言論の自由を守るミュート

今日はこの話題です。
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1.ツイッターのブロック機能廃止


8月19日、X(旧Twitter)を所有するイーロン・マスク氏は、「意味がない。将来的に、ブロック機能はDMを除いて削除する」と投稿しました。

現在のXの仕様では、ユーザーが他のユーザーをブロックすると、ブロックされた側のユーザーから、ブロックした側のユーザーの投稿(ツイート)を閲覧できなくなり、ブロックされているユーザーに対する投稿が行えなくなります。

この投稿に対して、Twitterの共同創業者であるジャック・ドーシー氏は「ミュートのみで良い」と、同調するリプライしたのですけれども、この投稿に「コミュニティノート」がつき、「もしXのブロック機能が廃止された場合、Google PlayやApp Storeの規約違反となるだろう」と指摘されています。

イーロン・マスク氏が「ブロック機能」を廃止する考えを示したことについて、マスコミやテレビは懸念の声を上げています。

8月21日放送の日本テレビ系「news zero」で、解説委員の小野高弘氏は「利用している皆さんに聞いてみたところ、心配してる人が多かったです」と述べ、ユーザーは、ブロック機能を次のように使っていると説明しました。
・誹謗(ひぼう)中傷を目にしないようにブロック
・嫌悪感を覚える画像が目に飛び込んで来ないようにブロック
・出会い目的などのコメントが来るのをブロック
・自分の投稿内容(画像など)を勝手に転用する人がいるため、そうされないようブロック
小野解説委員は「皆さん困っています。『自分の安全が守れなくなる』『嫌なものが流れてくると思うと怖い』『いちいち通報しなければいけなくなる』と心配していました……ブロック機能を廃止する理由については、正直わかりません。もともとマスク氏は、自由な言論空間にすると言ってきたのでブロックまで取り除いてしまおうということなのか、という見方も。ただ、イギリスメディアは『必ずしも本気とは限らない。実行に移すかはわからない』と指摘しています。これは現実的なのかというほど大きなことなのです」と説明しました。

そして、SNSに詳しい国際大学の山口真一准教授の「日本はX利用者が世界的にみても多い。その日本でブロック機能が廃止されたら、社会に大きな影響を与えると思う……政府も誹謗中傷対策として、まずはブロック機能などの活用を勧めているが、新たに考えなければいけない……情報が氾濫する社会で、見たくないものを見ない自由は重要だ」とのコメントを紹介しています。

これを受け、有働由美子キャスターは、「ご自分で、5億4000万人以上のユーザーがいると投稿されていましたが、それだけのコミュニケーションツールを握っているのに、ルールの変更の仕方が乱暴すぎるなと感じますし、そもそもマスク氏が言う“言論の自由”とは何なのかということから説明してほしいと思ってしまいます」と付け加えました。


2.ミュートで良くないですか?


こうしたマスコミの反応をみると、なにやら「ブロック機能廃止」は改悪であるかのように感じてしまうかもしれませんけれども、当然ながら違う見方もあります。

2ちゃんねるの開設者で実業家のひろゆき氏は、自身のX(旧ツイッター)を更新。ブロック機能廃止について「反論する人をブロックしまくって、デマを流してる人は涙目になる予感。詐欺師が減るのは良い事ですね。」と投稿しました。

このツイートに、「Twitter(敢えてTwitter)は、ブロック機能を無くす予定。つまりどんなにストーカーの様なリプがついても、それを防御する事が出来なくなる。もう、鍵かける以外にこれを防ぐ方法は無くなるんだな」という反対意見がついたのですけれども、ひろゆき氏は「ミュートで良くないですか?」と反論しています。

ミュートは、フォロー解除したりブロックしたりすることなく、特定のアカウントのツイートをタイムラインに表示しないようにできる機能ですけれども、フォロワーらから「ミュートでも困らん」「はっきり相手を拒否する機能もあって良い」など議論されているようです。




ただ、こちらのtogetterでは、ミュートに肯定的な意見が多いようです。一部引用します。
2023-08-19 08:54:13
TAKUTEKS@新作「繁殖森林 開拓調査団入団編」販売中 @takuteks
ブロック廃止の話、さらに追ってみると「さらに強力な(デマ拡散アカウントが機能しなくなるような?)ブロック機能への更新」とかいう話もでてて、やっぱ文面通り取るのはまだ難しいですかね

2023-08-19 02:52:40
葵真碧(mao aoi)@棘は永久BANされましたw @maochin39blue
やっぱイーロンマスクってすげぇな。馬鹿と暇人が手数で圧倒できるSNSの世界観にかなり大きな一石を投じてる。ミュートって「シャドウBAN」の意味合いが強いけど、これ、優れていないポストは無視されるって世界観をもう少しで実現できそうなの凄いね。価値ないアカウントは価値を粉飾できない。

2023-08-19 09:01:03
葵真碧(mao aoi)@棘は永久BANされましたw @maochin39blue
解ってない人の典型的な意見。ブロックは相手に認識させてしまうけど、ミュートは相手が認識できない。アンチの話をする場合、これが一番効くのよ。アンチが一番嫌なのは、無視されること。ブロックは認識出来て複垢作ればよかったけど、ミュートは認識できないから複垢つくる判断もできない。 twitter.com/yomoyayomoya2/…

2023-08-19 09:08:22
煉さん @yomoyayomoya2
イーロンマスク氏がブロック機能は意味がない。と投稿しブロック廃止(削除)するとのこと。

引き続きミュート機能とDMのブロックはできるみたいだが、これだとアンチ天国にならないか?
日本の誹謗中傷の現状は訴えた方がいいかもな。

ブロック太郎こと河野太郎が日本で一番困るぞ? pic.twitter.com/mKzprrsTVp


3.ブロックとミュートの違い


では、ブロックとミュートとで何が違うのか。

こちらのサイトでは、ブロックとミュートの違いが解説されています。

このサイトでは、それぞれを使った場合どうなるかについて次のように説明しています。
Twitterでブロックされた、ブロックした場合どうなる

ブロックについては、相手を拒絶するTwitterでもっとも強力な方法です。
ブロックをした場合、ブロックした相手にブロックをした旨の通知はされませんが、相手がブロックに気づく可能性があります。
ブロックをするとフォローが強制的に外れてしまうので、ユーザーによってはフォロー数の増減で気づくというわけです。
また、サードパーティー製のツールを使うことでもブロックをした・ブロックをされたことを知ることが可能です。

ツイートの閲覧についてですが、ブロックされた側は相手のツイートを閲覧できません。
しかし相手が非公開アカウント(鍵垢)でない場合、ログアウトして非ログイン状態で閲覧するか、別のTwitterアカウントを利用することで、ツイートの閲覧が可能です。
ブロックした側は、相互ブロックでなければブロックした相手のツイートを閲覧することができます。
ブロックした相手が非公開アカウントの場合、フォローが外れるのでツイートを閲覧することはできません。
ブロックした相手が非公開アカウントではない場合、ツイートを閲覧できることからリプライやリツイート、いいねが可能です。


Twitterをミュートされた、ミュートした場合どうなる

まずミュートをした側ですが、ミュートした相手のツイートがTL(タイムライン)に流れることはありません。
さらに、ミュートをした相手がするリツイートや引用リツイート、いいねもTLに流れてくることはありません。
つまりミュートは、ミュートをした相手のツイートやリツイートといった行動がまったくわからないというわけです。
「ブロックをするほどではないけどTLに流れてきてほしくない」、「ブロックをしてしまうと気まずい」といった時にミュートを活用するといいでしょう。
ミュートした相手のユーザーページに直接アクセスすると、ツイートやいいねなど、閲覧することができます。
ミュートをした場合でも、ミュートをした相手にはこちら側のツイートがタイムラインに流れるので、いいねされた場合やリプライが送ることが可能。通知もこちら側に届くので見逃すことはありません。
このように「ブロックは、相手を拒絶するもっとも強力な方法。一方、ミュートは相手との関わりを表面的に拒絶する方法」として、その使い分けの例として「あまりにも失礼な内容のツイートやリプライを送ってくる相手はブロックをして、相互フォローしているだけの間柄など、どうしてもフォローを外したりブロックができない場合は、ミュートをするといいでしょう」と勧めています。

冒頭で、ブロック機能廃止について、ユーザーはブロック機能を「誹謗(ひぼう)中傷を目にしないようにブロック」「嫌悪感を覚える画像が目に飛び込んで来ないようにブロック」「出会い目的などのコメントが来るのをブロック」「自分の投稿内容(画像など)を勝手に転用する人がいるため、そうされないようブロック」するために使っているとして、マスコミが懸念の声を上げていることを取り上げましたけれども、これら4つのうち最初の3つはミュート機能で同じことができます。従って、最後の一つをどうするかの問題だけになるように思います。

たとえば、自分の投稿内容を勝手に転用する人には、DMで「転用しない」よう警告することもできますし、相手と関わりを持ちたくないのであれば、それこそDMでは廃止されないとされているDMのブロック機能を使ってそうだとを知らせることも出来るかと思います。


4.言論の自由を守るミュート


ミュート機能について、イーロン・マスク氏自身、それを推奨しています。マスク氏は「ブロック廃止は良い判断ではない」とする投稿に対して、「ミュートを使って」とリプライしています。

また、X(旧Twitter)のリンダ・ヤッカリーノCEOは、「Xにおいて、ユーザーの安全は最優先事項。ブロックとミュートの現在の状態よりも優れたものを構築していく」と投稿し、安全性を重視し、ミュート機能を改善していく姿勢を示しています。

ブロック機能の廃止について、冒頭取り上げたテレビ番組は、「マスク氏が言う“言論の自由”とは何なのかということから説明してほしい」などと言っていますけれども、筆者はブロック機能の廃止こそが言論の自由につながると考えています。

なぜなら、ブロック機能は、ブロックした相手のリプライを拒絶し、ブロックされた側はその人と関わりが持てなくなるからです。要するに弾圧ないしは分断に繋がる可能性があるということです。

昨年8月16日のエントリー「人の心を尊重する国と人の心を裁く国」で、筆者は「民主国家および保守は、人それぞれの思いや考えの違いを認め、その行為さえも「法の範囲」で許容します。対立する人と一緒に何かを行うときでも、違いは違いとして認めた上で、時間を掛けて交渉し、妥協点を見つけていくのに対し、無神論国家や所謂「サヨク」は、独裁者以外の考えを認めず、それ以外の考えは抹消し、時には暴力でもって弾圧、強制していく」と述べたことがあります。

その説明として、「聞きたくないことに対して自分の耳を塞ぐ保守と相手の口を塞ぐサヨク」を示した風刺画を付けたことがあります。X(旧ツイッター)のミュートとブロックの機能を考えると、この「自分の耳を塞ぐ保守」がミュートで、「相手の口を塞ぐサヨク」がブロックに当たるのではないかと思うのですね。

前者は、聞きたくないことは聞かずに済む一方、第三者含めて議論そのものは続けることができます。一方後者は議論そのものを許さない行為に近い。つまり弾圧になりかねないということです。

もし、マスコミがブロック機能廃止に内心反対しているのだとしたら、コミュニティノートよろしく、自分達の報じたものだけ大衆に聞かせられなくなるかもしれないと無意識のうちに恐れているのかもしれません。

それを考えると、ブロックよりもミュートの方が、「言論の自由」を守るに相応しい機能であり、その意味ではブロックは「意味がない」といっても差し支えないと考えてよいのではないかと思いますね。

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