岸田政権の支持率を下落させた11+1の失態

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2023-08-11 125500.jpg


1.止まらない内閣支持率下落


時事通信が8月4~7日に掛けて実施した世論調査で、岸田内閣の支持率が前月比4.2ポイント減の26.6%となりました。3ヶ月連続の下落で、岸田内閣で最低だった今年1月の26.5%に匹敵する数字です。

一方、不支持率は前月比8.1ポイント増の47.4%で、政権発足以来最高を記録しました。

マイナカードのトラブル対応で「岸田文雄首相が指導力を発揮していると思うか」と尋ねたところ、「発揮していない」が69.0%に上り、「発揮している」の8.3%を大きく上回り、「どちらとも言えない・分からない」は22.7%に留まっています。

河野太郎デジタル相の対応に関しても「評価しない」が52.5%に達し、「評価する」は18.2%。「どちらとも言えない・分からない」は29.3%でした。

内閣を支持する理由は、「他に適当な人がいない」が13.1%で最多。「首相を信頼する」が5.1%、「首相の属する党を支持している」が4.6%と続く一方、支持しない理由は、「期待が持てない」が28.8%、「政策がだめ」が21.4%、「首相を信頼できない」が17.2となりました。

政党支持率は自民党が前月比2.5ポイント減の21.1%と岸田内閣の発足以降最低を記録。次いで日本維新の会4.2%、公明党4.1%、立憲民主党3.3%。以下、共産党1.3%、国民民主党1.2%、れいわ新選組1.1%、参政党0.7%、社民党0.6%と続いています。

内閣支持の理由の最多が「他に適当な人がいない」という消極的支持であるのに対し、不支持理由の最多はダブルスコアで「期待が持てない」です。首相を信頼するかに至っては、トリプルスコアで信頼されていません。相当に「信」を失っていることが分かります。

内閣支持率と政党支持率の和である青木率は47.7と、ついに「政権がもたない」とされる50を割りました。

2023-08-11 125501.jpg



2.11+1の失態


内閣支持率が下落している理由について、マスコミは「マイナンバーカードを巡り、個人情報のひも付け誤りや。個人情報漏洩などのトラブルが相次いでいることなどが影響したとみられる」などと評していますけれども、ネット等をみても、それだけとはとても思えません。

これについて、自民党の青山繁晴参院議員は、岸田総理の「11+1の失態」が原因だとして、解散すら打てなくなってきていると自身の動画で指摘しています。

青山氏が指摘した「11+1の失態」とはおおよそ次の通りです。
01・長男の岸田翔太郎さんを総理秘書官にしたこと
02・岸田翔太郎総理秘書官がパリで公用車を使って買い物してたんじゃないかという疑惑。
03・総理が更迭の判断を迷った。遅きに失する人事は一番ダメージが大きい
04・人は得意分野で失敗する。韓国をホワイト国に無理くり戻してしまった
05・韓国軍の軍艦が海上自衛隊機にこの撃墜するかのようなレーダー照射を浴びせた事件もなかったことにした
06・親韓姿勢を見せた後に尹大統領に竹島で軍事訓練をやられた。にも関わらず抗議しなかった。
07・例のLGBT法をもう無理矢理強行で通してしまった。この打撃は非常に大きい。
08・マイナンバーカードと保険証を統合する話。不正使用を止めるためとはっきり言わず不安を生んだ上に総理自身が迷走した
09・木原誠二官房副長官の疑惑。誰が見ても秋の内閣改造で退任させてうやむやにするっていうのが見えてる。官房副長官個人の問題だけじゃなくて、総理の資質に関わる問題にもうなっている
10・自由民主党の女性局の出張問題。今その出張の中身になっててで、海外出張のあり方を根本から見直すべきだが、総理は全然なさらない。ずっと引きずってる。
11・現職の外務政務官が風力発電洋上風力発電に関して3000万円の疑惑のお金を受け取ったと捜査当局が見てて強制捜査を受けてる
+1・今ウクライナで実際起きてるのは核抑止に意味があるということ、にも拘らず広島サミットで核抑止は大事だ、と自分で矛盾したことを世界に発信した。国際社会ではかなり深刻な話になってる。
青山氏の指摘通りだとすると、流石に12個も失態をやらかしてしまえば、支持率が下がるのも道理です。しかも、これらの中で1~7個目までは、過去の話で、残りの5つが現在進行形です。要するに、たとえ、現在進行形の5つを解決したとしても、最初の7個の失態は取り戻せないということです。

従って、国民が最初の7個を綺麗さっぱり忘れてくれない限り、岸田内閣がこれから挽回する方法は、現在進行形の5つの解決を最低条件として、更になんらかの上澄みが必要ということになります。




3.総理の資質に関わる問題


ただ、現在進行形の5つのうち、岸田総理が全て対処できるかというと、必ずしもそうではありません。マイナンバーと保険証の統合は、加藤厚労相と河野デジタル相の所管で、紙の保険証廃止延期しようとして、両大臣から反対されてひっこめたばかりです。

秋本議員の風力発電洋上風力発電汚職疑惑は、東京地検特捜部の仕事ですし、核抑止発言は相手がいる外交です。

つまり、5つのうち3つは岸田総理の担当外で、残るのは、木原官房副長官の人事と自民党女性局のフランス出張問題です。この2つが総理と自民党総裁の権限で対応できる項目です。

前者については、青山氏が述べているように、秋の内閣改造で退任させるだろうと見られています。

宏池会の元職員で、自民党の政務調査役を長く務めた政治評論家の田村重信氏は「内閣改造や党役員人事というのは、人心一新でイメージアップを図るのが一番の目的。本来であれば、官房副長官としてキャリアを積み、実務にも精通している木原氏の入閣となれば、大きなイメージアップにつながったはずです。しかし、今の状態で木原氏を入閣させると、たたかれる材料になってしまう……『文春砲』以外のメディア、特にワイドショーで取り上げられるようになったら岸田内閣の支持率は一気に急落ですよ。昨年8月の内閣改造では閣僚の更迭が相次ぎ、イメージダウンにつながったので、岸田首相も同じ轍は踏まないはず。木原氏は入閣どころか官房副長官としても、替えざるを得ないんじゃないでしょうか」とコメントしています。

ただ、更迭したとしても、11+1の失態の内の1つを取り繕っただけ。しかも青山氏が指摘するように「総理の資質に関わる問題になっている」のであれば、誰もが納得できる後任を選べなければ、挽回も覚束きません。

一部報道では、岸田総理が木原官房副長官を更迭する覚悟を決め、後任の名前も挙がっているとし、その後任に、東大卒財務省出身のエリート中のエリートで、現総理補佐官の村井英樹議員や広島7区選出で岸田派の”イケメン”小林史明議員の名が挙がっているとしていますけれども、財務省出身や岸田派が後任では、下手をすれば身贔屓と見られる可能性もあります。


4.失態は取り返せない


そして、後者については、岸田総理は周囲に、「夏休み気分で、これはないだろう」と激怒したそうですけれども、岸田総理直接の動きは見られません。

その代わりかどうか分かりませんけれども、茂木幹事長が動いたのではないかとの憶測が流れています。

松川るい参院議員は大阪選挙区の選出ですけれども、以前から衆院への転出が噂され、今回も大阪10区で公募に応じたのではないかとも言われていました。

ところが、蓋を開けてみれば、大阪10区は15区が地盤だった加納陽之助氏が鞍替えという形となりました。これについて自民党のある閣僚経験者は「本当は松川氏の転出をほぼ決めていたが、フランス研修が大炎上したので、急遽差し替えられたという話が自民党内では出回っている。大炎上後に茂木幹事長の記者会見だったので、助かりましたよ。万が一、鞍替えを認めてから三角ポーズなら、岸田政権はますます、支持率を落としたでしょうからね」と述べています。

今回のフランス研修問題で、松川るい参院議員の評判はかなり悪くなっているようです。

8月7日、大阪選挙区選出の松川るい議員の地元となる自民党枚方支部は、茂木敏充幹事長に対し、松川氏の参院選挙区支部長の更迭を申し入れた文書を支部ホームページで公開しています。

文書では「……折角の本部長のご努力を嘲笑うかのような7月27日の松川るい参議院議員のフランス投稿にはあきれるところです……大阪府連執行部のこの様な軽率な行為の積み重ねが、今日の大阪府連の結果になっていると推測します。これらの件を踏まえ、8月5日の支部定例役員会で、松川るい参議院議員の選挙区支部長の更迭を求めることが大阪の再生につながるものと決しましたので、お取り計らい頂けますよう宜しくお願い致します」と対応を求めていました。

大阪府連では、10日に大阪府連役員会、17日に大阪府連総務会を予定していました。

ある自民党関係者によると「10日の『役員連絡会』と、17日の『総務委員連絡協議会』の案内状が、8日に急遽届いたのです。議題はどちらも、フランス視察について。10日に開催予定だった役員連絡会の案内には、わざわざ『今回はマスコミ完全クローズ』と書かれ、下線まで引かれていました。極秘で話し合いたい内容があったのでしょう」とのことで、これだけでも、松川るい参院議員の処遇に関することだと推測できます。

ところが、この2つの会議が突如中止になったのですね。

別の関係者は「前日夜、会議の中止が各所に連絡が入りました。大阪からは『松川氏が茂木幹事長に2つの会議を中止させるように泣きついたのではないか?』との見方が出ています。府連幹部のなかには、松川氏に議員勧告も辞さないとした人もいました。松川氏は2つの会議に出席した場合、離党勧告などを求められることを察知した可能性があるのではないかと指摘されています」と語り、ある自民党議員は「今の自民党大阪府連は、日本維新の会の大躍進で力を失っている状態です。2つの会議が中止された背景に党本部の意向が働いていたなら、逆らえない状況でしょう。党再生のために汗水働く府連の方たちのことを思えば、簡単に会議を中止していいものなのかとも思う」と述べています。

あるいは、茂木幹事長が松川るい参院議員の大阪10区の鞍替え出馬を却下した変わりに、大阪府連総務会の会議を中止させたのかもしれません。

前述の通り、予定どおり大阪府連総務会が行われれば、その場で松川参院議員の支部長辞任、離党勧告などされて引きずり降ろされる可能性がありますから。その会議を中止させることで、今の立場を守ってやるから、その変わりに衆院鞍替えは諦めろ、という訳です。

もっとも、茂木幹事長がどう画策しようとも、所詮人事の話であって、青山繁晴参院議員が指摘する「海外出張のあり方」を見直すものではありません。火種は残り続けることになります。

仮に、松川るい参院議員が離党するなりしたとしても、11+1の失態の全てを取り返すものになるとも思えません。

また、何らかの上澄みで得点を狙うにしても、ネタとしては拉致問題くらいしか見当たりません。

国民の現状維持を破壊し続ける限り、岸田内閣の支持率回復はかなり厳しいのではないかと思いますね。



  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

この記事へのコメント