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1.ガザ北部からの退避勧告
10月14日、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ北部の住民に対し、ガザ南部に避難するよう勧告しました。2つの避難路を示し、期限までは危害を加えないとしましたけれども、これによりイスラエルによる本格的なガザ侵攻が近いとの懸念が強まっています。
イスラエルは、13日朝にも24時間以内の退避を勧告していました。国連人道問題調整事務所(OCHA)はこの日、既に数万人が避難したとの見方を明らかにしています。
けれども、ガザ北部には110万人が住むとされ、既にイスラエル軍の空爆で、道路や建物が破壊され、電気やインターネットも使えなくなった中、これだけの人数の避難は困難を極めます。
そもそも、避難したくても、その大多数は避難先のあてがないそうで、地元記者によると、南部に親族らがおらず、避難先がない住民はしばらく路上で暮らすことも覚悟しているとのことです。
中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」によると、一部の住民が車やロバ、もしくは徒歩で南部に向かっているものの、避難しているのは「数千人程度」とされ、大多数の住民は自宅に残っているとみられています。
自宅に残った住民の中には、「イスラエル軍が攻撃を続けるガザでは、安全な場所なんてない。どうせ死ぬなら自宅で死にたい」と話し、避難を拒否する人も多いそうです。
また、イスラエル軍の激しい空爆で負傷者が急増する中、救急医療などを担うパレスチナ赤新月社は13日、「患者を見殺しにはできない」として、避難を拒否すると表明しています。
ネットでは、ガザ地区と大阪府湾岸を比較した地図も出回っているようですけれども、この距離を、十万百万単位の人々が、24時間だか30時間だかで、で移動するのは、事実上不可能ではないかと思われます。
【悲報】ガザ地区さん、いくらなんでも狭すぎる… #パレスチナhttps://t.co/r3c2kq3Qnc pic.twitter.com/fto3yKummy
— 哲学ニュースnwk (@nwknews) October 13, 2023
2.退避勧告というアリバイ作り
一方、ハマス側は1948年のイスラエル建国時に約70万人のパレスチナ人が故郷を追われ、難民となった「ナクバ(大惨事)」に言及し、「我々はナクバを繰り返してはならない」と主張、住民に自宅にとどまるように呼び掛けています。
これに対し、イスラエル軍は、ハマスを「市民を『人間の盾』にしようとしている」と批判。避難に応じない住民は「ハマス側」に立ったとみなすと警告しています。
イスラエルはガザへの物流を止める「完全封鎖」を継続していて、ガザでは11日以降、電気の供給がほとんど停止。水をくみ上げるポンプが止まったため、水道水も出なくなっています。一部のスーパーにはまだ水が売られているものの、「数日で水すらなくなる可能性がある」とのことで、薬などの医療物資や病院の設備を支える発電機の燃料も少なくなっています。
今後の展開について、日本大学危機管理学部教授の小谷賢氏は次のように述べています。
これは、高い確率で地上戦をやるということだ。ただ、実際に24時間以内に100万人以上も退避させることは難しい。民間人が巻き込まれたとしても、事前に退避勧告という形で警告はしたというアリバイ作りだとみられる。アリバイ的に退避勧告を出して、それでも残ったものはすべて戦闘員だと見做して殲滅するやり方は漫画の中だけの話かと思っていましたけれども、現実でも同じのようです。
イスラエル側としてはイスラム組織ハマスが四散して逃げてしまう前に、急いで攻撃をしかけたいという思惑もある。民間人への避難勧告というのは国際的な慣習だ。基本的に戦場で民間人を攻撃すれば、国際法違反になる。イスラエルとしては事前に勧告したのに戦場に残っているのは、民間人ではなく戦闘員だろうとの理屈で、民間人の巻き添えもやむなしと考えているかもしれない。
3.我々は彼らを標的としていない
イスラエル軍が、ガザ地区北部の住民110万人に退避勧告したことに対し、ガザの人道状況の悪化を懸念する国連高官や関連機関からは「死刑宣告に等しい」などと撤回を促す声が一斉に広がっています。
10月13日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は、「ガザの人々をさらに奈落の底に突き落とすだけだ」との声明を出しまし、ガザの状況を「地獄と化し、崩壊の瀬戸際にある」と強調。全ての当事者に国際人道法の順守を訴え、民間人の保護を最優先にするよう呼びかけました。
また、世界保健機関(WHO)の報道官も、ガザで人工呼吸器を使用する重病者や新生児などに移動を強いることは「死刑宣告」だと指摘。勧告の撤回を求めています。WHOによれば、イスラエル軍の攻撃が続くガザの医療施設の受け入れ能力は「限界点」に達しているとしています。
これに対し、イスラエルのエルダン国連大使は、ニューヨークの国連本部で行われた会合で、退避勧告は民間人の被害を軽減するための措置で、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの掃討が目的だと主張し、「国連は何年もの間、テロ行為を強化するガザから目を背けてきた」と批判の矛先を国連に向け、「テロ集団がガザで起こる全てのことの責任を負う」と反論しました。
オーストラリアのスカイニュースは、番組内で、ベネット元イスラエル首相へのインタビューを報じているのですけれども、司会者が、「イスラエルがガザへの電力供給をカットすると、入院中のパレスチナ人の生命維持装置や、赤ん坊の生命維持装置や保育器が停止されますが、それについてはどうお考えでしょうか?」と質問したのに対し、ベネット元首相は「パレスチナ人のことを本気で聞いているのか?何が起きたか見ていないのか?我々はナチスと戦っているのであって、彼らを標的にはしていない。世界は彼らが望むものは何でも持ってくることが出来る。電気を持ってきたいならそうすればいい。我々は敵に電気や水を供給する積りはない……私達に責任はない」と逆切れ。司会者との罵り合いになっています。
これをみると、イスラエルは「民族浄化」でもやる気ではないのかとさえ思ってしまいます。
司会者がベネット元イスラエル首相に、ガザ地区封鎖が赤ん坊の命を危険にさらしている事についてどう思うかと質問した後、インタビューは罵り合いに発展
— Miki (@AmbraBeni) October 12, 2023
「私たちはナチスと戦っているのであって、彼らを標的にはしていない」 https://t.co/YocBrDr0I2
4.ハマスの罠
このように、イスラエル軍によるガザ地上戦はいつ起こってもおかしくないと見られているのですけれども、それこそがハマスの狙いだという見方もあります。
中東アフリカに精通し、最新の世界情勢を動画配信しているユーチューバー「越境3.0チャンネル」の石田和靖氏は、自身の動画で、ガザの地上戦はハマスの罠だと指摘しています。
動画から該当部分を拾うとおおよそ次のとおりです。
【前略】イスラエル軍はハマスとの戦闘に向け、過去最高となる30万人の予備役を招集したと明らかにしていますけれども、ハマスとの地上戦で大きな犠牲が出ると想定してのことかもしれません。
・10月10日アルモニターのニュース記事は、イスラエルのネタニヤフにはガザ地上作戦を開始する以外に選択肢はほとんどないと伝えている
・今回のハマスの大規模奇襲攻撃というのは世界最高峰の諜報機関と軍事力を持つイスラエルにとって、全く想定外の攻撃を受けたということに
なる。
・それだけ時間をかけて綿密に計画されたものだった
・イスラエルというのは空軍が強い
・これまでもほぼ空からの攻撃でパレスチナガザ地区を制圧を行ってきて、レバノンも制圧を行ってきた
・そういったことがほとんどで陸上部隊が地上戦に連れ込んでいくということはなかなか、滅多にあり得ない
・今回はリスクの高い地上戦を展開せざるを得ないというこれはハマス側の思う壺にイスラエルが入ってきたということが言える
・ハマスは無数のロケット団とは別に対戦車ミサイルも数多く手に入れている
・さらに2006年のレバノン南部でのイスラエルとヒズボラの紛争を教訓に、ヒズボラから道路に仕掛ける地雷やあるいはゲリラ戦での強靭な訓練を受けてきている
・ハマスの主な武器はカスタムロケット弾とグラッドロケット弾と言われている
・ハマスが地上ゲリラ戦において非常に強い戦闘能力を持っているということをイスラエルも十分分かっている
・ネタニヤフはこの地上作戦が非常に危険であるということを承知しているが、他に選択肢がない
・ハマスが地下施設に様々な軍事拠点や武器を格納しているので空爆ではもはや限界がある。
【中略】
・土曜日の攻撃というのはハマスが何年も何年も計画してきたことを実行したと言われている
・今回の攻撃の破壊力というのは50年前の中東戦争よりも大きかった
・今回イスラエルを攻撃したのは、中東戦争の時のような大軍を用したアラブの複数の国ではなくて、あくまでも壁で放されたガザ地区という小規模なテロ組織だ。
・その大胆さと有効性が軍事超大国であるイスラエルを根底から揺らした。
・ネタニヤフはバイデン大統領との電話会談の中で、イスラエルは地上作戦を実行すると述べている。
・しかしそのような動きはイスラエルの人質や軍隊にとって明らかに大きな犠牲を伴うもの
・ハマスがブービートラップ、いわゆるガザ地区内での無数の罠。これでイスラエル軍を迎える準備をしている可能性が高い
・壁に囲まれた小さな国、ガザ地区というところは……空爆ではハマスを破壊できないことを知りガザ地区内に地上部隊イスラエルの地上部隊が侵攻して、それに対する無数の罠をハマスが仕掛けている、全てハマスが長年計画してきた作戦だ
【後略】
5.四段階の戦略
また、ネットでは、中国共産党(CCP)を打倒することを明言したロビー団体「新中国連邦国家(NFSC)」から入手した情報だとして、ハマスは今後の展開について、次のような戦略を描いていると語っています。
・ハマスは、ハマスの武器、戦争戦略と戦術、その他の物資などを提供する政治勢力によって支援されている。ガザの地面に遠隔操作の超小型爆弾を埋めているなど、先述の石田和靖氏がハマスの罠だと指摘したとおり、罠だらけです。このハマスの戦略がこの通りだとすると、簡単に終わらない可能性があります。
・ハマスの戦略は以下の通りである:
ステップ1 - イスラエル軍をガザの地に進入させる。ハマスはすでに前例のない大量破壊兵器、特に遠隔操作の超小型爆弾を事前に地中に埋め込んでいる。それはイスラエル軍に多大な死傷者をもたらすだろう。
ステップ2 - イスラエル軍がガザに進入した場合、ゴラン高原からイスラエルに向けてこれまで見たことのない大量の兵器が発射されることになる。主な対象はイスラエルのエネルギー施設やその他の重要施設となる。
ステップ 3 - 同時に、エジプトの方向から、すでに配置されている非通常兵器と暗殺部隊がイスラエル本土を直接攻撃します。重要な地域では自爆テロが使用されるだろう。
ステップ 4: 上記の出来事が発生した場合、イスラエル軍は大きな損失を被り、英国と米国が戦争に介入する可能性があります。彼らがやるかどうかに関係なく、戦争は始まったばかりです。
その後、ハマスは新たな方法と新たな武器を使って戦闘することになる。
ネットによると、このハマスの計画は12日頃にアメリカ政府と共有されたようなのですけれども、だとすると当然イスラエル側にも伝えられている筈です。
実際、13日夜、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスとの戦闘について「始まったばかりだ。勝つまでは時間がかかるだろう」と、戦闘の長期化を示唆する発言をしていますから、イスラエル軍に相当な被害が出ることを覚悟しているのかもしれません。
もし、事態がステップ4にまで発展し、イギリスとアメリカが介入すると、他のアラブ諸国が黙っているのか。こぞってガザに軍を差し向けるとそれこそ第三次世界大戦の幕開けにもなりかねません。
早期停戦を祈ります。
🚨🚨🚨The NFSC received critical intel from Miles Guo at 9:20 p.m. on Oct 14, 2023, from his prison cell in New York. This intel has already been shared with the U.S. Government 2 days ago. To prevent this vital intel from being politicalized again and for humanitarian purposes,… pic.twitter.com/ZHCRs7QNHM
— Ava (@S7gril) October 14, 2023
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