムキになって増税を否定しているとは思えないのですけれども、倉山氏は自身の動画チャンネルで次の様にのべています。
・最近岸田さん、むきになって増税否定してんですよ。お前財務省の傀儡だろうってねみんなに言われたのが相当効いたみたいですね

・今こそ減税のチャンスないですよ。税収増えてんのに何を増税を言ってるんだ。しかも1兆円増税ってね、過去の財務省の増税案の中で最もショボい。もはやそんなことしか言えんのか。

・経済合理性とか何もなくねうち増税なんだから一つでいいから増税入れてくださいぐらいしか言えなくなってるぐらい弱ってる。

・弱ってるひとつの証拠としては、もはや永田町でよほどの変わり者以外は財務省のレクチャーを信じなくなりました。これかなり大きい。

・結局財務省の言うこと聞いて、短命政権になるの嫌だっていう発信が岸田官邸に達しました。

・だから本当にどうするかで言うと、減税を押し付けるしかない。財務省じゃなくて増税省って言われてる。このまんまでいいんですかっていうことを国民
の側から言うべきですよ

・ここで国民が政治や経済に対して傍観者になってしまったら元の財務省戻りますよということをね考えてもらいたい
倉山氏によると、「財務省の傀儡だろう」といわれたのが余程堪えたというのですね。そして、永田町も財務省のレクチャーを信じなくなったと述べています。

けれども、世間では岸田政権は財務省の傀儡の増税政権だというイメージが定着しています。これを払拭するのは簡単なことではないと思います。




4.財務省がここまで嫌われる根本的な理由


また、倉山氏は、永田町でも、よほどの変わり者以外は財務省のレクチャーを信じなくなったと述べていますけれども、本当であれば、今後、財務省は政治家よりも、マスコミや国民を”教育”してくることも考えられます。

財務省は昔から「財政規律ガー」「財政破綻ガー」と唱え続けていますけれども、評論家の中野剛志氏は、4月22日、ダイアモンド・オンラインに「財務省がここまで嫌われる『根本的な理由』とは?」という記事で、そんな考えは時代遅れだと批判しています。

件の記事から該当部分を引用すると次のとおりです。
【前略】

確かに、1960年代までの日本においては、財政規律は重要であった。それには、理由がある。

第一に、当時は、固定為替相場制であったから、輸入超過で外貨不足になるのを避けるため、財政支出を抑制する必要があった。

第二に、高度成長により民間の需要が旺盛であったから、積極財政が需要超過によるインフレを招くおそれがあった。

これに対して、今日の日本は、変動為替相場制の下にあり、かつ民間需要が慢性的に不足する長期停滞にある。1960年代とはまるで状況が違うのだ。

にもかかわらず、大蔵省(財務省)は、状況の変化と無関係に、「『財政規律の大原則』を脈々と受け継いできた」のだという。

しかし、「財政の黒字化は当たり前のことでなければならない」などというのは、国家財政の論理と家計の論理を混同した、マクロ経済学の最も初歩的な誤りに過ぎない。そんな初歩的な誤りを「入省して徹底的に教え込まれ」、「毎日のように先輩から言い聞かされ」て、それを未だに信じて疑わないというのだから、これは国家的不幸としか言いようがない。

「機能的財政」論が説くように、国家財政は、経済の状況に応じて運営されるべきものである。財政規律(健全財政)は、状況の如何を問わない普遍的な「大原則」などではないのだ。

要するに、齋藤氏とその後輩の財務官僚たちは、財政規律の「原理主義」に陥っているのである。これでは、安倍・元首相に「国が滅びても、財政規律が保たれてさえいれば、満足なんです」と言われても仕方あるまい。

『安倍晋三 回顧録』を読んだ齋藤氏は、財務省が「正直、ここまで嫌われていたとは思っていなかった」と驚き、嘆いている。しかし、ここまで嫌われた原因の一端は、財務省の原理主義的な姿勢にあるのではないだろうか。

インタビュー記事の最後で、齋藤氏は「これからは官僚も国民に対し、発信力を高めていくことが必要です。国民の理解無しでは何事も成し得ません」と提言している。

しかし、今日、齋藤氏の議論の誤りを簡単に見抜けるほどに理論武装された国民が、次第に増えつつある。

そういう国民を侮って、「財政規律の大原則」などを発信したら、財務省に対する不信は、かえって広がることになるだろう。今は、そういう時代である。

なお、財政政策の理論武装に関しては、『どうする財源-貨幣論で読み解く税と財政の仕組み』(祥伝社新書)も参考にされたい。
このように、中野氏は、元大蔵事務次官の齋藤次郎氏がインタビューで「官僚も国民に対し、発信力を高めていくことが必要です。国民の理解無しでは何事も成し得ません」と提言している点を取り上げています。やはり、財務省が国民を”教育”しに掛かってくる可能性は否定できません。

けれども、中野氏は「齋藤氏の議論の誤りを簡単に見抜けるほどに理論武装された国民が、次第に増えつつある」と指摘。そんな国民を侮って「財政規律の大原則」などを発信したら、財務省に対する不信は、かえって広がることになるだろうと指摘しています。


5.財務省と闘う理論武装された国民


岸田総理が「財務省の言う通りにするつもりはない」周囲に語っていると先述しましたけれども、国民は「言いなりにならない」では足りず、戦って欲しいと思っているのではないかという気がします。

というのも、景気がインフレに転じ、いろんな物価が上がるのに、給与はそれに追いつかない中、過去最高の税収が上がっているにも関わらず、防衛増税だの扶養控除廃止だの、世間からは財務省のいいなりになっているとしか見えないからです。

7月8日、嘉悦大学教授の高橋洋一氏は夕刊フジの記事「今の政治家に安倍元首相ほど国民のために闘う人は見当たらない 外交、内政で特筆すべき成果、財務省の操り人形にもならず」で次のように述べています。
【前略】

経済面でも、闘う政治家だった。歴代首相は経済政策でほとんど財務省の操り人形だったが、『安倍晋三回顧録』でも明らかになったように、財務省と本当によく「闘った」ものだ。

続く菅義偉政権ではその姿勢が引き継がれた。だが、安倍・菅政権の9年間で雌伏を余儀なくされた財務省が、岸田文雄政権になると、その分を取り戻す勢いなのは気がかりだ。

消費税率は安倍政権で2014年と19年に2度も引き上げられたが、これらは民主党の野田佳彦政権の置き土産だった。安倍氏は「今後10年間ぐらいは増税の必要はない」と述べており、20年代は消費増税なしのはずだが、どうなるのだろうか。

アベノミクスは、マクロ政策の金融政策と財政政策、ミクロ政策の成長戦略を組み合わせたもので、世界からみれば極めて標準的だ。その標準を初めて日本の経済政策の基本に据えたという意味では歴史的だ。特に、雇用政策と重なる金融政策を3本柱の1つにしたのは、それまでの政権ではなかったことだ。

その効果はもくろみ通りで、雇用改善は歴代政権でトップの実績をあげた。2度の消費税引き上げやコロナ禍があったので、給与の爆上げとはいかなかったが、雇用の改善だけで、お株を奪われた左派野党はかなわず、自民党の長期政権の維持に大きく寄与した。

劇的な雇用改善は「論より証拠」だったので、自民党内でも金融政策の効果を改めて再評価する動きもあるが、財政政策での緊縮への路線転換が大いに気になるところだ。

第1次安倍政権時、租税原則を「公平、簡素、中立」から「公平、簡素、成長」に変えようとした。これに反対する組織は、理論では勝てないと考えたのか、当時の政府税制調査会会長のスキャンダルがリークされた。あの手この手で不都合な政権を潰しにくるのに困惑したが、結果として租税原則は残された。

今の政治家のなかで、安倍氏ほど国家、国民のために闘う人がほとんど見当たらないのは、大いに残念なことだ。
高橋教授が指摘するように、安倍元総理は「国民のために闘っていた」。国民の多くは、安倍総理を失った今、それを感じているのではないかと思うのですね。

前述の中野氏は財務省の誤りを簡単に見抜けるほどに理論武装された国民が増えつつあると指摘し、更に倉山氏はいまこそ財務省に減税をつきつけるべきだ、と提言しています。

高橋教授のいうように、国民のために闘う政治家がほとんど見当たらないのであれば、国民自身が出来る範囲で自分なりに闘っていくことが大事なのではないかと思いますね。



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この記事へのコメント

  • naga

    何故、選挙で官僚の上となる政治家を選ぶのか。
    それは官僚が好き勝手しないように監督するためで、民主主義の根幹だと思います。
    以前、官邸主導とか官僚主導とかいうことがありましたが、官僚主導などあってはならないことで選挙で政治家を選ぶ意味がなくなります。もちろん官僚は専門家でもあるでしょうから、官僚のいうことを参考にすることは大事ですが、選択をしたり騙されていないかを吟味する必要があります。
    安倍氏が首相の時、野党はモリカケで批判していました。 もし、本当に安倍氏の主導があったとしても、それが違法なやり方でなければそれは当然のことです。行政が歪められたと言った人(歪めていたのはその人だったのではないかと言う落でしたが)もいましたが、政府に入った政治家が行政を主導するのは当たり前です。
    安倍氏を批判していた野党は、もし選挙に勝って政権を取っても全て官僚の言うとおりにするのでしょうか? それなら政権を取っても意味が無いのですが。
    取り留めなく書いてしまいましたが以上です。
    2023年07月12日 11:37
  • 三角四角

     【 国民なんて無責任! 】

     幾ら理論武装しようが、素人には変わりがない!
     仮に、素人との意見を財務省が取り入れて、大惨事に成っても、素人の国民は責任を取らない。
     只、意見を言っただけと卑怯にも逃げる。
     言ったことに責任を持たないのが、素人の素人たる由縁。

     財務官僚は違う!
     下手をこいて、財政を崩壊させたら、表を歩けない。
     孫の代まで、国民から石を投げられる!
     言ったことに責任を取らされるのが、プロ。

     私は、素人の国民より、プロの財務官僚を信じたい。

     多額の国債は、超低金利だから破綻しないだけ。
     本来は、経済成長があれば、無理なく国債を返済出来たが、アメリカが日本経済を潰した所為で大変なことに成ってしまった。

     貨幣も国債も日本の信頼度が価値を決める!

     今は、新たな国債を発行して、借り換えをしている状態。
     返済もせずに、赤字国債ばっかり発行すれば、国債の信頼度が下がり、誰も新規の国債を引き受けなくなり、借り換えが出来なくなれば、国債は破綻する。

     国民は素人の癖に、日本財政を破綻させる心算か?
    2023年07月18日 20:55