回復しない内閣支持率と処分を求める世論

今日はこの話題です。
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1.回復しない内閣支持率


2月3~4日、JNNが全国18歳以上の男女2572人を対象に世論調査を行いました。有効回答は1220人(47.4%)。

その結果、内閣支持率は岸田内閣発足後、過去最低だった先月の調査から、さらに3.4ポイント下落し23.7%となり、不支持率も先月の調査から3.8ポイント上昇し、74.2%で過去最高となりました。

また、政党支持率では、自民党の支持が前月の調査から4.7ポイント下落し、24.4%、日本維新の会は0.4ポイント上昇し、5.2%、立憲民主党は0.5ポイント下落し、5.0%でした。

同じ3~4日にかけて、共同通信も世論調査を行ったのですけれども、内閣支持率は24.5%と、前回調査の27.3%を2.8ポイント下回り、岸田内閣としては昨年12月調査の22.3%に次ぐ最低水準となりました。不支持率は前回調査より1.4ポイント増えて58.9%となっています。


2.安倍派幹部処分を求める世論


世論、先日の裏金問題に厳しい目を向けていて、JNNの世論調査では、自民党が安倍派の幹部らに対し、離党勧告などの「処分をすべき」だと答えた人が65%と「処分すべきではない」の18%を大幅に引き離しています。また、自民党支持者でも、「処分すべき」は47%、「処分すべきではない」は30%とこちらも処分すべきが優勢となっています。

更に、共同通信の世論調査でも、裏金を受け取った議員がその使い道について「説明する必要がある」との回答が84.9%に上り、政治団体の会計責任者が政治資金規正法違反で有罪になれば、関係が深い議員に連帯責任を負わせる連座制を「導入するべきだ」は76.5%。政党が党幹部に渡し、使途が公開されない「政策活動費」について、使途公開が「必要だ」は89.3%ですから、説明責任を含め、裏金問題の責任を取っていないと見られていることが分かります。

また、先月26~28日に日本経済新聞社とテレビ東京行った世論調査でも、自民党が安倍派の幹部に離党勧告など「処分をすべきだと思う」が7割を超える結果となっています。


3.評価されない中間とりまとめ


1月25日、自民党の政治刷新本部が国民の信頼回復に向けての「中間とりまとめ」を発表していますけれども、共同通信の調査では、「中間とりまとめ」によって自民が「信頼回復できる」が9.7%だったのに対し、「信頼回復できない」は87.0%と、まったく期待されていません。

同じ調査は先月27~28日に毎日新聞も行っているのですけれども、「評価しない」が55%で、「評価する」のダブルスコアで上回りました。

中間取りまとめには、派閥全廃は盛り込まれず、派閥は「政策集団」として存続することを容認。カネと人事を切り離すとして、政治資金パーティーや盆暮れに配る「氷代」「餅代」を禁じ、閣僚人事などの推薦・働きかけを禁止。党規約を厳格化し、議員や会計責任者が立件された場合は処分するとしていますけれども、規正法改正についての具体的な言及はありません。

その中間とりまとめについても、会見するのしないので二転三転するなどバタバタぶりが目立っています。


4.ガタガタの自民党


自民党がバタバタしているのは政治刷新本部の会見だけではありません。

1月25日、安倍派幹部に対し、自民執行部が裏金問題の責任をとって離党や議員辞職を求めたと報じられていましたけれども、今やそれも沈静化しています。

この「自民執行部」とは茂木幹事長のことらしいのですけれども、茂木幹事長が議員辞職を求めたことついて岸田総理も把握していなかったとのことです。つまり、安倍派幹部が離党や議員辞職をせざるを得なくなるように茂木幹事長が図った訳です。

けれども、これが波紋を呼びました。

1月25日、茂木派に所属していた小渕優子選対委員長が、茂木派からの離脱を表明。自民党の政治刷新本部で出た「党幹部が派閥を離脱すべきだ」との意見を「重く受け止めた」とその理由を明かしました。そして、その日のうちに、「参院のドン」として知られた青木幹雄元官房長官の長男である青木一彦氏の退会の意向も報じられました。

更に小渕氏、青木氏に続いて関口昌一・参院議員会長ら参院幹部3人や古川禎久元法相らも相次いで退会を表明。1月30日の茂木派の意見交換会では、派閥として解散することは確認されたそうで、ガタガタになっています。

茂木派はかつて、小渕氏の父・恵三氏が率いた派閥『平成研究会』が母体となっており、小渕氏は派閥の『本流』である一方、日本新党を経て自民党に入った茂木氏は『傍流』に当たります。小渕氏は、恵三氏らこれまでの平成研が大切にしてきた沖縄振興政策に関心を示さない茂木氏に不満を抱いていたそうで、小渕氏と同じく退会の意向を示した青木氏も、父・幹雄氏が小渕内閣で官房長官を務めた経緯もあって小渕氏に近く、茂木氏とは距離があるとされています。

この状況に、ある茂木派関係者は、「茂木派は歴史的に参院議員の力が強く、参院茂木派は『鉄の結束』と言われてきたが、多くの議員が退会を表明した参院幹部にすぐについて行くという状況でもない。かといって、人望のない茂木氏を積極的に支えたいというわけでもない。茂木派に残ったほうがいいのか、小渕氏について行ったほうがいいのか、みな様子見の状況だ」とのことのようです。

まぁ、小渕優子氏は例のドリル事件が今だ尾を引いていますからね。動きづらいであろうことはわかります。

一方、西村康稔・前経産相、萩生田光一・前党政調会長、高木毅・前党国対委員長、松野博一・前官房長官、世耕弘成・前党参院幹事長の安倍派幹部「5人衆」に、茂木幹事長が離党や議員辞職を求めたことに対し、森元首相が激怒したと伝えられています。

1月25日、森元首相は麻生副総裁を訪ね、茂木幹事長とも会談しました。形勢が悪くなった茂木幹事長は、森元首相に平謝りしたそうです。茂木幹事長を抑えた森元首相は、翌26日には、安倍派の塩屋座長に会って「今後のこともあるので5人衆を何とか助けてやってくれないか」と、塩屋氏にハラを切ってくれるよう依頼したとも伝えられています。

もっとも、塩屋氏はこれに反発。1月28日地元・静岡県で会見し、「誰かが辞めて幕引きするような状況ではない」と、議員辞職や離党を否定しています。

けれども、世論は安倍派幹部に処分を求め、政治刷新本部の「中間とりまとめ」では、党の信頼は回復しないと厳しい目を向けています。岸田総理にとっては、派閥解消というカードを切ってみせたのに、内閣支持率は上向かず、期待外れとなっています。

果たして、岸田総理は次のカードを切れるのか、それ以前に切れるカードがあるのか。かなり煮詰まってきました。




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この記事へのコメント

  • 簑島

    もうこの件は出てくるたびに過去に何度もやってきたけれど、やってもやっても、議員の焼け太りになってしまったからね。

    信じる方がおかしい。
    2024年02月06日 10:46