セキュリティークリアランス法成立と太陽光発電所の内部告発

今日はこの話題です。
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1.セキュリティークリアランス法案成立


5月10日、経済安全保障上、重要な情報へのアクセスを国が信頼性を確認した人に限定する「セキュリティークリアランス」制度の創設に向けた法律が、参議院本会議で可決・成立しました。

セキュリティークリアランス制度は、漏洩すると日本の安全保障に支障を来すおそれがあるものを「重要経済安保情報」に指定し、これらの情報へのアクセスを民間企業の従業員も含め、国が信頼性を確認した人に限定するものです。

制度の創設に向けた法律をめぐっては、衆議院で、自民・公明両党と立憲民主党、日本維新の会、国民民主党が協議した結果「重要経済安保情報」の指定や解除の情報のほか、国が信頼性を確認する際の調査の運用状況を毎年、国会に報告することなどを盛り込んだ修正が行われています。

法律では「重要経済安保情報」の具体的な内容などを運用基準で定めることになっていて、政府は近く、有識者会議を設けて運用基準の策定を進める方針としています。

法律の成立に先立って、高市経済安全保障担当大臣は閣議後の記者会見で「日本の情報保全体制を先進諸国並みに強化し、同盟国や同志国から信頼感を持ってもらうことで、企業のビジネスチャンスの拡大にもつながると期待している。運用基準については、事業者の準備期間が確保されるよう、できるだけ速やかに有識者会議を開催して、国会審議で約束した内容も踏まえながら、適切な内容にしていきたい」と述べました。

法案成立について、林官房長官は閣議後の記者会見で「セキュリティークリアランス制度の整備は、わが国の情報保全の強化につながるほか、日本企業の国際的なビジネスの機会拡大にもつながる」と述べています。




2.欧州市場で競争を歪めている


5月8日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は「公正な競争は良い。望ましくないのは、中国がわれわれの市場に大量の補助金を出したEVを氾濫させることだ。われわれはこれに対処し、われわれの産業を保護する必要がある」と述べ、中国の補助金を受けた電気自動車(EV)がEU市場に氾濫するのを防ぐ措置が必要だと表明しました。

昨年10月、EUは、中国製のEVが国からの補助金で価格を抑え、ヨーロッパ市場での競争をゆがめているとみて、去年10月、調査を始めたと発表していました。現在、EUは、中国製EVに懲罰的関税を科すかどうかを決定するため、反補助金調査を行っています。

4月9日、ヨーロッパ委員会のベステアー上級副委員長は、訪問先のアメリカで講演し、中国による再生可能エネルギー分野などでの過剰生産の問題をめぐって、「経済安全保障の点からも危険だ……中国の風力発電用タービンの供給業者に対して新たに調査を行う」と、スペインやギリシャなどで風力発電に関わる中国企業に対しても調査に乗り出すと明らかにしました。

ヨーロッパ委員会は、EU域内で活動する風力発電関連の中国企業のなかには、国からの補助金で競合他社より優位に立ち、競争をゆがめている可能性があるとしています。

中国側は、EUが中国製のEVに対して調査を始めたと発表した昨年10月、「主観的な臆測に基づいて調査を開始した。強い不満を表明する」と強く反発していましたけれども、EUが域内で風力発電に関わる中国企業に対し調査に乗り出すことについても、中国外務省の毛寧報道官は4月10日の記者会見で「EU側の中国企業に対する差別的な措置を強く懸念している。中国の関連製品の輸出は気候変動対策に重要な貢献をしている……われわれはEU側に対しWTO=世界貿易機関の規則と市場の原則を順守するよう促すとともに、中国企業の合法的な権益を断固として守っていく」と反発。

更に翌11日、中国商務省の何亜東報道官が記者会見で、「強い不満を抱き、断固反対する」と表明し、「中国の風力発電など新エネルギー企業は継続的な技術革新や市場競争により発展を遂げてきた」と主張し、中国企業の権利と利益を擁護すると強調しています。


3.中国が反対することは良いこと


中国の風力発電事業について、EUが調査することについて、嘉悦大学教授の高橋洋一氏は自身の動画で次のように述べています。
・中国由来の機器をオペレートする時、今はパソコンとかそういうので、ソフトで動かすのが普通。そのソフトは中国製。
・例えば、ファーウェイの機器使って中国製アプリでやったら多くの情報がごっそり取られるのは確実。
・おそらく、EUはそういうのも含めて調べるのだろう
・家の中の見守り監視カメラという製品があるが中国製はすごく安く出回っている。
・趣味でやってみたが、中国製のアプリを入れて、情報がみんな中国に行くと分かった。
・家の中のネットワークに繋がないで、別ネットワーク(sandbox)にして監視してみたら、どんどんデータを中国に送っていた。
・これを産業でやられたら酷いことになる
・経済安全保障という観点からみれば、中国製はチェックをたくさん受けるだろうと思われる。
・中国商務省がこんなの調べるなよって言ってるのは、やましいことがあるからじゃないの?
・これ日本もこういうのやった方がいい。簡単なんでEUやりましたからちょっと日本もやりました言えばいいんだ。
・EUが調べるでしょEUが調べ終わった時ぐらいに、日本の経産省の役人がEUに何調べたって聞いて、調べた項目を真似てやればいい
・インフラ関係について中国に握られる、止められるって話もあるんだけど、その過程でいろんな情報を抜かれるってのは結構危険
高橋教授は、中国が反対することは良いことをしている証拠になる法則が成立するかもしれないとした上で、日本もEUに倣って、同じことをやればよいと述べています。

高橋教授のいうように、中華アプリを入れたら最後、何でもかんでも、「砂の一粒」までも吸い取られてしまうのであれば、セキュリティを気にするところなんかは、とても使うことなどできません。




4.太陽光発電施設にサイバー攻撃


実際、太陽光発電施設の遠隔監視機器がサイバー攻撃を受け、一部がネットバンキングの不正送金に悪用されていた事件も発生しています。

悪用されたのはネット経由で発電量の把握や異常を感知する遠隔監視機器で、電子機器メーカーのコンテックが製造、約1万台販売したのですけれども、2022年時点で約800台にサイバー攻撃対策の欠陥がありました。

ハッカーは外部からの操作を可能にするプログラム「バックドア」を仕掛け、ネットバンキングに不正接続。金融機関の口座からハッカー側の口座に送金して金銭を窃取したとのことで、機器を操作して発電を止めることも可能だったそうです・

コンテックは「23年12月までに修正ソフトの配布を終え、被害はほぼ収束した」と説明。静岡県警は23年3月に、不正アクセス禁止法違反の疑いで捜査を開始していました。

韓国のセキュリティー企業「S2W」によると、「武器庫」と呼ばれる中国のハッカー集団が2023年2月、通信アプリ「テレグラム」で機器の欠陥情報を交換しており、2023年8月には福島第1原発の処理水放出に反発して日本へのサイバー攻撃を呼びかけ、機器を乗っ取る様子を投稿していました。

S2Wは「この集団が不正送金に関与した可能性がある。発電インフラに影響を与えかねない危険な状態だった」とコメント。「武器庫」のリーダーはテレグラムで取材に応じ、「機器のシステムに侵入しただけで大したことはしていない。不正送金に関わっていない」と主張しています。

不正送金に関わっていようがいまいが、機器のシステムに侵入されること自体が問題です。それがインフラ設備なら猶更です。


5.太陽光発電所の内部告発


4月8日、日本の再生可能エネルギーをめぐって、自民党の青山繁晴参院議員は行政監視委員会で、日本の太陽光発電施設の一部にはファーウェイ製の機器が使われており、インターネットに接続されているとする内部告発があったと明らかにしました。

青山議員は、太陽光発電所で働く複数の電気主任技術者から内部告発があったとし「中国のファーウェイ製のパソコンにソフトをインストールしないと起動できない……ファーウェイ製の多くの機器がインターネットに接続されているため、中共や軍部による遠隔操作が可能な状態にある」と指摘しています。

この指摘について、岩田経済産業副大臣は「現時点では把握していない……太陽光発電所の立入検査を集中的に行っていく」と答弁しました。

中国共産党の軍技術者が創業したファーウェイは、アメリカ政府から国家安全保障上の脅威として指定されています。ファーウェイ社の機器を使用することで党や軍部によるサイバー攻撃のリスクを高めると懸念されているのは既に広く知られています。

日本政府は現在、太陽光発電と風力発電に莫大な資金を投入しており、今後10年間で150兆円ものグリーントランスフォーメーション(GX)投資を官民で実現することを目指しています。

一方、太陽光発電モジュール(パネル)や風力発電タービンの世界シェアは中国が7割から8割を占め、再エネ関連産業は中国依存に繋がる恐れがある状態になっています。

これを考えれば、セキュリティークリアランス法案を設けるのは当然のことですし、EUに倣って、中国のEVや風力、太陽光発電関係企業への調査もどんどんやるべきではないかと思いますね。





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