白旗の勇気と平和の大統領

今日はこの話題です。
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1.白旗の勇気を持つべきだ


先月、ローマ法王フランシスコはスイスの放送局RSIとのインタビュー収録で、ウクライナはロシア軍を撃退できていないのだから諦めるべきだという人々と、そうすれば強い側の行動を正当化することになるという人々の間の議論についての見解を求められたところ、「それはひとつの解釈であり、事実だ……しかし、最も強いのは、状況を見つめ、人々のことを考え、白旗を揚げる勇気を持ち、交渉する人だと思います」と語りました。

フランシスコ法王は交渉について「恥を感じるかもしれない。そのうちに交渉し、仲介者になってくれる国を見つけるべきだ」と述べ、仲介を申し出てきた国の中からトルコを挙げました。

法王は「事態が悪化する前に、交渉することを恥じてはならない……交渉するという言葉は勇気のある言葉です。自分たちが敗北し、物事がうまくいっていないとわかったら、交渉する勇気を持たなければならない」と続けています。

この「白旗」という言葉をローマ法王が使ったということで、マスコミ等が少々センセーショナルに報じていますけれども、この情報は、インタビューの事前原稿と部分的なビデオによるもののようで、正式な公開は今月20日の文化番組の中で放送される予定とのことです。

問題の「白旗」発言については、インタビュアーが和解について、「白旗」を振るという表現を使ったそうで、まぁ、「白旗」上の句として、法王が下の句で「白旗」と受けたとも見えなくもありません。あまり切り取りで騒いでも意味ないかもしれません。

ポイントは状況を見極めて、交渉すべきだ、ということであり、白旗を掲げて降伏しろ、ということではないのではないかと思います。

実際、バチカンのマッテオ・ブルーニ報道官は声明の中で、「交渉の勇気によって至る停戦について言及するため、インタビュアーが口にした白旗のイメージを使った」と述べ、教皇が「交渉は決して降伏ではない」と明言してきたとも付け加えています。

法王は、昨年、イタリアのマッテオ・ズッピ枢機卿を平和特使としてキエフ、モスクワ、ワシントンに派遣し、これらの国の指導者たちに聞き取りを行ったそうですから、今回の交渉すべき発言についても、何らかの裏打ちがあるのかもしれません。


2.私たちの旗は黄色と青だ


当然ながら、このフランシスコ法王発言は、ウクライナ内外で激しく批判されています。

3月10日、ウクライナのゼレンスキー大統領は夜の定例ビデオ演説で、「ロシアの人殺しや拷問部屋がそれ以上、欧州へ進撃することができないのは、青と黄の旗の下で武器を手にしたウクライナ人が、ロシアの進軍を抑え込んでいるからだ……彼らは最前線にあって、命と人間性を守り、祈りと会話、行動でサポートしている……これこそが教会だ。人々と共にある。2500キロメートル離れたどこかにいて、生きたい人とこちらを破滅させようとする者たちの仲介を仮想世界でやろうとするのとは違う」と、戦争の最前線にいるウクライナ人の司祭らの働きをたたえる一方で、暗に法王を批判しました。

また、同じく10日、ドミトロ・クレバ外相も「私たちの旗は黄色と青だ。私たちはこの旗とともに生き、死に、勝利する。これ以外のいかなる旗も掲げない」とソーシャルメディアに投稿。ウクライナの駐ヴァチカン大使は法王のコメントを、第2次世界大戦中にヒトラーとの会談を提唱した声になぞらえました。

そして、多くのウクライナ国民もソーシャルメディアで、教皇発言を強く批判しています。その中には、ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会のトップも含まれるそうです。

その一方、ポーランドのラデク・シコルスキ外相は、法王はバランスを取るため、ロシアのプーチン大統領に対しても、ウクライナから軍を撤退させる勇気をもつよう促すのかと問いかけています。

ただ、先般話題になった、タッカー・カールソン氏のプーチンインタビューで、プーチン大統領は、侵攻後まもなく停戦交渉を行い、合意寸前までいっていたのが、西側に裏切られたと語っています。

ローマ法王は、彼ら当事者が「交渉していた」のが、事実なのか。事実であれば、なぜ破棄されたのかについても言及してもよいように思います。

ちなみにプーチン大統領にインタビューしたタッカー;カールソン氏はプーチンインタビュー後に、イギリスのジョンソン元首相にインタビューを依頼したところ、最初は断られ、その後、ジョンソン氏の顧問の一人が連絡してきて、「彼はあなたと話すつもりだが、100万ドルの費用がかかるだろう。彼は100万ドルを要求している」と言ったと明かしています。要は体よく断ったということでしょう。

法王にはジョンソン元首相に対して「ただでインタビューに応じる勇気を持つべきだ」と言ってほしいと思うくらいです。


3.トランプは平和の大統領


では、どちらかが全滅するまでこの戦いが続くのか。もし、停戦があるとすると、アメリカの方針が変わる可能性があろうかと思います。トランプ氏の大統領再選です。

3月8日、トランプ前大統領は、フロリダ州マー・アー・ラゴにある自身の邸宅で、ハンガリーのオルバン首相と会談。トランプ氏が再選された場合に向け、ウクライナ情勢や二国間関係について話し合ったと報じられています。

会談の模様について、ハンガリーの穏健保守日刊紙「マジャル・ネムゼット」は11日、ヴィクトル・オルバン氏「ドナルド・トランプは平和の大統領だ」というインタビュー記事で明かしています。

件の記事の概要は次の通りです。
・現在、ハンガリーの国益に最も貢献できる共和国の大統領は、安定しており、予測可能で、知名度が高く、その冷静さを私たち全員に伝えることができる大統領であると、ヴィクトール・オルバン氏はM1との独占インタビューで述べた。

・首相は、タマーシュ・スーリョク氏の準備、専門知識、権威は疑う余地がないと付け加えた。首相はまた、訪米についても語った。ドナルド・トランプは戦争を終わらせる方法について「かなり詳細な計画」を持っており、その計画はハンガリーの利益と一致すると述べた。

【中略】

今回の訪米についてオルバン首相は、第一にドナルド・トランプ氏に招待されたから、第二に「やるべきことがあったから」訪米したと語った。

・「同盟国とはいえ、政界におけるアメリカとハンガリーの関係は現在非常に悪い。だから私はハンガリーとアメリカの政治的友好関係を回復するためにアメリカに行ったのだ」 と首相は強調し、現政権では不可能だと付け加えた。

・それには理由がある。今のワシントンは戦争推進政権だからだ。民主党が大統領を誕生させ、彼らは戦争にコミットしている。そして、我々は平和推進政権であり、粉砕機で粉砕しているわけではない、とオルバン氏は述べ、今の政権はワシントンにあると付け加えた。

・オルバン氏は、ドナルド・トランプ氏の場合、「トリックの袋の問題はない」と述べた。

・「彼は最初の4年間で戦争を終結させた。任期中に戦争を起こさなかった久しぶりの大統領だ。だから私たちは、彼が平和主義者であることを知っている。ロシアとウクライナの戦争に平和をもたらすことが彼の目的であることは明らかだ。私たちが望むのは平和であり、一刻も早い停戦である。徐々に終わりに近づいているこの戦争をできるだけ早く終わらせたい。そのための決意と強さを持った人物は、ドナルド・トランプ以外に見当たらない」と首相は語った。

・オルバン首相はまた、アメリカ人は一般的にヨーロッパの文化や歴史の詳細には詳しくないが、ハンガリーがウクライナの隣国であること、隣国で戦争が起きれば大変なことになることは理解している、と述べた。

・「だから彼らは、たとえ自国の国益のためであったとしても、我々が平和に関心を持たなければならないことを知っている」と彼は強調した。

【中略】

・「私はジョージ・ブッシュ・シニア以来、すべてのアメリカ大統領に直接会ってきた。私は彼ら全員を知っているし、彼らのすべての政策と関わりを持ってきた。ブッシュから現在の民主党政権までね。どこでなくとも、NATO首脳会議では定期的に会っている。というのも、アメリカの共和党は、アメリカとハンガリーの関係が非常に難しい時期を迎えていることを理解している。

・彼らはハンガリーが戦争に巻き込まれることを期待しているが、「我々は戦争に巻き込まれたくない」と首相は強調した。オルバン首相は、移民問題やLGBTQの権利などについても同様の意見の相違があると付け加えた。

・ヴィクトール・オルバンの評価では、アメリカの現政権は現政権と合意することはできないという結論に達している。

・「したがって、唯一の解決策はわれわれと交代することだ」 オルバン氏はこう付け加えた。

・「だからこそ、現米政権は政権交代を実現するために、左翼野党、左翼ジャーナリスト、左翼メディア、左翼NGOに公然と資金を提供し、彼らを強化しているのだ。これはもちろん、関係を台無しにする」

・首相は「私たちは同盟国であり、奴隷ではない」と強調し、共和党員も今はそれが正しくないこと、経済的な代償があることを感じていると述べた。

・「だから、私たちがトランプ大統領と話し合ったもうひとつの非常に重要な話題は、アメリカとハンガリーの経済協力に新たな大きな弾みをつけるにはどうしたらいいかということだった」と首相は強調した。

・ドナルド・トランプ大統領がNATO加盟国を批判し、金を払わないものは保護を受ける資格がないと述べたことについての質問に対し、オルバン首相は、これは批判ではないと述べた。

・「それは、批判以上のものだ。彼は非常に明確なビジョンを持っている。まず、ウクライナとロシアの戦争には1ペニーも出さない。なぜなら、ウクライナが自分の足で立つことができないのは明らかだからだ。もしアメリカが、ヨーロッパ諸国とともに、資金と武器を提供しなければ、戦争は終わる。そして、もしアメリカ人が資金を提供しなければ、ヨーロッパ人だけでこの戦争を賄うことはできない。そして戦争は終わる」

・オルバンは、アメリカがヨーロッパの安全保障に資金を提供したくないことが問題なのだと付け加えた。

・「欧州の人々がロシアを恐れているのなら、あるいは一般的に高いレベルの安全保障を望んでいるのなら、彼らにその費用を負担させればいい。自分たちで軍隊や装備を作るか、アメリカ人を使うか、その場合はアメリカ人に安全保障の対価を支払うべきだ と首相は語った」

・オルバンはまた、フロリダへの招待は家族への招待でもあると述べた。ドナルド・トランプの妻はスロベニア人であるため、平均的なアメリカ人よりもこの地域の知識が豊富であり、ハンガリーの立場も有利であると述べた。

・オルバンは、私たちが見ているものと現実に違いはなく、大統領はありのままに生きており、彼の家族も現実と同じだと述べた。ドナルド・トランプは「大統領になる以前から伝説的な人物」である。

・アメリカの選挙戦については、誰も出馬させないという計画は、「アメリカの民主主義にふさわしくない」独裁の道具箱のようなものだと切り捨てた。彼の経験では、「そのために苦しんでこそ勝つことができる」のであり、ドナルド・トランプは「犬のように苦しんでいる」。

・しかし、オルバン氏は、刑務所に入れられ、裁判にかけられ、資産を取り上げられ、出馬から排除され、それでもなお戦い、走り続ける人は、ハンガリーの民話の英雄のように、最後には勝利すると確信している。

・首相は、ドナルド・トランプの当選は経済にとっても大きな意味を持つと強調した。現在、米国からハンガリーへの投資額は90億ユーロにのぼり、両国間の貿易額もほぼ同じである。我々はそこから30億ユーロを得ることになる。しかし、アメリカの現政権が二重課税法を廃止し、新たな二重課税法を採択していないことが、関係強化の重大な障害となっている。

・オルバン氏は、90億ユーロの売上高を倍増させることは現実的な目標だと述べた。友好的で同盟関係にある米国が、ハンガリーを優先的な経済・投資先とみなすことは、ハンガリー経済にとって大きな意味を持つ。

・もしジョー・バイデンが勝てば、「それは最悪だ」とオルバン氏は付け加えた。

【以下略】
このように、オルバン首相は、ウクライナ戦争を終わらせるのはトランプ氏しかいないとし、トランプ氏はそのための詳細な計画まで持っていると明かしているのですね。

まぁ、どこまで、その計画が有効なものか分かりませんけれども、バイデン政権が継続するよりは良くなるのではないかと思いますね。



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