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1.二割を切った岸田内閣支持率
12月8~11日に時事通信が実施した12月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比4.2ポイント減の17.1%と、2012年12月の自民党政権復帰後の調査で最低を更新、ついに1割台となりました。
支持率が2割を下回るのは、民主党政権が誕生する直前に調査した2009年9月の麻生内閣の13.4%以来のことです。
内閣支持率が2割台以下となるのは5ヶ月連続で、政権復帰後の最低更新は3ヶ月連続。不支持率も3ヶ月連続の悪化で、前月から4.9ポイント増の58.2%。こちらも政権復帰後の最悪を更新しました。
わずか1ヶ月で4ポイント以上の悪化は、いうまでもなく、パーティ券に絡んだ裏金疑惑が原因でしょう。
政治資金疑惑を巡り、自民5派閥の説明が十分だと思うか尋ねたところ、「不十分だ」が86.0%に上り、「十分だ」は3.1%。「どちらとも言えない・分からない」は10.9%と8割以上が説明不十分だとしています。
当然ながら、自民の政党支持率も下落。前月比0.8ポイント減の18.3%と2ヶ月連続で2割を下回り、政権復帰後の最低を更新しました。
もっとも、他党の政党支持率は、立憲民主党が4.4%、日本維新の会が3.2%、公明党は2.8%、共産党1.9%、れいわ新選組1.5%%、国民民主党1.1%、参政党0.4%、社民党0.3%、みんなでつくる党はゼロ、「支持政党なし」は62.5%です。
ひところ勢いのあった維新の会も立憲に抜かれるなら勢いに陰りを見せていますけれども、大阪万博が重荷になっているという指摘もあります。
2.どんだけ面の皮厚いんだよ
12月14日、岸田総理は、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題で、安倍派の閣僚4人を事実上更迭、安倍派幹部の萩生田光一政調会長も政調会長の辞表を提出しました。
昨年秋、岸田内閣は、後援会の政治資金収支報告書への不適切な記載などが表面化した寺田稔総務相、旧統一教会との関係が問われた山際大志郎前経済再生相、法相の職務を不適切に発言した葉梨康弘前法相が辞任するなど、1ヶ月で3人の閣僚が事実上更迭された過去があります。
1割台に落ち込んだ内閣支持率について、ある記者は「時事通信の支持率は低めに出ると言われていますが、それでも支持率が2割を下回るのは、民主党政権が誕生する直前の09年の麻生内閣以来です。過去に支持率10%を下回った内閣は、消費税を導入した竹下登内閣と、水産高校の練習船が沈没した”えひめ丸事故”の報告を受けたのにゴルフを続けたとの報道を発端に、過去の度重なる失言も相まり支持率を急激に落とした森喜朗内閣のみ。あと1つでも何か起きれば、岸田内閣も1桁台が見えてくるかもしれません」とコメントしていますけれども、まだ、いやこれから本格化する捜査の中で、あと一つや二つ何か出て来てもおかしくありません。
更にこの記者は「閣僚の”辞任ドミノ”でも、3人の閣僚が辞任した第1次安倍内閣や、同じく3人の閣僚が辞任した麻生内閣らも、同じように相次ぐ閣僚辞任によって、政権を手放しています。閣僚の”辞任ドミノ”は体制を立て直す猶予がなくなり、崩壊につながるほどのダメージになります。今回の政治資金疑惑は岸田政権のみならず自民党にとっても大きな痛手であり、これからさらに支持率も大きく下落するでしょうが、岸田さんは今のところ辞める気配はありません」と述べています。
この記者によると、岸田総理に辞める気配はないとのことですけれども、SNSでは、《言葉選びも出来ない状態の岸田さん。辞めるしかないのに。なぜ、辞めないのか?教えて欲しい。自分だけかな?》、《岸田総理大臣に8人に1人がダメだ!と言ってるのに総理大臣を辞めないのは何故?》、《岸田の支持率なんて本当は一桁だろ?この支持率で辞めないとか、どんだけ面の皮厚いんだよ》、《まだこれでも総理大臣を辞めない岸田さんてすごいな…強いな。こういう空気読めない人がみんなを不幸にするのよな》、《これでもまだ辞めない岸田 歴史に汚名を残す気か》など呆れた声が上がっています。
3.政治資金の浄化は難しい
今回の裏金疑惑の問題点について、外交アナリストの河東哲夫氏は、政治資金の浄化一本やりは難しいとして次のように述べています。
日本では94年に小選挙区制が導入されて、選挙は候補者個人より政党を選ぶ色彩の強いものとなり、同年に政治資金規正法も改正されて、政党は国会での議席数に応じて政府から交付金を支給されることとなった。これで、個々の派閥、議員が資金集めに走って金権政治を招く弊害を除こうとしたのだ。自民党は今、年間約160億円もの活動費を国家から交付されている。野党第1党の立憲民主党は約68億円である。河東氏によれば、政治資金収支報告書を修正すれば起訴が難しくなることから、プロは「事件そのものより、悪質な裏金化が行われていたとされる安倍派の解体につながり、次期総裁選の見通しを流動化させるところまで行くのか」に注目しているというのですね。
これでは足りないのか、派閥や議員が資金集めのパーティーを開くのも、派閥が所属議員に配分するのもいいが、税金を払わず、収支報告書にも記載されていなかった、というのが今回の事件だ。
これは、税金を払い報告書を修正すれば、起訴は難しい。だから政治のプロにしてみれば、事件そのものより、悪質な裏金化が行われていたとされる安倍派の解体につながり、次期総裁選の見通しを流動化させるところまで行くのか、というのが注目点だ。
話を戻そう。政治資金はアメリカのように野放図に膨れ上がらないよう、そして政治を不健全、不透明なものにしないよう、ルールを定め、守らせることが肝心だ。ただ浄化一本やりも難しい。地元の冠婚葬祭で何もしない国会議員は、「付き合いの悪い人だ」と言ってはじかれてしまうから。
河東氏が指摘する安倍派の解体について、政治ジャーナリスト・田崎史郎氏は、今後の安倍派の動きについて「捜査終結までは大きな動きはないと予測しています。議員がどれくらい公民権停止になるかによって状況は変わってくる……1ヶ月以上も叩かれ続け、安倍派所属で選挙を戦う身となれば、安倍派にいることがマイナスに働く可能性がある。捜査の結果によっては、退会する議員も続出し、安倍派解体になる可能性もある」と指摘。
そして、岸田氏は国民の批判を受け止めたのと同時に、官房長官の定例会見を見て、あれだけ裏金問題に関する質問ばかりになると国政が停滞すると判断し疑惑のある議員を一掃することになったとその背景を語った上で、今後について「来年は衆院選があるといわれ、再来年には参院選、都議選も控えている。『岸田氏の下で衆院選は戦えない』という空気になってくるでしょう」と「岸田降ろし」の風が吹き始めると予想しています。
4.自ら岸田派を解体するべきだ
田崎氏は安倍派に所属することがマイナスになるなら、安倍派解体の可能性があると述べていますけれども、他の派閥でも、大なり小なり、政治資金収支報告書に不記載だったものがあることが明らかになった以上、捜査の進展状況によれば、派閥に属すること自体マイナスになることだって十分に考えられます。
となると俄然クローズアップされてくるのは無派閥の議員です。
自民党内でも、派閥に属していないどころか、献金も受けず、後援会もないという「完全無派閥」を掲げる青山繫晴参院議員は、『ABEMA Prime』に出演し、次のように岸田総理に苦言を呈しました。
・宮下前農水大臣は疑惑を否定していて、それが本当なのかをはっきりさせるべき。安倍派というだけで辞めさせて、そもそも岸田派はどうなのか?青山議員は自身の動画でも同様の主張をしているのですけれども、その憤りは物凄いのものです。
・総理は岸田派を自ら解体して、「派閥を廃止する。これがスタートだ」と言うのが先だ。安倍派というだけで辞めさせようとするから宮澤前防衛副大臣が暴露したり、政務官が「キックバックは1円もない」と言ったら一掃をやめたり、岸田さんに綺麗にする気があるとは全く思えない。
・自民党の現職議員として断言するが、ここ数日の動きは本当におかしい
・派閥や派閥が関わるお金、パーティーは全部やめて目に見えるようにしようと、今までと同じことをしていいという考え方をやめるべきだという問題提起がある
・護る会の結束もあって、海洋資源の開発が進んだり、ずいぶん政策が動いた。お金なんかを使わなくても現実にできているわけで、他の議員にできないはずがない
青山議員によると、今回、『ABEMA Prime』から出演のオファーが来たとき断る予定だったそうです。その理由は、「自由民主党の国会議員は必ず悪者だから、つるし上げて当然」という雰囲気になるからとのことでした。
ところが、出演予定だった他の著名政治家が急におやすみになったとのことで、「政治とカネを議論するそうなのに、当事者がいないのでは困るでしょう」と、止むを得ず出演したのだ、と自身のブログで語っています。
筆者は、派閥の役割もそろそろ終わったのではないかと思っているのですけれども、青山議員がいうように「派閥を廃止」するのであれば、逆になぜ、いままで派閥なるものが存在していたのか、そのメリット・デメリットを挙げ、しっかりその功罪を議論して結論を出していただきたいと思いますね。
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