消えた保守層とポスト岸田

今日はこの話題です。
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1.次の自民党総裁


この程、共同通信社の世論調査で、来年9月に予定される自民党総裁選で次の総裁に誰がふさわしいかの結果が報じられています。

それによると、石破茂元幹事長が18.5%でトップ、河野太郎デジタル相が13.5%で2位、小泉進次郎元環境相が11.9%で続きました。岸田総理は10.2%で4位で、5位以下は、高市早苗経済安全保障担当相7.0%、林芳正外相3.7%、茂木敏充幹事長2.0%、野田聖子元総務会長1.6%、西村康稔経済産業相1.4%となりました。

ただ、自民支持層に限ると、岸田総理が19.1%で最も高く、続いて石破氏17.0%、河野氏15.2%、小泉氏12.3%となっています。

自民党支持層だけで見ると岸田総理が1位になるのが筆者には謎なのですけれども、石破氏、河野氏、小泉氏の3氏が全体と自民支持層それぞれで同じ順位で、かつ似たような支持率であるにも関わらず、岸田総理だけ、自民支持層でほぼ9ポイントも上昇しているのは非常に興味深いです。

つまり、石破氏、河野氏、小泉氏の3氏の評価は、世間一般と自民とで変わらないが、岸田総理は自民支持層でのみ高いという訳です。

ここから考えられることがあるとすれば、たとえば、保守層が自民支持を止めるか離れるかして、世論調査で自民支持と回答せず、自民党支持層には、岸田総理を支持する人しか残らなかった結果、相対的に岸田総理の支持が高くなったと見えているだけなのかもしれません。あるいは、世論調査で、自民党を支持しますかという聞き方ではなく、自民党の何派を支持しますか、という分類をしたら、何か分かるかもしれません。

ただ、万が一、共同通信の世論調査で、自民支持と答えた人達の中に保守層が殆どいなかったのだとしたら、自民支持層が分裂したということであり、かなり深刻な事態になっていることになります。


2.先送りできない課題


内閣支持率も厳しい状況が続いています。

時事通信が今月4~7日に実施した最新の世論調査によれば、内閣支持率は前月比4.2ポイント減の26.6%。3カ月連続で下落し、とうとう5ヶ月ぶりに「危険水域」とされる2割台に転落しました。

自民党の支持率も21.1%まで下がり、政党支持率との合計は47.7%と青木率は5割を切りました

一方、産経新聞社とFNNが19、20両日に実施した合同世論調査では、岸田内閣の支持率は前回調査比0.2ポイント増の41.5%。不支持率は前回比0.9ポイント減の53.5%と横這いです。

マスコミは、内閣支持率低迷の原因としてマイナ保険証問題だと言っていますけれども、この世論調査で来年秋に紙の保険証を原則廃止し、「マイナ保険証」に一本化する方針に関しては「廃止する時期を延期すべきだ」(34.6%)と「廃止する方針を撤回すべきだ」(40.0%)が合わせて7割超を占めました。

また、政府がマイナンバー情報の総点検後、ミスの修正や再発防止を行う方針を示していますけれども、これで解決すると思うかと聞いたところ、83.5%が「解決しない」と答えています。

更に、ガソリン価格の高騰が生活に与える影響を尋ねたところ、「大いに影響している」が43.7%と最も多く、「ある程度影響している」が34.2%、「あまり影響していない」が11.8%、「まったく影響していない」が9.7%となっています。そして、燃料価格の負担を軽減する政府の補助金については10月以降も「続けるべきだ」と回答したのが78.2%となっています。

つまり、マイナンバーにせよ、ガソリン価格にせよ、政府の今の方針では問題解決しないと国民は考えているということであり、増税なんかよりもよっぽど「先送りできない課題」の筈です。


3.目玉はない


10日の読売新聞によれば、岸田総理は、来月11~13日に内閣改造・党役員人事を行う方向だそうですけれども、内閣改造が支持率回復につながるのかどうかについては懐疑的な見方があるようです。

自民党関係者は「内閣改造は政権浮揚策の常套手段ですが、今回は”目玉”が見当たらない。小渕優子組織運動本部長が官房長官などの要職に抜擢されるとの話も出ていますが、『政治とカネ』でミソを付けたイメージは拭えません。抜擢したところでヒンシュクを買う逆効果もあり得ます。知名度のある石破茂元幹事長の入閣も取りざたされていますが、多少のサプライズ感は演出できても、支持率の急上昇にはつながらないでしょう」とコメントしています。

一体、何をもって「目玉」といっているのか分かりませんけれども、先述の国民の関心事が確かに解決すると思わせるような人を持ってこれない限り、いくら内閣改造しても、支持率急回復は無理ではないかと思います。

例えば、マイナ保険証の廃止ないしは延期をずっと訴えている人や、ガソリンのトリガー条項排除を強烈に主張している人を閣僚に据えるくらいであれば、国民にも少しはやる気があるのかな、と思わせる可能性はあると思いますけれども、そんなサプライズはあまり期待できないと思います。


4.ポスト岸田はダークホース


冒頭で取り上げた、共同通信社の世論調査でポスト岸田に相応しい人物について、石破氏、河野氏、小泉氏がトップ3でしたけれども、政界では「ポスト岸田は岸田」との声があがっているのだそうです。

ある政治部のデスクは、「石破、河野、小泉の各氏の国民人気の高さを改めて感じました……一方でこの3人は永田町ではあまり人気がありません。各人に共通するのは、派閥やグループの面々の面倒をちゃんと見ているという声が聞こえてこないこと。石破氏については”2021年の総裁選に出馬できなかったのが良くなかった。終わった人だ”と評する人がいますね。小泉氏は無派閥ですが、彼のために尽力したいと言っている人を見たことはないですね。実際にはいるのかもしれませんが」と述べています。

更に、このデスクは「仲良しクラブとしての派閥が機能している以上、その内部を固め、他派閥の幹部とも気脈を通じ、協力体制を築いておくということが総裁への必須ルートでしょう。国民的人気で突っ走れるのは自民党が政権を失うとか、そういう危機的状況だけです。石破、河野、小泉が浮上するのはそういうタイミングでしょうが、今はそうではありません……日韓首脳会談、ウクライナ電撃訪問、G7広島サミット開催とトピックの続いた5月をピークに、マイナンバーカードでの不手際などがあり、内閣支持率は下落を続けました。さすがに下げ止まったかなというところですが、”再び上昇に転じる要素もないよね”というのが永田町の住人らの一致した見解のように感じます」と指摘。

そして、「それで支持率をぶち上げて解散総選挙に打って出ようというスタンスではありません。5月時点で解散があれだけ取り沙汰されていたことを思うと、何があっても驚きはありませんがね……支持率が低下すれば自分にお鉢が回って来る可能性が高まるからということのようです。かねて首相への意欲を隠さず、岸田首相、麻生太郎副総裁と自分を並べて、三頭政治などと称してしまうあたりが失笑を買ってきました。自身が領袖を務める平成研究会を十分まとめられていないので岸田首相は脅威には感じていないようですが。岸田首相を支える姿勢を鮮明にする麻生氏からは”変な気を起こさず、岸田を支えろ”と告げられているようです」と茂木幹事長がポスト岸田に意欲を見せていると述べています。

ただ、現在、内閣支持率が低迷しても岸田総理を脅かすライバルがいないということから、先述の政治部デスクは「そうですね。来年9月の総裁選再選に向けてのらりくらりと政権をかじ取りしていくなか、党内で”ポスト岸田は岸田”のムードが出来て行くことを狙っているのかもしれません。実際、そのように指摘する声は少なくないですからね。首相をやりたいと言っている人はたくさんいますけれど、推薦人が確保できて見切り発車で出馬したとしても惨敗でもしたら政治生命を失いかねず、二の足を踏む候補の方が多い印象です」と指摘した上で、ポスト岸田のダークホースとして加藤厚労相の名を上げています。

この政治部デスクによると「加藤勝信厚労相ですね。政界では嫌われていないし、元財務官僚として霞が関のこともわかっているので河野氏や茂木氏と違って当たりも柔らかいと言われています……どうしても岸田首相ではダメだとなったときに、各派閥が一番まとまりやすいのが加藤氏だと言われています……派閥の総裁候補として茂木氏が素直に認めるとは到底思えませんが、先ほどもお話したように茂木氏が派内を掌握しているとは言い難いので、加藤氏にチャンスがないわけではない。加藤氏は普段から慎重なタイプではありますが、首相への意欲を隠すことはありません。安倍派所属の萩生田光一政調会長とは親しい間柄ですね。麻生氏も含めて党内の重鎮は軒並み”加藤ならやれる”と見ているようです」と述べています。

岸田総理は内閣支持率が低くても、このまま来年の総裁選まで続けられると思っているかもしれませんけれども、国民の怒りが限界を超え選挙で自民そのものが沈没するような事態と成れば、その限りではありません。

今後は内閣支持率よりも政党支持率の推移に着目した方がよいかもしれませんね。



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この記事へのコメント

  • 元自民党指示

    保守層はLGBT法成立に対する一連の騒動の結果、自民党を見限りました。
    それだけ、LGBTの強行採決及び国会で反対の声を上げる人の少なさに嫌気が差したのです。政党支持率が低くなったので、岸田は解散できなくなりました。
    2023年08月23日 13:26
  • naga

    石破茂の名前は良く出ますが、あの人はどこが良いんでしょうかね。
    中韓に阿るだろうという以前に、暗い感じでネチネチと持って回ったような、論点が不明瞭になるような話し方でどこが良いのかと思います。
    2023年08月23日 16:45