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1.自民党の裏金から出せ
12月19日、先進7ヶ国(G7)財務相・中央銀行総裁オンライン会議が開かれました。議長を務めた鈴木俊一財務相は会議後、ウクライナを支援するため、日本政府として総額45億ドル(約6500億円)の追加支援を行う用意があると明らかにしました。
日本政府は2023年度補正予算や24年度予算からウクライナ支援の予算を捻出する考えとのことですけれども、ウクライナ戦線が膠着し、アメリカもウクライナ支援予算の年内可決を断念。欧米各国の「支援疲れ」が見えてくる中で、日本の支援は目立ちます。
SNS上では、《ここで日本も支援をやめたらロシアの思うつぼ》などと理解を示す投稿もある一方、《異次元の少子化対策の財源は見通しも立たず、これからというのに、なぜ、こういうのはあっという間に決まるのか》、《財源がないから消費増税、財源がないから年金支給開始年齢引き上げ。で、ポンと出てきた6500億円はどこにあったの?》、《国会できちんと議論したっけ。いつ誰が決めたの。6500億円あったら、少子化対策、物価高対策ができると思うけれど》と疑問の声が上がっています。
中には、《そんな余裕あんなら国民に還元しろよ》《ろ…6千せん億!?国民困窮してんのにふざけんなよ》《毎回毎回岸田政権はお金をすぐ海外にばらまくのやめたら?支援するのはいいけど先に自国民支援しろよ!》など、批判を込めた悲痛なコメントも多く投稿されています。
折しも自民党のパーティ券問題の最中の支援です。ネットでも《これもキックバックや裏金に脱税や中抜き…とかやってんじゃないの》《キックバックがバレて資金繰りに困った途端これ。どうせまたキックバックやら中抜きすんでしょ》と不信感たっぷりのコメントも多く、《支援はわかる。しかし6500億円?日本はいつから金持ち国になったんだろう。先日中学全給食の財源が足りないという記事を読んだばかりで、日本の子供をまず助けてよ》と、全然ジャパン・ファーストではない政策に批判が集まっています。
2.世論調査の数字の通りだ
世論調査でも支持率が下落を続けています。直近の各調査とも軒並み、2012年12月に自民党が政権復帰して以降の最低水準を記録。毎日新聞が16、17両日実施した全国世論調査では、岸田内閣の支持率が16%に下落したのに加え、自民党の政党支持率も17%に急落しています。
18日、岸田総理は、世論調査結果を受け「政策集団の政治資金に関して国民の疑念が広がっている。深刻に危機感を感じなければならない課題だ。信頼回復のために全力で取り組まなければならない」と語ったものの、具体策については「しかるべきタイミングで党として新たな枠組みを立ち上げるなどの対応をすることは重要だ」と何も話しませんでした。
低迷する支持率について、岸田派中堅は「減税策の不評などで元々の支持率が低かったところに、裏金問題が直撃して底が抜けた感じだ」とし、閣僚経験者は「東京地検特捜部の捜査が進展すれば、支持率は一桁になる可能性もある」とコメントしています。
若手議員は先週末に地元を回った実感として「世論調査の数字の通りの状況だ。政権復帰後で一番厳しい」と語っているところを見ると、逆風が吹きまくっている感じです。
これについて、明治大学の井田正道教授は「世論は閣僚交代では不十分とみている。岸田首相に指導力がないという見方が広がっている」と分析。「裏金問題で内閣だけでなく自民党の支持率も下落しており、反転は当面厳しいのではないか」と述べています。
3.全てが他人ごとの自由民主党
かくいう岸田総理自身にも批判の声が向けられています。
12月19日、政治資金パーティーをめぐる疑惑で、安倍派と二階派の事務所が東京地検特捜部から強制捜査を受けたその夜、岸田総理は、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで、母校の開成高出身の国会議員や官僚らでつくる「永霞会」の会合に参加。その後、東京・平河町にある中国料理店に移動して、地元広島県の県議会議長らと会食したと報じられ炎上しました。
X(旧ツイッター)上は「『政治資金パーティー自粛』を公言して間もないのに、てめぇはホテルニューオータニでのうのうと宴会ですか」「まるで全てが他人ごとの自由民主党」「え?脳みそパーティーピポーですね」などの書き込みで溢れ、立憲民主党の小沢一郎衆議院議員は、事務所名義のXで「強制捜査の夜に岸田総理『宴会』。もはや頭がどうかしている。しかも笑顔を振りまいている。安倍派と二階派をつぶせば、それで済むと思っている。この期に及んでも事態の深刻さを全く理解していない。選挙で、よほど巨大な鉄ついを下さないと、自民党はまた同じことを繰り返すだけ」と痛烈に批判しています。
18日に岸田総理は「国民の疑念が広がっている。深刻に危機感を感じなければならない」と自分の口でいっていて、翌日にこれですからね。批判されても仕方ないと思います。
4.頭おかしい
12月16日、弁護士の北村晴男氏が「安倍派による政治資金キックバックの裏金化 岸田首相の判断」というサムネイルで動画を配信しました。
北村氏は、「岸田首相は何をとち狂ったか、まともとは言えない判断をした。これはヤバいぞ、さらに支持率が下がると焦ったんでしょうね」と4閣僚5副大臣の辞任を促す報道が出たことを指摘。「これを見た時に、本当に岸田さんが考えたとすれば、完全に頭おかしいなと思いました……違法行為をしたなら処分はされるべきだが、筋違いな処分、更迭をするのはリーダーとして適性がない」と批判。政務官6人を自主判断に任せるとした点について「判断能力はゼロ。筋を通せない人間は、政治家をやるべきじゃない」と、切って捨てています。
そして更に、北村氏は、安倍晋三元総理が銃撃死したことを「残念に思っているかもしれないが、他方で安倍派の影響力をそぐことができる。安倍派の弱体化ができると勘違いして、統一教会と関係のある政治家はけしからんみたいな言動がありましたよね……そのとき私、ビックリしたんですね。頭おかしいんじゃないか、コイツ……宗教団体に顔を出したからけしからんってとんでもない話……頭おかしい」とボロクソに批判しています。
先述の小沢議員といい、北村弁護士といい、とうとう批判の言葉も「頭おかしい」にまでなっています。批判の言葉にしても異常なレベルに達しています。畢竟、国民のフラストレーションも相当溜まっていると思います。
5.時は戦国
では、その分、野党支持が高まっているのかというと、そうでもありません。
読売新聞社の全国世論調査では、立民の支持率は前回11月調査から横這いの5%、日本維新の会は前回調査から2ポイント減の5%にとどまり、自民支持率の28%と比べると5倍以上の開きがあります。
12月18日、立憲民主党の泉代表は読売新聞の取材に「期待の高まりは感じているが、すぐに支持率には反映されない。各党と協議を深めたい」と支持率が上がっていないことを認めています。
立民幹部は「有権者にとっては選択肢がない状況で、日本政治にとっては憂慮すべき事態だ」としていますけれども、与党を批判したら支持される、既存野党が批判の受け皿でいられた時代はもう終わったといってよいかと思います。なにせ「有権者にとって選択肢がない」と野党自身が、自分は選択肢ではないと認めているのですから何をかいわんや、です。
筆者は2019年8月26日のエントリー「N国党が扉を開けた下剋上の時代 ~日本の未来を俯瞰する~」で、日本で過去あった内戦を2009年から10年区切りで繰り返すのではないかと述べたことがあります。
それに従えば、今は、源平合戦後の戦国時代(2019~2028年)に当たります。
現代の源平合戦(2009~2018年)で行われたのは反日サヨクの一掃であったのに対し、現代の戦国(2019~2028年)は「下克上と既得権益の破壊」になると述べたのですけれども、2019年からの世の流れを見ると、これまで闇であったものがどんどん炙り出され、まさに「下克上と既得権益の破壊」が進んでいるように思います。
世論は岸田政権にノーを突き付けている訳ですけれども、筆者には、どこか岸田政権は、そうした闇や既得権益の存在を世に曝露する役目があるのではないかとさえ思えてきます。
もし、岸田政権がこれらを「無意識」でやっていたとしたら、凄い事ですけれども、問題が起こる度に、解決も判断もせずに、丸ごと切り捨ててしまうやり方では、北村弁護士ではないですけれども、世間から「頭おかしい」と見られてしまうことは避けられません。ただ、それと同時に、問題の所在が誰の目にも明らかになるという副次効果もあったりします。
こうしてみていくと、もはや与党であろうが野党であろうが、既得権益の沼に浸って自浄できないところは、2028年までに一掃されてしまっているのではないかと思いますね。
この記事へのコメント
HY
岸田首相はどこまでも凡庸で平時での政局を得意とする政治家です。その心情は「安定」であり大きな動きには冷静に行動できない傾向があります。その一例としてウクライナ戦争や安部元首相暗殺時にはショックを受けたようにウクライナ全面支持を唱えたり、元首相の国葬を決行したりと、温厚な見た目に合わない動きをしました(個人的には良い動きと思いますが)。またG7で体面を保つためにLGBT法を通したり、韓国をホワイト国へ戻したりと保守派の反発を気にしない行動もとります(本人としてはバランスをとっているつもりでしょう)。今回の安部派粛清も大きな動きに対する場当たり的な行動であり、戦略的な動きとは考えられません。
野党の支持が伸びないのは「批判の受け皿」という利権に浸かりすぎた弊害です。またテレビ利権ともつながっていたために、情報化社会ではブーメランを連発して国民の信用を失っております。ジャニーズ事務所や宝塚の件も、積年の腐った部分が明るみになった動きの一つと言えるでしょう。とある経済系ブロガーはこれを利権の自壊と呼んでおります。自民の派閥裏金だけではない、あらゆるところの利権が時代の流れとともに崩れ始めているのです。
度々繰り返して申し上げていることですが、岸田文雄氏の歴史的使命は「古い戦後日本政治の限界を露呈させてそれと運命を共にする」ことであると私は踏んでおります。本人にはそのつもりがないのがポイントです。徳川慶喜が大政奉還を決めるも徳川の時代を終わらせるつもりがなかったのと同じです。