ロシア軍のカリブ海演習と狂気のウクライナ

今日はこの話題です。
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1.我々も同じように行動する権利を留保する


6月5日、ロシアのプーチン大統領は、サンクトペテルブルクに新築された政府系天然ガス企業ガスプロム(GAZP.MM), opens new tabの本社で、世界の主要通信社のトップらと会談しました。

会談には、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、アメリカ、ウズベキスタン、中国、イラン、英国、トルコ、韓国、イタリア、ドイツ、日本、スペイン、フランスの通信社の代表者が参加したようです。

この会談で、ウクライナを巡り核戦争のリスクがあるかとロイターから問われたプーチン大統領は、「何らかの理由で、西側諸国はロシアが核兵器を使用することはないと信じている……われわれには核ドクトリンがある。ロシアの主権と領土の一体性が脅かされれば、あらゆる手段を行使することが可能と考えている。これを軽々しく、表面的に受け止めるべきではない」と述べました。

プーチン大統領は、西側諸国による最近の行動は国際安全保障をさらに損ない、「非常に深刻な問題」につながる可能性があるとし、「これはロシア連邦に対する戦争への彼らの直接的な関与を示すものであり、我々も同じように行動する権利を留保する」とし、ロシアは西側諸国の標的を攻撃するために他国に長距離兵器を提供する可能性があると述べました。

これは要するに、NATOがロシア本土を攻撃するならば、ロシアもNATO加盟国の領土を直接攻撃すると警告したということであり、第三次世界大戦に突入するリスクを警告したということです。


2.ロシアはカリブ海で海軍・航空演習を行う


同じく6月5日夜、アメリカのCBSニュースは、ロシアが今後数週間以内にカリブ海で航空・海軍の演習を開始するとの当局者の予想を報じました。

ロシアの軍艦と長距離爆撃機が参加するこの演習は、以前から計画されていたものですけれども、2019年以来、ロシアがカリブ海で実施する初の同時空海演習です。

アメリカ政府当局者は、ウクライナに対しアメリカが提供した武器でのロシア国内攻撃を許可したことに対する反応ではなく、ウクライナに対するアメリカの支援とNATO同盟国とのアメリカによる演習強化への反応としていますけれども、報じるタイミングからみて、ロシア国内攻撃許可を与えたことに対する牽制とみるのが普通だと思います。

ロシア艦艇はキューバ、場合によってはベネズエラに寄港する予定で、演習は夏中行われ、秋には世界規模の海軍演習になると見られています。

アメリカ政府当局者によると、アメリカはロシアの軍艦と航空機を追跡しており、米軍監視下で行われる今回の演習には、ロシアの艦船と支援艦艇が「少数」参加すると、明らかにしています。

この当局者は、更に、プーチン大統領が自国の海軍が依然として世界的な戦力投射能力を持っていることを示すための取り組みでもあるとコメントしています。

キューバ外務省は、今回の演習には、ロシアの軍艦のほか、原子力潜水艦「カザン」も参加し、来週12日にハバナに到着するとしています。原潜の核ミサイルの有無は不明ですけれども、冒頭に述べたプーチン大統領と各国報道機関との会談で、プーチン大統領が「他国に長距離兵器を提供する可能性がある」と述べたことと考え合わせると、十分に疑念を湧き起こすものになっているのではないかと思います。

そして、アメリカの裏庭ともいえるカリブ海で演習するということは、ロシアとウクライナとの国境にNATOの兵器が並ぶことと、ほぼ同じ意味を持つといえます。

やはり、「アメリカよ、お前達がウクライナでやろうとしていることはこういうことなのだぞ」という実に分かりやすいロシアからの警告にしか見えません。

更に、付け加えるならば、キューバあるいはベネズエラと連携し、彼らに長距離兵器を提供する可能性を匂わせることで、代理戦争もできるのだぞとチラつかせているようにも見えます。


3.モスクワやクレムリンは攻撃しない


翌6日、アメリカのバイデン大統領は、ノルマンディー米軍墓地で行われたABCニュースとの独占インタビューで、ウクライナがロシアでアメリカの兵器を使用することを承認した後、モスクワやクレムリンへの攻撃にアメリカの兵器は使用しないと断言しました。

インタビュアーのミューア氏がバイデン大統領に対し、アメリカ製兵器の使用を承認し、ロシア占領下のハルキフ地域付近に限定して以来、アメリカ製兵器がすでにロシアで使用されているかどうかを尋ねました。バイデン大統領は直接答えず、「ウクライナの特定の標的を攻撃するために国境の反対側で使用される場合、国境付近で使用することが承認されている……ロシア国内200マイルへの攻撃は承認していないし、モスクワやクレムリンへの攻撃も承認していない」とロシアの首都や政府所在地を標的とする使用は承認されていないと答えました。

更に、ミューア氏が、プーチン大統領が昨夜、「ロシア領土への攻撃のためにウクライナに高精度兵器を供給することは、この戦争への直接的な参加である」と発言したことについて大統領に質問すると、バイデン大統領は「それはあなたにとって心配なことなのか?……私は40年以上彼を知っている。40年間、彼は私を心配させてきた。彼はまともな人間ではない……彼は独裁者であり、この攻撃を続けながら自国をまとめようと奮闘している。我々は、モスクワやクレムリンを攻撃するための武器を彼らに与えることについて話しているのではない。ロシアがウクライナに侵入し、ウクライナ人を殺害するために使用する通常兵器による激しい攻撃を彼らは受けている。国境の向こう側を攻撃するためだ」と逸らしています。

けれども、バイデン大統領が、ここで、モスクワやクレムリンを攻撃するのではないと再度明言したということは、ロシアのカリブ海演習という外交メッセージへの返答のようにも聞えます。


4.殺意が普通じゃない


けれども、戦争をやっているのは当事者たる、ウクライナとロシアです。ゲームコントローラーとは違い、全て思い通りに動くとは限りません。

5月下旬、ロシア軍の中国人傭兵とみられる人物の戦地の状況を知らせるツイートがネットに上がり、一部で話題になっています。

それら一連のツイートを並べてみると次の通りです。
凄まじい死傷率だ。前線に着くと8-10時間で皆んな死ぬ。この戦争は勝てない…。死傷率が高過ぎる。

一緒に居た部隊14人は全滅した。ロシア人の増援が来たがすぐ全員死んだ。ど素人だったせいだ。それでも上官はまた突撃しろと命じて来る。

衛生状態が悪く体調がおかしい。全ての地下室に死体がある。敵兵のもある。酷い臭いだ。

敵も味方も1時間ごとに無線周波数を変える。敵の無線を入手してもすぐ変わるし、ロシア人の通信員が死ぬと味方と連絡が出来なくなる。

市街戦はドアから手榴弾を放り込んで突入なんてのを、映画で見るだろ?を想像したが現実は全く違う。敵は全く容赦がない。徹甲弾で壁ごと撃ち抜いて来る。滅茶苦茶だ。殺意が普通じゃない。

とにかく敵ドローンの数がやば過ぎる。偵察機が1、2機飛んだら攻撃が始まる。そうしたら伏せて祈るしかない。夜は建物ごと吹っ飛ばして来るし、昼は小型機が窓から入って来る。

3回攻勢があったが全て失敗した。100m前進しただけだ。敵拠点を占領しようとしてるが、落としてもどうせトラップだらけだ。

敵の情報収集は優秀だ。戦車が援護に来ても直ぐに察知されドローン弾が2、3発飛んできてすぐにオシャカだった。

ポーランド製の迫撃砲が小型だが厄介だ。普通は発射音がして、空気を切る音がして、炸裂する。それがこの砲は着弾まで殆ど音がしない。

インド人、ネパール人、キューバ人が居る(黒人も居るが国籍の言及なし)。皆んなすぐ逃げる。ここじゃ誰も信用出来ない。人民解放軍は皆んな兄弟で助け合ったがここは違う。意思疎通も出来ずすぐに裏切る。キューバ人は仮病で戦わない。

小黒(黒人兵のあだ名、後に負傷)はどこでもついて来るが危ないとさっさと逃げる。軍隊の経験が無く心底怯えてる。

ここじゃ皆んな白いテープを着ける。ロシアの国旗は赤白青だろ?だから白。赤バンドを着けたやつも居たが指揮官が外させた。「ここじゃ白バンドを着けてない奴は誰だろうと全員殺せ!」なんだと(民間人でも、なんでしょう)

俺は爆弾で吹っ飛ばされたがボディーアーマーのお陰で助かった。療養中だ。小黒は腕と脚をやられた。腕のいい外科医が居なけりゃ脚は切除だろう。あとロシア人とネパール人が生還した。ネパール人も4カ所に破片を受けてる。インド人が2人いる部隊が増援で行ったが帰って来ない。
凄まじい状況です。市街戦でも、”呑気に”手榴弾を放り込むのではなく、徹甲弾で、建物の壁ごと破壊するのだそうです。行ったらもう帰ってこれない地獄です。

こんな「殺意が普通じゃない」ウクライナ兵が、いつまでも大人しく、国境を少し超えた程度で満足できているとは思えません。アメリカが供給した兵器は、おそらくロックか何かが掛かっていて、長射程の攻撃ができないようになっているのではないかと思いますけれども、ドローンでもなんでも、いつなんどき、そのロックを解除して、無差別攻撃に走らないとも限りません。

狂気の最前線で、一線を引いた攻撃がいつまで保てるのか。非常に危険な事態となっているのではないかと思いますね。





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