台湾地震と国民の意識

今日はこの話題です。
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1.台湾東部沖地震


4月3日午前7時58分(日本時間午前8時58分)、台湾東部沖でマグニチュード7.4の地震が発生しました。台湾で起きた地震としては、過去25年で最大級とのことです。

今回の地震では、台湾全土で830の建物が損壊するなど大きな被害が出ていて、自宅が壊れ住む場所をなくした人たちも多く出ています。

このうち、震源地に近い東部・花蓮市中心部のおよそ150世帯が入居するマンションでは、壁に亀裂が入るなど、安全に住める状況にないとして、きのうも、自宅から家財道具を運び出す住民らの様子が見られました。42歳の男性は「今はホテルで暮らしている。できる限り楽観的に考え、家族や周囲を励ましている」と話していたほか、12階に暮らす女性は「このマンションに住み続けることができるかどうかわからず、今後の見通しはたっていない」などと話し、今後の生活に不安を募らせています。

また、土砂崩れや落石が起きて600人あまりが足止めされ、花蓮県にある台湾有数の景勝地、太魯閣渓谷の周辺でも観光客など300人以上が、道路が寸断された影響で一時足止めされ、7日にようやく解消されたようです。

台湾の中央気象署によると、今月3日の地震のあと、日本時間の6日午後4時すぎの時点で、体に感じる地震があわせて619回観測されたということです。このうち、マグニチュード6以上7未満の地震が2回、マグニチュード5以上6未満の地震が22回、マグニチュード4以上5未満の地震が196回などとなっているそうで、まだまだ予断を許しません。




2.充実する台湾避難所


日本でもこの地震について報じられ、ネットでは、花蓮市などに開設されたとみられる避難所の様子が上がっています。

ネットの映像では、体育館には個室タイプのテントが複数並び、シャワーやトイレも整備されていたほか、マッサージを提供している様子が映し出され、被災住民が少しでも快適に過ごせるような配慮がなされていることが分かります。

5日午後5時過ぎ、市職員の陳恩冕さんが「食事の準備ができました」マイクを使って呼びかけると、避難している人たちが列を作り始めます。この日、市側が準備したのは台湾名物の豚肉ごはん「魯肉飯」に焼きアユ2匹と魚の練り物、野菜炒めを詰めた弁当で手厚いサポートを受けている様子がテレビ放送されました。

そこでは、避難者の一人、林妍蓁さんは「味は悪くない」と笑顔をみせ、「物資の不足を感じることはない」と話しています。

こうした避難所は被災直後わずか3時間後には設置されたそうですけれども、発災直後からなぜ行き届いた対応ができるのか。

そこには過去の経験が活かされていました。

花蓮県は過去にも大きな震災に見舞われたことがあります。

2018年2月、マグニチュード5を越える数十個もの地震が台湾島東沖に群発。2月6日午後11時50分には、ローカルマグニチュードML6.0、モーメントマグニチュードMW6.4の地震が台湾東部を襲い死者17人、負傷者289人と、数棟の高層建物に甚大な被害をもたらしました。

花蓮県に本部を置く仏教系慈善団体「慈済基金会」は、この2018年の震災の際にも避難所で支援をしたのですけれども、当時避難所に身を寄せた人々は、男女とも隔てる物が何もない空間で、就寝時でさえ見られてしまうなどプライバシーが全く守られていない状態だったそうです。

その後、「慈済基金会」はプライバシーに配慮した、間仕切りテントを開発。入り口がファスナーで開閉でき、テント内には折り畳み式のベッドを設置。女性用や特別介護用就寝スペースも設けられ、避難者は家族ごと、または別々に利用するかを選択できるようにしました。

「慈済基金会」はこの間仕切りテントを20年に台湾全土に配備、同基金会の災害支援物資に組み込んだのだそうです。

最初からこうだったのではないのですね。




3.能登半島地震から三か月


翻って日本はというと、今年元旦に発生した能登半島地震から3か月が過ぎた今も復興に向けての課題が山積しています。

4月4日、テレビ金沢は馳・石川県知事に単独インタビューし、その模様を報じています。

インタビューの概要は次の通りです。
市川栞アナウンサー:「この地震から3か月経ちましたけれども、この3カ月の災害対応というのはどんなふうに振り返られますか」
馳知事:「日々課題が山積してくる中で、一つ一つ解決をしていくというそういう姿勢でです」

市川 :「今、知事が考えられる一番の課題ってどんなところですか」
馳知事:「報道の皆さんもご承知のように、なかなか家屋の解体撤去が進んでいません……4月以降により本格的に始まりますので災害がれき、廃棄物を解体する、仮置き場に運ぶ、最終処分に行く、リサイクルもする。このサイクルが回り始めるのが5月、そしてゴールデンウィークの後ですので気持ち的にも前向きになっていくということになると、そういうふうに思って準備しています……ようやく道路を直して奥に入ったら、思った以上に水道管がズタズタ、あるいは浄化槽がタンクがズタズタと思っていた以上に、想定した以上にインフラが損傷していたと。このことが遅れの原因です。何月までにこれがこうなるという見える化をしてお示しをすることが私どもの責任だと思っています。」

市川 :「なかなか復旧のスピードが遅いという声も聞かれるんですけれども、そのスピード感は今どんなふうに感じていますか」
馳知事:「被災者にとってはとにかく遅いというのが私の実感です。復旧が進まない理由の1つが、ボランティアの不足。3月末までに被災地に派遣された災害ボランティアはのべ4万6000人あまり。同じ期間では東日本大震災でおよそ44万人、熊本地震ではおよそ10万人と、それに比べて少ないのが現状です」

市川 :「当初から県としては個人のボランティアは今は来ないでほしいという話がありましたけれども、今の状況ってどうなっていますか」
馳知事:「東日本大震災、3月に起きました熊本地震は4月に起きました。見ておりますと、ゴールデンウイークがボランティアの来ていただくピークでした。安全性のある状況でボランティアをしていただきたいと思っています。その段取りをし、ようやくこのボランティア、ゴールデンウィークの頃には多くのボランティアの方を受け入れられるような状況になってきましたので……県では多くの人出が見込まれる今年のゴールデンウイークにはボランティアの受け入れをさらに強化し、復旧作業のスピードを加速させたいとしています……やっぱり危機管理。その上で、安心して生活できる基盤整備、インフラ整備、それはやっぱりしっかりとやっていくのが知事の務めだと思っています。その上でですね、やっぱり能登に関して言えば、能登の魅力である日本遺産、キリコ祭りを初め、こうしてやっぱりみんなで集まって祭りができたらいいね、この一つの目標を持つだけでも違ってくると思いますし、一生懸命頑張ろうと思ってもらえるように、そういう後押しをするのが大切な役割だと思っています」
馳知事はボランティアが足りないと述べていますけれども、これは裏返せば、台湾のような支援体制ができていない、あるいは足りてないことを意味しています。

けれども、馳知事がいうように、東日本大震災でおよそ44万人、熊本地震ではおよそ10万人のボランティアが集まったのです。なぜ能登震災ではのべ4万6000人あまりに留まっているのか。その原因はしっかり突き止め対策する必要があるのではないかと思います。




4.台湾の政治家は国民の為に働く


1月の能登半島沖地震での、避難所では、段ボールでわずかに間仕切りされただけの場所で雑魚寝する被災者や、プライバシーが保たれないことを不安視して自宅のビニールハウスで焚火をしながら暮らす高齢者の姿もみられましたけれども、台湾の避難所の充実ぶりに、X(旧ツイッター)には、《プライバシーが守られている》、《いざという時に備えているのがわかる》など感嘆や驚きの声が相次いで投稿されました。

その一方で《難民キャンプに等しい日本の避難所と全く違う。どうして台湾があっという間にできたのか。真剣に考えた方が良いと心底思う》、《雑魚寝ジャパン。裏金政治の結果が今の日本の姿》、《「自助、公助」を強調する自民党政治がこれ。国民から税金を収奪し、自分たちは贅沢三昧》と、能登半島地震の避難所と比較して、「日本の避難所の方が圧倒的に劣悪」という意見も書き込まれています。

一人当たりのGDPは、2022年の統計で日本が33,854ドル、台湾が32,687ドルと殆ど変わりません。であるにも関わらず、ここまで対応に差がでている。国土面積で約10倍。人口で約5倍違うとはいえ、一人当たりGDPは変わらないのですから、日本も台湾と同程度にできてもおかしくないと思います。

それがそうなってないとするならば、何もしてこなかったか、どこかで大きく無駄遣いしていることになります。

台湾の避難所について、ネットの書き込みで「台湾で震災翌日にこのレベルの避難所ができるのは『台湾の政治家は国民の為に働くから』。現地の人によると、台湾の政治家が国民の為に働く理由は、『投票率が高く、一部の業界や団体組織に便宜を図っているだけでは当選できないから』」というのを見かけましたけれども、あるいはそうなのかもしれません。

なにやら今年になってから、天が日本人に対し「世の中や政治をちゃんと見ろ、目を覚ませ」と促しているのではないか。そんな天意を感じてしまいます。

小林製薬の紅麹騒ぎもそうですけれども、他と比較することで、日本の世の中、日本の政治の現状をはっきりと見せられているのではないか。あるいは、日本人の目が覚めるまで、こんなことが次から次へと起こるのではないかとさえ。

4月5日午前10時23分、アメリカ東部ニュージャージー州ホワイトハウス付近で、過去140年に最大となる地震が発生しました。

アメリカ地質調査所によると、りますと、震源の深さは4.7キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.8と推定されているとのことですけれども、ち丁度、国連本部で行われていた安全保障理事会では、パレスチナ自治区ガザ地区の情勢をめぐる演説が中断され、時間を置いて携帯電話から警報が何度も鳴り響いたそうです。アメリカメディアの記者は揺れについて「爆発かと思った」と振り返り、ニューヨーク州のホークル知事はニューヨークの人は地震に慣れていないとしたうえで、今後も地震の被害には十分注意するよう呼び掛けています。

日本時間の明日4月9日午前2時13分から、ホノルルを皮切りに北アメリカ大陸横断皆既日食が起こりますけれども、陰謀論界隈では、何か起こるのでないかと囁かれているようです。

日食に合わせて地震などとそんな「ベタ」なことはないとは思いますけれども、そこに天意があるのであれば、注意深く見守ることで、何か得られるものがあるのかもしれませんね。




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