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1.盛山文科相不信任決議案否決
2月20日、衆議院本会議で、立憲民主党が提出した盛山正仁文科相の不信任決議案の採決が行われ、自民党と公明党、日本維新の会などの反対多数で否決されました。
盛山文科相は、2021年の衆院選で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の友好団体から選挙支援を受けたほか、会合に呼ばれ政策協定の文書にサインまでしたとされているのですけれども、2022年に行われた自民党の内部調査で、この年に行われた集会に参加したことのみを報告。2021年も会合に出席していたことや、選挙支援や政策協定については報告していなかったことが明らかになっています。
盛山文科相は写真などの明確な証拠が出てくると、「サインしたかもしれない」と言ったり、「記憶がまったくない」と言ったり、答弁を変節させてきました。
当然ながらネットでは《盛山正仁 自民党による「アンケート」調査には嘘。バレたら全く記憶にございません》、《朝日新聞にすっぱ抜かれるまで自分は知らぬ存ぜぬとしてきた訳で、正直に接点があるとしてた人よりも罪は重いんじゃないの。隠蔽してきたってことだよね》などと、批判の声が上がっています。
岸田総理は2022年8月の内閣改造で、旧統一教会との接点を認めた7閣僚を交代させていますし、内閣改造後に、教団との密接な関係が明らかになった山際大志郎経済再生担当大臣は辞職へと追い込まれました。
20日の本会議では不信任案の賛成理由を述べた立憲民主党の菊田真紀子議員が「岸田政権はダブルスタンダードではないか?」と指摘。同じく立憲民主党の堤かなめ議員も「『関係ない』と嘘の解答をして文部科学大臣の職を得た。もし嘘をつかなかったら大臣になれなかった。嘘をついて大臣になったということ」と厳しく批判しています。
それでも、不信任決議を否決した以上、更迭する意思はないということになります。
2.岸田内閣不支持率82%
2月17、18日の両日、毎日新聞は、全国世論調査を実施しました。岸田内閣の支持率は、1月27、28日実施の前回調査(21%)より7ポイント減の14%で2ヶ月ぶりに下落し、岸田政権発足以来最低を更新。不支持率は前回調査(72%)より10ポイント増の82%となりました。
支持率は、マイナンバーカードを巡るトラブルが相次いだことなどが影響して昨年6月以降、下落傾向に転じ、9月に内閣改造を実施するなどしたが、政権浮揚にはつながりませんでした。11月以降、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が深刻化。今年1月は20%台を回復したものの、再び下落しました。というか底抜けした感すらあります。
とりわけ、不支持率が一気に10ポイント上がって8割を超えたというのは深刻です。支持する、分からないを入れても18%しか残っていない。
自民党支持率も前月比7ポイント減の16%ですから、国民は、はっきりと岸田政権および自民党にノーを突き付けていることが露わになったと思います。
自民の茂木敏充幹事長は19日の記者会見で、「自民党に向けられている厳しい目、批判を真摯に捉え、反省もし、改革努力を進めていかなければいけない」と語っていますけれども、自民党内からは、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関与した安倍派幹部らに離党など厳しい処分を求める意見が相次いでいますし、安倍派内からも「幹部は離党するしかない。それぐらいしないと止血できない」、「地元でも『政治とカネ』の話題ばかり。幹部を処分しないとどうしようもない」などと5人衆の処分を求める意見も上がっています。
3.俺がキングメーカーだ
こうした中、ポスト岸田をめぐって、党内の長老達が主導権争いを始めたとの見方も出てきました。
1月28日、麻生副総裁は、福岡県内で行われた講演で上川陽子外相について「俺たちから見てても、『ほ~このおばさんやるね』と思いながら、この間ニューヨークで会ったけど、少なくともそんなに美しい方とは言わんけれども、外交官の手を借りなくて、『私がやるからいい』って、どんどん会うべき人たちには自分で予約を取っちゃう。あんなことできた外務大臣は今までいません。新しいスター、新しい人がそこそこ育ちつつあるんだと思いますね」と、持ち上げました。
この発言について、ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「なぜ名前を挙げたかというと結局いま、“政治とカネ”でもめていますけど、水面下ではやっぱり岸田降ろしですよ。“ポスト岸田”というのが続いているんです。去年から支持率が低くて、『岸田さんじゃ選挙もやれない』という流れがずっとありました。だから今そんな騒ぎを起こすと、自民党は何やってるんだって言われる。岸田おろしの話というのは今みんな黙っているけどあるんですね。いずれ9月に総裁選があって、じゃあポスト岸田の話になった時に、麻生さんとしては『俺がキングメーカーだ、後の流れを俺も作るんだぞ』ということで色んな人の名前出したりして発言を始めたのかなと。ポスト岸田にいろんな名前が上がってくる時に、 石破さんとか小泉さんとか"小石川連合"なんて言われましたけど、この後ろには菅さんがいる。麻生さんはそれが嫌なんです。この人たちが総裁に出てきたら嫌だから、じゃあ対抗馬でということで上川さんを推していると見た方がいい。上川さんをかっているというより、他の嫌なやつが出てくるよりは上川さんだ…ということ。そういう裏があると見ていいと思います」と述べています。
麻生副総裁は、ポスト岸田の主導権を握るために発言したというのですね。
これに対し、岸田総理は、2月8日、突如として議員会館の菅事務所を訪れました。
党内では「菅さんに乗り換えたのか?」、「麻生さんへの当てつけだろう」などと憶測が飛び交ったそうですけれども、ある自民党関係者は「岸田さんがキレた。そっちがその気なら、こちらは菅とだって手を組むんだとやり返した……上川さんを本気で担ぐとなれば、総理の座を狙う河野太郎さんや茂木敏充さんまで離れていってしまう。麻生さんとしては、あくまで岸田さんに釘を刺すために上川さんの名前を出しただけでした」と述べています。
4.長老たちの最終戦争
更に窮地に窮地に陥っている長老が元安倍派のドンである森喜朗・元総理です。
ある全国紙政治部記者は「安倍派幹部の離党論が浮上した際には、麻生さんと茂木さんを怒鳴りつけた。普段は車椅子で移動している森さんが、怒りのあまり自分の足で立ち上がり、歩いて麻生事務所に乗り込んだそうです」と語っています。
また、盛山正仁文科相や林芳正官房長官と、相次いで元岸田派幹部と旧統一教会との接点が明らかになっているのは、森・元総理が岸田総理を牽制するために「安倍派幹部から新聞へリークさせた」とも噂されています。
元安倍派中堅議員によると、「森さんが元安倍派で影響力を行使できるのは、萩生田光一さんや世耕弘成さんら『五人衆』まで。それより下の中堅・若手議員とは接点がないんです」とのことのようで、もし、政治倫理審査会の結論次第で、五人衆を離党処分になろうものなら、森・元総理の影響力も霧散することになりかねません。
その一方、急浮上している長老がいます。元岸田派のドン・古賀誠氏です。
古賀氏は岸田総理の派閥解散について「総理は思い切りましたね」とご満悦らしいのですけれども、岸田総理は、派閥解散前に古賀氏に相談していたそうです。麻生副総裁にも茂木幹事長にも相談しなかったのに、古賀氏には相談していた。岸田総理が麻生副総裁、茂木幹事長に三行半を突き付けていたことになります。
元自民党幹部によると、「古賀さんは、地元・福岡で長年しのぎを削った麻生さんが孤立しているのが気持ちいいんです。それまで麻生さんに媚びへつらっていた岸田さんが、一転して麻生外しを決めたことを喜んでいる」と述べていますけれども、更に、その古賀氏と菅前総理が裏で手を握っているのではないかと噂されています。
元岸田派中堅議員によると「菅さんと古賀さんは、麻生さんを孤立させたいという点で考えが一致している。そもそも派閥解散は、刷新本部で菅さんが言い出したことから始まっている。古賀さんもその考えに賛成だから、岸田さんの解散宣言を了承した」とのことだそうです。
これが本当であれば、「岸田の乱」がまだまだ続いているということかもしれません。
5.日本のチカラ研究会
「岸田の乱」が岸田総理に優勢に進んでいるとはいえ、所詮は自民党の中の話であり、国民は蚊帳の外です。
やはり、総選挙、少なくともフルスペックの総裁選を行って民意を聞かなければ、底が抜けた支持率の回復は難しいのではないかと思います。
2月21日、高市早苗経済安全保障担当相を中心とする自民党内の勉強会「『日本のチカラ』研究会」が、発足から3回目となる会合を国会内で開きました。
参加者は高市氏を含めて19人で、昨年12月の前回会合の10人からほぼ倍増しました。党総裁選への立候補に必要な推薦人数の20人まであと一人に迫り、着々と足場を固めています。
この日の会合では、安倍晋三元総理の経済政策「アベノミクス」に携わった本田悦朗元内閣官房参与が経済や金融をテーマに講演しました。
この日の会合には積極財政派でつくる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」に所属する議員も多く参加したそうで、勉強会の会員に名を連ねる中堅議員は「岸田文雄政権の中枢には財務省出身者が多く、その意向が強くなる。今後、物価もジリジリ上がってくるだろうし、そうした動きが続いて世の中が暗くなったら嫌だ」と意気込んでいます。
以前は所属派閥に気兼ねし、この勉強会への出席を躊躇う議員もいたとみられていたのですけれども、派閥解散で参加しやすくなったのではないかとみる向きもあります。
次回会合は3月6日に行われる予定だそうですけれども、積極財政派が高市氏を推したてて糾合するのかどうか。要注目ですね。
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