トランプの圧倒的な勝利はライバル達にとって何を意味するか

今日はこの話題です。
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1.アイオワ予備選でトランプ圧勝


1月15日、今年秋のアメリカ大統領選挙に向け、野党・共和党は、中西部アイオワ州の党員集会で予備選挙を実施し、トランプ前大統領が他の候補者に大差をつけて勝利しました。

各候補者が獲得した選挙人は次の通りです。
ドナルド・トランプ :獲得数20人
ロン・デサンティス :獲得数8人
ニッキー・ヘイリー :獲得数7人
ビベック・ラマスワミ:獲得数3人(撤退)
なんと半数以上がトランプ氏支持と圧勝です。

トランプ氏は支持者らを前に演説し「今夜は最初の特別な夜だ。本当の特別な夜は11月、この国を取り戻し、この国を再び偉大な国にするときだ」と11月の大統領選挙で勝利することに強い意欲を示しました。

トランプ氏は、4つの刑事事件で起訴されているほか、立候補資格をめぐっても各地で訴えが起こされており、選挙戦と裁判が並行して行われる異例の展開となっていますが、事前の世論調査どおりの勢いを示した形です。

候補者選びの初戦となるアイオワ州の結果はその後の候補者選びの行方に大きな影響を与えるとされているのですけれども、共和党候補者選びの第2戦となる東部ニューハンプシャー州の予備選挙は今月23日に行われることになっています。

世論調査によると、ニューハンプシャー州でトランプ氏は、ヘイリー氏から徐々に差を縮められているものの依然として優位な状況で、初戦の勝利を追い風にどこまで強さを示せるのか注目されています。


2.強気のニッキーヘイリー


トランプ前大統領の勝利に、トランプ支持者の女性は「結果に満足している。トランプ氏が大統領のときは、ガソリン価格は下がり、給料は上がって暮らしが豊かになった。彼は私たちを再び豊かにしてくれると信じている。次のニューハンプシャー州の予備選挙では、人々がトランプ氏を待ち望んでいたことが分かるだろう」と述べ、別の男性は「私の地区では50%以上がトランプ氏に投票した。今夜は最終的な勝利に向けた大きな一歩だ。アメリカは、インフレや国境の問題、薬物や犯罪など、多くの問題を抱えている。トランプ氏はこうした問題を解決し、この国を良くするために必要な措置をとってきた。私はきのう、トランプ氏と一緒にいたが彼の鋭い知性、集中力、行動力に感銘を受けた。彼こそが答えを持っている」と語りました。

一方、破れたフロリダ州知事のロン・デサンティス氏は「人々はこの国の未来に希望を持ちたい。われわれこそが、その希望を象徴している。この国の衰退を逆転させ、自由と健全さを取り戻すことができる。私はこの国のために仕事をする。あなたたちを落胆させないことを約束する」と述べました。

同じく、ニッキー・ヘイリー元国連大使は、「次のニューハンプシャーやサウスカロライナなどでの私たちの動きをみてほしい。今夜、共和党の候補者選びは2人に絞られると断言できる……トランプもバイデンも国の未来に対する展望がない。アメリカにはもっといい人がいるはずだ。私たちの選挙戦はトランプとバイデンの悪夢をとめる最後の希望だ」と強気の姿勢を見せています。

また、4位に沈んだ起業家のビベック・ラマスワミ氏は選挙戦から撤退すると表明しました。ラマスワミ氏は、トランプ前大統領が掲げる「アメリカ第一主義」をさらに推進することなどを訴え、去年夏ごろには党内の支持率で、一時、3番手に浮上するなど注目を集めたのですけれども、その後、支持が伸び悩み、今回の結果となりました。

ラマスワミ氏は「私が次期大統領になる道はない」と述べ、今後トランプ氏を全面的に支持すると表明していますから、トランプ氏の共和党候補指名は益々強固なものになると思われます。


3.大勢はスーパーチューズデーで決まる


アメリカの大統領選は、2大政党の民主党と共和党がそれぞれの指名候補を各州の「予備選」と「党員集会」で選んだ後、両党候補が対決する「本選挙」となる長丁場の戦いです。

各党が全米で指名候補を絞り込む過程には、有権者が投票所で個別に票を投じる予備選、一堂に会した支持者が挙手などで勝敗を決める党員集会がありますけれども、予備選か党員集会かの選択、党員集会の実施方法は、それぞれの州や地域に任されています。

民主、共和両党の指名候補は、7~8月に行われる党大会で正式に決まります。1月中旬から順次行われる予備選・党員集会は、党大会に出席する「代議員」を選ぶ手続きで、州や地域ごとに代議員の数が割り当てられており、代議員の獲得数が最も多かった候補が党の正式指名を得ます。

共和党と民主党の予備選の日付と州・地域は次の通りです。

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予備選と党員集会が多くの州で集中する日は「スーパーチューズデー」と呼ばれていますけれども、今回は3月5日になります。

このあたりで勝算がないと判断した候補は選挙戦から撤退するのが通例で、ある候補が過半数の代議員を獲得するか、その見通しが強まった段階で勝利宣言を行い、指名候補が事実上決まります。

その後、予備選・党員集会を勝ち抜いた民主、共和両党の指名候補による争いとなるのが本選挙です。一般有権者の投票日は、連邦法で「11月第1月曜日の次の火曜日」と定められていて、今年は11月5日に投票が行われます。

米大統領選は、正式には有権者が候補に直接投票するのではなく、大統領に投票する「選挙人」を選ぶ間接選挙です。候補は全米50州と首都ワシントンに割り振られた計538人の選挙人の数を競います。過半数の270人以上を得た候補が大統領に選出されます。

各州の選挙人の数は、上院議員2人と人口に基づいて配分される下院議員の数の合計で、2020年大統領選からは13州で選挙人数が変更されました。最も多いのがカリフォルニア州の54人で、テキサス州の40人、フロリダ州の30人が続きます。最少はアラスカ、デラウェアなど6州と首都ワシントンの3人です。

48州と首都ワシントンでは、「勝者総取り」方式が採用されています。相手より1票でも多く票を得れば、すべての選挙人を獲得できるため、選挙人の数が多い州で勝利することが重要になっています。

ただし、例外として、ネブラスカ州(選挙人5人)とメーン州(選挙人4人)があります。この2州では、州全体の最多得票候補が選挙人2人を獲得し、下院の選挙区ごとにも票を数え、それぞれ最多得票の候補が選挙人1人ずつを得る方式です。

本選挙のスケジュールは次の通りです。
日付 イベント名 州・地域
7月15日~18日 共和党全国大会 候補者指名 ウィスコンシン州ミルウォーキー
8月19日~22日 民主党全国大会 候補者指名 イリノイ州シカゴ
9月16日 大統領候補討論会 テキサス州サンマルコス
9月25日 副大統領候補討論会 ペンシルベニア州イーストン
10月1日 大統領候補討論会 バージニア州ピーターズバーグ
10月9日 大統領候補討論会 ユタ州ソルトレークシティー
11月5日 大統領選挙
12月17日 大統領選挙人投票



4.トランプの圧倒的な勝利はライバル達にとって何を意味するか


アイオワ州でのトランプ氏の圧勝を受け、BBCは「トランプ氏の圧倒的な勝利はライバルたちにとって何を意味するか」という記事を掲載しています。

その概要は次の通りです。
〇おそらくこれはアイオワ州党員集会の歴史の中で最も驚くべき勝利ではなかった。
・トランプ氏の主なライバル、ニッキー・ヘイリー氏もロン・デサンティス氏も有力な挑戦者には浮上せず、非トランプ票は依然として分裂したままだ。一方、イデオロギー的に最も似たライバルであるヴィベク・ラマスワミ氏は辞任を発表し、火曜日にニューハンプシャー州でトランプ氏を支持する予定だ。

〇ここはまだドナルド・トランプの党だ
・BBCの米国パートナーであるCBSニュースによると、共和党の党員集会参加者の約半数は、トランプ大統領の「Make America Great Again」運動の一員だと考えているという。
・アイオワ州の党員集会参加者の大多数はCBSに対し、トランプ氏が2020年大統領選挙の実際の勝者であると信じていると語った。トランプ支持者の間ではこの数字は90%に増加した。

〇トランプ勝利は驚くべき好転だ
・共和党内でのトランプ氏の支配的な地位には反論の余地がないが、現代アメリカ政治というより大きな文脈において、ここでのトランプ氏の勝利は並外れたものだ。
・3年前、彼は論争の雲の中で最初の大統領任期を終え、民主党ジョー・バイデンに対する敗北に異議を唱える彼のキャンペーンは、1月6日の連邦議会議事堂暴動で最高潮に達した。彼はこれらの行為に起因する2つの刑事裁判に直面している。
・トランプ氏が共和党の旗手になるためにはまだやるべきことが残っている。同氏は来週、ニューハンプシャー州でヘイリー氏からのさらに手ごわい挑戦に直面することになるが、世論調査によると、かつては圧倒的だった同氏の差は一桁近くまで縮まっている。しかし、彼は依然として選挙戦での圧倒的な本命であり、最初のテストで実際の共和党有権者によって支持された。

〇アイオワ州から明確なライバルは現れなかった
・月曜日のアイオワ州党員集会に入り、選挙の陰謀のほとんどはどの候補者がトランプ氏に次ぐ2位になるかに関係していた。最終的に、デサンティス氏が準優勝を勝ち取った。
・しかし、フロリダ州知事がアイオワ州に多大な時間と資源を投資したにもかかわらず、僅差でヘイリー氏を上回ったことを考えると、これは大した成果ではない。
・この結果と、選挙活動を進めるというデサンティス氏の誓約は、今後数日間にトランプ氏との一対一の対決を設定するような明確な結果をもたらすことはないだろう。
・世論調査では、同氏の支持者がトランプ氏を第二候補に挙げていることが示されており、脱落した唯一の候補者であるラマスワミ氏は、前大統領の候補者をさらに空けることになる。アイオワ州では同氏の支持率は約8%に過ぎなかったが、あらゆる支持が重要であり、ラマスワミ氏の支持はトランプ氏にニューハンプシャー州への押し上げに向けた新たな見出しをもたらすことになるだろう。
・アイオワ州の結果を受けて、元大統領はバイデン大統領にさらに火を集中させることになるが、これは月曜日の夜の勝利演説で熱心に表明したことだ。一方、民主党はこの対決と、トランプ氏の弱点を突く機会を歓迎しているようだ。
・しかし、アイオワ州で始まる一連の圧倒的な勝利は、元大統領に勢いを与え、勝者の雰囲気を与えるだろう。秋の総選挙が始まる頃には、トランプ氏は彼らの予想、あるいは期待していた以上に手ごわい敵であることが判明するかもしれない。
もう共和党候補はトランプで決まりだといわんばかりです。要するにそれくらいに圧勝だったということでしょう。


5.反トランプ勢力の逆襲


ただ、今回の結果について、国際政治ユーチューバ―の及川幸久氏は自身のXで次のように述べています。
- アイオワで12%以上の差をつけて勝利した共和党候補はいない。トランプは30%差。
- デサンティス、ヘイリー、民主党にとって破滅的な結果
- メディアは自分たちのプロパガンダが機能しなかったことを知って、パニック
- イスラエル・ロビーがヘイリー支持。
- 万一トランプが裁判で本選に出れない場合、ヘイリーが2番手で繰り上がる可能性も
及川氏は、イスラエルロビーを初めとする反トランプ勢力は、トランプ氏を大統領選挙本選に出馬できなくなるよう仕掛けてくるのではないかと指摘しています。

確かにトランプ氏は、現在、「大統領選挙手続き妨害」、「機密文書を自宅で不正保管」、「ジョージア州の選挙結果を覆そうと州政府に圧力」、「不倫の口止め料支払い巡るビジネス記録改竄」の4つの刑事裁判を抱え、民事裁判も3つ抱えています。

「ニューヨーク・タイムズ」紙とシエナ大学は、昨年12月に実施した世論調査で「トランプ氏が予備選で最多得票の場合、有罪になっても候補者であるべきか」について共和党予備選の投票予定者に聞いているのですけれども、その結果、「候補者であるべき」が62%と「候補者であるべきでない」の32%を大きく上回りました。

この回答結果を学歴別に見ると、「候補者であるべき」は大卒未満に多い(70%)一方、大卒以上では、この回答が45%にとどまりました。

ただ、それとは少しだけ傾向の異なる州もあるようです。

昨年12月、CBSニュースはニューハンプシャーとアイオワ州で世論調査を行い「共和党予備選が今日だったら、誰に投票していたか」を問うたところ、ニューハンプシャー州では、トランプ氏が首位(44%)だったものの、ヘイリー氏が2位(29%)と善戦。3位のデサンティス・フロリダ州知事(11%)を大きく上回りました。

また、アイオワ州でも、トランプ氏の首位(58%)は同じであるものの、ヘイリー氏は13%とデサンティス氏の22%に後れを取りました。

この両州で、結果に差異が出た理由について、CBSニュースは、回答者の属性に注目。ニューハンプシャー州では、MAGAを自認する有権者の割合がアイオワ州より小さく、人工妊娠中絶への認識も対照的だった点を挙げています。

それによると、ニューハンプシャー州では中道派有権者がより多く、それがヘイリー氏支持に追い風になったというのですね。

一方、ニューハンプシャー州で同時期に実施したセント・アンセルム大学の世論調査では、「共和党予備選で誰に投票するか」という問いに対し、ヘイリー氏の回答が30%と、9月時点での同じ調査の15%から倍増しています。

ただ、昨年12月にニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事がヘイリー氏支持を表明したこともあり、それが影響したのではないかという見方もあるようです。

更に、アメリカの富豪のチャールズ・コーク氏率いる保守系政治団体「繁栄のための米国民(AFP)アクション」も昨年11月28日にヘイリー氏支持を表明。これを受け、金融大手JPモルガン・チェースの会長兼最高経営責任者のジェイミー・ダイモン氏やホーム・デポの共同創始者のケン・ランゴーン氏が支持を表明するなど実業界からヘイリー氏を支持する声が上がるようになっています。

これは、ヘイリー氏陣営に莫大な選挙資金の援助が行われることを意味します。

普通にいけばトランプ氏が共和党の大統領候補になると思いますけれども、反トランプ陣営が結集してヘイリー氏を支持することで、一波乱あるかもしれませんね。

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この記事へのコメント

  • 金 国鎮

    誰が何を言おうとアメリカ市民の多くがトランプを支持している。
    であれば彼が大統領になる。
    驚きなのはこの時点になっても多くの日本人はアメリカ人に何の関心も持っていない。
    これは戦後70年続いてきたが多くの日本人は訳知り顔にアメリカを開設する日本の
    メディア関係者を信用している。
    ロシアについてはさらに深刻だ。
    この先日本に何が起こっても驚かない。
    2024年01月18日 11:34