自業自得の従北思想者と変わりゆく半島

今日はこの話題です。
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1.駅


2月20日、北朝鮮の首都平壌を走る地下鉄の「統一」駅の名前から統一が削除され、単なる「駅」とのみ表示されていることが在北朝鮮ロシア大使館の職員らが、視察として地下鉄に乗車し、路線図を示す車両内のモニターを写真をフェイスブックに投稿したことで明らかになりました。

これは、1月に金正恩総書記が韓国との平和統一を放棄する政策転換を表明したことを受けた措置とみられ、同様の動きは韓国向け宣伝サイトの内容や国歌の歌詞変更などにも及んでいるそうです。

ここまで徹底しているところを見る限り、北朝鮮は本気で統一を諦めたようです。

これについて、北朝鮮の統一放棄について、拓殖大学海外事情研究所教授の荒木和博氏は自身の動画で次のように述べています。
・北朝鮮が統一を放棄した。朝鮮半島問題やってる人間みんな共通の驚きでした
・現実をみれば、統一するのであれば、逆に分断を一旦固定化して。韓国は北朝鮮を認める北朝鮮は韓国を認めるという風にし
て、その上で交流を深めていくしかない
・けれども、北朝鮮が統一を放棄できる可能性は0。韓国も統一を放棄することは極めて難しい。やっぱり統一できないというのがこれまでの結論だった。
・北朝鮮は、その0%やると宣言した。しかしそれは、南と交流するという意味ではなく、南との交流を遮断するという意味。
・これは大変なこと。何故かと言えば、統一をするからといって、国民に我慢させてきたから。
・南朝鮮の人民は、アメリカ帝国主義の植民地になって、飢えて苦しんでるから解放して統一するというのがこれまでの理屈
・北朝鮮はそれがあるからあの体制が維持できてきた
・しかしそうやってるうちにどんどんどんどん南から侵食されてきた
・なおかつ、韓国で左翼政権ができちゃったことが北にとってある意味ショックだった
・韓国で左翼政権ができると、あいつら敵だって言えないわけです。
・韓国人で統一したいと思ってる人はほとんどいない。自分たちの生活を削ってまでですね統一しようと思ってる人ってほとんどいない
・片方で統一しないという一般的な国民の意識で、北朝鮮べったりの政権ができると、ともかくなんとかして南北交流しようということをやってくる
・これは北朝鮮にとって、ゾンビが追っかけてくるような恐怖感を感じさせた。
・韓国から南北交流のため、山ほどいろんなものを送る一方、韓流の文化やドラマとか歌とかいろんなもんが山ほど入ってくる
・北朝鮮は、これはダメだということで、韓国は別の国だっていう言葉で遮断しようという意図だろう。
・一旦、遮断してしまうと、その間の紛争というのはもう完全に国際紛争ということになる。
・したがって、これまでのように北朝鮮と同じ民族内部の問題だという言い方ができなくなる
・これは北朝鮮にとっては大変なこと。おそらく日本の中の朝鮮総連や韓国の新北勢力も大変な騒ぎになっているのではないか。
・ひょっとしたら統一ってできるようになるんじゃないか。そういう風に方向に向かってく可能性も十分にあると起動修正する。
荒木氏は、北朝鮮が統一を諦めたのは、韓国からの西側文化などの浸食を避けるための遮断政策であり、いったん、国と国の関係にすることで、最終的には統一の方向に向かうのではないかと述べています。




2.自業自得の従北思想者


荒木氏は北朝鮮の統一放棄宣言によって、日本の朝鮮総連や韓国の新北勢力は梯子を外された形となり、大変な騒ぎになっているはずだと述べていますけれども、これについて、在韓国コンサルタントの豊璋氏は現代ビジネスでの連載記事で次のように述べています。
これまで韓国の従北思想者たちが活動してきたのは、大義名分としての「平和的統一」があってこそだ。しかし、その「平和的統一」を北朝鮮が否定してきたのだから、活動の土台が壊されたに等しい。

じつは韓国左派思想者の多くはこの「平和的統一」という大義名分を最大限利用し、国民の理解を得ては私腹を肥やしてきたという実情もある。そして、北朝鮮もそうした人物たちが北朝鮮を「利用」して私腹をこやしていることを十分に理解していた。

一方で、そうした人たちからの「見返り」もないことに気づき始めた北朝鮮は、ここ数年、だんだんと我慢がならなくなってきたという事情もある。実際、金正恩氏は「北朝鮮大好き」のアピールを隠さない文在寅元韓国大統領に対して、まったく見向きもしなくなっていた。

そして、そのピークが訪れたのだろう。金正恩氏は韓国を「第一敵対国」と明言し、有事の際は核武力によって武力統一をする準備の指示まで出したわけだ。

言うなれば、従北思想者たちの“自業自得”ともいえる結果なのだ。

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金正恩総書記が韓国を「敵」だと明言し、年始になると砲撃を開始。その「韓国離れ」ぶりはエスカレートするばかりだが、そうした動きにつれて私のところにも先輩、後輩から連絡がたくさん入ってきた。

先輩や後輩は、「組織はどうするんやろな?組織改革できるのか」という話が多いが、実際に組織から何かしらアナウンスはいまのところないという。

私の実家は亡くなった祖父が中央の幹部で、父親が民団の幹部だったが、いまは親戚が引き継いで組織の幹部をしている。今回の金正恩の発言が気になり、怒られることを百も承知で組織幹部をしている親戚に連絡をしてみたところ、開口一番「アホか! わかってて電話するな」と案の定、怒られた。

それでも話を聞いてみるとやはりあまりの出来事に、少なくない人たちは戸惑っているという。その後、親戚の所属する組織では、北朝鮮からもこれといった書簡も連絡もなく、また幹部同士もこの話題には触れない様に「変な自粛」をしているとも言っていた。

その数日後には、先輩から紹介されたという組織支部の人からも連絡が来た。

連絡をくれた人も対応に困り、中央からの指示待ちだが、「今回ばかりはまいった」と話す。

自分たちがして来た活動が「一瞬でリセットされた」というのだ。この人も今後、いままで叫んできた「祖国統一」「一つの民族」はもちろん何も言えなくなるだろうと、電話口でも遠い目をしているのが見えるように語っていたのが印象的だった。

これからいった何が起きるのかは、まだまだ見通せない。しかし、「祖国統一」「一つの民族」を放棄した北朝鮮を支持することに「何の意味があるのだろうか」と考え始めている北朝鮮関係者たちは少なくないだろう。

さらに、韓国の「従北思想者」たちは、これまで私利私欲で「北朝鮮利用」してきたことが見透かされ始めている。

北朝鮮に暮らす普通の人たちの幸せのために、いま国際社会はなにができるのか。金正恩の好き放題を許してしまえば、多くの人が不幸に陥れられることは目に見えている。同時に、東アジアに余計な緊張を生み出すリスクも大きくなっている。2024年が「北朝鮮問題」は複雑さを増し、また、重要度を増してきたことは言うまでもない。

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このように、韓国の「従北思想者」たちは、自身の拠り所を失った上に、利権を貪っていたことが韓国国民にもバレ始めているというのですね。


3.トランプとのディール


北朝鮮の統一放棄への政策転換について、韓国紙・東亜日報は1月19日付の記事「『非核化のための核保有』を米国に要求しなければならないのであれば」で次のように述べています。
【前略】

正恩氏のすべての言動は、トランプ氏に合わせられている。正恩氏は、米大統領選まで挑発の強度を高めるだろう。それは、トランプ氏との出来レースのように行われるだろう。北朝鮮の対米脅威が現実のものになりつつあると米国人に感じさせるのが正恩氏の狙いだ。トランプ氏は、「見ろ、バイデンの失策のせいで状況が混乱している。米国はさらに危険になっている。私が政権を握れば、正恩氏とうまく話をする」と主張するだろう。

正恩氏は11月頃になれば、「本当に大変なことになった。トランプが大統領にならないと、ワシントンやニューヨークが攻撃されるかもしれない」という米国人の不安を刺激する大きな挑発に出る可能性が高い。米国が本当に恐れるゲームチェンジャーは、戦略原子力潜水艦の開発だ。正恩氏は、数ヵ月海中で移動した原子力潜水艦が突然、米国沖で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射する技術を開発中だと言える。この技術をロシアが北朝鮮に伝授する可能性があるため、米国が朝ロ軍事協力を極度に警戒しているのだ。

トランプ政権が現実化すれば、トランプ氏は「北朝鮮の核保有を認め、米本土攻撃は阻止しよう」という世論を正恩氏との交渉の大義名分にするだろう。正恩氏は、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)、SLBMは放棄するから、戦術核兵器は認めてほしい」と核軍縮交渉を要求するだろう。取引がうまくいけば、米朝関係の正常化、制裁解除が可能になるだろう。そうなれば、トランプ氏が政権時代に何度も話していた在韓米軍の撤退が問題になるだろう。

韓国はどうすべきか。ビジネスマンであるトランプ氏に懇願してもうまくいかない。韓米同盟を信じられないなら、トランプ氏が韓国と取引するしかない状況を作るべきだというのがユ氏の考えだ。「北朝鮮の核を容認すれば、韓国も核武装するしかない。一時的にでも核を持ってこそ、核のバランスが取れ、そうすれば北朝鮮と核廃棄交渉ができる」と言わなければならないということだ。韓国の核保有が日本や台湾の核ドミノにつながる可能性があるという米国の懸念を利用して、トランプ氏に迫るべきだというのだ。「米国が北朝鮮と接近することで、韓国が中国につくかもしれない」という懸念が生じるように中国との関係も利用するほど大胆でなければならないと、ユ氏は話す。

【後略】
このように、金正恩委員長がトランプ氏に対し、経済制裁の解除を条件に核開発を凍結するという「直接取引」を行おうとするのなら、韓国も核保有するとトランプ氏に迫るべきだと述べています。


4.変わりゆく半島


金正恩委員長の動きについて、北朝鮮政治に詳しい慶応義塾大学の礒﨑敦仁教授は「一民族、一国家、二制度、二政府」を目指す『高麗民主連邦共和国』方案以来の対南政策の大転換である」と分析した上で、「2018年から2019年にかけての対話攻勢で正恩氏が得た教訓の1つは、南北関係をいかに進展させても、米朝関係で成果を出さない限りは実利を得がたいというものであった。11月のアメリカ大統領選でトランプ氏が再選し、北朝鮮に大きな歩み寄りの姿勢を示す場合には北朝鮮がアメリカとの軍縮交渉に臨む可能性も出てくるが、今回の一連の措置から、韓国の頭越しに進めることになる」と今後、米朝協議が行われるとしても、韓国は外されると分析しています。

1月15日、アメリカ共和党アイオワ党員集会で過半数の得票率で圧勝したトランプ氏は、党員集会前日の遊説で「金総書記は賢くてタフだ。私が仲良くしていたからアメリカが安全だった」と話していますけれども、先述の礒﨑教授も「これまでの発言からも、トランプ氏が(ノーベル平和賞欲しさに)北朝鮮問題に手を出す可能性はあると思う。ただ、北朝鮮側としては再び決裂することは避けたいだろうから、次はアメリカが譲歩する番だとの立場に変わりはないだろう」と、トランプ氏自身が北朝鮮問題に関与する可能性があると指摘しています。

磯崎教授は「正恩氏は、自国経済が疲弊した状況にあることを率直に認めるが、主な原因を経済制裁や新型感染症といった外部要因に求めている。『人民大衆第一主義』を掲げて、幹部たちに対して責任感が足りないと叱責することも多い」とし、「トランプ氏であれ誰であれ、アメリカの新大統領が北朝鮮に大きく譲歩するならば、米朝交渉が再開されるかもしれない」と述べていますけれども、戦術核保有のみ経済制裁解除を得ることができたなら、次には経済支援を求めてくることは確実です。

この文脈で考えるならば、北朝鮮がアメリカのみならず、韓国の後背に位置する日本との関係を改善することは、経済援助だけでなく安全保障面でも助けになります。

半島の安全保障は大きく変わることになるかもしれないことを日本政府は認識して、今から準備を進めておくべきではないかと思いますね。



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この記事へのコメント

  • 金 国鎮

    朝鮮民族は朝鮮半島だけではなくて中国東北・ロシア・日本にもいるがそれを知っている人は
    朝鮮半島にはあまりいなくなってしまった。
    北の金日成一族はどうでもいい。
    北の朝鮮同胞がどこに向かうかが問題であり、それ以外はどうでもいい話である。
    北では北の人民軍の動きであり、南では産軍共同体が問題の核である。

    南では産軍共同体は多くの雇用を生み出す勢力になってきた。
    彼らが南の主要な政治勢力である。
    何よりも彼らが韓国独自の軍事技術の開発に成功して、その技術を海外に輸出して
    韓国の安全保障に大きく寄与している。
    韓国の既存の政治勢力はどこまで行ってもお釣りにしか過ぎない。

    北では金一族が北の資金を独占しているが、北がロシアと交流するならば
    北に新しい資金の流れが生まれるだろう。
    それにプーチンが気遣いないはずはない。
    北の軍事技術に北独自の技術はない、核ミサイルがその典型だ。
    金正恩の話はどこまで行っても新しい軍事技術の話ではないが、それは長く米ロと
    中国・NATOに独占されてきたそしてそこに韓国が新しく登場してきた。
    2024年02月22日 11:01