自民党パーティ券裏金問題について

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。


2023-12-11 182600.jpg


1.安倍派の政務三役全員交代


自民党のパーティ券問題がおおごとになってきました。

岸田総理は、政治資金パーティーをめぐる問題で、岸田総理は安倍派所属の閣僚、副大臣、大臣政務官の政務三役を全員交代させる意向を固めたと報じられています。

岸田総理は、裏金を受け取った疑惑が浮上している安倍派幹部の松野博一官房長官、西村康稔経済産業相の閣僚2人を更迭する意向をすでに固めているとされていますけれども、鈴木淳司総務相と宮下一郎農林水産相も交代させるようです。

安倍派所属の政務三役は上述4人の閣僚のほか、副大臣5人、大臣政務官6人の計15人に上りますから、全員交代となると相当大掛かりな人事となります。

安倍派の政治資金パーティーでは、各議員側が集めたパーティー券の収入が、割り当てられたノルマを超えると、派閥側から議員側に払い戻されるなどキックバックがあり、一部の議員の政治団体は収入を政治資金収支報告書に記載せず、裏金にしていた疑いが賭けられているのですけれども、この疑いは政務三役だけでなく、党幹部はおろかその他議員にまで及んでいることが分かりました。

党幹部では、安倍派の高木・国対委員長側と世耕・参院幹事長側も過去5年間で1000万円を超えるキックバックを受け、その収支を報告書に記載していない疑いがあるとされています。

また、その他議員では、岐阜選挙区の大野泰正参院議員側が5000万円あまり、比例東海の池田佳隆衆院議員側と長崎3区の谷川弥一衆院議員側がそれぞれ4000万円を超えるキックバックを受けたとされ、派閥全体での裏金は5年間で数億円規模に上る見方も浮上してきています。


2.現職閣僚がおそらく逮捕されるでしょう


今回のパーティ券問題について、ジャーナリストの山口敬之氏は、自身の動画で、現職閣僚がおそらく逮捕されるだろうと発言しています。

件の動画前半の概要は次の通りです。
・現職閣僚がおそらく逮捕されるでしょう。
・XDayは12月15日あるいはそれま以降、できるだけ早いタイミングということになります
・現職閣僚がおそらく逮捕されるであろうと見た理由について、まず、今まで東京地検特捜部が指名した各派閥の所属議員関係者からの聞き取りを今日まで行っています
・具体的にはで特捜部が自民党本部に対して事情聴取対象リストを出している
・自民党事務局から各政治家と政治家の事務所に連絡が行ってます。これは先々週からです。
・地検特捜部はそれとは別に個別に接触している議員もいます
・先週まで行われていたのは、政策秘書要するにその国会議員の全体の動きを把握してる人間を中心に都内のいくつかのホテルに部屋を取ってそこに呼び出してます
・明日11日月曜日からは会計責任者各事務所の会計責任者を検察の施設、ホテルではなくて検察の施設に呼んで本格捜査を開始
・本格捜査って何かと言うと逮捕状取るということ(逮捕状を取って捜査=取り調べ。逮捕状を取らないで捜査=事情聴取)
・今日まで行われていたのは事情聴取。
・基本的には明日以降はこれ逮捕状取った捜査の取り調べが始まっていきます
・ここまで大規模にやるとは思ってなかった。なぜかというと、贈収賄、横領というようないわゆる質的に悪質な 国会議員の犯罪と比較するとパーティー券として売ったものの派閥と政治家の間の処理の問題だから
・なぜ今特捜がこれやるのか。そこに違和感を感じて欲しい。
・このまま修正報告したら済むんじゃないの、が最初の見立てだった。
・です特捜の動きは全然違う。異例の大捜査を引いている。
・特捜部は日本に3箇所(東京・大阪・名古屋)しかなくて、今回は東京大阪名古屋にある特捜部の相当数の検察官が東京に結集してます。
・各地の地元の会計責任者とか地元の秘書のトップも東京に呼び出されている。
・明日以降何が行われるかというと、聴取した政治家と政治家事務所の秘書からどの人を逮捕するか選別をする
・選別して通告する、事実上の逮捕。この作業が明日から始まる。
・キーワードは、1000万円と 違法性の認識。この2点。
・逮捕される人とされない人の違いは、5年間で政治資金規制法以外にも自分で流用してたらこれ所得税法脱税ってことになってくるんです
・内容的にはこれが違法であるってことを認識していたか。
・違法性の認識というのはある種の罠。
・捜査機関は、あなた1000万円行ってないからたとえ違法の認識があったとしても逮捕はしないよと、秘書も逮捕はしないよと、例えば議員辞職とか役職辞めるとかそのぐらいで片を付けてくださいというある種の手打ちみたいのが行われる。
・特捜は例えば安倍派、例えば二階派、例えば岸田派が派閥として違法性を認識していたかということを逮捕しないやつから引き出そうとしている
・そういう証拠集めを周辺でしてるという作業も入ってくる。
・今私のところに入ってきてる情報では現職閣僚と党役員8人が1000万円を越してます。
・私は一応政治記者で、社会部の記者もやってましたが、現職閣僚が逮捕されると書くのは相当勇気がいることなんです、記者として。
・現職閣僚と党役員8人の中には、9000万キックバックという形で還流している。私が得てるのは9000万、1億に届いた人がいるという説もある。
・これはね逮捕せざる得ないんです。この額だと逮捕しないという選択肢は逆に言うと特捜部にもない額になってきている。
・私はこれだけの情報を整理した上で、現職閣僚が逮捕される可能性は極めて高いと判断して、皆さんにお伝えしている。
山口氏によると、東京地検特捜部は今週から逮捕者の選別と準備に入っていて、キックバックが1000万円以上かと違法性の認識があったのかが鍵になると述べています。

そして、中には9000万のキックバックを受けた議員がおり、ここまでの額になると特捜部としても逮捕しない訳にはいかないとまで指摘しています。




3.今後の展開


山口氏は、動画の後半で、今後の展開として次のように述べています。
・今後の展開として、こういう風に越した人全員逮捕するとなるとこれ相当な人数になります。
・5年で1000万全員となると、大疑獄というかそこまでやること自体、修正申告でいいじゃないのと。
・例えばパーティー券未記載とか野党もいる。
・安部派ばっかりなんでなんだろう、その直感は正しい。
・特捜の捜査を見る時に、ある1社の報道、大手メディア(読売新聞、共同通信、NHK)一社の報道をトレースしていく。このニュースがどう展開してのかと見る時に非常に有効。
・NHKは毎週日曜日に日曜討論という政治家を呼んで討論する番組をしている。
・ここに与野党各党の代表者が出てきて様々な政策政局の話をする。
・自民党からは、福岡さんという参議院の政策審議会長、衆議院でいうとこの政調会長の役割をする人が出席。
・福岡さんは、今回の問題がね国民から 厳しい目を向けられていてで情態化とは考えている。複数の派閥で、安倍派だけじゃなくて他のところも含めて疑念を持たれていることは確かだと言った。
・福岡さんは茂木派。普通は自民党が日曜討論に出してくるのは、もっと大物を出してくる。
・普通だったら茂木さん。各党がね幹事長クラスですから茂木さんかあるいは世耕さん、福岡さんよりも全然上の権力者。政権中枢と言ってもいいえこの2人が出てくるものなんです。
・しかし茂木さんも世耕さんも出てこれない。なぜかというと自分が捜査の対象だから。
・ここで何か言ったら特装部これ全部録画してチェックしますから。だから出られなくて逃げた。
・NHKは安倍派の大半の所属議員側がキックバックを受けたのではないかという報道をしている。
・全員岸田政権の中枢の人たちです。なんで全部安倍派なんですか。
・ノルマの超過分を派閥に入れた後キックバックもらってる人はどっちかてマシな方。
・ノルマ分だけしか派閥に入れないであとは全部自分のとこで使っちゃうという人も実は全然少なくないです。
・実態としてそうだよと、そのことは長田町の国会議員や秘書ましてや特装部はも何年も前から10年も20年も前からみんな知ってることなんです。
・それなのになんでここまで安倍派の人の名前しか出てこないのか。これおかしいでしょ。
・実際に特装部は安倍派以外の国会議員も事情聴取してます。場合によっては逮捕者も出るでしょう。額と違法性の認識ですから1000万越してる人、1000万円どこじゃない人、皆さんがよく知ってる政治家でいます。他だっているんですよ1000万円越してるやつ1人や2人じゃないです。
・これは特装部の意思です。他にもいるけれども今は安倍派を集中的に攻撃するという東京地検特捜部がそういう特定の意図を持ってリークしてるってことなんです。
・メディアに対する情報のリーク、要するにメディアをコントロールしてるわけです。
・特装部は現段階で統一した意思として安倍派の連中だけ血祭りにあげろという指示が出てるわけです。ここにこの日本という国の闇があり
ます。
山口氏はこのように安倍派の議員だけ裏金報道されているのは、東京地検特捜部の意思であり、巷に流れている「安倍派だけがキックバックしていた説」や「特捜部が人事に安倍派に恨みを持っていた説」は間違った解説だと述べています。


4.裏を引く黒幕は誰か


となると、安倍派議員を集中的に狙わせている「黒幕」は誰なのかという話になるのですけれども、嘉悦大教授の高橋洋一氏は、12月11日付けの現代ビジネス寄稿記事で次のように述べています。
【前略】

この問題は、11月13日付け本コラム「岸田首相、打つ手なし…!財務省の「ハシゴ外し」で支持率回復どころか「党内分裂」へ」に遡ってみないと全体像が見えてこない。

岸田首相が「増税メガネ」と呼ばれて所得税減税を謳い出し、岸田首相に「自我」が芽生えたために、財務省がハシゴ外しを目論んだというストーリーについて触れている。なお、減税を言い出したのは、党内では安倍派であるので、岸田首相に「自我をつけた」のは安倍派と財務省には見えただろう。

岸田首相は宏池会のプリンスだった。宏池会は、池田勇人元首相が創始者で、その次に大平正芳元首相、鈴木善幸元首相、宮沢喜一元首相と迸出した名門派閥だ。池田氏、大平氏、宮沢氏は元大蔵官僚であり、宏池会と財務省の関係は深い。岸田首相も、宮沢家と姻戚関係にあり、二人の妹さんの旦那は大蔵官僚だ。

したがって、宏池会の系譜としての「血筋」はいい。

「増税メガネ」と言われたからとはいえ、首相が減税を言い出したのは、国民経済から見ればもまっとうであるが、財務省ファミリーとしては考えられないことだ。

財務省ファミリーならば、国民は「短期的な快楽」のために減税を求めるが、それは浪費であり、今の厳しい財政状況を考えると将来のためにならない、と真顔で語る。

【中略】

率直にいえば、岸田首相が、安倍派からの提言でもあった減税を言い出さなければ、まだ財務省は岸田首相のハシゴを外さずに、それなりの政権支持率も維持できただろう。

ここにきて、検察も岸田政権の落ち目を見て動き出したのが「パーティー券騒動」だ。それが、安倍派の狙い撃ちになっているので、自民党内力学から言えば、岸田派には余裕でもある。野党が弱いので、所詮自民党内力学で政治が動いているとみれば、岸田派、麻生派、茂木派も、実質的には余裕だ。

財務省としても、安倍・菅政権で煮え湯を飲まされ続けたので、検察の安倍派叩きは悪くない。

もちろん、こうした大掛かりの政局は、官僚機構だけで仕掛けられるものでない。財務省のバックには、麻生派がいる。

麻生派としては、財務省や検察が安倍派、二階派を叩くのは好都合だ。また、大宏池会構想があるので、岸田首相を下ろしても大宏池会の中、例えば麻生派から首相が出ればいい、と思っている。これが、官僚機構の背景にある「自民党内派閥力学」だ。

これを政策論から見れば、財務省としても麻生派から、減税をしない首相が出ればいいだろう。時折、鈴木俊一財務相がポスト岸田で浮上するのは、財務省の野望でもあろう。鈴木財務相は、麻生派であるが、宏池会の鈴木善幸氏の息子であり、麻生太郎氏の義弟でもあるので、財務省としてはベストだろう。

自民党内派閥力学、財務省や検察の官僚機構の動きだけで十分だが、それを後押しするのが、反安倍のマスコミだ。安倍・菅の長期政権で、反アベのマスコミは出番がなかったが、ここにきてついに出番と意気込んでいる。

こうした動きの結果、岸田おろしになっても、大宏池会の中での政権回し、安倍派排除という形の政局に動くだろう。松野官房長官(安倍派)は既に交代が決定的で、その後任には加藤勝信(茂木派)、田村憲久(岸田派)らの名前が出ている。萩生田光一政調会長(安倍派)、西村康稔経産大臣(安倍派)の交代もありえる。

ただ、岸田政権は既にレームダック化しており、早ければ来年度政府予算を決定する年内、遅くとも来年度予算成立か来春の渡米までしかもたないだろう。

安倍派もこのまま排除されるだけなのか、激しい抵抗が水面下で行われるのではないか。
高橋洋一氏は、岸田総理に「減税」という自我を芽生えさせたのは、安倍派のせいだと財務省は見ているとし、そのバックにいる麻生派に着目。麻生派によって、財務省や検察が安倍派、二階派を叩くのは好都合だという「自民党内派閥力学」とそれに乗っかった反アベのマスコミの総攻撃によって、岸田おろしになっても、大宏池会の中での政権回し、安倍派排除という形の政局に動くだろうと予測しています。

もし、大宏池会の中での政権回しとなると、茂木幹事長は出てこれなくとも、アメリカの息が掛かっているとも言われている麻生派の上川外相を麻生派と茂木派で担ぎ上げてくる線も可能性として考えられます。

ただ、筆者としては、そんな旧態依然とした派閥政治を世論が許すのか、という気がしますし、下手をすれば、自民党ごと派閥が沈没する可能性すらあると思います。

あとは、世論が自民党に対し失望して投票しないか、逆に不満を爆発させて投票し、単独過半数割れにまで追い込むのか。

そう考えていくと、次の選挙は日本の流れを決める、大きな分水嶺になるかもしれませんね。



  twitterのフリーアイコン素材 (1).jpeg  SNS人物アイコン 3.jpeg  カサのピクトアイコン5 (1).jpeg  津波の無料アイコン3.jpeg  ビルのアイコン素材 その2.jpeg  

この記事へのコメント